田舎から引っ越してきた僕と個性的な人達   作:知栄 砂空

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どうも、知栄砂空です。

ガルパとリゼロがコラボするらしいですね。

僕はリゼロに関しては完全に無知(エミリアとかの名前を知ってるぐらい)なのですが、もし紗夜さんがコラボガシャで星三か星四で出たら。

……引かざるを得なくなりそうですw。


25話 兄弟を持つといろいろ大変

【空見家 楓の部屋】

 

楓「zzz……。」

 

 

 

 

 

???「……ガチャ」

 

楓「zzz……。」

 

???「……起きろ。」ガバッ!

 

楓「うっ!い、いきなり何すんだよ。てか今何時?」

 

???「今丁度9:00だよ。今日はいっしょに予約してたゲーム買いに行くっつったろ。いいからさっさと起きて着替えて下来い。」

 

楓「……四つも年下のくせに偉そうに。」ボソッ

 

???「何か言ったか?」バキッ、ボキッ

 

楓「! な、何も!?」

 

???「……、……ガチャリ」

 

……ふぅ。

 

……眠。

 

……二度寝しようか…ガチャ !?

 

???「寝たら殺す。」

 

楓「……すいません。」

 

???「……ガチャリ」 

 

……翔真怖い。

 

中一に怯える高二って……。

 

……着替えて早く下行こ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【空見家 台所】

 

楓「ふわぁ~。……おはよー。」

 

翔真「おはよう。ほら、お前の分出来てるぞ。」

 

楓「あ、ありがとう。」

 

朝ごはんは、翔真が作ってくれたトーストとスクランブルエッグか。

 

……スクランブルエッグうまそ。

 

楓「翔真はもう食べ…「食べた。」そ。……いただきまーす。」

 

……うん。

 

普通に美味い。

 

こいつ、将来コックになりゃいいのに。(※楓はスクランブルエッグを作れるというだけで料理が出来ると思ってます)

 

翔真「……ケチャップかけねえの?」

 

楓「え?……あ、なんか足りないと思ったらケチャップか。」

 

えーっと、ケチャップケチャップ……あった。

 

翔真「……スタスタスタ」

 

楓「どこ行くの?」

 

翔真「二階。」

 

……あー、ん。

 

……美味い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【空見家 翔真の部屋】

 

ガラッ

 

翔真「……」ピコピコ……

 

相変わらず、翔真は自分の部屋でゲームをしていた。

 

しかしチャットはしてないようだ。

 

楓「……お前、今日何時に起きたの?」

 

翔真「6:00。それから8:30までずっとゲームしてた。」

 

楓「早くね?てか、朝もゲームしてたのかよ。」

 

翔真「あぁそうそう。今日お母さん早番だったよ。お父さんはいつも通りだけど。」

 

楓「ふーん。」

 

お母さんが早番のときは、帰りがいつもより早い。

 

逆に遅番のときは、帰りがいつもより遅くなる。

 

じゃあ今日はお母さん、15:00頃には帰ってくるんかな?

 

楓「ところで、いつ出るの?」

 

翔真「お前の準備が終わり次第。」

 

楓「……もう終わってるんだけど。」

 

翔真「あ、そうだったん。じゃあちょっと待ってて。これだけやらせて。」ピコピコ……

 

楓「……早くしろよな。」

 

翔真「おう。」

 

マリー「にゃ~。」

 

楓「あれ、おはようマリー。今までどこにいたんだよ。」

 

マリー「にゃ~?」

 

楓「……まぁいいや。いっしょに下行こっか。」

 

マリー「にゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【空見家 リビング】

 

……ドンドンドンドン!

