田舎から引っ越してきた僕と個性的な人達   作:知栄 砂空

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すみませんでした……。

後編で終わらせようと思いましたが、無理でした……。

まさかこんな長い話になるとは思わなかった……。

ですので、もう1話だけお付き合い願います。

あと1話あれば終わらせられる……はずなので……。


46話 2-A on the stage!!(中編)

彩「……」

 

紗夜「……はっ!わ、私ったら、固まってしまっていました……。……?丸山さん?」

 

彩「……」

 

紗夜「……あの、丸山さん、もう終わりましたよ?丸山さん。……丸山さん!」

 

燐子「全然……反応しませんね……。」

 

紗夜「ええ。全く、どうしたものか……。」

 

休憩時間に入り、数分が経った。

 

……!?

 

もう数分経ったの!?

 

……丸山さんもだけど、さっき気がついた私も大概ね……。

 

ちなみに戸山さん達1年生組は、お腹が空いた、喉が渇いたと言って、体育館を出ていった。

 

固まったまま、よくそのことに気づいたわね私……。

 

彩「……はっ!あ、あれ?紗夜ちゃん、燐子ちゃん……。って、香澄ちゃん達はどこ!?」

 

! ようやく丸山さんも気がついたようね。

 

紗夜「戸山さん達は、先ほど体育館を出ていきましたよ。お腹が空いたようです。」

 

彩「あ、そう……なんだ。」

 

紗夜「……大丈夫ですか?丸山さん。」

 

彩「う、うん、大丈夫だよ。」

 

燐子「丸山さん……すごく真剣に……見てましたね。」

 

彩「あはは……。面白くて、つい真剣になっちゃった……。」

 

紗夜「ふふ、気持ちは分かりますよ。私も、丸山さんと同じですから。」

 

彩「紗夜ちゃんも?」

 

紗夜「ええ。……松原さんと白鷺さん、まるで、本当に別の世界の2人を見ているようでした。」

 

彩「だよねー。いつもはとても仲の良い2人だから、劇中で千聖ちゃんが花音ちゃんに冷たくしてた場面は、ちょっと心にグサッてきたよ……。」

 

紗夜「そうですね。……しかし、それ以上にグサッときたのは……」

 

彩・燐「空見くん(さん)……。」

 

紗夜「出演時間は2人に比べると少なかったですが、……あれだけでも、心にくるものがありましたね。」

 

彩「うん……。演劇とはいえ、見ていてちょっと悲しかったもん……。早く、いつもの3人みたいな関係に戻ってくれるといいな~。」

 

燐子「(一応恋愛ものだから……それ以上の関係に……なりそうだけど……。)」  

 

 

 

 

 

香澄「彩先ぱーい!紗夜先ぱーい!燐子先ぱーい!」

 

 

 

 

 

彩「! 香澄ちゃん!みんな!おかえり!」

 

りみ「彩先輩。これ、彩先輩のです。」

 

彩「あ、ありがとう……。あ、じゃあ今お金渡す…「い、いいですいいです、大丈夫ですよ。」でも、なんか悪いし……」

 

沙綾「遠慮しなくて大丈夫ですよ。」

 

たえ「もらえるものは、もらっておいてください。」

 

有咲「それ、もうちょっと良い言い方なかったのか……?」

 

彩「……分かった。じゃあ、ありがたくもらうね♪」

 

りみ「は、はい!」

 

香澄「というわけで、紗夜先輩と燐子先輩にもどうぞ!」

 

紗夜「す、すみません。」

 

燐子「あ、ありがとう……ございます。」

 

パッ!

