戦姫絶唱シンフォギアIXA【更新停止、1月始めまで】 作:みすちー
それにしても伏線が置いてきぼり…
「……は?」
戦場(IKUSABA)にて、少年の声がーー
ーーー逆光のフリューゲルーーー
ーー二人の歌によってかき消された。
「翼!その子を!」
「わかった!」
二人の内の無い方ーじゃなかった、スレンダーな青い方、風鳴翼が実体化したノイズ相手に刀で無双しながら少年の方へと向かってくる。
同時にノイズ達の一部が少年に向かい、攻撃し始めた。
「まっ、真っ正面ッ!!」
紐上となり特攻して来た一匹のノイズを少年は横に跳んでーー明らかに常人が出せる跳躍力ではないが跳んで回避する。
「待っていて!今助けるから!」
「だ、
「後で話す、こっちに!」
少年の滑舌の悪い声は無茶な体制だったからなものの、翼はきちんと聞き取れたらしい。
翼は少年の手を取り、付近で待機している二課へと走る。
「奏、そっちはどう?」
しばらく走ったところで空いている手をヘッドホンへ当て、自分の相棒、奏へと通信をとる。
『大丈夫大丈夫!翼こそ平気かー?』
ヘッドホンから聞こえて来たのは呑気な相棒の声。
自身の槍、アームドギアを振り回しノイズ達相手に野球でもやっているのだろうと翼は思わず笑顔を浮かべる。
「うわっと…と。」
が、問題なのはこの少年だなと翼は真剣な顔へと戻る。
「(………この子…何かありそうね。)」
今翼自身が手を取り引っ張っているこの少年、どうにも怪しい点がある。
第一に“何故ここにいるのか”。
ここは街から離れた森の深く、開けた場所だ。
しかもこの辺りは最近ノイズが出た為立ち入り禁止区域となっている。
好奇心による行動にしては自殺紛い過ぎる。
「ちょっと、何処に行くのさ!」
「大丈夫、安全な場所だから。」
「むぅ…」
第二に少年の格好、容姿。
藍色の髪は切っていないのか無駄なぐらい長く、とてもぼさぼさだ。
服も白い病院着みたいな簡素な物である。
何処かの病院から抜け出したのか?という感想が翼の思考をまとめ上げる。
「翼さん、話は司令から聞いています!こちらへ!」
と、考えていると自分と
「この人は緒川慎次さん。悪い人じゃないから安心して。」
「?は、はぁ…」
無事に二課が待機している場所へ到着し、安堵の息を吐く少年。
「緒川さん、この子を頼みます。」
「はい、翼さんも気を付けて下さい。」
少年を二課届けると、翼は戦場へと走り戻って行った。
それを笑顔で見送る緒川。
「…………。」
そしてそれを見てポカンとした表情を浮かべる少年。
「おっと、冷たいものどうぞ。」
「ウェ?あ、はぁ…冷たいものどうも……。」
緒方川らスポーツドリンクを貰い、やや微妙な顔でそれを飲む少年だった。