 

やっと降りてきた……。

 

翔真「おまたせー。」

 

楓「遅えよ翔真。お前に待ってろって言われてから10分も経ってんだぞ?」

 

翔真「悪い悪い。ちょっとあるエリアに手こずってて。あ、マリー!」

 

マリー「にゃっ!……にゃにゃ!にゃ~……にゃっ!」

 

翔真「俺にも貸せ。」パシッ

 

楓「あ、おい!……ったく。」

 

猫じゃらしとられた……。

 

僕が遊んであげてたのに。

 

翔真「よっ!ほっ!とっ!はっ!」

 

マリー「にゃっ!にゃっ!……にゃにゃっ!」

 

……まぁ、マリーが可愛いからいっか。

 

……ってそうじゃなくて!

 

楓「ほら、そろそろ行くぞ。」

 

翔真「うん。」

 

楓「……行くって。」

 

翔真「分かってるって。」

 

楓「……おい。」

 

翔真「先に外出て待ってて。」

 

楓「……はぁ。」

 

ほんと、翔真には呆れるわ。

 

スタスタスタ……。

 

 

 

 

 

楓「……ちゃんと鍵閉めて来いよー!」

 

翔真「おうー!」

 

……あとどれぐらい待てばいいんだか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【道中】

 

楓「ちゃんと予約票持った?」

 

翔真「は?お前に預けただろ?」

 

楓「え?……あ、そっか。」

 

翔真「それよりさ、お前に買ってきてもらった攻略本のやつ、めちゃくちゃ強えんだよ。そのせいであの攻略本、売り切れ続出らしいぞ。」

 

楓「へー。」

 

あの日は、ほんといろいろ大変だったなー。

 

楓「……そういやお前、最近どう?」

 

翔真「? 何、最近って。」

 

楓「いや、ほら、その……いろいろだよ。例えば……ほら、部活とか。」

 

翔真「あぁ、ちゃんとやってるよ。」

 

楓「ふーん。……”ちゃんと“、やってるんだ。」

 

翔真「なんだよその腹立つ言い方は。」

 

楓「いやぁ、お前のことだから、すぐやめるんじゃないかと思ってたからさ。友達に誘われたからテニス部に入ったとか、最初聞いたときは馬鹿かこいつ、僕と同じで運動嫌いなこいつだぞ?絶対続くわけねえってずっと思ってたし。」

 

翔真「……そろそろ殴るぞ?」

 

楓「だってほんとのことだし。」

 

翔真「お前じゃあるめぇし、そんなすぐに部活やめるわけねえだろ。」

 

楓「うん、まぁ、そうだな。」

 

翔真「……ほら、見えてきたぞ。」

 

楓「ん?……あの赤い屋根のやつ?」

 

翔真「そ。俺が最近行きつけのゲーム屋。」  

 

楓「へぇー。……

 

 

 

 

 

……ん?……は?……はぁ!?で、でっか!!」

 

翔真「そうだろ?俺も最初見たときはびっくりしたよ。ゲーム関連の店ってだけで三階建て。」

 

楓「三階……。お前、どうやってこんな店見つけたの?」

 

翔真「普通に友達から教えてもらっただけだけど。」

 

楓「え?あ、そう、なの。」

 

翔真「ほら、さっさと入るぞ。」

 

楓「あ、うん。」

 

……“ゲーム好きのゲーム好きによるゲーム好きのための店”。

 

……店名長っ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ゲーム好きのゲーム好きによ…(以下ゲーム店)】

 

楓「……あれ?」

 

『……』ワイワイガヤガヤ……

 

楓「ゲーム屋なのに、ゲーセン?」

 

翔真「店名に"ゲーム好きのための店"ってあったろ。だったら、ゲーセンだって当然あるに決まってんだろ。」

 

楓「そ、そう、なんだ。……あ、あんなところに地図が。タッタッタ」

 

えーっと、一階がゲーセンで、二階がゲーム売り場、三階が中古屋か。

 

……1フロアがめちゃくちゃでけぇ。

 

翔真「おい楓、早く行くぞ。」グイッ

 

楓「いてっ!おい翔真、分かったから服引っ張んな!伸びる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ゲーム店 二階】

 

翔真「ここが二階だ。」

 

楓「おー……。」

 

スゲーな。

 

端から端までゲームだらけ……。

 

あ、ここ攻略本も売ってんのか。

 

そりゃでかいわけ……って待て。

 

……それでもこんなにゲーム関連のものがあるもんなのか?

