ああいうのはむやみに口に出して言う(言ってない)ものじゃないんだなと思いつつ反省はしております……。
いつの間にかバンドリの日ももう明日に迫ってきてるし、4周年も迫ってきてるし、いよいよヤバイなこれは……。
カノン「……」
カエデ「……っ!」
カノン「! ご、ごめんね?沁みるよね?あともうちょっとで終わるから、我慢してね。」
カエデ「……」
カノン「……よし。もういいよ。」
カエデ「……あ、ありがとう。」
カノン「ふふ、どういたしまして。」
カエデ「……スク っ!いててて……」
カノン「だ、ダメだよまだ動いちゃ!応急処置をしただけだから、完全に痛みがひいたわけじゃないんだよ?」
カエデ「……はぁ。ドサッ」
カノン「……」
カエデ「……帰らないのかよ。」
カノン「このまま空見くんを置いて帰るなんてできないよ。空見くんの怪我が回復するまで、私もここにいる。」
カエデ「……それも、学級委員の仕事だから?」
カノン「ううん、違う。同じクラスメイトとして、空見くんことが心配だから。」
カエデ「……同じクラスメイト、か。」
カノン「……ねぇ、空見くん。」
カエデ「ん?」
カノン「中学のとき、チサトちゃんと同じ学校、だったんだよね?」
カエデ「! ……あいつ、ベラベラと……」
カノン「ち、違うの!チサトちゃんが自分から言ったんじゃなくて、私が2人のことを知りたいって頼んだから、教えてくれただけで……」
カエデ「……」
カノン「えっと……ごめん。だから、……2人が付き合ってたってことも、チサトちゃんから、聞いた……。」
カエデ「……どうして……」
カノン「え?」
カエデ「どうしてあんたは、そこまでして僕とチサトのことを……。僕達のことなんて、あんたには何も…「だって!」……」
カノン「……だって、……空見くんと、仲良くなりたいから。空見くんが転校してきてからずっと、空見くんは私のことを避けてたし、チサトちゃんと2人で話してるところも、何回か見ちゃったし……。とにかく、空見くんともっと仲良くなりたいの!せっかく同じクラスメイトになれたのに、全然話さないなんて、その……もったいないよ!」
カエデ「……余計なお世話だよ。」
カノン「!? そ、そんな……」
カエデ「……ずっと不思議に思ってた。」
カノン「え?」
カエデ「どうしてこの人は、ずっと話しかけ続けるんだろうって。こんな頑なに避けようとしてるのに、何で諦めないんだろうって。」
カノン「だ、だからそれは……」
カエデ「……まるで、昔の自分を見てるようだった。」ボソッ
カノン「……え?」
カエデ「……!い、いや、何でもない。……じゃあ、僕はそろそろ行くよ。」
カノン「! ま、まだちゃんと歩けるまで回復は…「こんなのどうってことないよ。家帰って寝れば、少しは痛みもひくだろうし。」で、でも……」
カエデ「怪我の手当てをしてくれたのには、素直に礼を言うよ。でも、……これからは、僕には関わらない方がいい。そうあいつにも言っといてくれ。」
カノン「そ、そんな、空見く…『プルルルルル!プルルルルル!』!?」
カエデ「……」
カノン「電話……。チサトちゃんからだ。……」
カエデ「……出ればいいだろ。」
カノン「……でも、空見く…「僕のことはいいんだよ。」……」
カエデ「……ほら、早く出ろよ。」
カノン「……コク。……も、もしもし?チサトちゃん?」
カエデ「……ふんっ。」
ー学校 屋上ー
カノン「……」
カノン『もしもし?チサトちゃん?どうしたの?』
チサト『カノン……あなたに、話したいことがあるの。』
カノン『え……?』
チサト『今から、学校の屋上に来て。』
カノン『い、今から!?しかも学校の屋上って……いったい何で…プツンッ ……きれた……。』
カノン「……」
ガチャ
チサト「! カノン、来てくれたのね。」
カノン「屋上なんて、勝手に入って大丈夫なの?しかも今冬休み中なのに。」
チサト「バレなきゃいいのよ、バレなきゃ。」
カノン「そういう問題じゃあ、ないと思うけど……」
チサト「まぁまぁ、私とあなたの仲でしょ?」
カノン「……」
チサト「と、そんな話はいいのよ。……このことは、あなたには言っておいたほうがいいと思って。」
カノン「このこと?」
チサト「ええ、早くそのことを言っておきたかったから、わざわざあなたをここに呼んだの。」
カノン「……私、全然話が見えないんだけど……」
チサト「……カノン。……私ね?
