MEGA MAN XーInfinite code Stratos day of Ω&Σ 作:アマゾンズ
ゼロのライブメタルが発見される。
ある外伝アーマーを一時的に装着。
入学試験から二ヶ月後、零はIS学園の教室にいた。合格通知は正式な物が送られ、入学まで蓄えられるだけの知識を蓄える事にしたのだが、日数が足りずに入学式を迎えてしまった。
「最先が不安だなぁ・・・」
零の制服は男物だが、若干改造して動きやすくしている。すぐにでもロックオンできる状態にする為にライブメタル用のポケットも増やしてある。
エックスとの会話は脳の電気信号を介して、無言でも会話出来るように束によって処置されている。エックスの方はメンテナンスや基本能力を若干の開放出来る程度の改造しか、束でも出来ないそうだ。
改造は改造でも、本来は左手のみのバスターを右手でも変形出来るように出来るようにしたり、ビームセイバーを扱えるように出来るようにするだけだ。
これだけでも、科学者としては相当なレベルだが、エックス達が居る世界のオペレーターの一人、エイリアの解析レベルにまでは至っていない。
束は零が見せてくれたアーマーのデータから再現、開発しようとしたのだが、ブラックボックスが多すぎる事と、四つのパーツの能力のうち一つしか、再現できなかった。
故にライト博士やワイリー博士の技術力と科学力、頭脳の偉大さに感服せざるを得なかった。
◇
入学式が始まっている時刻、束は自分の住処として改修した研究所で、ISに意志を持たせられないかという早急に移っていた。
ISの身体と心臓の開発は可能だが、心を持たせる事が自分には出来ない。ライト博士は素直で純粋な心を、ワイリー博士は口が悪くとも不器用な優しさを持つ心を、自分の開発したロボットに持たせていた。
だが、どうやっても自分の力では心を持たせる事が出来ない。エックスのデータも参考、流用しているのに意志を見せてくれない。
「どうして!?どうしてなのかな・・心を持たせてあげる事が出来ない!」
『本当に持たせようとしているのか?』
「!?」
束が振り返るとそこにはエックスと似ているが、形状の違うライブメタルが形となって現れてきたのだ。
「お前・・・誰だよ!?」
『俺の名はゼロ。エックスがこの世界に来ていると聞いてな?この鉱石に俺の意志を宿らせたんだ』
「ゼロ?エックスが言ってた・・・親友であり最強の戦士だっていう?」
『やれやれ、エックスの奴、余計な事を喋ってたみたいだな』
束の疑問はゼロの出現により霧散してしまったが、それ以上にライブメタル状態のゼロに二つほど、頼み事があった。
「ねえ、ゼロ。お願いがあるんだけど?」
『なんだ?』
「心の持たせ方を教えて欲しいのと、君の戦闘データが欲しいんだ」
『前者は教えられるか分からんが、後者は理由を知りたい』
束は正直に戦闘データが欲しい理由をゼロに伝えた。この世界はシグマウイルスとオメガウイルスの両方が、ゼロ達の居る世界からこちらに侵略してきており、今現在は停戦状態と同じで、いつ侵略を開始するかわからない状態だというのを伝えた。
更には、この世界において、エックスに選ばれた男の子の手助けもして欲しいと。
『エックスが選んだ奴か・・良いだろう。戦闘データを渡したらそいつの元に転送してくれ』
「了解したよ」
束は戦闘データ(XからX4までのデータ)を受け取ると解析を始めた。エックスと互角のパワーを持つバスター、並みのレプリロイドでは、両手でないと扱えない高出力のビームセイバー、バスターと同じ回路を併用する最強の必殺技、アースクラッシュ。どれだけの力を持っているのかと驚く事ばかりで解析を進めていった。
零と合流した際、彼のISのデータを更新させるのと同時に、ゼロモードを解放するパスをゼロが宿るライブメタルに仕込んで転送を開始した。
「それじゃ、よろしくね」
『ああ』
「ゼロとエックス・・・この二人、戦う事になるのかも・・」
束は解析していく中で、ゼロの本来の用途を見てしまった。それを目覚めさせる方法も。だが、それを振り払い、ライブメタルMの寄り代となる鉱石を探しに出かけていった。
◇
場所は戻ってIS学園。自己紹介を終え、クラス代表・・つまりはクラス委員を決める事を千冬から促され、クラスメート達は物珍しさで一夏を指名し、指名された一夏は断る事が出来ないと千冬から言われ、零を推薦し、それを良しとしないイギリスの代表候補生、セシリア・オルコットが抗議を挙げた辺りである。
「このセシリア・オルコットに一年の間、屈辱を受けろとおっしゃるんですの!?そもそも、代表候補生でもない男が代表になるなど!訓練を受けていない極東の猿ごときが・・!」
