今回から、「・・・」の部分を「……」のように変えることにしました。
ガルパのストーリーとかを見ると全部こっち基準だし、こっちのほうが文字数も少なくなるので。
なお、過去の回もこのように変えるかは未定です。
もし変わってたら、あ、こいつ過去のやつも変えたんだな、程度に思ってくださいw。
楓「はい、どうぞ。」
生徒A「ありがとうございます。」
現在は昼休み。
僕は今、図書館でカウンターの仕事をしている。
この前の図書委員の集まりで、僕は先生にカウンター係に任命、というか、お願いされたのだ。
係は4つあり、本当はやりたい係を自分で決められるのだが、僕はわがままみたいな感じで図書委員に入れてもらったようなもんだ。
だがら係のことは、先生に任せようと思った、そしたらカウンターの係になったというわけだ。
カウンター係の仕事は、主に貸し出しや返却だ。
それに加え、この学校では入館者数、貸し出し者数を調べているらしい。
あと、予約のあれやこれや。
これは、……うーんまぁ今度でいいや。
そしてもう1つ、……本の返却だ。
おっと、返却と言ってもさっき言ってたほうの返却じゃないぞ。
本をピッてやって返却された状態にした後にその本をもとあった場所(棚)に戻す方の返却(以後返却Ⅱ)だ。
これまでの学校では、それは本を返却した生徒が自らやっていたが、この学校では生徒ではなくカウンター係がやるらしい。
まぁそれならまだいい。
それをカウンター係がやるということはどういうことか。
……そう。
カウンター係というものは、さっきも言った通り本の貸し出しや返却、入館者数や貸し出し者数を調べたりしなくてはならない。
そしてその本の返却Ⅱは、それらの仕事がない合間にやらなくてはならない。
……もうお分かりだろうか。
そう、大変なのだ。
もし図書館が混んでて、貸し出しや返却をする人がめちゃくちゃいたら、返却Ⅱの本がどんどん溜まっていく。
しまいには昼休み残り5分の間に10冊以上もの本を返却Ⅱしなくてはならなくなるということも、あり得なくはないのだ。
そしてそれが大変な理由はもう1つある。
図書館の入館者数。
これはその名の通り、図書館に入館した人の数のことだ。
つまり、ただ図書館に本を読みに来ただけ、勉強しに来ただけという人も、入館者数に含まれるのだ。
そう、もう一つの返却Ⅱが大変な理由は、返却Ⅱをしている間に人がいっぱい来てしまうことがあるというリスクがあるからだ。
流石に返却Ⅱをしながら入館者数=正の字を数えるのは無理があるし、図書館の入り口が見えないところで返却Ⅱをしていれば、もう言わずもがなだ。
ふぅ、すっかり話してしまったな。
まぁ、という2つの理由から、返却Ⅱはカウンター係の中でも一番大変な仕事と言えるだろう。
あ、ちなみに今僕は、まさに丁度その返却Ⅱをやっているところだ。
僕がただ話してるだけだと思ったら大間違いだ。
今僕は図書委員のカウンター係をしてるんだぞ?
ちゃんと話ながら仕事してるに決まってんだろ。
ガラガラガラ
???「……!」
えーっと、この本は、……ここ、この本は…、………ここか。
???「……」
んで、この本がここ、そんでこの本が…、……ん?
……ん?んん!?
この本、番号がないぞ!?
おかしいなぁ、貸し出しできる本には必ず背表紙に番号がついてるはずなんだけど……。
ん~……。
???「……」
楓「番号、番号……。マジでないぞ?これ、本当に貸し出しできるやつなのか?うーん……「その本はカバーがリバーシブルになってるから、カバーを取ってみれば番号が出てくるはずだよ。」? リバーシブル?」
……!
ほんとだ!
へぇー、こんな本もあるんだ。
で?リバーシブルってことは、このカバーを裏返しにすれば……、お、あった!
楓「おぉ、マジであった。教えてくれて、ありがとうございま……す?」
???「ふふ、どうしたしまして。」
……あれ?
