田舎から引っ越してきた僕と個性的な人達   作:知栄 砂空

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どうも、知栄砂空です。

最近暑い日が続きますね~。

もう完全夏だな……。

さぁ、夏と言えば水着イベ。

水着イベと言えば今日から始まるパスパレイベ!

今日から始まると言えばドリフェス!!

フェス限花音ちゃんを当てるべく、溜めた5000個のスターをぶっぱなす時がきたようだ!

……最悪星四一枚ぐらいは出てほしい・・・。


19話 結果的に楽しかったからいいけどやっぱりあのときは顔から炎が出るほど恥ずかった

赤やピンク、水色などの明るい色で可愛らしくデコレーションされている壁。

 

この店の真ん中に並び立っている、とてつもなく多くの種類のスイーツやデザート。

 

そして……。

 

「次はどれ食べよっかな~?」

 

「この店、すごく可愛いよね~!」パシャッ、パシャッ

 

「じゃあ撮るよー!はい、チーズ!」

 

……周りを見渡してもほぼ女子しかいない。

 

男がいるとすれば……。

 

「ほら、お前の分、取ってきてやったぞ。」

 

「うわ~!ありがとう!」

 

「い、いいよ、自分で食べるから。」

 

「そんなこと言わずに、ほら口開けて?あーん。」

 

……もう言わなくても分かるだろ?

 

……何でだ?

 

何でこんな異空間に、僕はいるんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~時はさかのぼること1時間前~

 

ー校門前ー

 

「空見先輩またねー!」

 

「今度は好きな動物同士で語り合いましょー!」

 

楓「う、うん、またねー。……はぁ。」

 

疲れた……。

 

知らない女子と話すのって、マジ体力使うな……。

 

ていうか、よくあんな気軽に話しかけられるよな。

 

そこはちょっと尊敬するわ。

 

「よっ、空見。」

 

ん?この声は……。

 

楓「あ、橋山さん。」

 

橋山「ねぇ。空見ってさ、いつも一年にあんな感じで話しかけられてんの?」

 

楓「うん。……たまに、三年生にも話しかけられるけど。」

 

橋山「マジ!?へぇ~、空見って人気者なんだな~。」

 

楓「人気者って……。」

 

橋山「あ、そういやさっき浅井から聞いたぞ?お前、白金さんと手繋いでたんだって?」

 

楓「!? な、何でそのことを!?」

 

橋山「白鷺さんが浅井に教えてやったみたいだよ?」

 

白鷺さん……。

 

はぁ、やっぱりあの人か。

 

橋山「いやぁ、しっかし度胸あるねぇ空見。気弱そうに見えるけど、根はちゃんと男なんだな。」

 

楓「いや、あの橋山さん、誤解なんだよ。手を繋いだのには、理由が…「おい橋山!早く戻ってこい!」!?」

 

橋山「ヤバっ!早く行かないと怒られる!あ、じゃああたしそろそろ行くね。じゃーなー空見!」ダッ!

 

……そういや橋山さんって、テニス部だったっけ。 

 

……あのジャージ見るまで忘れてたなんて、口が裂けても言えないな。

 

てかあの先生、見た目めっちゃ怖え。

 

「あ!空見くーん!」

 

楓「ん?あ。」

 

今度は丸山さんか。

 

彩「空見くん、今帰り?」

 

楓「うん、まぁ。……丸山さんは、何か急ぎの用事?」

 

彩「え、何で?」

 

楓「いや、だって丸山さん、こうして立ち止まってる今でもその場で小走りしてるし。」

 

彩「へ?……あ、ほんとだ。」

 

ま、まさかの無自覚……。

 

彩「あ、じゃあ私、そろそろ行くね。」

 

楓「う、うん。じゃあ…「じゃーねー空見くん!」ダッ! ……じゃ、じゃーねー。」

 

……よし、じゃあ僕も帰ろ……ん?

 

何だこれ?ヒョイ

 

……スイーツバイキング、ご招待券?