 

彩・紗・燐・香・た・り・有・沙「!」

 

 

 

 

 

『まもなく、2-A演劇、『他人と友達と親友と……』後編を開演いたします。』

 

 

 

 

 

燐子「後編……始まりますね。」

 

紗夜「ええ……。」ゴクリ

 

彩「……ゴクリ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  2-A  演劇『他人と友達と親友と……』後編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美菜「ある日、日直同士になった2人は、そのときの話をきっかけに、徐々に交流を深めつつ、今ではとても仲の良い親友となった。この日も、2人は仲良くいっしょに帰っていたのだが……。」

 

 

 

 

 

ー雑貨屋さんー

 

カノン「わぁー!見て、チサトちゃん!このキーホルダー、すごく可愛いよ!」

 

チサト「あら、ほんとね。へぇ、このキーホルダー、色ちがいがあるのね。」

 

カノン「あ、ほんとだ。……ねぇ、チサトちゃ…「分かってるわよ。」え?」

 

チサト「このキーホルダーを、お揃いで買おうって言いたいんでしょ?」

 

カノン「いいの!?」

 

チサト「もちろんよ。……カノンには……この色が似合いそうね。」

 

カノン「じゃあチサトちゃんには……これとか合いそうだよ。」

 

チサト「ふふ、ありがとうカノン。」

 

カノン「ううん、私の方こそありがとうだよ。じゃあこれ、いっしょに買ってこよう?」

 

チサト「ええ。」

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー!」

 

カノン「えへへ、嬉しいなぁ。」

 

チサト「良かったわね、カノン。」

 

カノン「うん!えーっと……次はどこに行こうか…『ドガシャンッ!!』!?」

 

チサト「!?」

 

カノン「……い、今……ものすごい音、したよね?」

 

チサト「ええ……。今の音、どこから……『ドガシャンッ!!』!」

 

カノン「また!」

 

チサト「……こっちよ!」ダッ!

 

カノン「あ!待ってよ、チサトちゃん!」タタタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カノン「うぅ……暗い……。」

 

チサト「確かにここら辺から音が聞こえたような気がしたのだけれど……」

 

 

 

 

 

???「うぅ……はぁ……。」

 

 

 

 

 

カノン「!? な、何!?今の!」

 

チサト「……声、ね。……そこに誰かいるの!?」

 

カノン「! ち、チサトちゃん!?」

 

 

 

 

 

???「! その声は……」

 

カノン「……え?今のって……」

 

チサト「……!!何でこんなところにあなたが……

 

 

 

 

 

カエデ!!」

 

カノン「え!?空見くん!?(あれ?……今チサトちゃん、空見くんのこと、名前で……)」

 

カエデ「……何で、あんたらがここに……」

 

チサト「それはこっちのセリフよ!そんなボロボロで、いったい何があったのよ!」

 

カエデ「……別に、何でもないよ。」

 

カノン「そ、空見くん!」

 

カエデ「……」

 

カノン「さっきのすごい音って、空見くんだったの?」

 

カエデ「……だったら何だよ。」

 

カノン「え?あ、えっと……だ、大丈夫かなって思って。ほんとにすごい音だったから、怪我とかしてないかなって……」

 

カエデ「……大丈夫だよ。こんなの、ほっときゃ治…っ!」

 

カノン「! やっぱり、怪我してるじゃん!」

 

カエデ「このぐらい、何てこと…「ダメだよ!」!」

 

チサト「か、カノン?」

 

カノン「空見くん、怪我見せて。」

 

カエデ「……だから、大丈…「見せて!!」……分かったよ。」

 

チサト「……カノン、そんな声出すことあるのね……。」

 

カノン「……!すごい怪我!普通じゃこんなのできないよ……。」

 

カエデ「……」

 

チサト「……よく見たら、カバンも投げ出されてるわね。中身もだいぶ飛び出て散らかってるみたい……。……!あなたまさか……!」

 

カエデ「……」

 

カノン「……空見くん。」

 

カエデ「……何?」

 

カノン「私、1回こうやって、ちゃんと話したかったんだよ?空見くん、いつも私のこと避けるから。」

 

カエデ「……」

 

カノン「……何で避けてたの?私のこと。」

 