この人、なんか見覚えがあるような……。
???「君が、みんなの言ってた、空見楓くんだよね?」
楓「み、みんな?」
???「私のクラスね、いまだに空見くんのことで話題が持ちきりなんだよ。流石に何週間もその話を聞いてたら、私もちょっと気になっちゃって。クラスで一番よく空見くんのことを話してる子に聞いたら、今日の昼休みに図書委員の仕事やってるって教えてくれて。丁度返さなきゃいけない本もあったし、それならと思って来てみたの。」
楓「……」
???「で、来てみたらなんか困ってるみたいだったから、私が助け船を出してあげたんだけど……。……助け船というより、ほぼ答えだったね。」
楓「は、はぁ……。」
今の話に1箇所、めちゃくちゃツッコみたいところがあったけど、まぁいいや。
……てかやっぱりこの人、なんか見覚えがあるんだよなぁ。
いや、見覚えというよりは、……聞き覚え、か?
???「空見くん。」
楓「? 何ですか?」
???「本の貸し出し、お願いできる?」
楓「あ、はい。それは、もちろん。」
???「ありがとう♪うーん、どれ借りよっかな~?……空見くんのおすすめの本とかってある?」
楓「お、おすすめの本、ですか?」
???「うん。もしあったら、教えてほしいな。」
楓「はぁ……。分かりました。」
~5分後~
楓「それで、この本の面白いところはですね……」
???「うん、……うん、なるほど~。それでそれで?」
楓「いや、この後のこと話しちゃうとネタバレになるので、気になるのなら自分で借りることをおすすめ…キーンコーンカーンコーン え!もう昼休み終わり!?」
???「あちゃー、時間切れになっちゃったねー。」
……結局、昼休みが終わるまで、約30分間この人に本紹介してたのか。
一応委員会の仕事中だったんだけど…、……まぁ、誰も来なかったからいいけどさ。
???「じゃあ私は、この本の続き気になるし、借りて教室戻ろうかな。」
楓「え、それ、借りてくれるんですか?」
???「もちろん!空見くんのあらすじ紹介がとても上手だったから、続きが気になっちゃって。」
楓「……」
???「というわけで空見くん、貸し出し、お願いします♪」
楓「あ、は、はい!ガサゴソ」
???「……」
楓「……」
ピッ
……ポン
楓「……ど、どうぞ。」
???「ありがとう。……それじゃあ私、教室戻るから。」
楓「あ、じゃあ僕も……「空見くん。」? はい?」
???「……もしだったら今日、ライブ見に来てよ。」
楓「え?……あ、あの…「じゃあね、空見くん。」あ、ちょ、ちょっと待って…、……行っちゃった。」
……今日の、ライブ?
ライブ、ライブ……、……。
……!!
そうだ思い出した!
あの人確か、白鷺さんとSPACE行ったときに遅れてやって来た……。
???『りみ、よく頑張ったね。』
???『よーし!じゃあみんなー、いっくよー!』
Glitter Greenの、ボーカル(確かギターもやってた)の人だ。
ん?待てよ?
ということは僕、……結構すごい人に会っちゃった?
……てか、それ以前にさ。
……あの人この学校の生徒だったのーー!?
『キーンコーンカーンコーン』
さてと、HRも終わったし、帰るか。
花音「空見くん、帰るの?」
楓「うん、じゃー…「空見くん。」?」
花音「えっとー、……こ、これ……」
楓「? これって……、本、だよね?」
花音「うん。……あのね、実はこれ、……図書館の本なの。」
楓「え、図書館の?」
花音「実は、昨日が返却日なの、忘れちゃってて……。それで……」
あ、そういうことか。
楓「じゃあ僕、帰りに返しとくよ。」
花音「ほんと?ありがとう空見くん。それと、ごめんね。」
楓「いやいや。……でも、珍しいね、松原さんが忘れることがあるなんて。」
花音「わ、私だって忘れちゃうことくらいあるよ!」
楓「そ、そんなむきにならなくても……」
花音「! ……べ、別に私、むきになってなんか…「それじゃあね、松原さん。また明日。」! う、うん、また明日。……はぁ。私って、そんなしっかり者に見えるのかなぁ?」
千聖「花音、帰りましょ。」
花音「あ、千聖ちゃん。うん。」
千聖「……花音、あなた、また何か楓に変なこと言われたの?」
花音「ふぇぇ!?ち、違うよ!変なことなんか言われてないよ…。……ただ……」
千聖「ただ?」
花音「……空見くんには、私が、しっかり者に見えてる、みたいで…。……でも、私って、空見くんの思ってるほど、しっかり者じゃ、ないから…「確かにそうね。」え?」
千聖「花音はしっかり者よ。授業もちゃんと受けてるし、日直の仕事だって最後までぬかりなくこなしてる、困ってる人がいたらすぐ助けてあげたり、みんなが気づかないようなことも自分から進んでやったり、それから…「千聖ちゃん、褒めすぎだよ~。」ふふ、これ以上挙げるときりがないわね。」
花音「もう~。」
千聖「……それに比べて楓は、……」クドクドクド
花音「(あ、これ、長くなるやつだ。……それにしても千聖ちゃん、そんなにいつも、私のことを見ててくれてるんだ。……えへへ、なんか、嬉しいな♪)」
『チョコを使った美味しいデザート100選』
へぇ、松原さんって、こういうの読むんだ。
チョコ好きなのかな?
