「えー……今からオカルト研究部会議を始めるわ」
しーーーーん
リアスが開会宣言をしたのだが、この微妙な雰囲気の中一人を除いて誰も発言するものがいなかった。
おいおい、気まずいじゃないか。誰か喋れ。
そんなことを思っている俺が何をしているかというと、
「えへへ~、レオスさんっ♪」
夕麻に抱きつかれてます……
ほら、朱乃とか黒歌は何も言わないけど絶対怒ってる……
ところでなぜここに夕麻がいるのか、先日の事件の後のことを簡潔に三行で述べよう。
・夕麻は俺が責任を持って引き取った
・アーシアをリアスの眷属にした
・兵藤から土下座された
うん、我ながら簡潔に纏められた。
まあ他には皆からなんで武装を解くような無茶をしたのか説教されたり、あの装甲は何なのか質問責めにあったりしたが、疲れていたので後日話そうということになったのだ。
ちなみに夕麻と呼んでいるのは彼女からそうお願いされたからだ。上目使いで。
女の上目使いは利くぞ……
「そこ! いつまでもいちゃいちゃしないでちょうだい!」
「ちっ…… はーい、ごめんなさーい」
「今舌打ちしなかったかしら!?
ごほんっ、まあいいわ。 そろそろ本題に入りましょう。
この度の事件で、我がオカルト研究部に『天野夕麻』と『アーシア・アルジェント』の二名が入部することになったわ」
「よ、よろしくお願いしますっ!」
アーシアは元気に挨拶をした。
こうして会うのは初めてになるが、なかなかいい子じゃないか。
しかしそこで、異議を唱える者がいた。
「はいはいはいはい! おかしい! 悪魔の中に堕天使が仲間入りなんておかしいと思うにゃー!」
黒歌が大声で抗議した。
先日あれほど説得したのにまだ納得してないのか……
因みに朱乃は少々悩んだが納得してくれた。
正妻の余裕だとかなんとか言ってた気がする。
「はあ? あなただって猫の妖怪じゃないですかあ?」
「私はいつかレオスが『悪魔の駒』貰ったら悪魔にしてもらうからいいの!」
「だったら私も眷属にしてもらえるよう頼みます。
それに黒歌さんが怒ってるのは、レオスさんに言い寄る女が増えたからでしょう?」
「っう、うるさい! レオスも何で堕天使なんか気にかけるの!? やめたほうがいいって!」
「黒歌、落ち着いてくれ。 俺は種族が違うからって、そう敵対することはないと思っているんだ。現に俺は夕麻と分かり合えた。 だろ?」
「う~っ、レオスはいつかそいつも眷属にする予定なの?」
「ああ、思ってる」
「やたっ♪」
夕麻が隣で小さく喜んでいた。
「……分かった。レオスがそこまで言うなら納得するしかないじゃにゃい。
それにレオスのそういう所好きだし……」
ふぅ、やっと分かってくれたか。
説得するのに苦労したものだ。
「その代わりぎゅってして」
「へ?」
「ぎゅってしてって言ってるの!
さっきから夕麻といちゃいちゃしてばっかり!私もしてほしい!」
「わ、分かったよ」
抱きついてくる黒歌をしっかりと受け止め、左腕だけで抱きしめてやる。
「なでなでもして欲しいにゃー」
「はいはい」
抱きしめていた左手で腰を撫で回し、頭を撫でリラックスしきって出している猫耳も撫でてやった。
「うっ、んっ…! にゃあ……」
「満足したか?」
「んーにゃ!続きは家でもっとしてもらうにゃ」
「良かったですね、黒歌先・輩♪」
「こいつ、絶対性格悪いにゃあ……」
「ごほんっ! あの、皆納得したなら次いってもいいかしら?」
しまった。つい、自分たちの世界に入ってしまっていた。
アーシアは「はわわわわ」とか言って顔を真っ赤にしてる。
「いやー、流石ですねNTR先輩」
「誰がNTR先輩だ、白音ぇ!」
確かに夕麻は兵藤の彼女だったけど!