カエデ「……別に、理由なんかない。」

 

カノン「ないわけないよ。人は何をするときにも、必ず1つは理由があるものなんだから。」

 

カエデ「……」

 

カノン「何か悩みでもあるの?それだったら、私聞くよ?」

 

カエデ「……」

 

カノン「あ、もしかして人見知りとか?……それだったら、今までごめんね。あんなに話しかけたりして……。でも、これからは大丈夫だから。私が、空見くんの友…「カノン、そこまで。」え?」

 

チサト「……カエデ、立てる?」

 

カエデ「……あぁ。」

 

カノン「え……っと……。チサトちゃ…「ごめんなさいカノン。今日はもう帰るわ。」……」

 

チサト「カエデ、行きましょう。」

 

カエデ「別に僕、1人で…「そんな怪我で無理しないの。ほら、肩貸してあげるから。」……」

 

カノン「……」

 

チサト「じゃあねカノン、また明日。……今日は楽しかったわ。ありがとう。」

 

カノン「あ……。……」

 

 

 

 

 

美菜「暗い路地裏に、1人ぽつんと取り残されてしまった松原さん。突然の出来事に、呆然と佇むことしかできない。白鷺さんと空見カエデ、この2人の関係は、いったい……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

カノン「……」

 

 

 

 

 

カノン『あ、もしかして人見知りとか?……それだったら、今までごめんね。あんなに話しかけたりして……。でも、これからは大丈夫だから。私が、空見くんの友…『カノン、そこまで。』え?』

 

チサト『……カエデ、立てる?』

 

カエデ『……あぁ。』

 

カノン『え……っと……。チサトちゃ…『ごめんなさいカノン。今日はもう帰るわ。』……』

 

 

 

 

 

カノン「……空見くんのあの怪我、普通じゃなかった。カバンも投げ出されてて、すごくボロボロになってて……。昨日あれから何があったのか、チサトちゃんに連絡しても誤魔化されるだけで全然教えてくれないし。……何で、私だけ……。私だって……私だって……!」

 

 

 

 

 

???「いい加減にしなさいよ!あなた、いつまでそうやって維持張ってる気!?」

 

???「うるさいなぁ、そんなの僕の勝手だろ!」

 

 

 

 

 

カノン「! この声は……!」

 

タッタッタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー屋上ー

 

カノン「屋上、開いてたんだ……。何で、こんなところで……。」

 

 

 

 

 

チサト「私、あなたの考えてること、さっぱり分からない!」

 

カエデ「分かってもらわなくて結構だよ。」

 

チサト「……ねぇカエデ。どうしてあなたはこの学校に来たの?しかもこんな時期に。……あなたはいったい、ここで何がしたいの?……ねぇ、答えてカエ……」

 

カエデ「うるさいな!あんたには関係のないことだ…「関係あるわよ!」……っ!?」

 

チサト「関係なら……あるわよ……。」

 

 

 

 

 

カノン「! チサトちゃん、泣いてるの……?」

 

 

 

 

 

カエデ「……スタスタスタ」

 

チサト「ちょ、待ってよ!」

 

カエデ「……」

 

チサト「……待ちなさいよ……。話はまだ……終わって……」

 

カエデ「……もう、僕には関わるな。スタスタスタ」

 

 

 

 

 

カノン「(! 見つかるっ!)サッ!」

 

カエデ「……」スタスタスタ

 

カノン「(……ふぅ。危なかったぁ~。って、それどころじゃないんだ!……)」

 

 

 

 

 

チサト「……何よ。あなたのことなんて……この学校じゃ、私しか知らないのに……。私にしか、相談にのることできないのに……。なのに……なのに…「チサトちゃん!!」!? え!?」

 

カノン「……」

 

チサト「か、カノン!?……ど、どうして?何であなたが、こんなところに……。」

 