 

……何でだろ。

 

なんかこれ、すごい見覚えある気がする……。

 

ま、気のせいか。

 

でもおかしいな。

 

さっきまでこんなの、落ちてなかったはずだけど。

 

……「その招待券、丸山さんのじゃないですか?」!

 

楓「み、宮村さん……。え、これ、丸山さんのなの?」

 

音羽「はい、おそらく。」

 

なるほど。

 

どうりでさっきまで落ちてなかったものが落ちてるわけだ。

 

ん?待てよ?

 

これが丸山さんのものだとなると……早く届けなきゃじゃん!

 

えっと、確か丸山さんは、校門を出て右のほうに行ったよな。

 

音羽「うーん、しかし羨ましいですね丸山さん。女子なら誰もが憧れるスイーツバイキングの店の招待券を持ってるなんて。どこから入手したのかは分かりませんが、機会があればぜひ、スイーツバイキングに行ったときの感想を聞いてみたいものです。あ、でも丸山さんがスイーツバイキングの店に入るには、空見さんが無事招待券を届けてあげないとなんですよね。というわけで空見さん、一秒でも早く、その招待券を丸山さんに届けて……、って、あれ?……空見さん?……あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓「はぁ、はぁ、はぁ……。えーっと、丸山さん丸山さん……。」タタタタ

 

まだそんな遠くに行ってないなら、ここら辺にいそうだけど……、……!いた! 

 

彩「……」アセアセ

 

なんか、すごい困ってるっぽい……。

 

早くこれ、届けてあげるか。タッタッタ

 

 

 

 

 

彩「えーっと、えーっとー……」

 

「あの、お客様。そろそろ次のお客様を…「もう少し!もう少しだけ待ってください!すぐ、すぐに見つけますから!」と、言われましても……」

 

彩「うぅ、どこ行ったの~?私の招待券~!」

 

楓「ま、丸山さん。」

 

彩「! そ、空見くん!?え?ど、どうしてここに…「丸山さんの言ってる招待券って、これのこと?」スッ ……あーー!!これ、私の招待券!!え、どうして!?何で空見くんが私の招待券を持ってるの!?」

 

楓「拾ったんだよ、校門の前で。ほら、さっき丸山さん、急いでる途中で僕と話してたでしょ?」

 

彩「う、うん。……まさかそのときに?」

 

楓「たぶんね。丸山さん、急いで校門を出たから、そのときに落としたんじゃないかな?」

 

彩「……そっか、あのときに……。」  

 

楓「……?あれ?えーっと、丸山さ…「ありがとう空見くん!」ギュッ! うわっ!ちょ、ま、丸山さん///!?」

 

彩「私、もしこのまま見つからなかったらどうしようって思って……。もうほんと泣いちゃいそうで……。」

 

楓「……丸山さん。」

 

彩「だから、空見くんがこれを出してくれたとき、ほんとに嬉しかった。ほんとに……う、嬉しくて……うぅ……。」

 

楓「ちょ、泣かないでよ丸山さん。ほら、みんな見てるし、それに、……こ、こんなところで抱きつかれたら、は、恥ずかしいよ///。」

 

彩「……だから、ありがとう。」

 

楓「うん、それは分かったから。とにかく今は、離してもらえると、助か…「……」ギュー! うっ!ちょ、あの、丸山さん、く、苦しい…」

 

彩「ありがとう空見くん!ほんとのほんとのほんとのほんっとーにありがとう!!空見くんは、私の命の恩人だよ!」ギュー!

 

楓「い、命って、それは流石に、言い過ぎだって。ていうか、ほんと、マジで離して、死ぬ、ほんと死ぬから……」

 

彩「え?」スッ

 

や、やっと離してもらえた……。ガクッ

 

彩「! ご、ごめん空見くん!大丈夫!?」

 

楓「……」チーン

 

彩「ちょっと空見くん!何かしゃべってよ~!空見く~ん!!」

 

「……あのー、お客様?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……くん。……きて。」

 

う、うーん?

