田舎から引っ越してきた僕と個性的な人達   作:知栄 砂空

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どうも、知栄砂空です。

そして2020年、明けましておめでとうございます。

今年も変わらず気長にやっていくので、よろしくお願いいたします。

というわけで、今回から文化祭編突入です。

文化祭編といえば、僕が一番最初に見たバンドリのアニメがたまたまSTAR BEATの回でした。

STAR BEAT、良い曲ですよねー。


28話 文化祭についての話し合い

『キーンコーンカーンコーン』

 

六時間目終了のチャイムが鳴った。

 

いつもなら、

 

「よし帰ろー!」

 

「帰りどこ寄ってくー?」

 

「あ、そういや昨日さー。」

 

というような会話が、あちらこちらから聞こえてくる。

 

僕も帰りの支度をして、何事もなければまっすぐ家に帰るだろう。  

 

しかし、今日はそうはできない。

 

それはなぜか。

 

そう、なぜなら…「あと二週間で文化祭かー。なんか早いね。」……松原さんに先に言われちゃった。

 

千聖「そうね。花音は、何がしたいとかあるの?」

 

花音「うーん……。私は、みんなで楽しめるものなら何でもいいかな。千聖ちゃんは?」

 

千聖「私も、花音と同意見よ。楓は、何かしたいことあったりするの?」

 

やっぱり回ってきた。

 

楓「僕も、二人と同じ、ですかね。」

 

まぁ、文化祭楽しんだことなんてほぼほぼないけど。

 

『キーンコーンカーンコーン』

 

千聖「あら、チャイム鳴っちゃったわね。それじゃあ花音、私、席に戻るわね。」

 

花音「うん。」

 

……もう答えは出てしまったが、一応説明しておこう。

 

次の七時間目、またの名をLHRというが、この時間は文化祭についての話し合いをすることになっているのだ。

 

松原さんが言ったように、気づけばもうあと二週間で文化祭。

 

時間が経つのって早いなー。

 

ガラガラガラ

 

お、そんなことを考えていると先生が来たようだ。

 

美澤先生「みんないるわよね?……よし、それじゃあ朝話した通り、これから文化祭についての話し合いをするわよ。まずは、実行委員を決めなきゃね。」

 

美菜「はい!」

 

美澤先生「はい、浅井さん。」

 

美菜「私、実行委員長やりたいです!」

 

楓「!」

 

オー!!

 

マジカアサイー

 

マサカノリッコウホー!

 

美澤先生「実行委員長?……いいけど、ほんとに…「全然いいです!私にやらせてください!お願いします!」……と、言ってるけど、異論はない?」

 

クラス全員「……」パチパチパチ……

 

美澤先生「ないみたいね。分かったわ。じゃあ浅井さん、実行委員長よろしく。」

 

美菜「頑張ります!」

 

 

 

 

 

楓「……す、すげー。」

 

花音「すぐ、決まっちゃったね。実行委員長。」

 

楓「実行委員長に立候補なんて、浅井さんやる気あるなー。」

 

花音「美菜ちゃんは、こういう行事とかには積極的に取り組むタイプだから。」

 

楓「あー、……なんかぽい。」

 

実行委員長、まさかの十秒もかからずに決まったよ。

 

こりゃあ、副実行委員もすぐ決まりそうだな。

 

美澤先生「それじゃあ浅井さん。さっそくだけど司会、頼めるかしら?」

 

美菜「分かりました!」

 

スタスタスタ

 

美菜「……改めて、2年A組の実行委員長になりました、浅井美菜です!よろしくお願いします!」

 

パチパチパチ……!!

 

音羽「浅井さん、頑張ってください!」

 

橋山「頼りにしてるぞー浅井ー!」

 

美菜「? 何言ってんの?橋山は副実行委員だよ?」

 

ん?

