デート・ア・アストレア 世界を殺す10人の少女達 作:暇人書店員
ウゥゥゥゥゥ
空間震警報が鳴り響いた。当たり前だが、空間震警報を聞いた生徒達は当然避難を始める。それに倣って避難する振りをしようとしていると、折紙に呼び止められた。
「崇矢くん!!」
俺が振り返って折紙を見ると、折紙は俯いていた。
「………………不安なんです。なんか、嫌な予感がするんです。」
折紙はかなり不安そうで、すこしでも不適切な発言をすれば折紙は壊れてしまいそうだった。そんな折紙を見ていると、過去からの罪悪感が起こさせた行動なのか気が付いたら近づいて折紙の頭を撫でていた。
「………大丈夫だ、折紙。心配するな。」
……………こんな事を平気な顔をして言えるなんてな。まるで、”あの男”みたいだな……………。
「崇矢くん、どうかしましたか?……………顔が怖いです。」
折紙が心配そうな顔をしていた。折紙に心配するなと言いながらも”あの男”を思い出して怖い顔をしていたとはな……………。
「……………心配すんな。」
嘘を吐いて、折紙を騙して、卑怯だな、俺は。
天宮市上空にて
「《アルテミス》、該当宙域に到着。総員、第一次戦闘配置。」
暗い艦橋に金髪の男の静かな声が響いた。
『配置を確認。
立体ホログラムの金髪の少女が淡々とした声で告げた。
「了解。〈クロケル〉〈マルコシアス〉発進。」
『お姉ちゃん達、死なないで……………』
立体ホログラムの少女が手をきつく握って祈っていた。
俺は誰もいない静かな街のビルの屋上に居た。首に掛けていた愛用のヘッドフォンを着けた。特に何かを聞く訳ではない。ただ、気分の問題である。
刹那、思わず耳を塞ぎたくなるような甲高い空間の軋む音の後、眩い光を放ち、凄まじい衝撃波が俺を襲ってきた。
そこには、目を見張る程の少女がすり鉢状に抉られた地面の上にたっていた。
誰もが目を向けるような圧倒的美貌、その上全てをねじ伏せる程の暴力。いつ会っても変わらないなぁ、俺も世界もアンタも。
『……迷った時は、自分の心を信じなさい。崇矢くん。』
………迷う、か……師匠、俺はもう迷いません。ただ、真っ直ぐと、ただ進みます。だから、見守っていてください。
「認証者、一ノ瀬崇矢。《ドレッドノート》機動。」
俺は愛用のヘッドホンの右側を頭頂部に付け、CRユニットを起動させた。起動させ、光が瞬いている所に行くと、アリス姉妹がASTとの戦端を開いていた。スピアーの先端を戦場に向けレーザーを乱射する。そうすると、何人かの
「……………崇矢、くん……………?」
俺が声がした方をみると、折紙がそこにいた。
追伸、やっぱり無理です。師匠。……折紙を討つことは。もしかして、俺って意思が弱い?
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