『Step×Step!』が神曲すぎてヤバイです。
六花ちゃんのことを思い浮かべて歌詞を聞きとりながら聞いたら涙が出てきそうでした……。
【花咲川女子学園 2-A 教室】
美菜「えーそれでは今日も、文化祭についての話し合いをしていきたいと思います。」
クラスメイトA「浅井さん、もうちょっと砕けた話し方でいいよ。」
クラスメイトB「私達、同じA組の仲間でしょ?」
美菜「そ、そう?じゃあ、お言葉に甘えて。……こほんっ!それじゃあ今日も、文化祭についての話し合いをやってくよー!」
『『『……』』』
美菜「え?え、何、この空気。」
花音「あ、あはは……」
楓「……僕的には、あの話し方のほうが浅井さんに合ってる気がするな。」
千聖「ええ、そうね。」
楓「って、またここにいるんですか、白鷺さん。」
千聖「何か問題でも?」
楓「いえ、特に、ないです……。」
余計なことは言わない方が身のためだもんな。
……ん?
花音「……!……ニコッ」
楓「!」
ふと浅井さんのほうを見たら、その隣にいる松原さんと目が合った。
僕と白鷺さんのやり取りを見てなのか、松原さんは僕に向かって静かに笑いかけてくれた。
……そういえば今日、朝のとき以来あまり話してないな。
昼休みの後はすぐこの文化祭の話し合いだったから、中庭から帰ってきた後も話したりしてないし。
やっぱ、実行委員って大変なのか。
美菜「それじゃあさっそくだけど、みんなに重大発表があるんだ!」
クラスメイトC「重大発表?」
クラスメイトD「何それ~。」
楓「重大発表?何だろう……?」
千聖「……」
美菜「それはー、……ジャーン!サッ!」
クラス全員「!!」
美菜「劇の台本、完成しましたー!」
オー!!
スゴーイ!!
モウデキタノー!?
楓「劇の、台本……。」
千聖「やっぱりね。」
楓「昨日話し合いで劇をするって決めたばっかだから、……一日で完成させたってこと!?……スゲーな。」
千聖「仕事が早いのは良いことだけど、問題は内容ね。」
楓「内容?」
千聖「クラス全員が納得する内容じゃないと、また書き直しになってしまうかもしれないでしょ?もしそれがずっと続いたら……」
楓「……間に合わなく、なっちゃう。」
千聖「そういうことよ。」
美菜「じゃあこれをクラス全員分刷ってきたから、今から配るねー。」
楓「え、クラス全員分もう刷ってきたの!?」
千聖「さ、流石にそこまでは予測できなかったわ……。」
美菜「松原さん、配るの手伝ってくれる?」
花音「う、うん。」
美菜「少し時間とるから、ちょっと読んでみて?それで何か意見があったら、出してくれると助かるな。」
クラスメイトE「……はい。」
楓「あ、ど、どうも。」
千聖「……結構厚いわね。もしかしたら浅井さん達、意外と本格的な劇を考えているのかも。」
楓「た、確かに、それは一理ありますね……。」
しかも、それに加えて恋愛ものだろ?