 

橋山「はぁ!?ちょ、どういうことだよそれ!」

 

美菜「どうしたもこうしたもないよ。私達、いつもいっしょにこういう係の仕事をこなしてきたじゃん。」

 

橋山「いや、まぁそうだけどさ。……と、とにかく、今回私はパス!」

 

浅井さんと橋山さん、いつもいっしょにこういう行事を……。

 

仲良いんだなーこの二人。

 

美菜「もぅ、今日の橋山はつれないなー。……!そうだ空見!空見はどう?副実行委員。」

 

楓「え!?ぼ、僕!?」

 

美菜「そう空見!転校して来たからこの学校の文化祭初めてでしょ?だから、その記念に副実行委員、どうかな?」

 

楓「いや、ちょ、ちょっと待ってよ。記念って……。てかそれより、僕副実行委員なんて全然無理だよ!」

 

美菜「大丈夫だよ、そんな大変な仕事じゃないから。万が一大変な仕事だとしても、空見は男だからなんとか…「いいえ、ダメね。」え?」

 

楓「へ?」

 

花音「ち、千聖ちゃん?」

 

千聖「楓に、副実行委員なんて大役は、絶対無理だわ。」

 

花音「……」

 

楓「た、大役って……。」

 

美菜「え、えーっとー、……白鷺さん、その根拠は?」

 

千聖「多すぎるから、ここで言うときりがないわ。でも、あえて言うならそうね。……めんどくさがりなところかしら。」

 

楓「め、めんどくさがり……。」

 

花音「……」

 

ま、まぁ、間違っては、ないけど……。

 

千聖「そういうわけだから、楓が副実行委員になることは却下よ。」

 

美菜「……で、でも、白鷺さん。そういうのは、ちゃんと本人に聞いた方が…「はぁ、分かった。」え?」

 

千聖「きりがないから言わないでおこうかと思ったけど、納得してないのなら仕方がないわよね。」

 

……白鷺さん、何をする気だ?

 

美菜「いや、あの、白鷺さん?分かったって、何が…「まず楓は騙されやすいの。」……は、はぁ。」

 

千聖「副実行委員は、会計の仕事をしなきゃいけない。それでもし楓が、お金を騙し取られたりしたら、実行委員長のあなたが責任を取らなくちゃいけないのよ。」

 

花音「……」

 

……なんか、嫌な予感が…「あと、楓は細かいことに気づかない。」うっ。

 

千聖「作業をしているときなどに、細かく小さなミスに気づけないようじゃ、副実行委員はやっていけないわ。他にもあるわよ。楓はものを断るのが苦手なの。あ、断るのが苦手というよりは、気が弱くて言い返せないって感じね。だからぐいぐい来るような人に頼まれごとをされたら、嫌でも絶対引き受けてしまう。あと、物忘れもひどいわ。前にそれで、私の大事なものをダメにしてしまったことがあるもの。それから、自分の意見をすぐに言えない、決断が遅い、自分の嫌なことはとことん嫌、物事をテキパキとできない、他には…「分かった。うん、もう分かったよ白鷺さん。」そう?」

 

美菜「うん。身に沁みるほど分かったから、もう言わないであげて、ね?」

 

千聖「身に沁みるって、少し使い方が違う気が…「そんなことはいいの!」……よくはないと思うのだけど。」

 

音羽「だ、大丈夫ですか?空見さん。」

 

楓「……」チーン

 

橋山「おーい空見ー、大丈夫ー?」

 

美菜「うーん、空見がダメとなると、……やっぱり副実行委員は橋山…「だから私は嫌だって。」だよねー……。」

 

音羽「……白鷺さんは、副実行委員、やらないんですか?」

 

千聖「残念だけど、私は無理ね。仕事や、事務所のこととかあるから、毎日来れるとは限らないもの。そういう宮村さんはどうなの?」

 

音羽「いえ、私はこういう役職には向いてないですから。」

 

千聖「……そう。」

 

美菜「うーん、困ったなー。このままじゃ副実行委員が決まらない……。誰も立候補者がいないなら、最悪推薦で人を選ぶしか……。」

 

 

 

 

 

花音「空見くん、大丈夫?そろそろ元気出して?」

 

楓「ま、まさか、あんなボロクソに言われるとは、思わなかった……。」

 

花音「わ、私も、……あれはちょっと、言い過ぎかなとは思った。……千聖ちゃんにはあとで私が言っておくよ。」

 

楓「だ、大丈夫だよ。ああいうのは、言われ慣れてるから。」

 

花音「そういう問題じゃないよ!」

 

楓「! ……えっと、なんか怒ってる?松原さん。」

 

花音「え?あ、……う、うん。少し、怒ってる、かも。」

 

美菜「えー、みなさん。このままじゃらちがあかないので、副実行委員は推薦で決めたいと思います。」

 

楓・花「!」

 

エー!