 

「……きて。……起きてよ、空見くん。」

 

楓「……ま、丸山、さん?」

 

彩「! 良かった~!気がついたんだね!」

 

……あ、そっか。

 

僕気絶してたのか。

 

……ん?

 

楓「えーっとー、……どこ?ここ?」

 

彩「お店の中だよ。」

 

楓「店の中?あ、スイーツバイキングの……」

 

彩「入口のところにいたさっきの男の人いたでしょ?あの人が、あの後私達をスタッフルームに連れてきてくれたんだ。」

 

楓「な、なるほど。」

 

……あの人には迷惑かけたし(主に丸山さんが)、後で謝っておくか。

 

「ガチャ あ、起きたみたいだね。」

 

楓「! は、はい。……」

 

「? ……あぁ、僕のことなら心配しないで大丈夫だよ。丁度他の人と交代する時間だったし。」

 

楓「……す、すいませんでした。」

 

「え?」

 

彩「! い、いきなりどうしたの空見くん!?」

 

楓「……どうしたも何も、もともとは丸山さんのせいでしょ?」

 

彩「へ?」

 

楓「丸山さんがあんなとこで急に抱きついたりするから、この人や並んでた人達に迷惑が…「わ、分かってるよ!そこのところは、ちゃんと私も反省してるから~!」……」

 

彩「えーっと、そのー、……ごめんなさい。」

 

「いいっていいって。気にしないで。」

 

彩「! あ、ありがとうございます。」

 

楓「……じゃあそろそろ、僕は…「え!空見くん帰っちゃうの!?」だって僕、丸山さんに招待券を渡しに来ただけだし。」

 

彩「うっ、ま、まぁそうだけど……そうだ!空見くんもいっしょにスイーツバイキング行こうよ!」

 

楓「僕も?……でも、どうやって?」

 

彩「へ?あ、えーっと、それは……」

 

楓「……」

 

「……」

 

彩「……あ、あの、この券で空見くんもいっしょに入るってことは…「悪いけど、それは無理なんだ。これは、お一人様用のご招待券だからね。」そ、そう、ですよね。」

 

楓「……」

 

「……まぁ、招待券がもう一枚、もしくは二人用のペア券があれば、話は別だけどね。」

 

「招待券がもう一枚か。……」

 

……あいにくだが、僕は招待券なんて持っていない。

 

見覚えがあるのは確かだが、たぶんCMや雑誌とかで見たのだろう。

 

というわけでやっぱり僕は、ここら辺で帰らせてもら…「ん?」え?

 

彩「ん~?」ジー

 

楓「……えーっとー、何?丸山さん。」

 

彩「……」ジー

 

ちょ、え、待って?

 

……え!?

 

いやいやいやいやマジで待って!?

 

彩「……」ジー

 

何で!?

 

何で丸山さん、さっきから僕のほうをじーっと見つめてくるの!?

 

それともう一つ、さっきから僕が一歩下がると丸山さんが一歩近づいてくるの繰り返しなんだけど!?

 

何!?

 

僕今追い詰められてるの!?

 

どこぞのアニメやドラマだよ!!

 

「……」

 

あの人も見てないで助けてくれりゃいいのにさ!!

 

何で突っ立ったままぼーっとしてんだよ!!

 

・・・!

 

し、しまった、壁が……!

 

彩「……」ジー

 

ど、どうしよう……。

 

もうこれ以上後ろには下がれない……。

 

……ここは、覚悟したほうがいいのか。

 

ん?

 

何の覚悟かって?

 

そんなもん僕が知るか!!

 

いいか!?

 

人にはな、よく分かんなくても覚悟しなきゃいけないときってもんがあるんだよ!!(謎理論)

 

で、そのよく分かんなくても覚悟しなきゃいけないときが、まさに今なんだ…「えいっ!」サッ! ……へ?

 

彩「やった!取れた!」

 

……え?

 

……何?どゆこと?

 

彩「これ、見てください!」

 

「! これは、スイーツバイキングの招待券!まさか、この子も持ってたなんて。」

 

へ?