ガァン!と思いっきり机を殴って大きな音を立てて、セシリアの言葉を遮ったのは零であった。セシリアの言葉は女尊男卑からくるものであったが、零はその事に怒ったのではない、自分の国を侮辱された事に腹を立て、言葉を遮ったのだ。
彼自身、愛国主義ではない。自分を育ててくれた両親、訓練を施してくれた束、出会ったばかりで縁としては短いが、教員である千冬や真耶も日本人である。
彼は自分に対して、見返りを求めずに手を差し伸べてくれたり、利益にはならなくとも付き添ってくれたりと、良くしてくれた人間に対しては恩義を返す性格であり、それを侮辱される事は、どうしても許せない事であった。
行動はやってしまったと反省し、セシリアに対して意見を述べるために視線を向けた。
「さっきから聞いていれば・・自分が優れた人間だって言いたいのは解るけど、国そのものを侮辱するなんて許せる事ではないよ」
「なんですって!?」
「少しは冷静になって考えてみてよ。君は周りに言ってたじゃないか、自分はイギリスの代表候補生だって、それはつまり、今、此処に居る君の言葉はイギリスという国そのものが、日本という国そのものを侮辱しているに等しいんだよ?」
「なっ・・・!」
零の言葉は正論だ。セシリアが自らをイギリスの代表候補生であると明言し、その上での日本国を馬鹿にする発言を先程までしていた。それはイギリスという国そのものが日本国に対して侮辱しているという言い方に捉えかねられない。
「少し調べたけど、IS学園は外国からの留学生も多い、だけど教師や学園長、生徒に至るまで殆どが日本人。今の君は一人で日本という国そのものに、争いの火種を投げ入れているんだ。付け加えておくけど、ISの開発者である篠ノ之束博士だって日本出身、その開発者がイギリスだけISを停止させてしまう事もありうるんだよ?そうなったら、君は責任を一人で負う事になる」
「ぁ・・う」
零の言葉にセシリアは徐々に顔を青くさせていった。自分の言動で国際問題にまで発展するなんて事は、考えてもみなかったのだろう。だが、先程の発言を冷静に考えてみれば、そう捉えられても不思議ではない。
自分の言動は、このクラスに居る男性操縦者の二人に向けてのつもりだった。しかし、現実には国際問題に発展しかねない言動であると、見知って間もない男に論破されてしまった。
許せない・・・。セシリアの中で怒りが沸いてくる。格下であるはずの男に論破されたなどプライドが許せなかった。
IS学園を調べたという零の言動は間違っていない。学園としての情報だけを調べれば、国際的に世界中から学びに来ている事を調べるのは簡単だったからだ。
「・・・決闘ですわ!青野零!貴方に決闘を申込みます!覚悟しなさい!」
「構わないけど、決闘という言葉を軽はずみに使わない方が良いよ?本当の決闘の意味は、どちらかの命が消える命がけの戦いの事なんだから・・。それとクラスのみんな、いきなり大きな音を立ててごめんなさい」
零が頭を下げて謝ると、クラスメート達は気にしないでなどの声をかけていた。そこへ一夏も話しかけてくる。
「あそこまでやる必要はなかっただろ?」
「ああしなきゃ、彼女は止まらなかった。仕方なのない事だよ」
「だけど!」
「この話は終わり、誰が代表になるかは対決になったんだから」
零から強引に話を切られてしまい、一夏はしぶしぶといった様子で自分の席に戻っていった。零は一夏に対しては警戒していた。何故ならエックスから要注意の警告をされたからだ。
エックス曰く『彼からはシグマと同じ気配がする』とのこと。
ずっと戦ってきたエックスだからこそ、シグマの気配が分かるのだろう。だが、ここは学園であり一方的に嫌うわけにはいかず、あくまでもクラスメートの一人、として接することにしたのだ。
「それでは、一週間後にアリーナが空いている。そこで決着をつけろ。それと織斑には専用機が支給される事になっている」
専用機と聞いてエックスは疑問に思ったが、データ収集の為だという結論に達した。ISは基本的に女性しか扱えない、その中で男性が扱える理由と共にデータを欲しくなるのは当然の成り行きと言える。
「エックス、訓練よろしくね?」
『うん、もちろんだよ』
◇
そして一週間の間、エックスと共に訓練を行い、戦いに備えていった。エックスのアドバイスで対戦相手のデータを調べることも忘れなかった。代表候補生は基本的に調べれば、簡単に情報は手に入るが、基本能力だけである。
特に未知なのが一夏の専用機だ。当日渡される事になる為に全く全容が掴めない。
「当日で、何とかするしかないか・・」
そう呟いて、束から貰ったエックスの基本データの見直しを始める零であった。
