MEGA MAN XーInfinite code Stratos day of Ω&Σ   作:アマゾンズ

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青野家の家系に隠された事実




序章2 青野家の秘密

束が開発を完成させた時刻と同じ頃。一人の青年が自宅の扉を開け、出かけて行った。

 

中学校の登校日であり、卒業も間近に控えている。彼は極々一般的な家庭で育った青年だ。

 

そんな中、彼の母親と父親は二人きりになったと同時に、深刻そうな顔をして話し合いをしていた。

 

「いつまで隠しておくつもり?もう、あの子の運命は動き出しているわ」

 

「わかっている・・さ。だが、まさか息子が・・」

 

両親はどうやら息子について話しているらしく、かなり真剣だ。傍から見れば夫婦喧嘩をしているようにしか見えないだろう。

 

「あなたは、フォルテニウムを発見した博士の遠縁、私はロックマンを開発した博士の親戚・・あの子が受け継ぐ事は有り得ていた」

 

「それが形となったのが、機械の反乱・・・それに、あの子は何度も相談に来ていたものな」

 

相談に来ていたのは息子である青年が、うなされている夢のことであった。彼は三つの夢を見ていたという。

 

一つは優しく青い戦士になって傷つきながらも、戦い続けた夢。二つ目は厳しく、不器用な紅い戦士となって誰かを手にかけ、泣き叫び、更には別の世界で目覚める夢。最後の三つ目は考えが幼い賞金稼ぎとなって、兄貴分と戦う夢である。

 

この内容を聞いた瞬間、両親共に動揺を隠せなかった。よもやと思っていた事が、よりにもよって自分の息子に起こってしまったのだから。

 

「認めてあの子に話しましょう。私達の息子が」

 

「この世界のロックマンだという事をか」

 

 

 

 

半日以上経過した後、彼は帰宅途中、一つのカプセルが目に留まった。人一人が入れそうな大きさで、人参と同じカラーリング、中心にはウサギのマークが付いている。

 

零は入ってみたい好奇心に駆られ、入ってしまい、何処かへ転送されてしまった。

 

「あれ?ここは?」

 

「私の研究室だよ。最も、借りてるような感じだけどね」

 

キィと古びた椅子を動かし、向き直ったのは篠ノ之束。IS開発の第一人者で、開発者でもある。今の彼女は、不思議の国のアリスの服を模した私服の上に白衣を纏っている。

 

「そっかそっか、あのカプセルに気づいたって事だね。あれは特殊な迷彩がしてあって、この機体に選ばれた子しか来れないようにしておいたんだよ」

 

「は?」

 

「君はね、選ばれたんだよ。この機体、ライト&エックスにね。正式名称はまだ考えてないけど」

 

束の話について行けていない零は、混乱していた。いきなりといっていい程、話を進められてしまい、状況が把握出来ていない。

 

自分が選ばれた?ただの一般人である自分が?そんなはずはない、すぐにでも自宅へ帰らないといけないのに。

 

「ま、待ってくれよ!俺は何もわからないし、知らない!何が何だか全然わからないんだ!」

 

「そうだね、いきなり過ぎたよ。分かりやすく言えば君は、扱うことを許されているんだ」

 

「だからって!いきなり!!」

 

その時、研究棚に置いてあったライブメタルが浮かび上がり、零の手の上に収まってしまった。

 

「なんだよ・・・これ」

 

「見ての通り、君はこのライブメタルに選ばれてるんだよ」

 

「ふざけるなよ!こんなものどうしろってんだ!?」

 

ライブメタルを叩きつけようとしたが、それと同時に声が聞こえてきた。優しくも厳しく、暖かな声が。

 

『混乱するのは解るけど、一度落ち着いてくれると嬉しいかな』

 

「!?だ、誰だよ?この石から?」

 

『そうだよ、俺の名前はエックス。他にも居るけど今はまだ目覚めていないから、俺が話をするよ』

 

エックスと名乗ったそれは、話をするという。零は聞かない訳にもいかず、話を聞くことにした。

 

『俺達と君達が居る世界、違う世界を並行世界と呼ぶんだけど、俺はそこで戦っていた。実体を持ったコンピューターウイルスとね』

 

「実体を持ったコンピューターウイルス?」

 

『そう、それはΣウイルス。感染した機械に疑問を生じさせ、自意識と破壊衝動を目覚めさせてしまう、恐ろしいウイルスなんだ』

 

「まさか、それが俺達の世界に!?」

 

『その通りだよ。もうひとつのウイルスが来たらしいけど、残念ながら俺の知識にはない。つまりは』

 

「この世界に来た二つのウイルスを倒せって、事?」

 

『その通り、心苦しいけど君にしか出来ない事だ・・』

 

零は俯いていたが、顔をしかめ大声で叫んだ。まだ、青年ではなく少年としての怒りであった。

 

「ふざけんなよ!俺にそんなことができる訳無いだろ!俺は帰る!!」

 

零は来た道を辿って出て行ってしまった。無理もない、いきなり選ばれて戦えと言われても混乱するだけで、決断はできないだろう。

 

「仕方ない・・か。彼が戻ってくるのを信じようか?エックス。エックス!?」

 

ライブメタルであるエックスの姿が見当たらない。考えられる可能性はひとつ、彼に着いて行ってしまったという事だ。

 

「まったくもー!」

 

束は怒りながらも、エックスの性格を把握していたために、強くは言えないのであった。

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

零は自宅に帰り、部屋へ上がろうとしたが、両親に呼び止められ、居間へと入っていった。珍しく両親が揃っており、真剣な顔つきでこちらを見ている。

 

「叱る訳じゃないから勘違いしないでくれ、零。お前・・今日不思議な出来事がなかったか?」

 

「え?」

 

「どうなの?」

 

「あったよ・・・ロックマンがどうとか」

 

ロックマン、その単語を聞いて両親はやはりという表情になった。二人は何かを知っていると確信を持った上、次の言葉を待った。

 

「零、落ち着いて聞いて頂戴。貴方はロックマンになるべくして生まれたのよ」

 

「はぁ?何言ってんだよ?」

 

「お前のポケットに入っているソレが、何よりの証だ」

 

「え?」

 

ポケットを確認すると会話をしていたライブメタルが、いつの間にか入っていた。恐らくは帰る時、背を向けた時に入ったのだろう。

 

「父さん、母さん・・・俺どうすればいいんだよ」

 

「決めてあげる事は出来るけど、それは貴方の答えじゃないわ。よく考えて自分で答えを出しなさい」

 

「父さん達はお前がロックマンだろうと自慢の息子に変わりはない」

 

部屋に入り、自分がロックマンとして戦う運命なのだと。じゃあ、あの夢はその記憶なのか?そう考えればつじつまが合う。

 

選ばれたのだから戦え、そんなことを言われても決意がつかない。今まで生活してきた中で戦いとは無縁でケンカくらいしか争ったことはない。

 

「もう一度、行ってみようかな・・・」

 

零の頭の中には束と出会おうとする意志が、少しだけ芽生えてきていた。彼女にまた会えれば何かが変わるかもしれないと信じて。




青野くんに自覚はありませんが、彼はロックマンとして持つべき優しさと強さ持っていますが、発揮されるのはまだまだ先です。


次回は鍛錬編。

ロックマンとなるべき必要な訓練を施されます。ファーストアーマーが目覚めようとしますが、予兆です。
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