 

招待券を持ってた?

 

僕が?

 

……何で、僕が招待券を……ん?

 

……ってああーーー!!!

 

思い出したーー!!

 

彩「……くん、空見くん!」

 

楓「え?あ、ご、ごめん、何?」

 

彩「招待券、あったよ!空見くんの!」

 

楓「……よく、見つけたね。」

 

彩「さっきふと空見くんのほうを見たら、空見くんの制服のポケットから見覚えのある紙が少しだけはみ出てるのが見えたんだ。で、それをよく見たらスイーツバイキングの招待券だってことに気づいたから、空見くんの隙をついてサッとポケットから招待券を抜き取ったってわけだよ♪」

 

楓「そう、だったんだ。」

 

あれ、僕の隙をつくための作戦みたいなものだったのか。

 

……隙をつくんなら、あれよりもっといい方法あっただろ……。

 

まぁ、僕は何も思い付かないけど。

 

彩「というわけで空見くん!いっしょにスイーツバイキング、行けるね!」

 

楓「……うん、そうだね。」

 

「よし、じゃあそろそろ僕も接客モードに戻るか。ボソッ ……では、これからお席へご案内します。こちらへどうぞ。ガチャ」

 

彩「ありがとうございます!」

 

この人、後半ほぼ空気だったよな。

 

まぁ、本来はこうやって普通に仕事してる人だし、しょうがないか。(しょうがないのか?)

 

彩「えへへ♪楽しみだね、空見くん!」

 

楓「う、うん。」

 

ま、せっかくの機会だ。

 

スイーツバイキング、楽しむかな。

 

……まさかお母さんにもらった招待券を使うことになるとは、朝の時点では思いもしなかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤やピンク、水色などの明るい色で可愛らしくデコレーションされている壁。

 

この店の真ん中に並び立っている、とてつもなく多くの種類のスイーツやデザート。

 

そして……。

 

「次はどれ食べよっかな~?」

 

「この店、すごく可愛いよね~!」パシャッ、パシャッ

 

「じゃあ撮るよー!はい、チーズ!」

 

……周りを見渡してもほぼ女子しかいない。

 

男がいるとすれば……。

 

「ほら、お前の分、取ってきてやったぞ。」

 

「うわ~!ありがとう!」

 

「い、いいよ、自分で食べるから。」

 

「そんなこと言わずに、ほら口開けて?あーん。」

 

……もう言わなくても分かるだろ?

 

……何でだ?

 

何でこんな異空間に、僕はいるんだ?

 

 

 

 

 

……いやマジでどうして!?

 

何でこんな周りが女子orカップルだらけのこの席に僕達がいるの!?

 

いや、女子だけならまぁまだ許せる。

 

だって学校が既にそうだもん。

 

だが、……カップルはダメだろカップルは!!

 

何だ!?

 

僕と丸山さんがカップルに見えたのか!?  

 

……うーん、まぁそれなら仕方ないか……ってなるか!!

 

自慢じゃないが、僕は結構周りをちゃんと見てるから知ってるんだぞ!!

 

「普通の席とカップル席がありますが、どちらにしますか?」

 

「断然普通の席で!あ、出来れば女の子のいるほうの席に…「男が多く座っている席のほうでお願いします。」っておいーー!!お前には男のロマンというものが…「お前少し黙ってろ。」なんだとこのやろーー!!」

 

「普通の席とカップル席がありますが、どちらにしますか?」  

 

「へぇー、選べるんだ。どっちにする?」

 

「もちろん!カップル席で!」

 

「せ、攻めるね……。」

 

「だって私達、カップルだもん!カップル席に座るのは当たり前でしょ?」

 

どうやらこの店では、お客さんを席に案内するときに必ず、普通の席とカップル席どちらがいいか、というのを聞いているらしい。

 

だが!

 

僕と丸山さんが案内されたときは、そんなこと一言も聞かれてない!

 

普通に何事もなかったかのようにカップル席に案内してそのまま仕事に戻っていった!

