デート・ア・アストレア 世界を殺す10人の少女達 作:暇人書店員
「…………崇矢、くん……………?」
声がした方を見ると、折紙がそこにいた。
「どきなさい!!折紙!!」
視界の端に一人の女性が〈ノーペイン〉を展開し、突っ込んでくるのが見えた。俺はスピアーを両手で持ち、先端から魔力刀を展開し、女性が突っ込んできた慣性力も乗せて振ってきた〈ノーペイン〉を防いだ。刹那、突っ込んできた女性が〈ノーペイン〉を持ってない手の方でレーザーカノンを向けてきた。
「……………なっ!」
背部の可変式スラスターに搭載されているビームマシンガンの銃口を女性の方に向け、乱射した。そうすると、俺を蹴り飛ばして距離を取った。ビームカノンを突きつけられた時は流石に焦ったわ。
「よく、やるようになりましたね…………………日下部遼子…………陸軍………三尉殿。」
「一尉なんだけどね…………。久し振りね。元教官殿?」
昔の教え子の話を聞き流しながら、俺はスピアーを構え直した。
鳶一折紙は戸惑っていた。何時も通りに任務をこなして帰るつもりだった。けれども今日ばかりは妙な胸騒ぎがしていた。そこで崇矢に甘えても『気にするな』の一点張りだった。いざ戦場に出てくると崇矢がいて自分の上司と殺し合っている。一年前、崇矢に街で会った時は心が踊った。その時心に誓ったのだ、彼をもう二度と手放さないと決めた。でも………だとしても、今の自分には、何も出来ない。
「……………くっ」
ASTの隊員の一人が振り下ろした〈ノーペイン〉を防ぎながら零宮アリスは思った。自分は近接戦闘が苦手である。元来、クロスレンジに相手を誘い込んで戦闘する事自体が苦手なのだ。それに、
「はぁっ」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ」
「………………ちっ」
日下部一尉(?)の振り下ろした〈ノーペイン〉を〈デファイアント〉で防ぐ。武器が長いお陰で力が伝わりにくくて鍔迫り合いがしにくい。日下部一尉を足で蹴り飛ばして距離をとると、レーザーカノンを俺に向けてきた、瞬間的に〈デファイアント〉を右手で持ち替え、右肩のウェポンプラットに搭載されている〈ノーペイン改〉を開いた手で引き抜いて投擲した。その〈ノーペイン改〉が、レーザーカノンの銃口に突き刺さり火花をあげてレーザーカノンが爆散した。
「なんで、なんで………なんでなの!?崇矢くん!?」
「仕方が無いことだろうが…………っ!」
レーザーカノンの爆煙の中から折紙が〈ノーペイン〉を構えて突っ込んで来た。それを〈デファイアント〉を構えて防ぐと、柄の部分が切り落とされた。……………マジか。
「はぁぁぁ」
爆煙の中をまた突っ込んで出て来て〈ノーペイン〉で切りかかって来た。その太刀筋を見切り、〈ノーペイン〉を蹴り飛ばした。そうすると、折紙は距離を取った。
「……なんで、なんでなの?崇矢、くん?」
折紙の顔はどこか寂しさを醸し出していた。そんな顔をするなよ。………でも、俺は知ってしまったんだよ、真実を。
「折紙!!この世界は善意だけで成り立っているんじゃあないんだよ!!!」
そう俺は吐き捨てた。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。