 

……僕は翔真みたいなゲーマーじゃないから分からん。

 

翔真「おい楓、お前がいないとゲーム買えねえんだぞ。」

 

楓「わ、分かってるって。タッタッタ……」

 

 

 

 

 

楓「……ほら、予約票…パシッ ……」

 

翔真「じゃ、行ってくる。」

 

……はぁ。

 

あいつがゲーム買ってる間、ガチモンの攻略本でも探すか。

 

……にしても、ほんとゲーム関連しかないんだな、ここ。

 

ん?

 

……あ、そっか。 

 

オセロとかのボードゲーム、ウノなどのカードゲームとかも全部含むのか。

 

……そりゃあでかいわけだ。

 

よし、着いたぞ攻略本コーナー。

 

えーっと、ガチモンガチモン……。

 

……あ。

 

これ、翔真が今買ってるゲームの攻略本。

 

へぇ、初日からもう出てるんだ。

 

……持ってってあいつに見せてやろ。

 

 

 

 

 

楓・???「「スッ……え?」」

 

あ、ヤベ、他の人とかぶっちゃった。

 

楓「す、すいません。先にどうぞ。」

 

???「い、いえ、そちらこそお先に……って、え?」

 

楓「ん?……あっ!!」

 

 

 

 

 

翔真「おーい楓ー、ゲーム買えたぞー。予約特典も無事もらえ…「「山吹さん!!(空見先輩!?)」」あ?……誰だ?あの人。」

 

 

 

 

 

ま、まさか、こんなとこで山吹さんと遭遇するとは……。

 

ん?でも山吹さんがゲームって……なんか、想像つかないような…「ねーちゃーん!ゲーム買えたぜー!」え?

 

???「? ねーちゃん、その人は?」

 

沙綾「じゅ、純!?あ、えっとこの人はね、うちの学校の先輩で…「分かった彼氏だ!」そ、そんなんじゃないって///!!」

 

……山吹さんも、弟がいたんだ。

 

沙綾「ほ、ほら、それよりあったよ、純の探してた攻略本。これのことでしょ?」

 

純「! ほんとだ!ねーちゃんサンキュー!」

 

翔真「!? おい楓!聞いてねえぞ!このゲーム攻略本出てたのかよ!?」

 

楓「いや、僕も初めて知って…「お前もこのゲーム買ったの!?」え?」

 

翔真「え?……う、うん。」

 

純「なぁ、プレイキャラ何使う予定?俺ボクサー使うつもり。」

 

翔真「ボクサー?……それも考えてたんだけど、やっぱり俺はスナイパーかなー。」

 

純「スナイパー?銃が好きなの?」

 

翔真「いや、スナイパーだと遠距離攻撃が強くなるから対戦とかで使いやすいんだよ。デメリットは後ろからの攻撃に弱いことだけど、予約特典のアルティメットスコープを使えば360度全方向を見渡すことができるから、スナイパーとの相性抜群なんだ!」

 

純「おぉ!そういうのちゃんと考えてんのかー。スゲー!」

 

翔真「いや、これぐらいは基本だよ。」

 

 

 

 

 

沙綾「……あの子、空見先輩の弟、ですか?」

 

楓「うん。……ちなみに中一。」

 

 

 

 

 

純「なぁ!俺にこのゲームの秘訣を伝授してくれよ!」

 

翔真「ひ、秘訣?伝授?……いや、俺なんかに教えられることは何もねえし。それに第一、ゲーム機がないし……。」

 

楓「あ、ゲーム機なら持ってるよ。」

 

翔真「はぁ!?何でだよ!」

 

楓「いや、ゲーム買った後どっかでやるんじゃないかと思って、一応持ってきといた…「人のゲーム機勝手に持ってくんな!」……うん、それは、悪かった。」

 

純「じゃあ決まりだな!さっそく俺んち行こうぜ!」

 