カノン「ごめんチサトちゃん。……でも、泣いてるチサトちゃんを、放っとくなんて、できなかったから。」

 

チサト「! ……バカね、泣いてなんかないわよ。これは、ただのあくび…「さっきの話、あくびなんて1回もしてなかった!」……」

 

カノン「……ねぇ、教えてくれないかな?チサトちゃんと空見くん、いったいどういう関係なの?話を聞く限りだと……ただ同じ中学だった、ってわけじゃないよね?」

 

チサト「……」

 

カノン「私、チサトちゃんの力になりたい。大切な友達だから、いっしょに悩んであげたい。助けてあげたい。……お節介に思われるかもしれないけど、昔に、そうしていくって、決めたから。」

 

チサト「昔……?」

 

カノン「うん。……私、小さい頃はね、すごく引っ込み思案で、人見知りで……友達を作るのが、苦手だったの。他の子に話しかけるのが怖くて、話しかけられたとしても、どう話せばいいのか分からなくて、固まっちゃって……。昔の私は全然、今みたい、学級委員としてみんなの前に立つようなことは、できなかった。」

 

チサト「……」

 

カノン「でも、そんなときにね、背中を押してくれた子がいたの。」

 

チサト「!」

 

 

 

 

 

???『自分から動きだなきゃ、何も始まらないぞ?』

 

カノン『で、でも……』

 

???『でももだってもないよ。友達、作りたいんだろ?だったら、一歩を踏み出さなきゃ。勇気を出して、自分からドーン!と真正面からぶつかれば、きっと道は見えてくる!』

 

カノン『ぶつかっちゃったら、怪我させちゃうよ……。』

 

???『え?あ、いや、そういうことじゃなくてだな……。……と、とにかく、それくらいの気持ちで話しかけろってことだよ!』

 

カノン『……』

 

???『な?僕も手伝うからさ。いっしょにやってみよう?』

 

カノン『……う、うん。』

 

 

 

 

 

カノン「……その子のおかげで、私は勇気を出して、自分から友達になりたいって言うことができた。その子からもらった勇気は、その後もずっとこの胸の中にあって……。そして今も、それはちゃんとここに残ってる。」

 

チサト「……」

 

カノン「あの子のあの言葉があったから、今の私がある。そんなことを、ときどき、ふと思うんだ。」

 

チサト「……とても、真っ直ぐな子だったのね、その子は。」

 

カノン「うん、すっごく。……だからね、私もその子みたいになりたいって、自分の気持ちに真っ直ぐな人になりたいって思ってるんだ。」

 

チサト「……もう、なれてると思うわよ。」

 

カノン「! そう、かなぁ?あはは、それだったら、嬉しいなぁ。」

 

チサト「……いいわよ。」

 

カノン「え?」

 

チサト「話してあげる。私とカエデのこと、そして、昨日何があったのか。」

 

カノン「ほ、ほんと!?」

 

チサト「本当よ。親友のこんな素敵な話を聞いちゃったら、私も隠し事なんてしてられないでしょ?」

 

カノン「うーん、そういうものかなぁ?」

 

チサト「そういうものなのよ。」

 

カノン「……うん、チサトちゃんが言うなら、きっとそうなんだね。」

 

チサト「……今から話すことを聞いても、何も怒らないでね?」

 

カノン「お、怒らないよ~。」

 

チサト「そう?ならいいのだけど。……まず、私とカエデの関係性から、単刀直入に説明するわね。」

 

カノン「う、うん!」

 

チサト「……私とカエデは……

 

 

 

 

 

……昔、付き合ってたの。」

 

 

 

 

 

カノン「……え?」

 

チサト「そうねぇ……。3ヵ月くらい付き合ってたかしら。周りの人からは、恋人って思われることもしばしばだったわ。まぁ、実際そうだったんだけどね。」 

 

カノン「……」

 