……嫌な予感がしないでもない、けど、……まぁ、読んでみるか。ペラッ
~5分後~
美菜「うん、そろそろいいかな。みんなー、どうだったー?」
『『『……』』』
美菜「……あれ?」
楓「これは、……なんというか……」
千聖「劇というよりは……1つのドラマね、これ。」
美菜「! そうなんだよ白鷺さん!」
千聖「え?」
美菜「今回台本を書くにあたって、一番意識したのはそこ!“劇”っていう固定観念にとらわれずに、1つの“ドラマ”として描く。これが、この台本を書くにあたって一番意識したとこ!」
クラスメイトF「1つの、ドラマとして……」
クラスメイトG「なんかそれ、いいかも。」
クラスメイトH「うん!それに面白そう!」
美菜「ふっふっふ。今回は劇であって劇ではない。そう!ドラマなんだよ!みんながよくテレビや映画で見てるあの!」
花音「み、美菜ちゃん、すごくテンション、高いね……。」
美菜「そりゃ高くなるよ!ドラマだよドラマ!しかも恋愛ものの!それを私達でやるんだよ!もうどんな作品になるか、楽しみでしょうがないよ!」
楓「……もうこれ、劇じゃないじゃん。」
千聖「……」
橋山「よっ、空見。」
楓「あ、橋山さん。」
橋山「浅井のやつ、すごい張り切ってるよな~。」
楓「……去年も、あんな感じだったの?」
橋山「まぁね。でも、去年よりはテンション高いかな。」
楓「え、そうなの?」
橋山「今はああ言ってるけど、浅井ってあまり、劇みたいなの好きじゃないんだよ。そういうのよりは、隣のクラスがやるようは模擬店とか、お化け屋敷みたいなのが好きで……」
楓「そうだったの?……じゃあ、何で……」
橋山「たぶん、空見がいるからじゃないかな。」
楓「……え、僕?」
橋山「空見が転校してきてからあいつ、すごく楽しそうなんだよ。暇があると空見の話ばっかするし、空見にちょっかい出しに行くし。」
楓「あ、……たまにちょっかい出しにくるの、そういうことか……。」
橋山「ここだけの話、浅井のやつ、ああ見えて空見が転校してくるまで友達あたしくらいしかいなかったんだよ?」
楓「! そうなの!?」
橋山「ちょ、声がでかいって!……こういう行事とかでは、率先してなんとか長とかに立候補してみんなをまとめるんだけど、それ以外ではからっきし。あたし以外とはほぼほぼ話さないし、遠慮もしがちだし。」
楓「で、でも、浅井さんが橋山さん以外の人達とも話してるの、よく見るよ?」
橋山「空見を見て、少しずつ努力しようと頑張ってるんだよきっと。」
楓「僕を見て、って……。僕もたいして他の人と話してなんかないのに、何で……。」
橋山「……そういう無意識なところに、ひかれたんじゃないかな?」
楓「へ?」
橋山「じゃ、あたしそろそろ席戻るわ。じゃーね空見。」
楓「……う、うん。」
……無意識?
……って、何が?
……まぁいいや。
それにしてもあの浅井さんが、僕が転校してくるまで橋山さんしか友達がいなかったなんて。
信じられないなぁ。
美菜「というわけで、これから配役を決めたいと思いまーす!」
配役!?
え、もうそんな話になってたの!?
美菜「じゃあまず、この主人公男Aとヒロインの女Aだけど。……ジー」
……ん?
何だ?
なんか、視線がこっち向いてるような……。
気のせい、かな?
美菜「ふふ♪ニコッ そーらみ♪と、松原さん♪頼んだよ♪」
楓・花「え(ふぇ)?」
頼んだよ?
……え?
え、あの、その、え、えーっとー、……え!?
……はぁ!?
『キーンコーンカーンコーン』
千聖「花音、帰りましょ……って、……大丈夫?二人とも。」
楓・花「……大丈夫じゃ、ないよ(です)。……はぁ~。」
千聖「楓はともかくとして、花音がそんな長いため息つくなんて、珍しいわね。」
花音「もぅ~!千聖ちゃん!何で断ってくれなかったの!?」
楓「そうですよ!いつもなら、楓なんかこの役に合うわけがないから却下よ、とか言うのに!」
千聖「そ、そうかしら?」
楓「そうですよ!」
僕と松原さんが何でこんなに怒ってるのか。
それは、さっきの話し合いのせいだ。
……今回の演劇(さっき白鷺さんが今回の出し物は劇というよりは演劇に近いと教えてくれた)の主人公である男Aと、そのヒロインである女A。
……なんと満場一致で、
……僕と松原さんに決まってしまったのだ。
……いや何でだよ!?
嫌だよ!やりたくねえよ!
何で僕が主人公なんだよ!
そりゃあ男が僕だけってのはあると思うけど。
だとしてもだよ!?
浅井さんとか橋山さんがやりゃあいいじゃん!
そこは無理に男=男にしなくてもよかったじゃん!
……みたいなことは言ったんだけど、1VS30以上で勝てるわけないよね。
てか、何で白鷺さんも何も言わなかったの!?