楓・沙・翔「!?」

 

沙綾「ちょ、ちょっと待って純!何でうちなの!?」

 

純「え?ダメ?」

 

沙綾「いや、ダメっていうか、その……。……!ほ、ほら、確か一階に休憩スペースがあったじゃん?そこでやれば…「やだ。うちでやる。もう決めた。」え~?」

 

翔真「……なぁ楓、俺、どうすればいい?」

 

楓「し、知らん。僕は何も知らん。」

 

沙綾「うーん……。……!そうだお母さん!うちお母さんがいるから、騒いだらダメ…「お母さん今日お父さんといっしょに出かけるって言ってたぞ?」え?……!わ、忘れてた……。」

 

楓・翔「……」

 

純「というわけで俺んちでやろうぜ!えっと……」

 

翔真「……翔真。」

 

純「翔真!このゲームの秘訣を、俺に伝授してくれ!いや、してください!」

 

翔真「……」

 

純「頼む!この通り!」

 

翔真「……」

 

純「この前ガチモンで当てたダークシャドウナイトPB(プロミネンスバーニング)やるから!」

 

翔真「よし分かった!今すぐ行こう!」

 

楓「マジかよお前!?」

 

翔真「あぁマジだ!俺がめっっっっっっっっちゃ欲しかったプロミネンスバーニングをくれるっていうんだ。行かない手はないだろ!」

 

楓「いや、でも翔真。この子の家に行くってことは、その……や、山吹さんの家に行くってことに、なって…「お前の事情なんて知らねえよ。よし、じゃあさっそく行こうぜ!俺がこのゲームの秘訣を、これでもかってくらい叩き込んでやる!」……」

 

純「よろしくお願いします!師匠!」

 

……ど、どうしよう……。

 

楓「や、山吹さん、この二人、どうすれば…「もうこうなったら覚悟を決めましょう。」へ?」

 

沙綾「空見先輩!ガシッ!」

 

楓「! や、山吹、さん?」

 

沙綾「私は覚悟を決めました。だから空見先輩も、覚悟を決めてください!」

 

楓「……」

 

山吹さんが言わんとしてることは分かるけど……覚悟ってのは、流石に大げさじゃ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【山吹ベーカリー】

 

純「ここが俺んちだぜ!」

 

翔真「……パン屋さん、なんだ。」

 

純「もしだったら後でお土産に買っていけよ。それよりまずはゲーム開封だ!」

 

翔真「あ、ちょっと待て!俺も開ける!」

 

カランコロン♪

 

 

 

 

 

楓「……山吹さん、本当にごめん。」

 

沙綾「そんな、いいですって。私のほうこそ、うちの純がすいません。」

 

……それにしてもまさか、弟と二人で山吹さんの家に来ることになるとは。

 

まぁあいつは全然意識してないみたいだけど、僕と山吹さんからしたら、……ねぇ。

 

沙綾「……ず、すっと立ってるのも難ですし、とにかく今は、うちに入りませんか?」

 

楓「……でも、ほんとにい…「だから覚悟を決めましょうって。」グイグイ 分かった、分かったから押さないでよ。」

 

カランコロン♪

 

おぉ、やっぱりここのパンはうまそ…「翔真!早く部屋行ってゲームやるぞ!」「お、おう!」……あいつ、パンに全く興味ないな。

 

沙綾「純!ゲームするのはいいけど、私の部屋でやらないでよ?」

 

純「分かってる!ちゃんとリビングでやるよ!」

 

楓「……翔真も、人の家なんだからくれぐれも失礼な態度は…「分かってるっつーの。」……それならいいけど。」

 

沙綾「ほら、空見先輩も早く入ってください。」

 

楓「う、うん。……ねぇ、山吹さん。」

 

沙綾「何ですか?」

 

楓「今日は、パン屋さん休みなの?」

 

沙綾「はい、今日は定休日なんです。あれ?私、扉に『closed』の看板かけてませんでしたっけ?」

 

楓「え?あー……ごめん、気づかなかった……。」

 

沙綾「いえ、別にいいですよ。……では、私達は部屋に行きましょうか。」

 

楓「あ、うん。」

 

……部屋って、翔真達がゲームするっていうリビングかな?

