MEGA MAN XーInfinite code Stratos day of Ω&Σ   作:アマゾンズ

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力を何故、欲したのか?エックスに問われる。

ある欠片を入手していた束。


序章3 強さの意味

翌日、両親から俺の出生を詳しく聞かされた。俺は人工生命でも培養された訳でもなく、一般的な方法で生まれたそうだ。

 

つまりは母がお腹を痛めて産んだ子供だという事に変わりはないと、父さんが言ってくれた。

 

ただ、違っているのは俺の遺伝情報、難しすぎて全部は理解出来なかったが、俺の遺伝子配列の中に希に発生する因子があったそうだ。

 

世界中の人口を分母として考えても、かなりの低確率だそうで、平和を脅かす驚異が現れた時に、発生するのだという。

 

そんなゲームやアニメみたいな話が、と思っていたが、機械の反乱があったばかりなので信じない訳にはいかない。

 

両親に篠ノ之束に出会った事を話して、いつの間にかポケットにあったライブメタルを見せると、納得したように頷いていた。

 

「母さん、父さん。俺・・・今も何が何だか分かってないけどさ。束さんの所にもう一度行ってみるよ」

 

「そうか、無理して戦えとは言わない。もしも大切なものを見つけたら、自分自身が戦わなきゃならんぞ?」

 

「大切なもの・・・」

 

「私達の大切なものが零、貴方よ。貴方自身も見つける事が出来るはず、訓練用のデータを渡すから、その人に見てもらいなさい」

 

「うん、ありがとう・・母さん」

 

両親が科学者だって事に驚きは隠せなかったけど、それでも俺の大切な家族だ。この家族を守りたいのが、俺の素直な気持ちだけど、今はそれを大切にしようと思う。

 

 

 

 

昨日と同じ場所に例のカプセルはあった。再び中に入ると全く変わらない場所に転送される。

 

中へ入ると、胸が大きく、機械のウサ耳を着けた女性がだらしなく寝ている。食事もまともに取っていないようなので、厨房を勝手に借りて料理を始める。

 

この手の人は普通に起こしても意味がない。勝手に厨房を使うのはいけない事なのだが、食事の匂いが一番効果的だと思った。

 

「食材は揃ってるのに・・・」

 

こう見えて、料理は好きだ。母さんから教わったり、自分で作ってみたりと美味しいものを作れた時の嬉しさと楽しさは、面白さにつながるから。

 

生姜を擦って、キャベツやニンジン、ピーマンなどを食べやすい大きさに包丁で切り、あり合わせで作ったソースと共に豚肉を炒める。

 

焼き物特有の匂いが束の鼻腔をくすぐり、意識が覚醒していくがまだ起きる気配はない。零はお構いなしに今度は白米を水で砥ぎ、汚れをある程度まで落とし、水とお米の入ったお釜を炊飯器にセットしてスイッチを入れた。

 

「さて・・・起こし方は」

 

早炊きにしたのですぐにご飯は炊ける。だからこそ、束を起さなければならない。零は束に囁く。

 

「美味しいご飯が待ってますよー」

 

「へアッ!?」

 

美味しいご飯とイケボで聞いた瞬間、束は一瞬で覚醒した。まだ少し、寝ぼけているようだが、零の事は少しだけ思い出せたようだ。

 

「君は・・・昨日の」

 

「はい、勝手な事をしましたがご飯を用意しましたよ」

 

その宣言が完了すると同時に、ご飯が炊けた事を知らせるアラームが鳴り響いた。それと同時に零は再び、厨房に向かうとお味噌汁を作る準備を始めた。

 

かつお節を削り、昆布から直接ダシを取ったお味噌汁。手間はかかるが、その分の美味しさは感動できる程だ。

 

具材のネギと豆腐を切って投入し、味噌を溶かしてゆっくりと鍋の中をかき回していく。

 

食欲を唆る和風の匂いが束の鼻腔を再びくすぐり、腹の中の虫が限界だとアピールするかのように鳴った。

 

「少し待ってて下さいね」

 

先ほど作った野菜炒めをテーブルに置き、炊きたての白米、出来たてのお味噌汁。そして、喉を潤す麦茶を準備する零。

 

「あ・・・あああ・・・」

 

「どうぞ、食べてください」

 

「頂きまーーーーす!!」

 

ものすごい勢い、それしか言葉に出来るものがなかった。どれだけお腹が空いていていたのだろうと思ってしまうくらいだ。

 

二合炊いたお米は空になってしまい、お味噌汁も完食、麦茶まで飲みきってしまった。

 

「けふぅぅ・・・いやー、ありがとうね。美味しかったよ!!」

 

「ああ、いえ・・・」

 

俺は内心、失敗したかなと思っていたが、満足そうに言われては何も言えなかった。

 

一息着いたのか、こちらに向き直ると話しかけてくる。

 

「昨日は勝手に帰っちゃったけど、今日は何のようかな?」

 

雰囲気的には怒っているのだろう。だが、ここで退く訳にはいかないと、母から預かったUSBメモリを渡すことにした。

 

「?メモリ?確認してみるよ」

 

束は確認用の端末を取り出すと、メモリを刺して中のデータを確認し始めた。時折、ふんふん、なるほどね、などといった納得しているような声を出している。

 

全てを見終わった後、束はメモリを引き抜いて壊してしまった。零は何かを言いかけたが、束がそれを止めている。

 

「君のお母さんからのメッセージに、見終わったら破壊して破棄するように動画で入っていたよ。なかなか優秀だね」

 

「・・・それで、母さんは何と?」

 