いつもなら絶対、僕にはこんな役合わないって真っ先に反対するじゃん!
それなのに白鷺さん、
千聖『いいんじゃないかしら?楓で。』
なんて言うし!
何!?
白鷺さんキャラ変わったの!?
いったいどうなってんだよ!
え!?おい!!
楓「絶対無理ですよ!僕に恋愛ものの主人公なんて!」
千聖「そんなこと言ったって、決まっちゃったものは仕方ないでしょ?」
楓「いや、決まったっていっても、別に僕はいいとは一言も…「満場一致で決まったのよ?多数決みたいなものなのだから、あなたがとやかく言う義理はないわ。」そ、そんな~……」
あーもうくっそーー!!
……うぅ、多数決め、なんて残酷な決め方なんだ……。
花音「……私、ヒロイン役なんて無理だよぉ……。」
千聖「大丈夫よ。花音なら絶対できるわ。」
花音「できないよ!……ていうか、どうして私なの!?私じゃなくても、千聖ちゃんや美菜ちゃん、橋山さんや音羽ちゃんがやれば…「花音!ガシッ!」!」
千聖「楓のヒロイン役に合うのは、あなたしかいないの!クラスのみんながそう思ってるわ。大丈夫!私がしっかりサポートするから!ね?」
花音「……で、でも~……」
千聖「花音、あなたは楓のヒロイン役、嫌?」
楓「!?」
いや白鷺さん言い方!!
花音「ふぇ!?い、いや、えっと、……別に、い、嫌ってわけではないけど、その、なんというか、……す、少し、恥ずかしい、っていうか……」
千聖「……恥ずかしい?」
花音「う、うん。」
千聖「……楓に膝枕しておいて、ヒロイン役が恥ずかしいの?」
楓「///!?」
花音「ち、千聖ちゃん///!?ど、どうしてそれを……」
千聖「彩ちゃんから聞いたのよ。」
花音「あ、彩ちゃんに?……あ。」
……そういえば見られてたんだっけな。
あの後はほんとひどかった。
ご飯も食べれず、寝れず、次の日も起きれず、食べれず、あげくのはてに遅刻して。
……膝枕なんて、僕みたいなヘタレはされるもんじゃないって、見に染みるほど分かったっけ……。
花音「そ、そっか。……///。千聖ちゃん、知ってたんだ。私が空見くんに、……ひ、膝枕、してあげたこと///。」
千聖「ええ。」
……丸山さん、そういうことは黙ってくれればいいのに。
僕もあのときめちゃくちゃ恥ずかしかったから、あまり人に知られたくないんだよな……。
特に氷川さんとかに知られたら、……どうなるか分かったもんじゃない……。
千聖「膝枕に比べれば、ヒロイン役なんてどうってことないでしょ?」
花音「そ、そんなことないもん!……ひ、ヒロイン役なら、千聖ちゃんのほうが、合ってると思うけど。ボソッ」
楓「……!」
し、白鷺さんの回りに、なんかどす黒いオーラみたいなものが……。
千聖「今のは、例え花音でも聞き捨てならないわね?」
花音「! ち、千聖ちゃん!?な、何で、そんなに、怒って…「私と楓なんかが釣り合うわけないでしょ!?」ふぇぇぇぇ!?」
……珍しい光景だ。
松原さんが白鷺さんに、説教されてる……。
……僕と白鷺さんが釣り合わないなら、僕と松原さんも釣り合わないと思うんだけど。
そこのところは、どうなんだろう……?
千聖「いい?花音。この際だから、あなたにもきっちり教えておくわ。」
花音「ふぇぇ……!?そ、空見く~ん!」
……ごめん松原さん。
こうなった白鷺さんを止めることは、僕にはできないよ。
だって、……止められたためしがないんだもん。
花音「じゃ、じゃーね、空見くん。」
千聖「また明日ね、楓。」
楓「ま、また明日。……はぁ。」
あの後、なぜか僕も怒られた……。
何だよ、何でだよ、僕がいったい何をしたっていうんだよ。
……たまに白鷺さんの考えてることが分からなくなるんだよなー。
はぁ、それに慣れちゃった自分がすごい……。
……帰るか。
……はぁ。
僕が劇の主役、かぁ。
そんなの、できるわけが……。
楓「……ん?」
教務室の前にいるのって、……牛込さん?
