ガルパに春擬きカバーキターーー!!!
最近俺ガイル見終わったばかりだから、めっちゃタイムリー!
恋愛裁判も聞いたことなかったから聞いてみたけど、めちゃくちゃ良い曲!(ボカロに関してはにわかです)
前から知ってはいたんですけど、ボカロ曲って題名が曲名になってる本があるんですよね。
恋愛裁判を試し読みしてみたらめっちゃ面白かったので、今度探してみようかな。(←ライトノベル系を買ったことすらない人)
「ど、どうしたの花音!?」
「さっちゃん、何かあった?」
「あ、いや、私達は、何もないんだけど。」
「・・・そ、空見が。」
「空見くんが、どうかしたの?」
「空見くん、・・・お弁当、忘れてきちゃったみたいで。」
「! そうなの!?」
「空見、それほんと!?」
「・・・うん。」
「しかし空見さん、水筒は持ってきていましたよね?」
「水筒だけ持ってきて、・・・弁当は、かばんに入れ忘れたみたいで・・・。」
「・・・全く、ちゃんと確認しないからそういうことになるのよ。」
「・・・ご最もです。」
白鷺さんの言う通りだ。
家を出るときに、かばんの中身を確認する。
いつもしていることをし忘れた…、いや、しなかったから、弁当を忘れるなんて失態を。
・・・はぁ。
今日は昼ごはん抜きか。
ま、一食食べなくても別に大丈「・・・」グ~。 あ。
「はぁ、昨日のことを忘れたの?あなたが昼ごはんを食べなかったせいで、昨日はあんなことになったんでしょ?一食くらい食べなくてもいいや、なんて、バカな考えはもうやめなさい。」
そ、そうだった・・・。
「す、すいません・・・。」
「・・・あんなこと?昼ごはんを食べなかったせい?」
「あ、そっか、沙谷加ちゃんは知らないんだよね。」
「?」
「・・・これは、私達が楓を保健室に連れていこうと、体育館を出た後の話なのだけど・・・」
「え?ちょ、白鷺さん?それ、今話すんですか?」
「ええ。沙谷加ちゃんには、知っておいてもらったほうがいいでしょ?」
「そ、それはそうですけど、でも、これを話し出したら結構長くなるっていうか…「別に長い話を聞くのは嫌いじゃないから大丈夫。」そ、そう、なの?」
「・・・」クル。
「氷川さん?どうして、後ろを向…「察してください。」! は、はい。」
そして白鷺さんは、菊池さんに昨日の出来事を話し始めた。
その間、氷川さんはずっと後ろを向いていた。
詳しい事情を知らない橋山さん、浅井さん、宮村さんは、興味津々で聞いていた。
菊池さんに関しても、興味津々ではあったが、めちゃくちゃ真面目に白鷺さんの話を聞いていた。
その間僕はというと、・・・氷川さんと同じく、ずっと後ろを向いていたのであった。
『空見って、何でこの学校に来たの?』
『好きなものとかこととかあるの?』
『ペットとか飼ってる?』
『前の学校ではどんな感じだった?』
『え、えーっと、そのー・・・。』
『・・・すごく、しどろもどろになってるわね。』
『た、助けてあげたほうが、いいんでしょうか?』
『そ、そうだよ!困ってたら助けてあげなきゃ!・・・すいませーん、ちょっと通し…うぐっ!』
『彩ちゃん!ど、どうしよう。これじゃあ空見くんが…『・・・』スッ。 ! ち、千聖ちゃん?』
『すみません、少し通してください。すみません。』
『・・・す、すごい。』
『白鷺さん、あの人混みを簡単に・・・。』
『ねぇ、あたしも空見にいろいろ質問したいよ~!』
『ちょっと!ちゃんと順番守ってよ!』
『次、私私ー!』
・・・ど、どうしよう。
・・・全員女子だから、逃げようにも逃げられないし。
・・・はぁ。
この時間が終わるまで、このまま耐えるしか…ん?