「君を鍛えて欲しいそうだよ。ただ、私のやり方は敵を徹底的に潰すやり方なんだ」

 

『それでは、破壊を楽しむだけになってしまう。俺も手伝うよ』

 

声が聞こえてくる方へ視線を向けると、ライブメタルのモデルXが話しかけてきていた。

 

彼の意志はロックマンそのものだ。本来なら別人のはずが、なんの因果か、このライブメタルには本人の意思が宿っている。

 

「先ほどのデータにVR訓練用の物があっただろう?それを使って欲しい」

 

「わかったよ。!なるほどね・・・これは確かにいい訓練になりそうだ」

 

そのVR訓練とは、並行世界のエックス自身が戦ってきた八人の特A級ハンターを全員倒せというものであった。

 

今の零の力は新米B級ハンター、一般兵クラス。エックスやゼロは言うに及ばず、特A級ハンターと戦っても勝てる見込みはない。

 

最初のステージであるシティ・アーベルのハイウェイ。ここで訓練をする事になるようだ。

 

「VRステージの準備が出来たよ。ただし、完全に入り込む仕様だからナノマシンを注射しておくね」

 

USBメモリに入っていたのは訓練用のメニューと、零を鍛え上げて欲しいという内容のビデオメッセージであった。

 

『あの子が希望になる。でも、今はその力が目覚めてはいない。戦闘に耐えられるくらいにまで鍛え上げて欲しい』

 

科学者である自分達は理論を打ち出すことは出来ても、戦闘までは上手くいかない。篠ノ之束の噂は耳にしており、彼女ならば戦闘訓練をバージョンアップさせたメニューを作り出せると考えたのだ。

 

その結果が、このVR訓練である。先程注射したナノマシンは肉体衰弱を停止し、排泄物質を分解するためのものだ。

 

ここへ来た時と同じ、カプセルの内部へ入るとハイウェイの一角に立っていた。

 

 

 

 

「ここは・・・?」

 

『これから君をサポートするために、俺を身につけて戦ってもらうよ』

 

「どうやって?」

 

ライブメタルエックスが周りを浮遊しつつ、零の手に収まる。信号のように目の辺りを光らせて会話を続ける。

 

『ロックオン、エックス。と俺を手にしたまま叫ぶんだ』

 

「ロックオン!エックス!!」

 

ライブメタルエックスを手にしたまま叫ぶと、全身が青い光に覆われ、装甲が装着されていく。

 

その姿は自分が夢で見ていた青い英雄の姿と全くの同じであった。

 

「これ・・・俺が夢で見ていた姿と同じ」

 

『今の状態はダッシュは不可能、チャージショットは一段階まで、基本的な能力しかない』

 

「そんな・・・」

 

『今は弱くても、強くなっていけばいい。けど・・忘れないで欲しい・・戦いに慣れていけば慣れていく程、君の心は何も感じなくなって、戦いに疑問を持たなくなるだろう・・だから、戦いは何故起こるのか?自分が戦うのは何のためなのかを、忘れないでくれ』

 

エックス自身、戦いに慣れていく自分が恐ろしくなっていった。戦いになんの疑問も持たない、イレギュラーだから倒さなればならないという使命感が、いつしか行動目的にすり替わっていた。

 

自分は正義のために戦っているのに、平和が来ない。一体、何人もの同胞を殺せば戦いは終わるのかという疑問だけが残っていった。

 

ある未来では自らの肉体を封印の鍵にし、ある未来では冷酷な戦士となり、ある未来では記憶をなくして理想郷を目指した。

 

どれも有り得たかもしれない未来。だが、このエックスは親友と共に懐かしい未来へと至れたエックスであった。

 

「エックス・・・改めてお願いするよ俺を鍛えて欲しい」

 

『君は何のために戦うんだい?』

 

エックスから問われる最も難しい質問。零は、今の自分が答えられる答えをエックスに答えた。

 

「俺は・・・今の俺は守るだなんて大きい事は言えない。今は強くなって、盾になる」

 

『強くなる過程で修羅場を経験する事になるかも知れないよ?』

 

「それでもいい・・・絶対に正しいなんて事は有り得ない。よく母さんが言っていた言葉だ。だから、もしも、道を間違えたら・・エックス、俺を止めて」

 

『分かったよ、今の答えがそれなんだね。行こう』

 

ハイウェイを登っていく零はエックスのアドバイスを聞きながら、武装であるエックスバスターの扱い方。三角蹴りの方法などを身に付けていった。

 

 

 

 

 

「よし、訓練の経過は順調だね」

 

束はカプセルから目を晒すと、ISを開発した際に応用して開発した、拡張領域の入れ物からとある鉱石を取り出した。

 

その鉱石は束特性の封印が施されており、まるでただの石にしか見えない。だが、不思議な力が宿っているかのような輝きを持っていた為、とあるIS研究所から気になって回収していたのだ。

 

「この不思議な石・・・一体何だろう?ものすごい力になるような気がする」

 

その鉱石はライブメタルに近いようではあるが、詳細は分からない。スキャンしてもデータ不能とばかり表示されるため、解析もできない。

 

「ん?」

 

不思議な石から何かが光ったように見えたが、束が気にする事はなかった。その光の内容はこうである。

 

[我は・・・メシア・・・なり]




この作品のエックス達の意志は岩本版が基準です。ですのでどこか非常に人間臭いです。

姿のイメージも岩本版だと考えてください。

次回はライドアーマーに初めて乗ったレプリロイドが出てきます。助けに来るあの戦士。

マーティも登場予定です。
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