デート・ア・アストレア 世界を殺す10人の少女達 作:暇人書店員
四月十一日の夕方頃
俺は折紙の看病をしていた。折紙の顔を見れば見る程自分の決意が揺らいでいく。折紙と一緒に居たからなのか?それとも………?
「俺はどうしたらいいんだよ…………?」
俺は一人、頭を抱えて毒づいていた。やはり折紙に剣を向けた時、躊躇いがあった。自分で決めた志が揺らぐ程であった。もしかして、俺は折紙のことが………
「ははっ…………そんなことあるかよ………。もしそうだとしてもこんな感情なんて要らないしな………。」
いちいち声に出していて、端から見ると変に見えるだろうが、こうしていないとやっていけないのだ。
「………崇矢くんのしたいようにしたらどうですか?」
折紙が目を覚ましていた。
「……そういうことでしたか。崇矢くんが意味もなくこんな事をするとは思えないですしね。」
折紙は顎に手を当て、考えこんでいた。
「でも、少しばかり信じられないですね。精霊の力を利用して世界を書き換えるなんて。」
「だろうな。俺も正直、信じられん。」
俺が答えると、折紙は笑顔で俺を見ていた。
「崇矢くんの顔から憑き物が落ちましたね。少し、明るくなった気がします。」
折紙は手を口に当てて、クスクスと笑っていた。一方で俺は顔が熱かったが。
「………でも、安心しました。ここ最近、思い詰めているような時が多かったですから。」
俺は折紙に言われてから折紙に心配を掛けていたことに初めて気がついた。
「折紙、ちょっと飲み物を取ってくる。」
そう言って俺が立ち上がって折紙に背を向けると。折紙が抱き着いてきた。
「本当に……本当に、心配したんですからね。帰ってこないって聞いた時はどうしようかと思いました。……お願いだから、私を……私を、一人にしないで………」
この言葉を聞いた時、折紙がどれだけ心細かったかを実感した。四年前に、両親を失った時も折紙一人だったからな………
「俺は……」
─折紙を一人にしないと言い切れるのか?誓えるのか?
折紙の言葉にどうしても、踏ん切りがつかない。
「崇矢……くん?大丈夫、ですか?」
─俺は、もう何も失わない程の守れる力を手に入れられたのだろうか?
「崇矢くん………?」
─でも、俺は………
─何を守るんだ…………?
「………崇矢くん!!」
折紙が大声で俺を呼んだ時、正気に戻った。
「やっぱり、崇矢くんはおかしいです!!」
折紙が俺の前に立ち、俺の肩に触れながら顔を覗きこんできた。その目には涙が溜まっていた。
「おかしいって、どこが?」
「ずっと、悩んでるじゃないですか!………私は、相談して欲しいんです。………私は、崇矢くんの事が
………好きだから。」
折紙を前にして迷って、目的を見失って、何もしないで、アリスに八つ当たりして、何をやっているんだろうな俺は。
『……迷った時は、自分の心を信じなさい。崇矢くん。』
あぁそうか、俺が戦う理由がわかった気がする。
「折紙、俺も好きだ。」
「………ふぇ?」
俺が告白した瞬間に折紙は理解できていなかったが、意味が解ってきたのか、次第に顔が赤くなってきた。そして、折紙が顔を俺の胸に埋めてきた。
「折紙、俺は折紙をもう一人になんかしない。俺は折紙と折紙のいる世界を守る為に戦う。」
声に出すと意外とすんなりと腑に落ちた気がした。
「………遅すぎます…………ばか。」
顔を埋めているせいか声がくぐもって聞こえた。
あれから、9日が経たった。今は、四月二十日の昼頃。
来禅高校の周りをASTの隊員達が囲んでいた。出動命令が出て、現場まで来たはものの、肝心の精霊は屋内にいる。
刹那、熱源反応があった。だが、その時にはすでに一人の隊員のフライトユニットが火をあげていた。レーダーと視界に映る熱源反応したであろう物の位置が違う。
噂程度であるが、かの“シルバーバレット”とかも同じ現象を起こせるらしい…………
─まさか
AST 隊員達は熱源反応したであろう物への迎撃準備を初めた。
これを見ていた
次回予告
九十三「結局、終わりませんでしたね。」
崇矢「どうやらそのようだな。」
九十三「しかも、私達の仲直りのシーンが書かれていませんし。」
崇矢「まぁ、この空間はパラレルだからな………」
九十三「そうなんですか…………」
崇矢「アリス、なんか伝えておきたい事はあるか?」
九十三「特には…………強いて言うなら…………兄さんが格好いいと思います………。」
崇矢「………」
次回『幽霊と王女』
あとがき
どーも、デアラ三期放送に興奮しまくってる作者です。気がついたら1月が終わってました。期待して待って下さった皆様、すみませんでした。最後までお付き合いくださりありがとうございました。やっぱり、折紙は可愛い