お、図書館着いた。
楓「……」ガラガラガラ
???「そ、そうですか。……いえ、大丈夫です。」
あれ?
……あの子は、確か……。
りみ「あ、ありがとうございました。……!そ、空見先輩!?」
楓「こ、こんちには、牛込さん……。」
りみ「えっと、空見先輩、どうしてここに…「いや、僕はただ、本を返しに来ただけだよ。」そ、そうなんですか。……ん?……!あーー!!」
楓「! な、何!?どしたの!?」
りみ「その本、私が予約してた本!」
楓「え?あ、これ?」
りみ「それ、ずっと予約してたんですけど、3週間経ってもまだ返却されてないって言うから、もう半ば諦めてたんです。まさか、空見先輩が持ってたなんて……」
楓「(厳密に言やぁ、持ってたのは僕じゃなくて松原さんなんだけど……。ん?)って、3週間!?……確か本を借りれるのは2週間だから、誰かが1週間多く借りてたということか?……いや、流石に松原さんなわけないか。」
りみ「空見先輩。」
楓「え?あ、ご、ごめん、何?」
りみ「その本、私が借りても、いいですか?」
楓「あ、うん、もちろん。予約してた人とそうでない人なら、優先すべきは予約してた人だしね。」
りみ「あ、ありがとうございま…「でもその前に。」? ……あ、返却。」
楓「そ。ちょっと待っててね。」
りみ「わ、分かりました。」
まさか、松原さんから返してきてほしいって頼まれた本が、牛込さんが予約してる本だったとは。
これ、結構すごい偶然だよな。
りみ「あ、ありがとうございました、空見先輩。」
楓「うん。……それより、良かったね。ずっと予約してた本を借りることができて。」
りみ「はい。私、チョコが好きで、チョコを使った料理、というか、デザートを見るのも好きなんです。いつか私も、こういうの作ってみたいなぁって思いながら見るのが、とても楽しみです。」
楓「そう、なんだ。(牛込さんも、チョコ好き、なんだな。)」
りみ「……ジー」シ
楓「……な、何?牛込さん。僕の顔に、なんかついてる?」
りみ「あ、い、いえ、そういうわけじゃ、ないん、ですけど……」
楓「?」
りみ「……あ、あの、空見先輩。」
楓「……は、はい。」
りみ「……あ、あの後、どう、なりましたか?」
楓「? あの後?」
りみ「あ、あの後はあの後ですよ。ほら、昨日の、……ひ、膝枕の…「別になんともないよ!」え!?」
楓「あ、いや、ごめん。えっと、……うん、そう。あの後は別に、何もなかったよ。」
りみ「そう、なんですか?」
楓「うん。たまたま、友達が公園の前を通ってさ、そのときにすぐやめたから。」
りみ「は、はぁ。」
間違ってはない、間違ってはない、……はず。
……あ、そうだ。
楓「えっと、ところでさ、牛込さん。」
りみ「? はい。」
楓「Glitter Greenの、ボーカルの人、いるじゃん?」
りみ「あ、それ、私のお姉ちゃんです。」
楓「あ、やっぱりそうなんだ。」
りみ「やっぱり?……私そのこと、空見先輩に話してましたっけ?」
楓「いや、話してもらったんじゃなくて、たまたま知った、的な感じだよ。」
りみ「たまたま?」
楓「あのさ、この前牛込さん、SPACEでライブ、でいいのかな?してたでしょ?戸山さんと市ヶ谷さんといっしょに。」
りみ「あ、はい。」
楓「そのときにさ、牛込さんが言ってたじゃん。その、Glitter Greenのボーカルの人のことを、お姉ちゃんってさ。覚えてる?」
りみ「え?……あ、そ、そういえば///。」
楓「そのときに、まぁ、知ったんだよ。」