チサト「付き合い始めたきっかけ……は、この話には関係ないから省くわね。そう、あれは、雪がちらほら降り積もり、街はイルミネーションやツリーで彩られていた……ホワイトクリスマスの日だった。」

 

 

 

 

 

~2年前 クリスマス~

 

私達は学校が終わった放課後、いつものようにショッピングをしたりゲームセンターで遊んだりしていたの。

 

その日はクリスマスだったのもあって、私達の他にも多くのカップルがいたわ。

 

チサト「あら、このぬいぐるみ、すごく可愛い……。」

 

カエデ「……じゃあ、取ってやるよ。」

 

チサト「! い、いいわよ。この配置を見るに、なかなか取れなさそう…「いいからいいから。僕に任せといて。」……わ、分かった。」

 

チャリン♪

 

カエデ「見てろよ~。すぐに取ってやるからな~。」

 

チサト「無理しないでいいからね?もし取れなくても、もう1回もう1回ってなったら、それこそ沼にはまって……」

 

ポトッ

 

チサト「……え?」

 

カエデ「よっしゃ取れたぁ!」

 

チサト「……う、嘘……。」

 

カエデ「はい。」

 

チサト「……あ、ありがと。」

 

カエデ「言ったろ?僕に任せろって。」

 

チサト「……ええ。でも、驚いたわ。まさかあなたに、そんな特技があったなんて。」

 

カエデ「あはは、昔からよくこういうゲームしてるからかな。いつの間にかここまで上達しちゃって。」

 

チサト「……ふふ。」

 

カエデ「え?今、何で笑ったの?」

 

チサト「何でもないわよ。……このぬいぐるみ、大切にする。ただのぬいぐるみじゃない、あなたが私のために取ってくれた、世界で1つのぬいぐるみだもの。」 

 

カエデ「///!!」ドキュンッ!!

 

チサト「ふふふ♪」スリスリ

 

カエデ「……やっぱり、可愛いなぁ。」

 

カエデと過ごす時間は、とても楽しくて……。

 

あの頃の私には、かけがえのない、どれも楽しい思い出だったの。

 

……あの人達と会うまでは。

 

チサト「もう!何であそこであんなこと言うのよ///!」

 

カエデ「ごめん、つい本音が出ちゃって……。」

 

チサト「! ……もう、そういうとこよ、ほんと///。」

 

カエデ「あはは……「よー、久しぶりじゃねーか。」! ……!?な、何で、お前らが……。」

 

チサト「? え、何?この人達……。カエデの知り合い?」

 

カエデ「……」

 

不良(リーダー)「知り合いだよなぁ、俺達。」

 

カエデ「……何でここにお前らがいるんだ。」

 

不良(リ)「なぁに、たまたま散歩してただけだよ。なぁ?」

 

不良(子分)「おう!」

 

カエデ「……そっか。用がないなら、僕達は行く…「ちょっと待てよ。」ポン ……」

 

不良(リ)「……ちょっとばかし、面かせよ。」

 

カエデ「……嫌だと言ったら?」

 

不良(リ)「そうだなぁ……。そこのかわい子ちゃんと、遊ばせてもらおうか。」

 

ジリ、ジリ。

 

不良(子)「えへへ、俺達と遊ぼうぜ。」

 

チサト「! ちょっと、来ないで!来ないで…「分かった!」!」

 

カエデ「……ついてってやるから、その子には手を出すな。」

 

不良(リ)「……交渉成立だ。お前ら!行くぞ!」

 

不良(子)「へい!」

 

カエデ「……」

 

チサト「! ちょっとカエデ!どこに…「お前は、先に帰っててくれ。」で、でも…「僕なら大丈夫だから。」……」

 

カエデ「……」  

 

チサト「……カエデ……。」

 

そのままカエデは、数人の不良といっしょに、どこかへ姿を消した。

 

『僕なら大丈夫だから。』

 

あの言葉が言葉通りの意味とは思えなかった私は、家に帰った後、何度も何度も電話した。

 