りみ「失礼しましたー。……!」
あ、気づいた。
いや、気づかれたというべきか。
りみ「……こ、こんちには、空見先輩。」
楓「こんちには。……日直だったんだ。」
りみ「はい。他のみんなは、宿題があるからって、先に帰りました。」
楓「そうなんだ。……じゃあ、僕もこれで…「あ、あの!」ん?」
りみ「もし迷惑じゃなかったら、その、……いっしょに、帰りませんか?」
楓「え?」
りみ「あ、いや、その、……い、いつもみんなと帰ってるから、一人で帰るのは、ちょっと寂しいなーって思って、それで……」
楓「……」
りみ「……へ、変ですよね。高校生が、一人で帰るのは寂しいなんて…「い、いや。」?」
楓「別に僕は、……そうは、思わないけど……」
りみ「……」
楓「……い、いいよ。それなら、……いっしょに、帰ろっか。」
りみ「……あ、ありがとうございます!」
楓「ど、どういたしまして。」
楓「……」
りみ「……」
さっきは、牛込さんがあんなこと言ってたからかわいそうだなと思ってああ言ったけど、……これで、よかったのかな?
今はお互い無言でただ歩いてるだけだけど、……この状態、いつまで続くんだろう……。
りみ「……あ、あの、空見先輩。」
楓「! な、何?」
りみ「空見先輩のクラスは、文化祭、何やるんですか?」
楓「文化祭?……僕のクラスは、……演劇、でいいのかな?」
りみ「演劇!?……すごいですね。」
楓「正直、あんまり気は進まないんだけど、多数決で決まっちゃって……」
りみ「そうなんですか。」
楓「……牛込さんのクラスは、何をやるの?」
りみ「私のクラスは、カフェをすることになったんです。」
楓「カフェ?」
りみ「はい。1-Aのカフェ、略して“1A(いちエー)カフェ”です。」
楓「いちえーカフェ?……斬新な名前だね。」
りみ「え?あ、いや、別に名前とかではなくて、香澄ちゃんがそう言ってたから、みんなそう呼んでるだけで、だから…「わ、分かったよ。分かったから、ちょっと落ち着いて。」! ご、ごめんなさい!私ったら、テンパっちゃって……」
楓「い、いいよいいよ。」
そっか、カフェか。
僕のクラスでも、一応候補で出てたっけ。
りみ「……あの……」
楓「ん?」
りみ「演劇って、どんなことをするんですか?」
楓「ど、どんなこと?」
りみ「はい。」
……ど、どうしよう。
ここは、素直に言うべきなのか?
いやでも、これを言ってもし引かれたりしたら……。
……は、ないか。
うん、流石にそれなはい。
じゃあいいや。
素直に言おう。
楓「……れ、恋愛もの。」
りみ「れ、恋愛!?」
楓「うん。しかもオリジナルの……」
りみ「お、オリジナルの、恋愛もの……」
……あれ?
待って?まさかこれ、若干引いてる?
え、マジ?
……やっぱ言わなきゃよかったかも……。
りみ「……すごいです。」
楓「え?」
りみ「すごいです!恋愛ものの、しかもオリジナルの演劇。すごくハードルが高そうですけど、空見先輩達がやったらきっと、とてもいい劇になりそうです!私、応援します!」
楓「そ、それはどうも、……ありがとう。」
い、意外と絶賛だった……。
やっぱ女子ってみんな、恋愛ものが好きな傾向があるのか?