『すみません、通してください。すみません。』
『! 白鷺さん!』
『楓、行くわよ。』ガシッ。
『え、行くってどこへ…『黙ってついてきなさい。』・・・はい。』
『・・・』スルスルスル。
す、すげえ。
この人混みの中をこんなスルスルと抜けるなんて。
『・・・楓、これを。』スッ。
え?
・・・何だろ、この紙。
『読んで。』ボソッ。
『! は、はい。・・・え?これは・・・?』
『《窮地に陥ったときの対処法》
・お腹がすごく痛くなった演技をする (そのときが来るまで継続) 』
『・・・何ですか?これ。』ボソッ。
『いいから。とにかく今は、そこに書いてある通りのことをして。』ボソッ。
・・・無茶ぶりすぎるでしょ、それ。
『・・・連れてきたわよ。』
『千聖ちゃん!大丈夫だった?』
『ええ、何も問題なかったわ。そうでしょ?楓。』ニコッ。
『え?あ、はい。』
問題、なかったわけじゃないけど・・・。
・・・いいや、よく分かんないけど、やるだけやってみよう。
「あんな短い時間で、そんなことがあったんだ。」
「うん。最初はその紙の意味が全然分からなくて、ほんと大変だったよ。」
「でも、白鷺さん。そんな紙、いつの間に、書いていたんですか?」
あ、それ、僕も気になってたんだよな。
「書いたのではないわ。もらったのよ。」
「「「「「え?」」」」」
「あるドラマの撮影のときに、小道具として渡されたのよ。でも、返すのを忘れてしまって・・・。学校が終わった後、事務所に返しに行こうと思ってポケットに入れといたのだけど、そういうものが、意外なところで役に立つものなのね。」
「「「「「・・・」」」」」
「? どうしたの?みんな。」
まぁ、ツッコミどころはいろいろあるけど、・・・白鷺さんてすごいね。
「それで楓。」
「え?あ、何ですか?」
「さっきも言った通り、事務所に返さないといけないから、その紙を返してほしいのだけど。」
「は、はい、分かりました。」
「・・・」
「えっとー・・・(確か、制服のポケットに・・・、! あった、これだ。)」スッ。
「!(楓のことだから、どうせないんじゃないかと思っていたけれど、・・・少しは成長したのね。)」
「はい、白鷺さん。」
『・・・』グチャ~。
「「「「!」」」」
「・・・」
「あ、あれって、もしかして・・・」
「もしかしなくても、そうですよね。」
「・・・楓、これは?」
「え?だから紙ですよ。白鷺さんに渡されたか…「全く私が渡した紙の形には見えないのだけど。」え?・・・あれ?」
『・・・』グチャ~。
「・・・な、何で?・・・あ。」
『みんながお風呂に入ってる間に、私が乾かしておこうと思ってるんだけど、どうかな?』
「あ、・・・あ、ああ、あああ・・・。」
「・・・」ゴゴゴ…。
「!(さ、殺気を感じる!?)」
「・・・千聖ちゃん、すごい怒ってる・・・。」
「こ、怖い、です・・・。」
「・・・えっと、あの、これは、その…「か・え・で?」ポン。 !(ひいっ!)」
「分かって、いるわよね♪」ニコッ。
「・・・はい。」ズーン。
「「「「・・・」」」」
「・・・よく分かんないけど、つまり空見の腹痛は、私のせいじゃなかった、ってこと?」
「ええ。あれは楓の、呆れるほど下手で、何の心もこもってないいわば最低最悪の演技だったのよ。」
「!グサッ! !グサッ! !グサッ!・・・」
「・・・そう。」
「・・・空見のやつ、ボロクソ言われてんじゃん。」
「まぁ、状況が状況だからね。」
『・・・体育館を出るとき、空見さんがお腹を痛がっていたというのに、どうしてあなたはため息なんかついてたんですか?』
『あれは、・・・単純に、あきれてたのよ。』
「(あれは、そういうことだったのね。)」
「・・・ねぇ、沙谷加ちゃん。」
「! な、何?」
「私、沙谷加ちゃんの話も聞きたいな。」
「私の話?」