それでも繋がらなかったら、何通もメールを送った。

 

迷惑だと思われてもいい。

 

今は早く、カエデの無事を確認したい。

 

その日の夜はその一心で、必死に電話やメールを何回も何回もしたのを覚えてる。

 

結局その日は、電話にもメールにも、カエデからの返事は一切来なかった。

 

とても心配だったが、明日にはきっと何か聞くことができるだろう。

 

その期待を胸に、私はその日、眠りについた。

 

しかし、その期待は裏切られることになる。

 

……次の日、カエデは学校に来なかったのだ。

 

その日だけじゃない。

 

この次の日も、そのまた次の日も、カエデは学校に来なかった。

 

いや、来なくなったと言うべきか。

 

私は、様々な感情が入り交じった気持ちを胸に、カエデの手がかりを探し続けた。

 

先生に聞き、友達に聞き、カエデのアルバイト仲間に聞き、カエデの両親に聞き……。

 

そんな日々が2週間近く続いたある日、先生から衝撃の言葉を告げられた。

 

……カエデは、学校を辞めた。

 

……一瞬、何を言われたのか分かんなかった。

 

気持ちが落ち着かず、整理ができず、目の前が真っ暗になった。

 

あのクリスマスの日、何があったのか知らないまま、カエデは学校から姿を消した。

 

……私は、何もかもを失ったような気分に陥った。

 

あんなに好きだった人と、あんな別れ方をして、しかもそれがあの人を見た最後の日で、しまいには同じ学校からもいなくなって。

 

……私の好きだったあの人は、もうここにはいない。

 

その言葉だけが、私の中でぐるぐるぐるぐる流れていた。

 

 

 

 

 

チサト「……」

 

カノン「……」

 

チサト「どうだった?」

 

カノン「……」

 

チサト「……?カノン?」

 

カノン「……チサトちゃんは……」

 

チサト「?」

 

カノン「チサトちゃんは……空見くんと、仲直りしたい?」

 

チサト「仲直り?」

 

カノン「うん。」

 

チサト「……違うわね。仲直り以前に、私達は喧嘩なんかしてないもの。しいて言うなら、……もう一度、あのときの関係に戻りたい。」

 

カノン「……やっぱり、そう言うよね。チサトちゃんなら。」

 

チサト「そのために私は、さっきみたいにカエデから聞き出そうとしているの。あのクリスマスの日、何があったのか。どうして何も返事をくれなかったのか。どうして突然、学校を辞めてしまったのか。私はその全てを知りたいの。」

 

カノン「……」

 

チサト「……話は、ここまでにしましょう。もうすぐ授業も始まるしね。」

 

カノン「……うん。」

 

チサト「……?先に行ってるわよ、カノン。」

 

カノン「うん……。」

 

チサト「……」

 

スタスタスタ

 

カノン「……」

 

 

 

 

 

カエデ『ついてってやるから、その子には手を出すな。』

 

 

 

 

 

カノン「……まさか……空見くんが、あのときの……。……とにかく、私が今やるべきことは1つ。……空見くんと話をして、……あのとき何があったのか、絶対に聞き出してみせる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数日後~

 

ー街中ー

 

カノン「うわぁ~。イルミネーションや飾り付けがいっぱい!そっか、もうすぐクリスマスだもんね。クリスマス……。……」

 

 

 

 

 

チサト『そう、あれは、雪がちらほら降り積もり、街はイルミネーションやツリーで彩られていた……ホワイトクリスマスの日だった。』

 

 

 

 

 

カノン「……丁度2年前くらいに、チサトちゃんの話してくれた出来事が起こったんだ。学校も終わって、冬休みに入っちゃったけど……何とかして、空見くんと話せないかなぁ?……!チサトちゃんなら、空見くんの連絡先知ってるかも!よーし、それじゃあさっそく、チサトちゃんに……!!サッ!」

 

 

 

 

 

不良(リ・子)「へへへ……。」

 

カエデ「……」

 

 

 

 

 

カノン「……あれは、空見くん……と、あの人達はいったい……。……ゴクリ よ、よし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不良(リ)「……よし、ここら辺でいいだろ。おらっ!ドンッ!」

 

カエデ「うわっ!」ドサッ!