 

ヤダナー。

 

ワタシスイセンサレチャッタラドウシヨー。

 

楓「推薦か。……ま、僕が推薦されることはないだろうから、本でも読んでようかな。」

 

花音「……空見くん。」

 

 

 

 

 

『楓に、副実行委員なんて大役は、絶対無理だわ。』

 

 

 

 

 

花音「……例え千聖ちゃんでも、あの言い方はひどいよ。空見くん、まだ何もやってないのに、“絶対無理”なんて言われて。……」

 

美菜「それでは、推薦を始めます。副実行委員にはこの人がふさわしい、という人がいたら、何人でもいいので挙げてください。その中から多数決で票の多かった人に…「はい!」はい、松原さん。」

 

楓「! 松原さん?」

 

千聖「え、花音?」

 

 

 

 

 

花音「……私、……副実行委員に、立候補します!」

 

 

 

 

 

楓・千「!」

 

美菜「え、……ほ、ほんと?松原さん。」

 

花音「うん。私、副実行委員、やるよ。」

 

美菜「……分かった。ありがとう、松原さん。みなさん!異論はありませんか?」

 

クラス全員「……パチパチパチ」

 

美菜「ないみたいなので、副実行委員は松原さんに決定です。」

 

パチパチパチ……!!

 

楓「……ま、松原、さん?」

 

花音「空見くん。私、頑張るから。」

 

花音「え?あ、……うん。」

 

千聖「花音が、副実行委員……。どうして、いきなり……。」

 

美菜「じゃあ松原さん。さっそくだけど、書記頼める?」

 

花音「うん、任せて!空見くん、行ってくるね。」

 

楓「う、うん。」

 

スタスタスタ

 

美澤先生「……珍しいわね。あなたが、こういう役職に就くなんて。」

 

花音「はい。自分でも、そう思います。……でも、立候補したからには、しっかり最後までやり遂げます!」

 

美澤先生「え、ええ。頑張ってね、松原さん。」

 

花音「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美菜「そ、それでは!実行委員と副実行委員が決まったところで、いよいよこのクラスの出し物を決めていきたいと思います!何か意見のある人は挙手をお願いします!」

 

生徒A「はい!」

 

美菜「はいそこ!」

 

生徒A「私、カフェやりたいです!」

 

生徒B「あ、私はお化け屋敷!」

 

生徒C「模擬店を出したーい!」

 

生徒D「劇やろ劇!」

 

美菜「はいはい、みんな落ち着いて!松原さん、大丈夫?」

 

花音「ふぇぇ、えーっと、えーっとー……」

 

 

 

 

 

……松原さん、ほんとに大丈夫なのかなぁ?

 

……にしても、何で突然松原さんが副実行委員に……。

 

それに、さっきの……。

 

 

 

 

 

『空見くん。私、頑張るから。』

 

 

 

 

 

……何でわざわざ、僕にあんなことを……。

 

……「何を考えているのかしら?」!

 

楓「え?え、し、白鷺さん!?どうして松原さんの席に……」

 

千聖「どうでもいいでしょ、そんなこと。」

 

楓「いや、どうでもよくは、ない気が…「そんなことより、あなたに聞きたいことがあるのだけれど。」聞きたいこと?」

 

千聖「……花音が副実行委員に立候補したことについてよ。あなた、花音に何か吹き込んだんじゃないの?」

 

楓「! そ、そんなことしてませんよ!そもそも、何で僕がそんなことしなきゃいけないんですか!」

 

千聖「……そうよね。」

 

あ、あれ?