 

……ん?

 

あれ?

 

楓「あー、や、山吹さん?」

 

沙綾「どうしました?空見先輩。」

 

楓「翔真達が行ったの、向こうだけど……。に、二階?」

 

沙綾「はい。私の部屋、二階ですから。」

 

……へ?

 

え、……え?

 

僕、山吹さんの部屋に案内されんの?

 

……ん?

 

……んーー!?

 

楓「あ、えっと……その、山吹さん?」

 

沙綾「もう、何度も何ですか?」

 

楓「翔真達と同じ、リビングでいいんじゃない?山吹さんの部屋っていうのは、その、僕的にも、山吹さん的にもなんかなーって…「リビングじゃ純達の邪魔になっちゃいますし、私ももう覚悟を決めましたから。」いや、覚悟とか、そういうんじゃなくて…「いいから部屋に着くまで黙っててください!」は、はい!」

 

……山吹さんって、怒らせたら意外と怖い人、なのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【山吹家 沙綾の部屋】

 

沙綾「……ここが、私の部屋です。」ガチャ

 

楓「お、お邪魔しまーす……。」

 

こ、ここが、山吹さんの、部屋……。

 

……じょ、女子の部屋なんて来たの、初めてだよ……。

 

沙綾「私、お菓子とジュース持ってくるんで、空見先輩は座布団に座って待っててください。」

 

楓「わ、分かった。」

 

……ガチャ

 

……座布団、これか。  

 

いいのかな?座って。

 

……座って待ってろって言ってたから、たぶん、いいん、だよな?

 

……し、失礼しまーす。

 

……はぁ。

 

座布団に座るだけで、こんな緊張しなきゃいけないなんて……。

 

……にしても、綺麗だなぁこの部屋。

 

僕の汚い部屋とは大違いだ。

 

……ん?

 

あれは……写真か。

 

……流石に、勝手に見るのは、まずい、よな?

 

……うぅ、で、でも、ちょっと気になるなー。

 

……す、少しだけなら、……いい、か?

 

……よ、よし。

 

…………す、少しだけ、少しだけ……って、ん?

 

この写真に写ってる山吹さんの前にあるのって……ドラム、だよな?

 

……山吹さん、ドラムやってたんだ。

 

 

 

 

 

……ガチャ

 

! ヤベっ!サッ!

 

沙綾「お待たせしてしまってすいません、空見先輩。」

 

楓「ぜ、全然大丈夫だよ。気にしないで。」

 

沙綾「探してみたんですけど、うち、お菓子ないみたいで……。パン、でもいいですか?」

 

楓「も、もちろん!む、むしろ僕、パンのほうがいいかも、なんて。」

 

沙綾「そうですか。よかったです。」

 

ふぅ。

 

よかった、僕が勝手に写真を見たことはばれてないみたいだ。

 

……ん?

 

???「……」ジー……

 

楓「……あー、山吹さん?」

 

沙綾「何ですか?」

 

楓「その……後ろにいる子って……」

 

沙綾「あぁ、この子は妹の紗南です。ほら、紗南もあいさつして。」

 

紗南「……こ、こんにちは。」

 

楓「あ、こ、こちらこそ、こんにちは。」

 

山吹さん、弟だけじゃなく妹もいたんだ。

 

二人もきょうだいがいるって、大変だろうな~。

 

紗南「……お姉ちゃん。」

 

楓「ん?どうしたの?紗南。」

 

紗南「……紗南、友達と遊びに行ってくるね。」

 

楓「え?遊びにって、今から…ピュー! あ、ちょっと紗南!」

 

楓「……弟も元気だけど、妹のほうも、元気だね。」

 

沙綾「あ、あはは……。そうみたい、ですね。」

 

楓「……」

 

沙綾「……」

 

楓「……あ、えっと、……パン、もらっていい?」

 

沙綾「は、はい、どうぞ。」

 

……スッ

 

うまそー。

 

あー、ん。

 

……ん?