りみ「そういえば、こうして空見先輩といっしょに帰るのは、お姉ちゃんのライブを見に行ったとき以来ですね。」
楓「いや、でもそのときは、ライブを見に行くためにいっしょにSPACEに向かってただけであって、それがいっしょに帰ったことには…「なりますよ!」え、……なるの?」
りみ「はい。……まさか空見先輩、今までもそういう思考で……」
楓「……う、うん。だから、学校からこうして女子と帰るのは、牛込さんが初めてだと思ってて……。え、それじゃあ、松原さんとショッピングモールに行ったときも、商店街を案内してもらったときも、いっしょに帰ったってことになるの?」
りみ「……たぶん、なると思います、けど。」
……あ、マジですか。
……じゃあ僕、女子と帰るの、これが初めてじゃないじゃん。
あ、そうなんだ、そうだったんだ。
……花咲川、恐るべし……。
りみ「……あ、空見先輩。私、ちょっと寄りたいところがあるんですけど、いいですか?」
楓「え?あ、うん。……!」
い、いつの間にか、商店街に着いてた……。
歩いたり話したり考えたりしてるのに夢中で、気づかなかったよ。
りみ「ここです!」
楓「……あ、山吹ベーカリー。」
りみ「ここも、松原先輩に案内してもらったんでしたっけ。」
楓「うん、まぁ。」
その後、普通に家に招かれてもいるけどね……。
カランコロン
沙綾「いらっしゃいま……あ、牛込さん!空見先輩も!」
りみ「こんばんは、沙綾ちゃん。チョココロネ、まだある?」
沙綾「もっちろん!空見先輩も、何か買っていきます?」
楓「あ、うん。じゃあ、メロンパンとジャムパンと……。! し、新商品!?……気になる……。」
沙綾「あはは、じっくりどうぞ。」
……新商品、明太エッグパン。
……めちゃくちゃ旨そう……。
よし、買おう!
沙綾の父「沙綾ー!出来立てのパン、持ってってくれー!」
沙綾「はーい!」
あれは、……山吹さんのお父さんか。
ん?
今山吹さんが持ってるパンって……。
りみ「……あれ?沙綾ちゃん、そのパンって……」
沙綾「ん?あぁこれ、うちのもう一つの新商品!とは言っても、数日前に出たやつだけどね。……買っていきます?空見先輩。」
楓「え?あぁ、……うん、じゃあ買ってこうかな。」
沙綾「……はい、一つでいいですよね?」
楓「うん。ありがとう、山吹さん。」
りみ「……空見先輩は知ってたんですか?そのパン。」
楓「ん?あ、うん。だってこのパンは、僕が……!」
りみ「空見先輩が、……何ですか?」
楓「う、ううん、何でもない……。」
危ない危ない。
あやうく前に山吹さんの家に来たことをしゃべるところだった。
そういうのは、あまり知られたくないからなぁ。
沙綾「この前うちに空見先輩が来たとき、おやつがわりに出したのが、このパンだったんだよ。」
楓「!? ちょ、ちょっと!や、山吹さん!?」
りみ「沙綾ちゃんの、家に?……空見先輩が?」
沙綾「うん。その日は丁度このパンの発売予定日前日だったんだ。空見先輩にもお客さんにもすごく好評で、売り切れ続出になるくらいの人気パンになったんだ。」
りみ「そう、だったんだ。……ジー」
楓「……な、何?牛込さん。」
りみ「いえ、別に……。」
……何でだ。
何で山吹さん、そのこと言っちゃうんだよ……。
あれか?天然なのか?
おかげで牛込さんが素っ気ない感じになっちゃってるし。
……これ、僕のせいじゃない、よな?
楓「……ち、ちなみに山吹さん。そのパンの名前って、何なの?」
沙綾「KAEDEです。」
りみ「!」
楓「……へ?」
沙綾「ローマ字で、“KA、E、DE”です。」
楓「か、かえで?……えっと、僕の名前と、同じなの?」
沙綾「はい。」
楓「……ちなみに、何でか聞いても…「企業秘密です♪」……そ、そう。」
りみ「……沙綾ちゃん、私もそのパン、一つもらえるかな?」
沙綾「OK。……はい、どうぞ。」
りみ「ありがとう。それじゃあ、お会計お願いしてもいい?」
沙綾「もちろん!」
楓「……あ、あの、牛込…「沙綾ちゃんちのチョココロネ、ほんと美味しいよね~。」「もう、いつも言ってるじゃんそれ。」……」
今僕、無視された?