 

意外と、素直に意見を受け入れた。

 

千聖「……あの子、普段はみんなの前に立って何かをする、なんてタイプじゃないから、不思議なのよ。どうしてそんな花音が、副実行委員に立候補なんてしたのか。」

 

楓「あぁ、……それは僕も、思いました。」

 

千聖「きっと花音には、何か理由があるはずなのよ。副実行委員に立候補するに至った、ある理由が。」

 

楓「理由、ですか……。」

 

千聖「……」

 

楓「……」

 

……さっき松原さんが僕に言ったこと、もしかしてあれが、副実行委員に立候補したことと何か関係があるのかな?

 

……って、考えすぎか。

 

楓「……単純に、やりたい、やってみたいって思っただけなんじゃないですか?ほら、自分はみんなの前に立って何かをする、なんてタイプじゃないから、そういう自分を変えたいと思って立候補した、とか。」

 

千聖「確かに、そうも考えられるけど……」

 

楓「理由云々はひとまず置いといて、今は副実行委員になった松原さんを、友達である僕達が応援してあげることが、大事なんじゃないですか?」

 

千聖「……ええ、それもそうね。……あなた、たまには良いこと言うじゃない。」

 

楓「たまにはって……、まぁ、間違ってはいませんけど……。」

 

 

 

 

 

美菜「おぉ、結構いろんな案が出てきたねー。松原さん、お疲れ様。」

 

花音「う、うん……。」

 

美菜「みんなー、出し物は、この中から決めるってことでいいですか?」

 

ハーイ!

 

ソレデイイデース

 

おぉ、結構いろんな候補があるな……。

 

えーっと?

 

カフェ、お化け屋敷、劇に、ジェットコースター、屋台、ミュージカル、等々……。

 

……ジェットコースターって何?

 

どうやって作んの?

 

ていうか、劇とミュージカルっていっしょじゃダメなの?

 

千聖「楓は何にするの?」

 

楓「え、僕ですか?……いやー、どれもあんまり……」

 

美菜「じゃあこれから多数決を取りまーす!一人一回は必ず手を挙げること!いいねー?」

 

楓「……」

 

花音「ほら、一人一回は必ず手を挙げろですって。何でもいいから早く決めてしまいなさいよ。」

 

楓「……じゃあ、無難にカフェとかにでもしとくかな。」

 

花音「カフェ、ね。……なら私は劇にしようかしら。」

 

楓「え、劇?」

 

花音「ええ、劇よ。悪い?」

 

楓「い、いえ、そういうわけでは…「それでは始めます!まず、カフェがいいと思う人ー!」! あ、挙げよう。ビシッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美菜「えー、多数決の結果、2-Aの出し物は過半数を越えた劇に決定しました!」

 

イェーイ!

 

ガンバルゾー!

 

楓「……マジか。」

 

千聖「多数決って、ほんと残酷よね。何があろうと数の多いほうが必ず選ばれてしまうんだもの。」

 

楓「……嫌みですか?それ。」

 

千聖「あら、私は事実を言ってるだけよ。」

 

うー、白鷺さんって、ときどきこういう嫌みっぽいこと言うよなー。

 

はぁ、劇かー。

 

みんな、そんなに劇やりたいのか?

 

……いいや、僕は裏方にでも回ってよ。

 

美菜「このクラスの出し物が劇に決まったってことで、それについての詳しい概要を決めよう…っと思ったけど、時間的に無理そうだなー。」

 

花音「そうだね。……先生、今日の話し合いは、ここで区切りをつけたほうがいいですよね?」

 

美澤先生「そうね。……出し物が決まって盛り上がってるとこ悪いけど、今日はここら辺で切り上げて…「ちょっと待ってください!」! ど、どうしたの?宮村さん。」

 

音羽「詳しい概要を決めるのは無理でも、劇の内容なら残りの時間でも決められると思います。」

 

美澤先生「内容を?……でも宮村さん、内容を決めるのにも、結構時間が…「大丈夫です!もう内容、というよりテーマですね。それは決まっておりますので!」決まってる?それ、どういうこと?」