 

……完全に確信犯だろこれ!!

 

あ、ちなみに僕達をこの席に案内しやがったのは、スタッフルームで休ませてくれたあの男の人だ。

 

……あの人やりがったなーー!!

 

僕と丸山さんじゃなかったら即クレームものだぞ!?

 

……そういえば、さっきまで座ってたはずの丸山さんの姿が見えないけど……。

 

……どこ行ったんだ?

 

彩「ただいまーー!!」

 

楓「あ、おかえり丸山さん。どこ行って…「見てよこれ!」え?」

 

彩「シュークリーム、アイスクリームに、ケーキにゼリー!どれもすっごく美味しそうでしょ?」

 

楓「う、うん。……ていうか、取ってくるの早…「他にも、エクレア、パフェ、クレープ、あ、わたあめもあったっけ。もうね、すごいんだよ!ほんと言い尽くせないほどいろんな種類のスイーツやデザートがあって!一日じゃ全部食べきれないくらいなんだよ!」……そ、そうなんだ……。」

 

え?

 

丸山さん、今日一日で全部食べる気だったの?

 

彩「空見くんも早く取ってきたほうがいいよ。食べたいのがなくなっちゃうよ?」

 

楓「う、うん、そうだね。ガタ ……じゃあ、行ってくるよ。」

 

彩「いってらっしゃーい!」

 

……まぁ、丸山さん楽しそうだし、今回は丸山さんに免じて許してやろう。

 

だが!

 

次こんなことしたら、絶対に許さねえからな!!

 

覚悟しとけよ!!

 

僕と丸山さんをあんな席に案内した男の人!!

 

まぁこんなこと言っても、相手は大人だからこっちは何もできないけどな!!

 

……悔しい……。

 

……!!

 

い、今通りすがった人、チーズケーキ取ってなかった!?

 

いや、取ってた。

 

あの色、形、大きさ、あれは絶対チーズケーキだった!

 

……よし、決めた。

 

まずはチーズケーキを取ってくるぞ!

 

えーっと、ケーキの場所は……あった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「あー、んっ。ん~♪美味しい~♪あ、空見くん、おかえり。」

 

楓「ただいまー。」

 

……丸山さん、早く取ってきたわりには食べるの遅くない?

 

味わって食べてるからなのかな?

 

彩「空見くんも、いっぱい取ってきたね。」

 

楓「うん、まあね。」  

 

紹介しよう。

 

僕が取ってきたものは、チーズケーキ(×2)、ごま団子(×2)、バニラアイス、ストロベリーアイス、いちご、みかんの缶詰め、プチシュークリーム(×2)の計七種類だ。

 

まさかいちごとかぶどうのような果物まであるとは思わなかった……。

 

流石スイーツバイキング……。

 

パシャッ!

 

ん?

 

彩「パシャッ!……パシャッ!」

 

楓「……何やってんの?丸山さん。」

 

彩「え?あ、ごめん!断りもなく、勝手に撮っちゃって……」

 

楓「いや、それは別にいいんだけど、……それ、全部撮るの?」

 

彩「あ、ううん、別に全部撮ってるわけじゃないよ。」

 

楓「え?」

 

彩「……ほら、見て。」ズイッ

 

楓「!?(ち、近い///……。)」

 

彩「撮る角度によって、ものの見えかたが違うでしょ?いろんな角度から撮って、一番よく撮れたなっていうものを、こうやってSNSにあげて……って、空見くん聞いてる?」

 

楓「き、聞いてる聞いてる、大丈夫。え、えっと、つまり丸山さんは、SNS にあげるために写真を撮ってるってこと?」

 

彩「うーん、まぁ簡単に言えばそういうこと!」

 

楓「ま、丸山さんが写真を撮ってる理由は分かったよ。というわけで、早くそっち側の席へ戻ってくれると助か…「そうだ!空見くんもいっしょに写真撮ろうよ!」へ?」

 

え、写真?

 

僕もいっしょに撮る?

 

……待てよ?