◇
そして、約束の日程。一夏は幼馴染である篠ノ之箒に何か、意見を言っている。聞き耳を立ててみると。
「なぁ、箒・・この一週間、剣道しかしていなかったんだが、ISに関することは?」
「・・・」
視線を逸らす箒に一夏は怒りの剣幕になりそうな声で叫んだ。
「目を逸・ら・す・な!」
「し、仕方なかろう!お前の腕が予想以上に落ちていたのだから!!」
「それは認める。だけどな・・?その合間にISの基本操作の勉強とか出来たんじゃないのか?」
「・・・(フイッ」
「だ・か・ら!目を逸らすんじゃねえ!」
どうやら、一週間の間に勉強を置き去りにされて、剣道しかできなかった様子だ。彼女、篠ノ之箒は一夏の隣に居たいという独占欲が強い印象を受けた。
恐らくだが、彼女の中で一夏に助けられたか何かで、彼自身に憧れか恋慕を抱いたのだろう。しかい、彼女はあの篠ノ之束の妹であるという認識から、周りに持て囃されかけていたのだが、彼女はそれを拒絶していた。それと同時に、自分が優位に立つ為に束博士の妹であると宣言する場面も目撃している。
『彼女は自立心が足りないのかもしれない。関係ないと言いながらも、その名前を利用する時点で、家族に甘えているという自覚が無い』
「そうは言っても、俺たちが注意した所で改める様子はないしね。織斑が説得すれば別だけど、その事に気付いているのかが問題だよ」
エックスは箒の心に対して足りない物を見抜いていたが、零はそれを指摘できないと言い放った。無責任ではなく、説得しても、本人に言葉が届かないのなら意味がないと言いたいのだ。
そう考えていると、真耶が息を切らし、その後に続く形で千冬がピットに入ってきた。
「来ました!織斑君の機体が来ましたよ!!」
コンテナの中にあったのは白い機体。だが、零には何か別の色に見えて仕方なかった。色盲という訳ではない、何かオーラのようなものが色を変えているような感じだ。
「これが、織斑君の機体!白式・Σです!」
やはりというか、当然の事である。エックスが感じているシグマの気配、それに追従する物があっても不思議ではない。
この世界での形が白式という事になるのだろう。
「すまんが、時間が押している。一夏行ってこい」
「ああ、行ってくる!」
意気揚々と千冬の送り出しを受けて、一夏はアリーナへと飛び出し、セシリアとの試合が始まった。一時は押されていたが、一次移行を完了させ、零落白夜という特性を得て逆転しようとしたが、エネルギー切れによる敗退。
試合を見ていた零は一夏の機体特性をエックスと共に考察している。機体特性は接近戦型、剣撃を得意とするという点までは零は考察できた。
『あの剣、恐らくはエネルギーを喪失させるのかもしれない』
「なんだって?じゃあ、あれに当たったら」
『人間ならば大怪我、機械なら装甲を切られてしまうね』
「・・・」
黙り込んでしまうと同時に千冬が彼らに近づき話しかけた。セシリアの方の準備が整って、待機しているようだ。
「青野、準備できているか?」
「ええ、このまま行きます」
そのまま、アリーナへ入る出入り口へ向かい戦いの場に姿を現す。姿を見たセシリアは零に対して強気な発言をしてくる。
「ISを身に付けずに来るとは・・許してくれということですの!?」
「いや、違うよ。ロックオン!エックス!!」
IS形態ではなく全身装甲モードであるロックオンを使い、身に付ける。それを見たセシリアは驚きを隠せない。
「フルスキンのIS!?」
「ん?なんだ?これは」
零は自分の体に違和感があった。身体の感じがおかしい、よく見ると全身の一部が薄く透けており、バスターの形状も違っていた。
これはクリアアーマーと呼ばれ、攻撃を吸収し修復する機能を持った特殊アーマーだ。だが、このアーマーはライト博士の開発した正式なアーマーではなく、敵の特殊物質が付着して変化した亜種のようなものだ。
「・・・クリアアーマーとハイクリアバスター・・・体力すらも攻撃力に変換してチャージショットを繰り出すのか、使いどころを見極めないと」
『まさか、リミテッドが残っていたのか?そんなはずは・・・』
エックスはわずかに覚えていた中に、リミテッドという言葉を思い出した。とある科学者が開発した半有機物質で取り込んだものを進化させるものであると。
「な、何ですの・・あの姿は!?」
「動きにくい・・・けど、やるしかないか」
[蒼き雫の狙撃者]ブルー・ティアーズ。との戦いの火蓋が切って落とされた。
メガミッションの要素を入れてみました。アーマー限定ですがw
さぁ、セシリアとのバトルが始まります。
クリアアーマーの特性を零は引き出せるのか?ライト博士の正式なアーマーを受け取れるのか?
次回にて