 

んー!

 

楓「うまっ!」

 

沙綾「それ、新作なんですよ。」

 

楓「そうなんだ。……これ、めちゃくちゃうまいよ。中のはちみつがちょうどいい甘さで、パンに降りかかってる粉も中のはちみつとマッチしてて……。」

 

沙綾「べ、べた褒めですね……。……そんなに美味しかったですか?これ。」

 

楓「美味しかったなんてもんじゃないよ。超!美味しかった!」

 

沙綾「ふふ、何ですかそれ~。」

 

楓「これ、もう売ってるの?」

 

沙綾「いえ、販売開始は明日からの予定です。」

 

楓「じゃあ明日、学校帰りに買いに来ようかな。」

 

沙綾「もしだったら、今日もう買っていきますか?」

 

楓「え、いいの?」

 

沙綾「はい。特別ですからね?」

 

楓「あ、ありがとう、山吹さん。」 

 

いやぁ、販売開始前に買えるとは、ラッキーだなぁ。

 

明日の朝ごはんにでも食べようっと。

 

純「ねーちゃんねーちゃん!」ガチャ

 

沙綾「純!?ど、どうしたの?」

 

純「充電器ちょうだい。確かねーちゃんの部屋にあるはずだから。」

 

沙綾「充電器?……そんなの、私の部屋にはないけど?」

 

純「そんなことねぇって。前にここでゲームしてたときに忘れてそれっきりだから、絶対あるはずなんだよ。」

 

沙綾「そ、そんなこと言われても……。」

 

楓「……!ねぇ、もしかして充電器って、これのこと?」

 

沙綾「え?」

 

純「! あった!ほらねーちゃん、やっぱ充電器あったじゃん!」

 

沙綾「……」

 

純「サンキューな、翔真のねーちゃん。ガチャ」

 

楓「……」

 

沙綾「……あ、ありがとうございます。空見先輩。」

 

楓「え?あ……うん。」

 

沙綾「まさか、ベッドの下に落ちてたなんて……。全然気づきませんでした……。」

 

楓「そ、それが普通だと思うよ?片付けとかしない限り、ベッドの下なんて見ないことが多いだろうし。」

 

沙綾「……確かに、そうかもしれませんね。」

 

……今の、ちゃんとフォローになってたかな?

 

沙綾「……あの。」

 

楓「ん?」

 

沙綾「空見先輩も、ゲームとか、やるんですか?」

 

楓「僕?……うん、まぁ、するよ。」

 

沙綾「そうですか。」

 

楓「……えっと、何で?」

 

沙綾「あ、いえ。ただ、ふと気になっただけで。」

 

楓「そ、そう……。」

 

……あ、あれ?

 

何だろう、この空気。

 

……まずい、非常にまずい。

 

このままじゃ、気まずいゾーンに入っちまう……。

 

な、何かしゃべらないと。

 

で、でも、何を?

 

何をしゃべればいいんだ!?

 

えっと、えーっとー…「空見先輩。」! 

 

楓「は、はい!」

 

沙綾「……」

 

楓「……?や、山吹、さん?」

 

沙綾「……今度。」

 

楓「え?」

 

沙綾「今度いっしょに、ゲームやりましょうね。」

 

楓「……へ?げ、ゲーム?」

 

沙綾「はい。いつもゲームしてる純を見てたら、私もやってみたくなっちゃって。今日行ったゲーム屋さんの一階、ゲームコーナーだったじゃないですか。だから、今度そこで、空見先輩とゲームやりたいなって思って。」

 

楓「そ、そっか。……うん。僕で良ければ、いつでもいいよ。」

 

沙綾「ふふ、ありがとうございます。空見先輩♪」

 

一時はどうなることかと思ったけど……。

 

ふぅ、気まずいゾーンに入らなくてよかった……。

 

……パン食べよ。

 

沙綾「あ、そういえば空見先輩?」

 

楓「ん?」

 

沙綾「そこに飾ってある写真、見ましたよね?」

 

楓「!」ギクッ!