りみ「あ、あのときは、その、お姉ちゃんが無事ライブに間に合ったことが嬉しくて……。つい、あんな大勢の前で、……い、今思うと、恥ずかしい///。」
楓「あ、……な、なんか、ごめん。」
りみ「い、いえ、いいんです……。もう、過ぎたことですし……。」
楓「そ、そう……。……そ、それでさ、僕、昼休みに牛込さんのお姉さんと会ったんだよ。」
りみ「! そうだったんですか!?」
楓「うん、図書館でね。で、そのときに言われたんだよ。もしだったら今日、ライブ見に来てくれって。」
りみ「そ、そうなんです!今日SPACEで、またグリグリのライブがあるんです!丁度私、行こうと思ってたところなんです。」
楓「あ、そうだったんだ。」
そっか、やっぱライブってそういうことだったのか。
りみ「……あ、あの、空見先輩。」
楓「ん?」
りみ「も、もし、迷惑じゃなかったら、その、……ライブ、いっしょに行きませんか?」
楓「え?……い、いいの?」
りみ「は、はい!空見先輩が、良ければ。」
楓「いや、僕は全然良いよ。むしろ、そっちのほうがいいぐらい。」
りみ「へ?」
楓「え?僕、なんか変なこと言った?」
りみ「……い、いえ……///。」
楓「? そう?」
いっしょに行けば、SPACEへの道も覚えられるし、1人で行くよりもいろいろと楽だから、一石二鳥って意味だったんだけどな。
なんか変な意味に聞こえたかな?
りみ「……じゃ、じゃあ、空見先輩。さっそく、SPACEのほうに、向かいましょうか。」
楓「そ、そうだね。」
楓「へぇー。蔵でライブだから、”クライブ”か。そりゃまた、斬新なライブだね。」
りみ「はい。斬新で、とても楽しかったです。今度またクライブやるときは、空見先輩にも来てほしいです。」
楓「僕も?……うん、そうだね。楽しみにしてるよ。」
りみ「はい、楽しみにしててください。……あ、空見先輩着きましたよ、SPACE。」
楓「あ、ほんとだ。話してたらすぐだったね。……お、あれは。」
僕の目についたのは、建物の前に置いてあるミニ黒板だ。
そこには、今日のライブに出演するバンドの名前が描かれている。
……Glitter Green以外、みんな知らないバンドだな。
りみ「空見先輩、入りましょう。」
楓「あ、うん。」
カランコロン
楓「おぉ、結構人いるなぁ。」
りみ「SPACEでライブがある日は、いつもこれくらい混んでるんですよ。」
楓「そうなんだ。」
……ん?
いつも?
……もしかして牛込さんって、ここの常連?
楓「ねぇ、もしかして牛込さんって……って、あれ?」
……牛込さん?
……あれ?
牛込さん、どこ行ったんだ?
りみ「……空見先ぱーい。」
あ、いた。
楓「良かったー。急にいなくなるからどうしたのかと…「はい、これ。」え?……これって……」
りみ「ドリンクチケットですよ。さ、何か飲み物頼んで…「ちょ、ちょっと待って?」?」
楓「もしかして、僕の分のお金……、牛込さんが?」
りみ「? はい、私が払いましたけど……」
……さっき一瞬いなくなったのはそういうことかー!
楓「ご、ごめん牛込さん!今お金払うから!えーっと、確か高校生は…「い、いいですよ別に!」で、でも……」
りみ「わ、私が予約してた本を、持ってきてくれたお礼です。」
楓「いや、でも、そんなちっぽけなことで…「いいから!私に払わせてください!」! ……は、はい。」
ぼ、僕のほうが一応年上なのに……。
ていうか、あの本はもともと松原さんが持ってたやつなんだけど……。
……。
りみ「ドリンク、何にしようかな~?」
……僕も、ドリンク選ぼ。
えーっと、オレンジジュースオレンジジュース……、……ん?