 

不良(子)「よーし、じゃあ今日も、一思いにいたぶってやるか。」ボキッ、ボキッ

 

不良(子1)「よっしゃー!」

 

不良(子2)「やるぜー!」

 

カエデ「……なぁ。」

 

不良(リ)「あ?何だぁ?まさか、今更文句なんて言うんじゃあねえだろうなぁ?」

 

カエデ「文句なんて言わないよ。……あんたらさ、ずっとそうやって人のことをいたぶり続けてきてもう2年になるけど、何が楽しいわけ?」

 

不良(リ)「うるせぇ!」ドカッ!

 

カエデ「うっ!」ズキッ!

 

不良(リ)「いいかよく聞け。」(首根っこをつかんで)

 

カエデ「……」

 

不良(リ)「俺達は、てめえのそういう態度が気に入らねえから、こうやっていたぶって、やってんだ……よ!!」ブンッ!

 

ドカッ!!

 

カエデ「ぐはっ!」

 

不良(リ)「よし!やれお前ら!」

 

不良(子1)「うおおおお!!」

 

不良(子2)「やってやるぜえええ!!」

 

 

 

 

 

カノン「……ひ、ひどい……。何で……?何であの人達は、あんなに、空見くんを……。た、助けなきゃっ!……!で、でも、私が止めに入ったところで、あの人達は……。」

 

 

 

 

 

不良(子1)「ギャハハハハハ!!」

 

不良(子2)「このやろ!!このやろ!!」

 

ドカッ!バキッ!

 

カエデ「ぐはっ!……おえっ!」

 

不良(リ)「ははははは!!その調子だ!もっとだ!もっと痛め付けてやれ!!」

 

 

 

 

 

???「こら!そこで何をしている!!」

 

 

 

 

 

不良(子1・2)「!?」

 

不良(リ)「あ、あれはまさか……サツか!?何で、こんなところに……」

 

不良(子1)「そんなことより、早く逃げましょうよ!」

 

不良(子2)「捕まるとヤバいですって!」

 

不良(リ)「そ、それもそうだな。……てめえ、サツなんか呼びやがって……。次会ったときを覚えてろよ?次はそうだな……。そろそろ殺ってもいいかもしれねえなぁ。」

 

カエデ「……」

 

警官「おい待て!止まれ!止まるんだ!!」

 

不良(リ)「へっ!止まれと言われて止まるやつがいるかよ!!」

 

ダッダッダッダ!!

 

ダッダッダッダ!!

 

カエデ「……「空見くん!!」!?」

 

カノン「大丈夫!?しっかりして!!」

 

カエデ「あ、あんたは……!ま、まさか、警察を呼んだのは、あんたか……!?」

 

カノン「そんなこと今はどうでもいいよ!とにかく怪我の手当てしないと!……ひどい、前よりもかなりボロボロになってる……。」

 

カエデ「……」

 

カノン「この前も、あの人達にやられてたんだね。だから、普通じゃできないようか傷が、いくつも……。」

  

カエデ「……こんなの、どうってこと…「もうそんなこと言わないで!!」!?」

 

カノン「もっと、自分の体を大切にしてよ!!こんなボロボロの空見くん、もう見たくないよ!!」

 

カエデ「……何で、あんたが泣いて……」

 

カノン「……」

 

カエデ「……はぁ。もういい、勝手にしろ。」

 

カノン「うん、勝手にする。……ありがと。」

 

カエデ「……」




「ONE OF US」のジャケット、あれはエモすぎる……。
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