 

いっしょにってことは……まさか…「空見くん、ちょっとこっち側に来てくれる?」ん?

 

彩「流石に空見くんのほうの席だと狭いから……。私のほうの席なら、ソファだから広いし二人分座れるよ。」

 

楓「……い、いや、丸山さん、僕は…「ほら、早く来てよ空見くん。いっしょに撮ろうよ!」……」

 

丸山さん、気づいてないのかな?

 

この席で、男女が、並んで、いっしょに写真を撮るって、……それ完全にカップルじゃん……。

 

……無理無理無理無理無理!!

 

丸山さんには悪いけど、ここは断ろう。

 

うん、そうしよう。

 

というわけで、言うぞ!

 

楓「……ま、丸山さん。あの……流石に、この席で、二人で写真を撮るのは…「ダメ、かな?」ウワメヅカイ ……うん、分かった。撮ろう、写真。二人で。」

 

楓「やったー!ありがとう空見くん!」

 

……無理だ。

 

あんな上目遣いされたら、断るのが無理だ。

 

……だーー僕の意気地無し!!

 

彩「空見くん、早くソファに来てよ。」

 

楓「う、うん。」

 

よ、よし、だったらもう最後の手段。

 

……無心になろう。

 

無心になれば、……いける!

 

……たぶん。

 

楓「よっ、と。」

 

彩「……もうちょっと、こっち側に寄れないかな?」

 

楓「えーっと、このぐらい?」

 

彩「……」

 

よし、いい感じだ。

 

ちなみに今僕が動いたのは、1㎝ぐらいだ。

 

……ズイッ

 

え?

 

ピタ

 

/////!!??

 

彩「これくらい近づけばいい…「ちょ、ちょちょ、ちょっと、ちょっと待って丸山さん/////!!」? 何?」

 

楓「な、何って……/////。……い、今の、この、状況、わ、わ、分か、分かってる、の/////?」

 

彩「うん。」

 

楓「……」

 

説明しよう。

 

……くっついてる。

 

ん?どういう意味かって?

 

そのままの意味だよ。

 

くっついてる。

 

……そう。

 

……くっついてんだよ/////!!

 

今僕と丸山さんは/////!!

 

ピッタリと/////!!

 

体をくっつけてんだよ/////!!

 

あ、言っとくけど変な意味じゃねえからな!!

 

変なこと想像したやつは正直に名乗り出ろ!!

 

僕がぶっ飛ばしてやるから!!

 

 

 

 

 

全てを説明しよう。

 

……僕が1㎝だけ動いた後、丸山さんが突然ピタッてくっついてきたんだよ。

 

その瞬間めちゃくちゃぴっくりして、反射的に離れようとしたんだけど、丸山さんが携帯を持ってないほうの手で僕の腰のところをガシッて逃げられないように押さえつけててさ。

 

……もう諦めたよね。

 

僕が諦めたって分かったのか、丸山さんは押さえつけるのをやめてくれたけどさ。

 

もう仕方ないからそのままくっつかれたまま写真撮ったよね。

 

丸山さんに言われて二人でピースしながら。

 

……で、更にはよ。

 

その一部始終を周りに座っている人とか店員さんにめちゃくちゃガン見されてたから、恥ずかしさ超絶倍増だったよね。

 

もう穴があったら入りたいのを通り越して、地球の反対側まで真っ逆さまに落ちていきたい気分だったわ。

 

あ、ちなみに僕は、ピタッとくっつかれてから写真を撮るまで、顔が異常に赤かったそうだ。

 

そりゃそうだ。

 

男が女子にいきなりピタッてくっつかれたら、誰だって顔なんか赤くなるわ。

 

ん?

 

赤くならないやつもいるって?