???「はい、ありがとうございます。……次のお客様どうぞーって、あ、りみ、それに空見先輩も。」
りみ「おたえちゃん、こんにちは。」
楓「……花園さん?何してんの?こんなところで。」
たえ「バイトです。」
楓「バイト?花園さん、SPACEでバイトしてるんだ。」
たえ「言ってませんでしたっけ?」
楓「うん、初耳だよ……。」
たえ「そうでしたか。……それでりみ、空見先輩、ドリンクはもう決まりましたか?」
あ、もうその話は終わったんだ。
りみ「あ、それじゃあ私は、烏龍茶で。」
たえ「空見先輩は?」
楓「あ、えっと、僕はオレンジジュースを……」
たえ「オレンジ……」
りみ「ジュース?」
……へ?
僕、なんか変なこと言いました?
たえ「……空見さんって、意外と可愛いの選ぶんですね。」
楓「え?……か、可愛いって、僕はただオレンジジュースが好きだから…「はい、烏龍茶とオレンジジュース、お待たせしましたー。」……」
りみ「ありがとう、おたえちゃん。」
たえ「はい、空見先輩。」
楓「あ、ありがとう。」
たえ「……ライブ、楽しんできてくださいね。」ボソッ
楓「!?」ビクッ!
たえ「……ふふ♪」
りみ「? 空見先輩、どうかしましたか?」
楓「い、いや、何でも、ない……。」
……花園さんの考えてること、ほんとに分からない……。
今だって、その、……み、耳打ち?
何でいきなりそんなことをしたのか……。
……ほんとに、分からない……。
たえ「あ、りみ、空見先輩、もうライブが始まるみたいですよ。」
りみ「あ、ほんとだ。それじゃあおたえちゃん、私達行くね。」
たえ「うん。またね、りみ。」
りみ「うん。また明日、学校でね。行きましょう、空見先輩。」
楓「う、うん……。」
たえ「(……耳打ちしただけであんなに動揺するなんて。空見先輩って、面白い人だなぁ。)」
ワー!ワー!
す、すごい熱狂……。
りみ「グリグリは確か、最後のトリですね。」
楓「トリかぁ。……じゃあそれまでは、他のバンドの曲を堪能するとしようか……、って、牛込さん?それ、何?」
りみ「え?何って、サイリウムですけど。」
楓「いやまぁ、それは分かるんだけど……。……あ、もしかして、グリグリの応援、的な?」
りみ「的な、じゃなくて、そうなんですよ!」
楓「あぁ、……そう。」
牛込さん、グリグリのライブ来るとき、いっつもサイリウム持ってきてんのかな?
りみ「はい。」
楓「え?な、何?」
りみ「空見先輩の分のサイリウムですよ。これでいっしょにグリグリを応援しましょう!」
楓「は、はぁ……。」
さては牛込さん、結構グリグリのガチファンだな?
まぁ、お姉さんがいるから当たり前っちゃ当たり前なのかもしれないけど。
「それじゃあ1曲目!いっくよーー!!」
お、始まった。
全然知らないバンドだけど、ま、そこはノリで楽しみますか。
「今回のライブは、次のバンドでラストとなります!ラストはもちろん、Glitter Green!!」
りみ「! 来た!グリグリの番ですよ!空見先輩!」
楓「う、うん。」
りみの姉「……SPACE!!遊ぶ準備は出来てますかー!!」
ワー!ワー!
ヒューヒュー!
! す、すげぇ……。
これ、今日のライブで一番盛り上がってるんじゃ……。
りみ「お姉ちゃーーん!!」
うおっ!
牛込さん、ガチじゃん。
りみ「ほら、空見先輩も!」
楓「ぼ、僕も?いや、でもちょっと恥ず…「恥ずかしがらなくても大丈夫ですって。周りもこんな感じですから。」……。」
りみ「ほら早く!空見先輩!」
楓「……い、イエーイ……」
こんなこと、1人だったら絶対しない……。
りみの姉「(! あれは、空見くんとりみ。ライブ、2人で来てくれたんだ。……ふふ、後でお礼言っとかないとね。)それでは聞いてください!!『Don't be afraid!』!!」
『探してた♪ハジけた色の夢♪』
……すごい。
グリグリオンリーのライブ、初めて見たけど、……すげぇカッコいい……。
白鷺さんと来たときは、戸山さんと市ヶ谷さんと牛込さんwithグリグリって感じだったから、本当のグリグリのライブってわけじゃなかったんだよな。
グリグリオンリーのライブ、いつか見てみたいなぁとは思ってたけど、まさかこんな早く見れるとは……。
マジ牛込さんに感謝だな。
……にしても、ほんとカッケーなぁ。
たまにやる音楽番組とかでいろんなバンドの曲を聞いてきたけど、それに負けず劣らず…、いや、もはやこっちのほうが良いんじゃないかってぐらいのかっこよさなんだよな。
なんか、こう、……聞いてると、体にビリッて稲妻が走ったり、落ち込んでるときや悲しんでるときに聞いたらすごく元気が出たり、……そうだな、あとは……。
『あのときの演奏、すごくキラキラしてましたよね!』
そう、キラキラ。
稲妻が走ったり、元気が出たり、キラキラしたり。
きっと、グリグリの、Glitter Greenの曲は、聞いてる人達をそんな感じにさせてくれるんだよな。
僕も含めて。
……ヤバい、自分で言ってて(言ってない)なんか恥ずかしくなってきた……。
カッコ、つけすぎたかな?