「うん。こう言っちゃ失礼かもしれないけど、沙谷加ちゃん、昨日とはまるで雰囲気が違うでしょ?さっきからずっと思ってたんだ。何でだろうって。 」
「・・・そ、それは・・・」
「それに、沙谷加ちゃんが帰らないでいてくれた理由も知りたい。」
「帰らないでいてくれた理由って、・・・私は、ただ…「私。」?」
「沙谷加ちゃんのこと、いろいろ知りたい。好きなものとか、嫌いなものとか、趣味とか、えっと・・・、あ!好きなアイドルとか!」
「・・・アイドル?」
「ふふ。」
「彩ちゃん・・・。」
「そういうのをいっぱい共有して、それで、・・・沙谷加ちゃんと、友達になりたいんだ。」
「・・・私が、こんな見た目でも?」
「え?」
「分からない?ほら、髪とかこんな長くて、金髪で。・・・見た目、ギャルっぽいじゃん。」
「ぎゃ、ギャル?」
「そう。だから、・・・怖そうだなとか、思わ…「思わないよ。」え?」
「沙谷加ちゃんが怖そうだなんて、全然思ってない。むしろ、可愛いと思ってるよ。」
「! か、かわ…///!」
「さっき、花音ちゃんにお弁当を見せてもらってたでしょ?そのときの沙谷加ちゃん、顔がすごくキラキラしてたよ。」
「わ、私が?」
「うん、沙谷加ちゃんが。」
「・・・」
「私は、そんな沙谷加ちゃんと友達になりたい。それだけだよ。」
「・・・」
「ここにいるみんなも、そう思っているはずよ。」
「! ここにいる、みんなも・・・?」
「「「「「「・・・」」」」」」コク。
「・・・そっか、そうなんだ。・・・ふふ。」
「? 沙谷加ちゃん?」
「ごめん。私、面と向かって友達になりたいなんて言われたの、初めてだったから、嬉しくって。」
「・・・」
「「「「「「「「・・・」」」」」」」」
「さっちゃん・・・。」
「丸山さん、だっけ?」
「え?あ、うん。」
「改めて、私からお願い。・・・私と、友達になってください。」
「! ・・・うん!もちろん!」ギュッ!
「わっ!(は、初めて、人に手握られた・・・///。)」
「・・・これで、良かった、のかな?」
「ええ、たぶん。・・・」
「あ、そうだ。ちょっといい?丸山さん。」
「? うん。」
「・・・」
・・・はぁ。
完全に謝るタイミング逃した・・・。
いつどうやって謝ればいいん…「空見。」!
「あ、き、菊池さん。」
「・・・」
「・・・ど、どうし…「昨日はほんとにごめん。」え?」
「「「「「「「!」」」」」」」
「・・・」
「な、何で謝るの?そのことについてはもう、解決…「確かに、空見の腹痛は私のせいじゃなく、空見自身の演技だったってことは分かった。でも、・・・その原因を作ったのは、間違いなく私。」・・・」
「丸山さん、さっき聞いたよね。何で昨日と雰囲気が全然違うんだろうって。」
「! う、うん。」
「・・・空見に話しかけるためだよ。」
「「「「「「「!」」」」」」」
「・・・」
「ぼ、僕に?」
「私、昔からこんな見た目でさ。そのせいで、友達は全然いなかったの。まぁいたっちゃいたけど、それが友達って言えるか言えないかって言われたら、・・・たぶん、後者だった。」
「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」
「昨日、私の後ろをついてきてたあの集団いたじゃん?あの人達みんな、勝手に私についてきてただけなんだよね。この高校に入学してから、なぜか私の周りにだんだん人が集まってくるようになって。最初は、みんな私と友達になりたいのかな、って思ってた。・・・でも、違った。ただあの人達は、・・・あいつらは、私のこの見た目がかっこいいと思ったからついてきてただけ。いわば子分みたいなものだったんだよ。別に、友達になりたいからとか、そういうのでは全然なかった。私とあいつらの関係は、ただの親分子分の関係だったんだよ。」
「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」
