戦闘シーンを、もっと上手く表現出来たら良いな・・・・・・って、思います。
美鈴「本当に海だ、ここは一体どこなんだろう……」
海岸ついた美鈴は、眼前に広がる海を眺めながら一人つぶやく。
幻想郷には存在しないはずの海、それは美鈴が完全に違う場所に来ていることを物語っていた。
美鈴「一体、誰が私をこんなところに連れてきたんだろう」
美鈴は、海岸でしばらく思考を巡らすが、当然心当たりはなく、状況を整理することはできなかった。
美鈴「こんなときは、少し体を動かして気持ちを切りかえようか」
美鈴は一度屈伸してから、宙に突きや蹴りを繰り出してみる。
美鈴「気はほとんど使えないようだけど、体に染み付いている技はそのままみたいね」
美鈴が長年独学で身につけていた拳法のキレは今も変わらないことを確認すると、砂浜を少し歩いてみることにした。
美鈴「やっぱり、土と違って砂浜は足を取られて進みにくいわね、いいトレーニングにはなりそう」
美鈴「お屋敷に帰れるか分からなくなってきたし、落ち着ける場所を見つけたらこのあたりで修行してみてもいいかも」
何となく幻想郷ではない場所に来てしまって、紅魔館に帰れないかもしれないと悟った美鈴はこの場所で生きていくことを考え始めていた。
美鈴「急に私がいなくなって、咲夜さん心配してくれているかな……」
ふだんはメイド長としてサボりぐせのある美鈴に厳しく当たることも多いが、何かと仲の良かった、同僚の十六夜咲夜のことを思い浮かべながら海岸を歩きながら、海であればいるであろう漁師や港を探していると、海から何かの異様な気配を感じた。
美鈴「はっきりわからないけど、何か近くにいる!?」
美鈴が海を確認すると、魚にしては大きい黒い影が近付いてくるのが見えた。
美鈴「あれは……、船?」
美鈴「いや、この感じ敵意を持った妖怪?」
美鈴は、この黒い影から何やら敵意とも怨念ともとれる気配を感じ身構える。
黒い影は、段々と美鈴に近付いてきて、やがて水中からその姿を現した。
美鈴「あれは!?」
巨大な魚とも、何かの機械ともとれる異形の存在に、美鈴は一歩後ずさる。
ぐぉぉぉん
異形の怪物は咆哮ともとれる声をあげ、口を大きく開き美鈴に飛びかかってくる、口の中から筒状の物が出てくる。
ドゴォォォン
怪物は、口の中から大砲のようなものを美鈴に向かって撃ってきた。
美鈴「弾幕!?」
美鈴はとっさに砲撃をかわし、反撃に転じようと弾幕を打ち返そうとした。
美鈴「はぁ!!」
美鈴は右手を突き出し、気弾を撃ち出そうとしたが、先ほどから気がうまく使えなくなっているため、不発に終わってしまう。
美鈴「くっ、気が使えない!」
美鈴「弾幕が使えないなら、接近戦で!」
武術家としての魂がそうさせるのか、美鈴は異形のモノに飛び掛かり格闘戦を挑もうとするが異形のモノはさらに、1発、2発と砲撃を加えてくる。
気もうまく使えず、舞空術も使えない美鈴は、ふだんであれば容易に回避できそうな敵の砲撃を間一髪で回避するが、水中や水上を自由に動き回る怪物は美鈴の接近を許さなかった。
美鈴「結構ピンチかも……」
美鈴は、襲ってくる怪物の前に手を出せない状況であった。
ドゴォォォン
怪物は、美鈴の攻撃が届かない距離から砲撃を繰り返し、美鈴は動きづらい海岸で何とかその砲撃を回避するのであったが、はっきり言って手詰まりであった。
美鈴「この場は、一旦逃げた方がいいかも……」
美鈴は少しずつ海岸から陸地に向かい距離をとっていくと、怪物は波打ち際から先には進んでこなかった。
美鈴「あいつは、陸上が苦手なのかな?」
美鈴は、怪物から目を離さないように後ずさりながら、海岸から陸上に向かい距離を取っていった。
怪物とある程度距離を取ると、怪物は砲撃を止めて再び海の中に消えていった。
美鈴「あれは、いったい何だったんだろう……」
美鈴は、異形のモノが完全に姿を消したのを確認すると、一旦レンガ造りの廃虚がある場所に戻ることにした。