『Don't be afraid!掴め!強く!初めてのこの高鳴りは♪』
お、サビに入ったっぽいな。
牛込さん、盛り上がってんだろうな~……、って、あれ?
りみ「……」
……なんか、浮かない顔してる。
……どうしたんだろ、何かあったのかな?
りみ「……?空見先輩、どうかしたんですか?」
楓「え?あ、いや。……そ、それはこっちのセリフだよ。」
りみ「え?」
楓「いや、さ。……牛込さん、なんか浮かない顔してたから、何かあったのかなって思って。」
りみ「あぁ、……いえ、何もありませんよ。大丈夫です。」
楓「そ、そう……。ならいいんだ…「空見先輩。」ん?」
りみ「どう思います?お姉ちゃんのこと。」
楓「え?ど、どうって、えっと…「カッコいいですよね。」あ、……うん。カッコいい、僕もそう思うよ。」
りみ「……私、お姉ちゃんになりたいんです。」
楓「……へ?」
りみ「……!ちゃ、ちゃう!そうじゃなくて、えっと、お、お姉ちゃんみたいになりたいって意味で、それで……」
楓「わ、分かった、分かったから、ちょっと落ち着いて。」
てか今牛込さん、ちゃうって言った?
……気のせい?
いや、たぶん気のせい、ではないな。
りみ「す、すいません。すぅ、はぁ、すぅ、はぁ。……えっと、……私、お姉ちゃんみたいになりたいんです。」
楓「お姉さん、みたいに?」
りみ「はい。お姉ちゃんのような、カッコいいベーシストに。あ、お姉ちゃんはギター、私はベースと、担当楽器は違うんですけど、私のベース、お姉ちゃんからもらったもので、だから、えっと、その…「だ、大丈夫。言いたいことはだいたい分かったから。」え?そ、そう、ですか?」
……さっきまでは、年上であるはずの僕が圧倒されるほどグリグリガチ勢みたいな感じだったのに……。
もしかしたらこれが、牛込さんの素、なのかもな。
『恋をしたみたいだ♪』
りみ「!」
楓「あ、もしかして、もうすぐ終わり?」
りみ「は、はい。今のアウトロの演奏で、この曲は終わりです。」
楓「そっか。……じゃ、最後はしっかり応援しないとね。」
りみ「……は、はい!」
りみの姉「今回のライブのトリをやらせていただきました!せーのっ!」
Glitter Green「Glitter Greenでした!!」
ワー!ワー!
りみの姉「みんなー!またねー!!」
グリグリサイコウーー!!
マタライブクルネーー!!