 

花音「……音羽ちゃんにはもう、劇の内容についての案がある、ってこと?」

 

音羽「そういうことです!」

 

美菜「へぇ、気になるな~。宮村、その案っての、言ってみてよ。」

 

音羽「分かりました!それはズバリ、

 

 

 

 

 

……恋愛ものです!」

 

楓・花・千以外「……」

 

花音「……」

 

千聖「……」

 

楓「……え?」

 

『『『……れ、恋愛ものーー!?』』』

 

音羽「はい!私、今回のクラスの出し物の劇では、ぜひ恋愛ものをやりたいんです!もちろん、童話などではなく、オリジナルの話で!」

 

楓「……」

 

千聖「……」

 

美菜「ち、ちなみに宮村、その理由は……」

 

音羽「もちろん、私が恋愛もの好きだからです!」

 

……お、大雑把な理由だなー……。

 

……文化祭の出し物でやる劇って、だいたい童話系が多いよな?

 

オリジナルって、あまりないような……。

 

……宮村さんを否定するわけじゃないけど、文化祭の出し物で恋愛もの、しかもオリジナルの話で劇って、ちょっと邪道感が…「いいじゃん。」へ?

 

生徒A「いいじゃんオリジナルの話で恋愛もの!宮村!あたしそれやりたい!」

 

生徒B「私も賛成!なんか面白そうだし!」

 

生徒C「それにこのクラスには、恋愛ものにぴったりな人材がいるし!」

 

ワイワイガヤガヤ

 

楓「……あれ?」

 

千聖「みんな、なんかノリノリね……。」

 

美菜「先生、どうですか?宮村の意見。」

 

美澤先生「うーん、オリジナルの話で恋愛ものの劇、ねー。……うん!すごく面白そう!」

 

え~!?

 

ちょ、先生!?

 

美菜「よし!それじゃあ決まり!このクラスの出し物は、オリジナルの話で恋愛ものの劇に決定!!」

 

イェーイ!

 

フーフー!

 

楓「……ま、マジか。」

 

千聖「流石にこれは、私も予想外だわ……。」

 

美澤先生「……うん、丁度いいくらいね。浅井さん、松原さん、話し合いを進めてくれてありがとう。今からHRするから、各自席に戻ってくれる?」

 

美菜「はーい。行こ、松原さん。」

 

花音「う、うん。」

 

千聖「……それじゃあ楓、私は自分の席に戻るわね。」

 

楓「は、はぁ。」

 

……まだポカーンってなってる……。

 

花音「……ただいま、空見くん。」

 

楓「あ、お、お帰り。」

 

花音「……」

 

楓「……」

 

……今回の文化祭は、いつも以上にやる気出なさそう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川女子学園 中庭】

 

彩「へぇ~、オリジナルの話で恋愛ものの劇か~。すごく面白そう!」

 

千聖「彩ちゃんたら、人事だと思って。あのね彩ちゃん、オリジナルの話でしかも恋愛ものの劇って、文化祭では結構邪道なのよ?オリジナルだから、話も自分達で考えなくちゃだし、登場人物や設定なども、全部自分達で考えなきゃなのよ。それがどれだけ大変なことか…「分かった、分かったから千聖ちゃん、ちょっと落ち着いて?」……はぁ、ほんとに分かってるのかしら。」

 

花音「あー、えっと、紗夜ちゃんのクラスは、出し物何をするの?」

 

紗夜「私達は、模擬店をすることになりました。」

 

花音「模擬店かぁ。私達のクラスでも候補に出たよ。ね、空見くん。」

 

楓「う、うん。」

 

紗夜「輪投げや射的、わたあめやクレープ屋さんなど、お祭りであるような店を、六種類ほど出すそうです。」

 

千聖「そうなの。そっちも面白そうね。」

 

燐子「ただ……あと二週間なので、……それまでに、準備が間に合うかどうか……」

 

花音「うん、それは私達も同じだよ。」

 

千聖「私達だけじゃなく、おそらく全クラスそうだと思うわよ。明日くらいから、本格的に準備に入ったほうがいいかもしれないわね。」

 