 

沙綾「やっぱり。分かりやすいですね、空見先輩は。」

 

楓「……な、何で?」

 

沙綾「? ……あー。パンとジュース持ってきたとき、空見先輩がサッて動いたのが見えたので。」

 

ば、バレてた……。

 

楓「……ご、ごめん!勝手に人んちの写真見るのはまずいって思ったんだけど、どうしても気になっちゃって。えっと、だから、その……ご、ごめん!」

 

沙綾「……ふふ。」

 

楓「?」

 

沙綾「別に怒ってませんよ。写真を見られるようなところに置いとくのが悪いんですから。」

 

楓「……ほ、ほんと?」

 

沙綾「はい。」

 

よ、良かったぁ~。

 

バレてたって分かったときはマジで焦ったよ……。

 

山吹さんが優しい人でよかった……。

 

沙綾「……ちなみに私、ドラムなんてやってませんよ?」

 

楓「へ?」

 

沙綾「ここに写ってるの、友達のドラムなんです。友達が、私とドラムをいっしょに撮ったら絶対合うって言って、遊びで撮った写真なんです、これ。」

 

楓「そ、そうだったの?」

 

沙綾「はい。だから私は、別にドラムをやってたわけではありませんよ。」

 

楓「そ、そうなんだ。」

 

ま、まさか、僕がこの写真を見て思ってたことも見抜くなんて……。

 

あ、でも今のは誰でも思うか。

 

沙綾「それより空見先輩、このパン、どれくらい持っていきます?」

 

楓「え?あ、うーん……お任せって、あり?」

 

沙綾「はい、大丈夫です。」

 

楓「あ、じゃあお任せで。」

 

沙綾「分かりました。今持ってきますね。」

 

楓「ありがとう。」

 

……ガチャ

 

 

 

 

 

沙綾「……空見先輩、すみません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

純「翔真!今日はありがとな!すっげー楽しかった!」

 

翔真「おう!俺も楽しかった!またやろうな!」

 

純「ああ!」

 

沙綾「……空見先輩、今日はほんとにありがとうございました。」

 

楓「いや、礼を言うのはこっちだよ。このパン、まさかただでくれるなんて思わなかったからさ。」

 

沙綾「そのパンを食べた人は、私の家族を除いて空見先輩が初ですよ。」

 

楓「じゃあ、また食べるときはちゃんと味わって食べるよ。」

 

沙綾「はい、お願いします♪」

 

翔真「よし、じゃあ行くぞ、楓。」

 

楓「あ、ちょっと待ってよ。」

 

純「じゃーなー!翔真ー!」

 

翔真「おうー!」

 

沙綾「空見先輩!また学校で!」

 

楓「うん!また!」

 

タッタッタッタ……

 

 

 

 

 

純「……行っちゃった。」

 

沙綾「あれぇ?もしかして純、寂しいの?」

 

純「! ち、違えよ!は、早く家入ってゲームの続きやろうっと。」

 

沙綾「ふふ、素直じゃないんだから。」

 

……ま、それは私も同じか。

 

……よし。

 

お父さんとお母さんが帰ってきたときに、パン作りの下ごしらえでもしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【帰り道】

 

翔真「……で?どうだったん?」

 

楓「どうって、何が?」

 

翔真「純のお姉さん。楓のガールフレンドなん…「そ、そんなんじゃないって!」ほんとかぁ?」

 

楓「ほんとだよ!山吹さんは、その、えっと……。……!こ、後輩!ただの後輩だから!」

 

翔真「でも、先輩と後輩が付き合うってのも、最近じゃ珍しくない…「だから!僕と山吹さんはそんなんじゃないってば!」……ま、俺にはどうでもいいことだけどさ。」

 

楓「どうでもいいなら聞くな!」




あと二話、あと二話だけ付き合ってください……。

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