「それでも私は、誰かと友達になりたいって、心の底で思ってたの。そんなときだった。A組に、男子が転校してくるって話を聞いたのは。」
「!」
「チャンスだと思った。男子とは、関わったことが全然なかったから、仲良くなるチャンスだって。だから私は、音羽やクラスのやつらに相談した。転校してくる男子に、怖がらせないで話しかけられる方法を。そしたら、ウィッグをつけてみれば、とか、話し方を変えてみれば、とか、いろいろ教えてくれた。」
「・・・それが、昨日のあの沙谷加ちゃんだったのね。」
「うん。昨日の私が、いつもと雰囲気を変えた私で、今の私が、いつもの素の私。」
「・・・」
「雰囲気を変えれば、空見と仲良くなれると思った。・・・今思えばそんなの、安易すぎる考えだったんだよね。男子と関わったことがなかったとは言え、初対面の人にあんなぐいぐい迫るなんて。・・・人の気持ちを考えることもできないなんて、仲良くなる以前の問題だよね。」
「「・・・」」
「「「「「「「・・・」」」」」」」
「・・・中には、昨日みたいに迫られても、冷静に対処したり、すぐに打ち解けて仲良くできる人もいる。でも、楓はそうじゃない。」
「・・・うん。・・・空見には、ほんとに悪いことをしちゃったな。」
「・・・べ、別にもういいよ。菊池さんの気持ちは、十分伝わ…「ううん、ダメ。空見が良くても、私が嫌なの。」・・・」
「だから、・・・もう一度謝らせて。・・・空見、ほんとにごめん。」
「・・・」
・・・なんか僕今日、謝られてばっかだな。
「・・・」グ~。
あ。
「「「「「「「「!」」」」」」」」
「!」
「・・・/////。」
ヤバ、恥ず///。
こんなときにお腹鳴るとか、めちゃくちゃ恥ず///。
「・・・そういえば空見、お弁当忘れたんだっけ。」
「・・・う、うん。」
「・・・」・・・ガサゴソ。
菊池さん、何を探して…「・・・」パカ。 あ、弁当か。
・・・弁当見ると、またお腹鳴りそうで怖い・・・。
「・・・「これ、私の手作りなんだ。」え?あ、そ、そう、なんだ。」
手作りか。
・・・僕の弁当は、手作りなのお母さんの作ってくれる玉子焼きぐらいしかないな。
あとは、お父さんが作ってくれたカレーとか鍋か。
「(・・・!は、橋山!出すなら今だよ!)」コソコソ。
「(そ、そうか!よし!)」コソコソ。
あと手作りと言えば・・・、! オムライスだ!
お母さんのオムライス、意外と美味しいんだよな~。
「「・・・そ、空見!もしだった…「はい、空見。」スッ。 え?」」
「「「「「「!」」」」」」
「え?」
「私の弁当、少し分けてあげるよ。」
「! い、いいよ別に。そんなの悪いし、別に大丈夫だ…「・・・」グ~。 ・・・///(何で今鳴るんだよ~///!)」
「・・・お腹、空いてるんでしょ?」
「・・・」
「・・・それとも。」
「え?」
「「!」」
「こうやって、食べさせてもらったほうがいい?」ズイッ。
「! べ、別にそういうわけじゃ///!(き、菊池さん顔近いって///!)」
「「「「「「・・・」」」」」」ジトー。
「「・・・」」プチッ。(何かが切れる音)
「・・・!」
「「・・・」」ゴゴゴゴ…。
「(き、気のせいでしょうか。何か橋山さんと浅井さんから、黒いオーラが出ているような・・・。)」
「だから、別に僕は…ん?」
「「・・・」」ゴゴゴゴ…。
・・・何か、橋山さんと浅井さんににらまれてる気がする。
・・・あれ?
僕何かした?
「!(ふ、二人が、沙谷加ちゃんのことをにらみつけてる!?え、何で!?・・・よ、よく分かんないけど、とにかく沙谷加ちゃんを助けなくちゃ!)」
「あはは、もう冗談だって~。空見の顔、めちゃくちゃ赤くなって…「沙谷加ちゃん!いっしょに桜見に行こ!」グイッ! え?あ、ちょっと丸山さん!?」
「「「「「「・・・」」」」」」ポカーン。
・・・丸山さん?