彩「でも千聖ちゃん達のクラスは、オリジナルの話の劇なんだよね。設定とか話の内容とかも決めないとだから、私達より忙しくなりそう……。」

 

千聖「そうなのよねー。……でも、やるからにはちゃんとしたものを作るつもりよ。」

 

彩「え、設定とかそういうのって、千聖ちゃんが考えるの?」

 

千聖「ち、違うわよ。“私が”じゃなくて、“私達が”という意味よ。」

 

楓「……」

 

花音「……空見くん、さっきからぼうっとして、どうしたの?」

 

楓「え?あぁ、……最近、この六人で集まることが増えたなーって。」

 

花音「あ、……うん、そうだね。」

 

楓「学校来た後の朝とか、昼休みとか、放課後とか。教室や屋上、ときには中庭で、この六人で集まって話をする機会が、いつからか増えたなーって思って。」

 

花音「……たぶんそのいつからかは、お花見のときだよね。」

 

楓「うん、僕もそう思う。」

 

花音「……私は楽しいよ。みんなで仲良くおしゃべりできて。空見くんは、どう?」

 

楓「……うん。僕もまぁ、楽しい、かな。」

 

花音「ふふ、良かった。……ねぇ、空見くん。」

 

楓「ん?」

 

花音「今度、いっしょに水族館に行きたいな。」

 

楓「水族館?」

 

花音「うん。どうかな?」

 

楓「……」

 

水族館……。

 

……水族館って、いくらくらいかかるっけ?

 

ていうか、ここら辺に水族館なんてあるんだ。

 

花音「と言っても、空見くんに拒否権はないけどね。」

 

楓「え!何で!?」

 

花音「忘れた?お花見のとき、私のお願いを一つ聞いてくれるって、言ったよね?」

 

楓「へ?……そんなこと、僕……」

 

……、……、……あ!

 

 

 

 

 

花音『じゃあ今度、私のお願いを一つ聞いてくれるなら、許してあげてもいいよ。』

 

楓『お、お願い?』

 

花音『うん。』

 

楓『ま、まぁ、それぐらいなら全ぜ…『じゃあ決まりだね♪』ニコッ ! う、うん……。』

 

 

 

 

 

楓「……そういえば、言った。」

 

花音「思い出した?」

 

楓「う、うん。」

 

花音「じゃあ決まりだね♪」

 

……ま、これぐらいいっか。

 

もしお金足りなかったら、お母さんにおこづかい前借りしよ。

 

紗夜「……もうこんな時間。みなさん、そろそろ帰りましょう。」

 

彩「そうだね。私達も、これから事務所行かなきゃだし。」

 

千聖「今日は、Roseliaは練習ないのよね?」

 

紗夜「はい。なので今日は、家に帰ったら部屋で自主練しようかと思っています。しかし、どうして白鷺さんがそのことを……?」

 

千聖「日菜ちゃんが言ってたからよ。」

 

紗夜「……なるほど、だいたい分かりました。」

 

彩「花音ちゃん、空見くん!途中までいっしょに帰ろう!」

 

花音「! うん!行こ、空見くん。」

 

楓「あ、うん。」

 

燐子「……!あ、あの、空見さん。」

 

楓「何?白金さん。」

 

燐子「明日、昼休みに図書委員の集まりがあるので、忘れないでくださいね。」

 

楓「あ、そうなんだ。うん、分かった。……明日のことなら、別に明日言ってもよかったんじゃ……」

 

燐子「えっと、それは、……事前に言っておいたほうが、忘れにくいと思ったので……」

 

楓「そ、そう。……ありがとう。」

 

彩「燐子ちゃん、空見くん、早くー!」

 

楓「早っ!?丸山さん、いつの間に……」

 

燐子「ふふ。……行きましょうか、空見さん。」

 

楓「うん。」

 

明日の昼休み、図書委員の集まりかー。

 

忘れないようにしないとな。




最近になって今更予約投稿というものを知りました。

予約投稿って、めっちゃ便利ですね。
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