ちらっと兵藤の方を見る。
「いや、いいんだ……
ドーナシークの野郎の術で夕麻ちゃんが俺を殺したなんて思わされて、まんまとはまってた俺に夕麻ちゃんを愛する資格はないんだ……ぶつぶつ」
兵藤は両手を床について落ち込んでいた。
なんかすまん、兵藤。
「まあ、重要なのは次ね。
レオス、あなたのあれは何?」
『あれ』。あの日目覚めた俺の力だ。
「そうだな。突然女の人の声が聞こえたんだ。
俺に戦えと、言ってきたんだ。そいつは自分のことをセシアと名乗っていたな。
あの装甲、『エクストリーム ガンダム』を神器と見なすならば、恐らくセシアはあのガンダムに封印された魂かなんかじゃないだろうか」
「そうね、そう考えるのが妥当かしら。『エクストリーム ガンダム』なんて聞いたことないわ。
それにしても、あなたに神器が持っていたなんてね。 あなたの人間のお母さんの血のおかげかしら」
「ああ、だろうな。」
本来、悪魔に先天的に神器が宿ることはない。
俺は人間と悪魔のハーフだから、偶然宿ったのだろう。
「ガンダムは、今は分からないところが多過ぎる。どんな能力を持っているのか、どれだけ強いのか、とかな。
まあ、これから使っていくうちに分かるだろう。
それよりも兵藤だよ! まさか神滅具持ちとはな。 リアスも良いひろいものしたな」
「本当、びっくりしたわ。
駒を八個も消費した理由がやっと分かったわ。
凄いわよイッセー」
「はいっ、ありがとうございます!
これから部長の為に頑張りますから!」
俺やリアスに褒められて兵藤はとても喜んでいた。
「ええ、これからビシバシ鍛えていくから頑張ってね?」
「が、頑張ります……」
「はははっ、頑張るんだな赤龍帝さん!」
「うう、からかわないで下さいよ……」
これから先の事を思いやる兵藤をよそに、話し合いは続いた。
「それで? レオス・アロイはレオス・ヴァサーゴになる決心がついたのかしら?」
ヴァサーゴとは俺の実家のことだ。
色々あって家出、実際は家から追い出されたのだが。
「ああ、そのつもりだ。」
今まで俺は戦う力を持っていなかった。
しかし、今はこのガンダムがある。
だからこそヴァサーゴ家に戻り、『王』になることを決めた。
「今日中に父さんに連絡してみるよ。
あーー、でも実家に帰るのは憂鬱だなあ……」
「あなたの所は色々面倒だものね
ま、頑張りなさいな。
よしっ、これで今日の活動は終わり!解散!」
◇◇◇◇◇
時は既に夕暮れ時。西日が落ちようとしていた。
オレンジ色の光に照らされながら、俺たち四人は帰っている。
「夕麻! 一回シメてやるから!」
「いや~黒歌先輩にシメられたら私ヤバいですヨ~」
黒歌が夕麻を追いかけ回しているが、あれは仲の良さの表れだと思いたい……
ふと、朱乃が俺の動かない右手をとってきた。
「ねえ、レオス。 あなたは本当に、『王』になるつもりですの?」
「まあね。 俺は『王』になるよ。
やっと、やっと力を手に入れたんだ。
もう守られるだけの俺じゃない。俺が皆を守ってみせる。」
朱乃は何かを言いたそうにした。
朱乃は優しいから、俺に戦うなと言いたいのだろう。
が、ぐっとこらえたようにして笑っていった。
「そう。 頑張って下さいね!
でも、私だってレオスを守ってみせますから」
「うおわっ、朱乃っ!」
そう言って右腕に思いっきり抱きついてきた。
それを目ざとく黒歌と夕麻は見つけて飛んできた。
「ちょっと! なに二人でいい感じになってんのにゃ!」
「そうですよ! 私たちも混ぜてください!」
黒歌が左腕に、夕麻が背中に飛びついてきた。
三人とも胸があるから、それが当たって……
うごごごごごご……
「ええい、離れろおまえらぁ!」
俺達四人は騒ぎながら帰って行った。
◇◇◇◇◇
プルルルルル、プルルルルル、ガチャ
『もしもし、オデュッセウス・ヴァサーゴだ。』
「父さん、久しぶり。俺だよ。」
『おー! レオス! 久しぶりだね。 僕も久しぶりに話せて嬉しいよ。
それで、用はなん……あーー、いいよいいよ話は分かったから。
先日の事だろう?』
「流石、耳が早いね父さん。
その通りこの前のことなんだけど、俺、神器を手に入れたんだ。」
『ああ、そうらしいね。どんなものかは聞いてないが。』
「それて、『王』になりたいと思うんだ。」
『そうか……
いやいや、嬉しいよ。僕の子供が神器を持っていたなんて!流石ユリアの子だよ!
王の件は上に言っておくから、今度家に帰っておいで。』
「ありがとう。
それで……セリーヌ母さんと兄さんは何か言ってたかな」
『それが……あまり言い顔はしてなかったね。
あと、相変わらず妹ちゃんは顔を合わせてくれないよ。その件も含めて早く帰ってきてくれ。』
「そう、分かった……
じゃあね、父さん」
『ああ、じゃあね』
プツッ、ツーッ、ツーッ……
ちょっと内容薄すぎんよ~
ユリア母さんはレオスの人間のお母さんで、セリーヌ母さんは兄と妹の悪魔のお母さんです。
ヴァサーゴ家の家庭内事情は後々書きます。
ではっ!(適当)