楓「……終わっちゃったね。」
りみ「はい。でも、めーっちゃ楽しかったです!やっぱりグリグリは、最高のバンドです!」
楓「最高のバンド、か。……良いよね、自分にそういうのがあるって。」
りみ「空見先輩には、ないんですか?自分が思う、最高のバンド。」
楓「僕は、バンドに関してはまだ全然詳しくないから。今日のライブや前に白鷺さんと来たときのライブに出てたバンドも、正直Glitter Greenしか分からないし。友達がバンドやってるみたいなんだけど、そのバンドの詳細とかはあまり知らないし。」
りみ「そうなんですか。……見つかるといいですね。自分が思う、最高のバンド。」
楓「うん、そうだね。」
りみの姉「りみー!空見くーん!」
りみ「あ、お姉ちゃん!」
りみの姉「まさか、2人で来てくれるなんて思わなかったよ。空見くんがりみを誘ってくれたの?」
楓「いえ、その逆です。」
りみの姉「逆?ってことは、りみが空見くんを?」
りみ「う、うん。」
りみの姉「へぇ~。やるじゃんりみ~。」
りみ「そ、そんなんじゃないよ、お姉ちゃん///!」
楓「……」
りみの姉「空見くん、どうだった?私達、Glitter Greenのライブは。」
楓「あ、はい。それはもう、すごく良かったです。あと、とても、カッコよかったです。」
りみの姉「そう、ありがとう♪」
???「ゆりー、あなたも片付け手伝ってー。」
ゆり「今行くー!じゃありみ、また家でね。」
りみ「うん!」
ゆり「空見くんは学校で、ね。」
楓「は、はい。」
???「ゆりー、早くー!」
ゆり「今行くってばー!それじゃあね、二人とも、気をつけて帰るんだよ。」
りみ「うん。」
楓「あ、あの!」
ゆり「ん?」
楓「……またライブ、見に来てもいいですか?」
りみ「! もちろん!大歓迎だよ!あ、もしだったらりみ、私達のライブの日程、空見くんにメールで送っときなよ。」
りみ「え?で、でも私、空見先輩の連絡先持ってな…「交換すればいいじゃん。」そ、そうだけど~。」
……また、女子の連絡先が一つ増えるのか。
ゆり「うーん。じゃ、私が自分とりみの連絡先を教えるよ。それならいいでしょ?」
りみ「お姉ちゃんが?……まぁ、それなら、いいけど。」
え?
自分と、牛込さんの?
ってことは、……2人ってこと!?
ゆり「それじゃあさっそく…「ゆーりー?」ギクッ!……せ、生徒会長……。」
え!?
この人生徒会長だったの!?
生徒会長「こういうときだけ生徒会長呼びするのやめて。……ゆり、あなたにはお説教が必要…「すぐやる!すぐやるから~!」……」
楓「……」
りみ「お、お姉ちゃん///。」
生徒会長「……会うのは初めてね、空見楓くん。」
楓「! は、はい!」
生徒会長「どう?学校には慣れた?」
楓「あ、はい。最初よりは、まぁ、少し。」
生徒会長「そう。……良かった。」
楓「へ?」
生徒会長「空見くん、何か困ったことがあったら、いつでも私に相談してね。……はい、これ。」
楓「? あの、これは…「私とゆりの連絡先よ。」! い、いいんですか!?そんなの勝手に……」
生徒会長「大丈夫よこれくらい。それとも、一度に2人の先輩の連絡先をもらうことに、何か問題でも?」
楓「いや、問題とかそういうんじゃ…「じゃあ決まりね。はい。」……は、はぁ。」
生徒会長「それじゃ、私はそろそろ楽屋に戻らなくちゃだから。」
楓「あ、えっと、……あ、ありがとうございます。」
生徒会長「うん。じゃあね、空見くん、りみちゃん。」
りみ「さ、さようなら!」
……生徒会長が、グリグリのメンバーだったなんて。
てか、生徒会長の連絡先なんかもらっちゃったよ……。
これ、登録しといていいもんなのかなぁ?
オーナー「あんた達、用が済んだんならさっさと出な!」
! こ、この人は確か、オーナー、さん……。
楓「は、早く出よう、牛込さん。」
りみ「は、はい。」
あの後牛込さんとは、SPACEの前で別れた。
別れる前に少し話をしてたが、そのときの牛込さん曰く、都合が合ったらまたいっしょにグリグリのライブ見に来ましょう、だそうだ。
……最高のバンドか~。
グリグリのライブ見たら、白鷺さん達がやってるバンド、えーっと、『Pastel*Palettes』、『ハロー、ハッピーワールド!』、『Roselia』だっけ?
その3つのバンドのライブも見たくなってきたな。
今度見せてもらえるか聞いてみようかな?
ちなみに生徒会長からもらった連絡先、そのままにしとくのももったいないと思ったので一応登録しといた。
そしたら牛込さんのお姉さんの連絡先を登録した1分後に即効牛込さんの連絡先が送られてきた。
仕事が早いお姉さんだこと……。
FILE LIVE見に行きたい……。
でも金がない……。
あ、でも10月になればおこづかい復活するわ。
というわけでFILE LIVEはハロハピの色紙が入場者特典になってる週にでも行こうかな。