え、何?
どゆこと?
「(そっか、その手がありました!ありがとうございます丸山さん!)橋山さん、浅井さん、私達も桜見に行きましょ!」
「「・・・」」
「さ、桜でも見れば、少しは気分転換になると思いますよ?」
「・・・そーだね。」
「! 橋山さ…「気分転換気分転換。」へ?」
「桜見に行こー桜。」
「あ、浅井さ…「楽しみだなー桜。」! ちょ、ちょっと待ってくださいよ~!」
「「「「「・・・」」」」」
ぼ、棒読み・・・。
って、え?
橋山さん達まで!?
「・・・きゅ、急にどうしたんだろう、みんな。」
「さ、さぁ・・・。」
「全く、あの人達は。」
「・・・」
・・・はぁ。
もう何が何だか・・・。
「・・・」グ~。
・・・はぁ、腹へった。
・・・お茶でも飲むか。
えーっと、・・・あった。
・・・あれ?
ない。
何で?
・・・あ。
・・・そういや、公民館の屋根で雨宿りしてるとき、みんなで飲んだんだ。
てかあのとき、僕だけ飲めてないし。
・・・はぁ、最悪。
・・・もう帰りた…「はい。」・・・え?
「・・・」
「し、白鷺、さん・・・。」
「私のお弁当、少し分けてあげるわよ。」
「・・・で、でも…「何?いらないの?それなら別にいい…「す、すいませんすいません!いりますいります!」・・・ふふ。」?」
「あなたがさっきから私と目を合わせないのは、私が怒っていると思っているからでしょ?」
「! そ、それは…「正直に言いなさい。」・・・はい、そうです。」
「「「・・・」」」
「・・・いいわよ。」
「へ?」
「さっきの紙の件、一旦許してあげる。」
「! ま、マジです…「言っておくけど、勘違いしないでね。」!」
「私は、“一旦許す”と言っただけ。その意味を、よーく噛み締めておいて。」
「・・・は、はい。」
こ、怖え・・・。
「・・・なんてね♪」
「へ?」
「・・・はい。これ、楓の分よ。」
「あ、・・・ありがとう、ございます。」
白鷺さんは、自分の弁当箱の蓋をお皿代わりにして、そこに白ご飯とサラダを入れてくれた。
僕、人から弁当分けてもらうの初めてだな。
「空見さん。よろしければ、私のもどうぞ。」パカ。
「!」
「あ、空見くん、私のもどうぞ。」
「わ、私のも、・・・どうぞ。」
・・・まさか、氷川さんと松原さん、白金さんからももらえるとは思わなかった・・・。
ちなみに氷川さんは(なぜかにんじんが入ってない)きんぴらごぼうを、松原さんは玉子焼き(二つ)を、白金さんはプチトマト(三つ)をくれた。
「・・・」
「? どうしたの?かえ…「本当にありがとうございます!」ドゲザ。 ! ちょ、ちょっと楓、大げさよ///。」
「このご恩は、いつかきっとお返ししますので!」
「べ、別に大丈夫だよ~。」
「空見さん、顔をあげてください!」
「ほんとのほんとに、ありがとうございます!」
「そ、空見さん・・・。」
土下座するほど嬉しいとは、まさにこのことだ…「今すぐそれをやめないと、食べ物没収するわよ。」!バッ!
「・・・す、すいません。つい、調子にのりすぎました・・・。」
「・・・ふふ。分かればいいのよ。」
「ほら、顔をあげて、空見くん。いっしょにお弁当食べよう?」
「・・・うん。ありがとう、松原さん。」
「丸山さん達、いつ戻ってくるんでしょうか?」
「心配ないわよ紗夜ちゃん。もう少しすれば帰ってくるわ、彩ちゃんなら。」
「(? どうして、丸山さんだけ・・・?)」
「それじゃあみんな、彩ちゃんには悪いけど、先にお花見、始めてましょうか。」
あ、待たないんだ・・・。
「・・・楓も、もう食べてていいのよ?」
「あ、はい。それじゃあ・・・」
うーん、どれから食べようかな・・・。
うん、やっぱりまずは、白ご飯からかな。
よし、じゃあいただきまー…、・・・ん?
