デート・ア・アストレア 世界を殺す10人の少女達   作:暇人書店員

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皆さんすみません。リメイク版スタートです。追記・修正しました。(2018/12/31)


序幕あるいは間幕

とある民家にて。

髪色がアッシュブロンドの女性は一人、リビングのソファーに腰かけていた。彼女の前には彼女の膝下程しかないテーブルがあった。テーブルの上には幾つものノートが重ねられていた。彼女はノートを一つ手にとり、表紙を指で撫でていた。彼女の目には涙が貯まっていた。

「………ママ、どうしたのですか?泣いてますよ?」

廊下に続くドアを開けて白銀の髪をもつ少女が入って来ていた。彼女はそれを見ると、少女の前に立ち目線を合わせる為にしゃがんだ。少女の頭を撫でながら言った。

「ううん。何でも無いよ。」

そう言って彼女は、少女を抱きしめた。

「ママ、あのノートは何ですか?」

少女はテーブルの上のノートを指差していた。彼女はそれに気付くと少女を連れて同じソファーに向かい合って座った。

「このノートにはね、あなたの本当のパパとママの事が書いてあるの。俗に日記って言うものだよ。

 

 

 

 

 

…本当のパパとママに会いたいと思う?」

少女は驚いていた。自分がママだと信じていた人が違っていたからだ。

「会いたいです。でも………」

少女はそう言いながら、俯いていた。彼女は優しく少女の頭を撫で、言った。

「あなたのパパとママはあなたを愛していた。あなたは決して見捨てられた訳じゃない。これだけは信じてくれる?」

「…はいっ信じます!!」

少女は顔を上げてにこやかな顔でいった。

「ママとの最後の約束だよ。一つ目、ママはついていけない。絶対に追い付くからパパ達と一緒にいること。二つ目、困った時はこのノートをパパに見せること。いいね?」

「はいっ!!行って来ます、ママ!!」

彼女は名残惜しそうにもう一度少女を抱きしめた。そして少女がリビングから準備の為に出て行ったのを見送った。

 

 

 

 

 

 

「あなたは多くの人に愛されて生まれてきたのよ。千代紙(・・・)ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五年前 

天宮市は現在、未曾有の大火災に見まわれていた。人は逃げ惑い、炎はすべてを焼き、灰にしていった。その中の一つの家の前にて、一人の白髪の少女が自分の家が燃えているのを見ていた。その少女は晴れやかな顔になった。その家から彼女の母親と父親と思われる男女と少女と同い年の少年が出てきたからだ。そんなひとときもつかの間、天使のような影とモザイクがかった何かが少女の家の上まで飛んできた。そして、暗かった空から光が少女の家を目掛けて降り注いだ。だが、その光は少女の家に降り注ぐ事はなく、突如として消えた。

「借りは、返したからね。崇矢さん。」

空からそんな声が聞こえてきた。ここまでが少女こと、鳶一折紙の記憶である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳶一折紙と精霊の物語の歯車はこの時、回り始めた。だが既に、もう運命の歯車は回っていたのかもしれない。けれども、誰にもこの物語の始まりは、気づいていなかった。ただひとりを除いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ、〈ラタトスク機関〉による精霊攻略が始まる一年前、一ノ瀬崇矢は、ボロアパートから出て、明日の入学式の入学式に買い物に出ていた。そこで、四年ぶりに折紙と再開したのだ。

 

 

 

 

折紙に会った時、折紙はあまり変わっていなかった。ただ、髪が長くなったぐらいか。あっちはあっちで俺を見た時驚いていたが。

「ええっと………、久しぶりですね……………崇矢くん。」

折紙は顔を赤くして、しきりに髪をかき上げていた。

「……………ああ、久しぶり、だな……折紙」

なんか俺は俺で照れているのか、頭をかいているし。

「ええっと………、どこかでお茶でもしませんか?……………良かったらですけど…………どうです?」

という事で折紙とお茶をする事に相成った。

 

 

 

 

 

 

カフェで折紙と昔話をしていた。そうすると、お互いの今の話になった。

「そういえば、義父さん達は元気にしているか?」

俺が気になっていた事を聞くと、折紙の顔が曇った。

「…………お父さんたちは…………三年前に……事故で……………。」

「そうか…………悪い事を聞いたな………………」

なんか、雰囲気が重くなった。…………そりゃあ重くもなるか。

「そういえば、崇矢くんは………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから一年が経った。折紙の勧めにより、同居する事になった。その上、折紙の叔母に挨拶するハメになるし。なにがなんなんだか。

「崇矢くーん、朝ですよー起きてくださーい。」

ところで折紙よ、もう少し寝させてくれないか?

「…………むぅ、おーきーてくーだーさいー!」

俺が寝返りを打つ振りをして折紙を見ると、折紙が制服のシャツの上からエプロンを着けて、お玉を握って腰に手をあて、怒っている振りをしていた。まるで、新婚夫婦のなかなか起きない旦那を怒っているような…………ってなんて事を考えていやがる俺。此処最近、折紙を相手にすると不埒な事が頭をよぎる。

「あっやっと起きました。………崇矢くん、顔赤いですけど風邪ですか?」

………口が裂けても折紙が新婚妻のようだったなんて言える訳がない。つーか、言う勇気なんてない。

「なんでもねぇよ。」

俺は照れながらも、素っ気なく返した。

「なんでも無いならいいですけど………」

折紙の方も引き下がってくれた。その後すぐに、不機嫌そうに早く降りて来いという事を言われ、俺の部屋から出ていった。出て行くときに「鈍感です……。」って言う意味深な言葉を残していたが。…………不機嫌なのとなんか関係でもあんのか?そんな事を思いながら、カレンダーを見ると、今日は四月十日だった。俺はこの時はまだ、このあとあんな事になるとは、一パーセントも考えてはいなかった。

 




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