 

知らねえよそんなの!!(なぜか逆ギレ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご来店ありがとうございましたー!またのお越しをお待ちしております!」

 

彩「あー美味しかった!ね、空見くん!」

 

楓「う、うん……。」

 

疲れた。

 

もう今日はほんとにいろんな意味で疲れた。

 

家に帰ったら即寝よう。

 

うん、そうしよう。

 

彩「……なんか、ごめんね?」

 

楓「え?」

 

彩「私のわがままに付き合ってもらっちゃって。スイーツバイキングに行こうって誘ったのも私で、いっしょに写真を撮ろうって言ったのも私だし。……恥ずかしかったんだよね?いっしょに写真撮るとき。」

 

楓「! ……き、気づいてたの?」

 

彩「私もそこまでバカじゃないもん。……あのとき空見くん、顔すごく真っ赤になってたよね。」

 

楓「! だ、だって、あのときはほんとに…「分かってるよ。」……」

 

彩「……ごめん。なんか、無理させちゃったみたいで。」

 

楓「い、いや、別に無理なんて……」

 

彩「……」

 

楓「あ、……。……え、えっと、その、丸山さん。」

 

彩「ん?」

 

楓「変なこと、聞いてもいい?」

 

彩「……うん。」

 

楓「何で、……僕といっしょに写真を撮ろうって思ったの?」

 

彩「……」

 

……ヤベ、黙っちゃった。

 

……変な質問すぎるよな。

 

何でいっしょに写真を撮りたかったのか、なんて。

 

彩「……思い出を。」

 

楓「え?」

 

彩「空見くんとの思い出を、作りたかったから。」

 

楓「……僕との、思い出?」

 

彩「……」

 

……また、黙っちゃった。

 

……僕との思い出を、作りたかったから。

 

……そんなこと言われたの、初めてだな。

 

彩「……」

 

楓「……あ、ありがとう。」

 

彩「え?」

 

楓「スイーツバイキングに、誘ってくれて。まぁ、最初あんな席に案内されたときや丸山さんにいっしょに写真撮ろうって言われたときは、ほんとにびっくりして、緊張して、恥ずかしくて。丸山さんにくっつかれたときなんか、自分の体温が急激に上がったり全身震えたりで、もう顔から炎が出そうなくらいにヤバかったけど、……スイーツやデザートとかは美味しかったし、丸山さんと話してるときも、楽しかった。」

 

彩「……」

 

楓「いろいろあったスイーツバイキングだったけど、……結果的に楽しめたし、良い思い出にも、なったと思う。」

 

彩「……ほんと?」

 

楓「うん。……だからさ、丸山さ…「えへへ♪」?」

 

彩「そんなこと言ってもらえると、なんか嬉しいな♪」

 

……丸山さん。

 

彩「スイーツバイキング、また行きたいな~。あ!今度はパスパレのメンバーや、花音ちゃん達といっしょに行きたいな!もちろん、空見くんは強制参加で……」

 

……良かった、いつもの丸山さんだ。

 

……松原さんとかと比べると、丸山さんは元気っ子って感じがするんだよね。

 

だからかな。

 

丸山さんは落ち込んでるときより、こういうふうに元気にしてるときのほうが合ってる気がする。

 

てか、今丸山さん、僕は強制参加だとかなんとか言わなかった?

 

『ピロリン♪』

 

楓「ん?メール?」

 

彩「? 何々?どうしたの?」

 

楓「あ、ううん、何でもないよ。ただメールが来ただけ……って、あ、日菜さんからか。」

 

彩「日菜ちゃん!?」

 

楓「! な、何で、そんなに驚いてんの?」

 

彩「い、いやぁ、空見くんが日菜ちゃんと知り合いだったのが、ちょっと意外で……」

 

……そんなに?

 

彩「それで?メールには何て書いてあるの?」

 

「え?あ、えーっと……って何で丸山さんが……」

 

彩「いいからいいから。ほら、早く見せてよ。」ズイッ

 

楓「(! だ、だから近いんだって///!丸山さんはもうちょっと距離感ってものを…「空見くん、早く早く。」……はぁ。)えーっと、何々?……『今週の日曜日、駅前の広場に集合ね!時間は……10:00ぐらいでいいかな。じゃあ、そういうことでお願いね!遅れないでよ~?』……へ?」

 

え、何、どゆこと?