美鈴「何にしても、あの場所がこの近くで唯一建物がある場所だし、もしかしたら誰かいるかもしれない」
美鈴は歩いてきた海岸からある程度陸上側を歩き、この世界に来たときに最初にいた廃虚のある地点に戻ると、敷地の中を詳しく確認することにした。
美鈴が廃虚を詳しく調べてみると、瓦れきの中から『鎮守府』と書かれた焼け焦げた看板を発見した。
美鈴「鎮守府……、紅魔館みたいなお屋敷の名前かなぁ?」
美鈴「この場所にあったお屋敷が、さっき戦った化け物みたいなのに襲われてこんなふうに壊されたのかもしれないわね」
美鈴は聞き慣れない元海軍基地のを、紅魔館のような物と独自に解釈し、生き残りがいないか詳しく探し回ったが、残念ながら廃虚となって長く時間が経過しているようで、人の形跡を見つけることはできなかった。
美鈴「ふぅ、一体どうしたらいいのやら……」
美鈴は空を見上げると、太陽が大分低くなってきており、間もなく夕方を迎えようとしていた。
ぐぅ~
美鈴のおなかが空腹を訴え始める。
美鈴「いつもならおやつの時間だなぁ……」
美鈴「咲夜さんの焼いたお菓子が食べたいなぁ……」
いるはずもないの十六夜咲夜を思い出しながら、空腹を感じた美鈴は食べ物を探すことにした。
美鈴「近くに森もなさそうだし、海で魚を捕まえたり貝を探したりしようかなぁ」
幻想郷に行く前の記憶を頼りに海での食料調達を考えた美鈴は、怪物に警戒しながら再び海岸へ向かうことにした。
ドゴォォォン
美鈴が海岸を訪れると、聞き覚えのある砲撃音が聞こえてきた
美鈴「さっきのヤツか!?」
自分が砲撃されたと身構える美鈴、しかし砲弾は飛んでこない
美鈴「どういうこと?」
美鈴が周囲を見回すと、先ほどの異形のモノとボブカットの少女が一人水上を駆け回り互いに砲撃をしているのが見えた。
美鈴「女の子が海の上で弾幕戦をしている?」
何か機械のようなものを背負い、手に小さな大砲のようなものを持った少女が怪物と戦っているようだ。
美鈴「あの子は一体……」
美鈴が海岸から少女の動きを目で追う。
助けに行きたくても、気をうまく使えない状態の美鈴には水上で戦う少女の援護には迎えない。
ただただ海岸で少女を見守ることしかできない美鈴を、戦闘中の少女の目にとどまる。
ボブカットの少女「あんなところに、誰かいる!?」
ボブカットの少女「早く、イ級をやっつけないとあの人が危ない!」
ボブカットの少女「当ったれぇ~い!!」
少女が手に持った大砲を撃つと、イ級と呼ばれる怪物に直撃する。
ボブカットの少女「ざぁっとこんなもんだ!」
少女は怪物を倒したと確信し美鈴に向かってガッツポーズを取る。
しかし、怪物はまだ生きていた。
美鈴「危ない!!」
美鈴が叫ぶと、少女は怪物に目を向ける。
ドゴォォォン
怪物はちゅうちょなく、少女に向かって砲撃する。
ボブカットの少女「うわぁぁ!!」
怪物の砲撃は少女に直撃し、少女の身体が宙を舞う。
ドゴォォォン
ドゴォォォン
2発、3発と怪物は少女に砲撃を繰り返し、かわすことのできない少女は空中で怪物の砲撃を受け続けてしまう。
美鈴「あのままじゃあの子が死んじゃう!!」
美鈴は思わず少女に向かって駆け出す、少女は怪物の砲撃を連続で受け続け波打ち際に落下する。
ボブカットの少女「や、やられたっ……」
辛うじて息の合った少女に向かいトドメとばかりに怪物が飛びかかる。
ボブカットの少女「あ……、あぁ……」
少女に飛びかかる怪物の銃口が少女に狙いを定める、ダメージで身体が動かない少女は声も出せずただただ目に涙を浮かべるだけである。
美鈴「くっそぉ、やらせるかぁぁ!!」
走っていては間に合わないと判断した美鈴は、いちかばちか倒れている少女向かって大きく跳躍する。
すると、今までうまく練れなくなっていたはずの『気』が身体の中で湧き上がるのを感じる。
美鈴「これなら!!」
気の力で、ものすごい速度で少女の眼前に着地した美鈴は、右の拳に気をまとわせて怪物が放った砲撃に向けて正拳突きを繰り出す。
バギィィ!