……いやまぁ、女子に無視されるのなんて別にどうも思わないけど。
……牛込さんだからかな?
なんかすげぇショック……。
沙綾「空見先輩、どうぞ。」
楓「え?あ、うん。」
山吹さん、会計早っ。
カランコロン
りみ「じゃーねー、沙綾ちゃん!」
沙綾「うん、また明日ー。」
なんだかんだ、500円以上使っちゃったな。
……まぁいっか。
りみ「……」スタスタスタ
ん?
……スタスタスタ
りみ「……」スタスタスタスタ
うっ、……スタスタスタスタ
りみ「……」スタスタスタスタスタスタ
楓「……ね、ねぇ、牛込さん。なんか歩くの、早くない?」
りみ「……」
……完っ全に無視されてる……。
え、何で?
僕、何か悪いことした?
……って言って謝ると、また白鷺さんになんか言われるんだよなぁ。
まぁ今白鷺さんいないけど。
……ん?
楓「あれ?……ここって……」
ワーイ!
コンドハボクガオニダー!
ワー!
……松原さんに膝枕してもらってた、公園……。
りみ「……」
楓「も、もしかして、ここでパン食べるの?」
りみ「……」
楓「……ねぇ牛込さん。なんか言ってよ。」
りみ「……」
楓「僕、何か気にさわることしたんなら謝るから…「ちょっと黙っててください!」! ご、ごめんなさい……。」
後輩に敬語で謝る僕って……。
……うぅ、泣きてぇ……。
りみ「……スッ」
あ、このベンチは……。
りみ「……どうぞ。」
楓「へ?」
りみ「ど・う・ぞ。」
楓「は、はい……。スッ」
これ以上怒らせると何があるか分かったもんじゃないので、素直に言われた通り牛込さんの隣に座った。
このベンチ、……松原さんに膝枕してもらってたとこだ。
牛込さん、こんなとこに座って何を考えて…「横になってください。」……ん?
楓「え?……今、何て…「早く、ここに、横に、なって、ください。」……い、いや、横になるスペースなんてどこに…「こ・こ・に、横になってください!」……」
今牛込さんは、自分の膝を叩きながらそう言っている。
つまり、どういうことか分かるか?
……なぜか知らんけど、僕を膝枕しようとしている。
……ちょっと待て一旦落ち着け。
……牛込さん、いったいどうした?
楓「いや、でも、それは流石に…「早くしてください!」……」
流石に僕も、言うときは言うぞ?
りみ「何してるんですか空見先輩!早くここに横に…「嫌だよ。」!」
楓「牛込さん一年生でしょ?僕は二年生。理由もないのに、僕が牛込さんに膝枕してもらうなんてできないよ。」
りみ「! だ、誰が膝枕って…「自分の膝叩いてここに座ってくださいなんて、膝枕以外の何でもないだろ!」!」
楓「とにかく、お前が何を言おうと、僕はそこに横になんかならねぇからな。膝枕ごっこがしたきゃ、友達とやれ友達と。戸山さんとか山吹さんとかいるだろ。」
りみ「……」
楓「ったく、何考えてんだよほんとに。時と場合を考えろ。」ボソッ
りみ「……ご、ごめん、なさい。」
楓「……!」
……ヤベ。
今僕、たぶん言っちゃダメなことを言っちゃったことに気づいた。
……どうしよ。
あんまり女子の前では、このしゃべりかたしないようにしてたのに。
ついかっとなって……。
りみ「……わ、私、そろそろ帰ります。」
楓「え?あ、ちょっと牛込さん!」
りみ「さようなら。……タッタッタッタ!」
あ……。
……ヤバい、やっちゃった。
楓「……くそっ。まさか、こんなところでやらかすなんて……。」
……最低だ、僕。
一年生に向かって、あんな……。
しかも、牛込さんに。
……ほんっと、最低だ。
最低最悪の馬鹿野郎だ、僕は……。
ゲキクロの花音ちゃんが可愛すぎるのは分かります。
だって推しですから。
でも、これだけ言わせてください。
……3期で花音ちゃんいつ出てきてくれるの(泣)……。