 

日曜日?

 

駅前の広場に集合?

 

……あー、そういやあの人、今週の日曜は予定空けといてくれって言ってたな。

 

……行かないとまずいかな?

 

……よし。

 

楓「えっと、……例のメールだけど、僕に行かないという選択肢は…『ピロリン♪』え?また日菜さん?……!」

 

『ちなみに、来れない、もしくは来ないなんて選択肢はないからね。もし来なかったら、……お楽しみに♪』

 

……怖い。

 

……こんな脅し受けたら、行くしかないじゃん。

 

彩「……」

 

楓「……あのー、丸山さん。どうかした?」

 

彩「え?あ、ううん、何でも?」

 

楓「……そう?」

 

彩「……ううん、やっぱ何でもあるかな。」

 

楓「え、どっちな…「空見くん!」! は、はい!」

 

彩「私と、……電話番号交換してください!」サッ!

 

楓「……へ?」

 

彩「……」

 

楓「……い、いいけど…「やったー!ありがとう!」う、うん。」

 

彩「じゃあ空見くん、ちょっと携帯貸して?」

 

楓「あ、うん。……はい。」

 

彩「ありがと♪~~♪」

 

……これで四人目、か。

 

白鷺さんに言われてから、ついついそのことを意識するようになってしまった……。

 

知り合いでまだ交換してないのは、氷川さんと白金さんか。

 

……って、そんなのいちいち気にするなって!

 

ん?何?

 

男は気にするのが普通だって?

 

僕の中では普通じゃないの!

 

彩「はい、できたよ。」スッ

 

楓「あ、……うん。」

 

彩「……ねぇ、空見くん。」

 

楓「ん?何?」

 

彩「日曜日さ、……私もいっしょに、行っていいかな?」

 

楓「え、丸山さんも?……いい、と思うけど、一応日菜さんに聞いて…「なんてね♪」へ?」

 

彩「冗談だよ。私その日、千聖ちゃんと約束があるんだ。」

 

楓「え、……じゃあ、何で…「あ、じゃあ私、帰り道こっちだから!」え?いや、ちょ、え!?」

 

彩「じゃーねー空見くん!また学校でねー!」

 

楓「……う、うん。……じゃ、じゃーねー。」

 

……丸山さんって、あんな人だったっけ?

 

……まぁいいや。

 

それにしてもいきなりだったなぁ。

 

冗談のこととかも含めて、いきなりでびっくりしたよ。

 

……日曜日か。

 

僕この日、一日中ゲーム三昧する予定だったんだけどな。

 

ま、それはまた今度でいっか。

 

行かないとなんかヤバそうだし。

 

……スイーツバイキングのチーズケーキ、美味しかったなぁ。

 

……よし、じゃあ僕も帰ろう。

 

家帰ったら何しようかなぁ?

 

イベント周回?

 

あ、溜まってた音楽番組見るのもいいな。

 

……!

 

何この子!めっちゃ可愛い!!

 

……よし。

 

家に帰ったらすること、猫の可愛い動画鑑賞に決まりだな。

 

さて、そうと決まったら早く帰ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「……」

 

 

 

 

 

彩『……ズイッ ……ピタ』

 

彩「……流石に、ちょっと大胆すぎたかな?……ううん、空見くんと仲良くなるためだもん。ピタッてくっつくのなんて、どうってことないよ!……それにしてもこの写真の空見くん、顔がひきつってるな~。ま、仕方ないか。……今度はちゃんと、笑顔で撮れるといいなぁ。」




タイトル多分今まででダントツに長いw。

まぁでも、ギリギリ三段にならなくて良かったですw。

もうお察しの方もいると思いますが、今回の彩ちゃん回と前回のりんりん回は同じ日の出来事です。

まぁだから何だって話ですけどね。

さて、次回は話の最後のほうにも出てきた(出てきたって言えるのかw?)あのキャラの回です。

夏休み期間なのでもうちょっと頑張って更新頻度をあげたいです…。
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