何と美鈴は怪物の放った砲撃を拳で打ち返したのである。
ガォォン……
打ち返された砲撃は、美鈴の気を纏って怪物に向かって一直線に飛んでいき怪物に直撃し、イ級と呼ばれた怪物は爆散して海へ散っていった。
美鈴「へへっ、やった……」
体中から力が抜けきってしまった美鈴は、その場に膝をついた。
美鈴は、海で出会ったボブカットの少女を背負って『鎮守府』という名前の建物のあった廃虚に戻った。
人がいた形跡のあるあの場所なら、少女の怪我を治せるかもしれないと考えたからである。
少女は、美鈴がイ級と呼ばれる怪物を倒したのを見届けた時点で気を失っていたので、あの怪物が何者なのか、なぜ少女が海上であの怪物と戦っていたのかなどいろいろ聞きたいことはあったが、ひとまず少女の治療を優先することにしたのである。
美鈴「こんなときに気が使えたら、少しは怪我の治療もできるのになぁ……」
美鈴は、廃虚の中で運良く見つけた救急箱の中にあった包帯で少女の傷口を止血し、廃虚の中で拾い集めた布や毛布で簡易的な布団を作り少女を寝かしつけてから、日が落ちる前に海岸で魚や貝集めてきて、廃虚の中で拾い集めた木でたき火をしながら、とりあえずの食事を作っていた。
美鈴「お嬢様と出会う前、結構こういうことをやっていたから意外と得意なんだよね~」
美鈴は、貝殻や流木で作った簡易的な食器に晩御飯を用意すると、少女に声をかけた。
美鈴「怪我しているところ悪いけど、大丈夫?起きれる?」
ボブカットの少女「うぅん……、あれ?ここはどこ?」
少女は目を覚まし、起き上がろうとする。
ボブカットの少女「痛っ!」
怪我が治っていない少女は全身の痛みに思わず顔をゆがませる。
美鈴「無理しないで、横になったままでいいから」
ボブカットの少女「あのとき、海岸にいたお姉さん?」
美鈴「そうだよ、おなかは減ってない?」
少女は焼き魚の香ばしい匂いに気が付き、横になったまま美鈴の用意した料理に目を移す。
ぐぅぅ~
空腹でおなかを鳴らしてしまった少女は、赤面しながら
ボブカットの少女「うぅ……、少し減ってるかも」
美鈴「小さくちぎってあげるから、ちょっとずつでも食べた方がいいよ」
ボブカットの少女「あ、ありがとう……」
美鈴は、少女が食べやすいように魚の身を小さくほぐしながら少女の口に運ぶと少女は顔を赤らめながら少しずつ美鈴の料理を食べていく。
美鈴「ごめんね、材料がないからただの塩焼きだけど……」
ボブカットの少女「うん……、おいしい……」
美鈴「私は紅美鈴、あなたの名前は?」
ボブカットの少女「深雪……、深雪だよ」
美鈴「深雪ちゃんか、よろしくね」
深雪「深雪だよ。よろしくな!」
深雪の表情が明るくなり、笑顔を見せた。