・・・あ。
「? 空見さん、どうして固まっているんですか?」
「! もしかして、どこか体の具合が悪いとか!?」
「いや、別にそういうわけじゃなくて・・・」
「じゃあ何なの?」
「・・・箸、ですよね?」
「「「え?」」」
「うん。・・・いざ食べようと思っても、箸がないから食べれなくて。」
「・・・はぁ、それならそうと早く言えばいいのに。」
「具合が悪いわけじゃなかったんだね、良かった~。」
「紛らわしいことしないでください。」
・・・これ、僕が悪いの?
「はい、空見さん。」
「ん?・・・あ。」
「私、お弁当のときはいつも、予備に二つ箸を持ち歩いてるんです。なので、もしだったら一本、使ってください。」
「あ、ありがとう、白金さん。」
「燐子ちゃん、気が利くのね。」
「た、たまたま、です///。」
「良かったね、空見くん。」
「うん。」
よし、これで箸も無事ゲット。
これでようやく食べれるな。
というわけで、いただきま…「おーい!みんなー!」え?
「! 彩ちゃん!」
「お帰り彩ちゃん。桜、どうだ…「・・・」パタン。 あ、彩ちゃん!?大丈夫!?」
「つ、疲れた~・・・。」
・・・確かに白鷺さんの言う通り、丸山さん“は”戻ってきたな。
「どうしたのですか?丸山さん。」
「何が、あったんですか?」
「て、テラスのところから、ずっと、走って、きたから、・・・つ、疲れて、はぁ、はぁ・・・」
「わ、私、お水くんで…「だ、大丈夫だよ、花音ちゃん。」そ、そう?」
「・・・丸山さん、他の四人は、いったい・・・」
「あ、美菜ちゃん達なら、テラスにいるよ。」
「テラスに?」
「なんかね、美菜ちゃんと橋山さん、音羽ちゃんと沙谷加ちゃんの四人で、ガールズトークするんだって。」
「ガールズ、トーク?」
「うん。四人だけで話したいことがあるから、って言ってたよ。」
「四人だけで、話したいこと・・・?」
「! も、もしかして美菜ちゃん達、喧嘩しちゃったんじゃ…「それはないよ。」え?」
「どうして、そう言い切れるんですか?」
「だってみんな、すごく楽しそうな顔してたもん。沙谷加ちゃんだけ、なぜか顔が赤くなってたけど。」
「「「「・・・」」」」
「だからたぶん、喧嘩なんかじゃないよ。心配しなくても、大丈夫だと思う。そうでしょ?千聖ちゃん。」
「・・・ええ、そうね。」
「・・・」グ~。
「「「「「!」」」」」
「あ。・・・///。」
「彩ちゃん・・・。」
「あ、あはは・・・。お腹すいちゃった。走ってきたからかな。」
「・・・お花見、しましょうか。」
「そうですね。」
「私も、お腹すいちゃったかも。」
「ずっと、しゃべってばかりでしたしね。」
「よ、よーし!じゃあさっそくみんなで、お弁当食べ…じゃなかった、お花見しよー!」
「「「「「・・・」」」」」
「・・・あれ?」
「・・・彩ちゃん、無理して言い直さなくてもいいのよ?」
「丸山さんが言いたいことは、よく分かってますから。」
「早く食べたいんだよね、彩ちゃん。」
「みんなで“お弁当”、食べましょう。丸山さん。」
「もう~///!みんなしてからかわないでよ~///!」
完全に丸山さんを煽ってる・・・。
「ほら!空見くんも“お花見”、始めるよ!」
「! う、うん。」
ま、丸山さん、涙目になりながら怒ってる・・・。
相当恥ずかしかった、のかな・・・?
「うぅ・・・。」
次回でお花見回完結!・・・だと思います。
今月中には終わらせたいなー。