……カエデに告白する。」
カノン「……え?」
チサト「……」
カノン「……え、えっと……チサトちゃん?今、なんて……」
チサト「言葉通りの意味よ。私は今度、カエデに告白するわ。そう、……3日後に迫った、クリスマスの日に。」
カノン「……クリスマスに……告白……。」
チサト「ええ。……やっぱり私、諦めきれない。昔にあんなことがあったせいで、恋人関係は自然消滅しちゃったけど、今からなら、またやり直せると思うの。……カエデと付き合うようになってから、本当に毎日が楽しかった。たぶん……いや、きっと、今までの中で一番。あのときの関係を、また取り戻したい。あのときの楽しかった日々を、また過ごしたい。そう考えたら、もう告白しかないって思った。……私とカエデの事情を知っているカノンには、一応話しておこうと思ったの。ごめんなさいね?突然呼び出したりして。せっかくの休日だったのに、悪いことし…「私ね?」……え?」
カノン「さっき私、空見くんと会ったの。」
チサト「!? か、カエデと!?」
カノン「お母さんに頼まれたものを買いに出かけてたら、偶然空見くんを見かけて。……そこには、空見くんの他にも、怖そうな人達が3人くらいいた。」
チサト「! あ、あなた、まさか……」
カノン「いじめられてたよ、空見くん。何度も何度も殴られて、蹴られて……。地面に突き飛ばしたり、投げられたり、踏まれたりもしてた。……怖そうな3人が、1人の空見くんにだよ?」
チサト「……」
カノン「ひどかった。……ううん、あれはひどいなんてものじゃない。1人に対して、あんなことを、しかも3人がかりでやるなんて。……人として最低だよ。」
チサト「……ねぇ、カノ…「あのときもそうだったんだよね?」え?」
カノン「私とチサトちゃんの2人で、雑貨屋さんに行った日。あのときに見つけたボロボロの空見くん。……あのときも、あんなひどいことをされてたんだ。」
チサト「……」
カノン「あのときチサトちゃん、空見くんに何があったのか、分かってるような口振りだったよね。……知ってたんだ、チサトちゃんは。結構な頻度で、空見くんがいじめられてたこと。」
チサト「……カノン、それには訳が…「聞きたくない!!」!」
カノン「何で?何で私にはそのことを教えてくれなかったの?空見くんとチサトちゃんが付き合ってたっていう話をした時に、何でそのことは話してくれなかったの?」
チサト「……そんなこと、話すべきではないと思ったのよ。」
カノン「話すべきではないと思った?……チサトちゃんなら、いずれこうなることは分かってたはずだよね?」
チサト「……」
カノン「だって、明らかに不自然だったもん。あんな怪我、普通に転んだりしただけでできるようなもんじゃない。そんなの私でも分かることぐらい、チサトちゃんなら気づいてるはずだよね!?」
チサト「……あなたに、余計な心配をかけたくなか…「全然余計じゃないよ!!」……!か、カノン?」
カノン「……!ゴシゴシ……」
チサト「……」
カノン「……ごめん、チサトちゃん。私行くね?」
チサト「! か、カノ…「告白、上手くいくといいね。……ダッ!」あ……。……」
カノン「はぁ……はぁ……はぁ……。……私、何してるんだろ……。」
~3日後 クリスマス~
『お前、親がいないんだってな。』
『可哀想だな~。これから先、ずっと1人なんてよ~。』
『それ、絶対可哀想に思ってないっしょw~。』
『あの子の親、殺人した挙げ句自殺したんですって。』
『えぇ、そうなの!?』
『殺人した親の子なんて、近づきたくないよね。』
『うんうん。』
『お前、殺人鬼の息子らしいじゃん?』
『えっ、マジで!?じゃああの噂は本当だったのか!?』
『おうマジマジ。というわけでお前、今後一切、俺達に近づくんじゃねえぞ?俺達も殺人鬼の仲間だって思われたら、迷惑だからな。』
『そうだそうだ。』
『おら立てよ!殺人鬼!』ドカッ!
『お前みたいなやつを、こうして俺達が構ってやってるんだから、ありがたく思え……よ!』バキッ!
『ぎゃはははは!!いい気味だ!』
『おらっ!ドカッ!……おらっ!!バキッ!』
ー街中ー
カエデ「……はぁ。何で今更こんなことを思い出すんだ……。」
チサト『明日の12:00、大きなクリスマスツリーが飾られてる場所に来て。あなたなら、これだけで分かるはずよ。』
カエデ「……あいつが何を考えてんのか知らないけど、さっさと用事済ませて帰ろ。」
「おい、どこへ行く?」
カエデ「! ……はぁ。またお前か。」
不良(リ)「てめぇ、俺に向かってお前とはいい度胸だなぁ?」
カエデ「悪いけど、今日は用事があるんだ。あれならまた今度に…「はいそうですかで、俺達が帰ると思うか?」……」
不良(子1)「いいから黙って、俺達についてこい!」
不良(子2)「お前に拒否権なんてねえんだからな!」
カエデ「……それはできない。」
不良(リ)「!?」
不良(子1・2)「なっ!」
カエデ「これから行く用事は、とてもはずせない用事でな。だから今日は、お前らに付き合ってやる時間はないんだ。」
不良(リ)「て、てめぇ……。なめた口聞きやがって!!おい!お前ら!!」
不良(子1・2)「へい!」
ガシッ!
カエデ「! お、おい!いきなり何する…ドコッ!! うっ!がはっ、けほけほっ!」
不良(リ)「よし!連れてけ!」
不良(子1・2)「了解!アニキ!」
カエデ「……くそっ。結局、こうなる運命か、僕は……。」
ー路地裏ー
ドコッ!!
カエデ「がはっ!」
不良(リ)「今日はいつも以上にいたぶってやるよ。なんてったって、一度俺達の誘いを断ったんだからなぁ。」
不良(子1)「覚悟しろ~?」
不良(子2)「今日のアニキはいつもより数倍お怒りだぞ~?」
カエデ「……たった数倍か。」
不良(リ)「……何?」
カエデ「たった数倍怒ってるからって、周りのやつがいばり散らしてんじゃねーよ。」
不良(子1)「て、てめー!!」
不良(子2)「言わせておけばー!!」
不良(リ)「待て。」
不良(子1・2)「! あ、アニキ……?」
不良(リ)「……こいつをいつも以上にいたぶるだけじゃあ、満足しねぇ。そうだなぁ。……二度と動けない体にでもしてやるか。」
不良(子1)「!! あ、アニキ……」
不良(子2)「ほ、本気で言ってるんですか……」
不良(リ」「あぁ、……本気だ。」
カエデ「……」
不良(リ)「……おい。何か言い残しすことはあるか。」
カエデ「……別に?」
不良(子1)「いいのか?ほんとに。」
不良(子2)「二度と動けない、喋れない体になるんだぞ?」
カエデ「いいって言ってんだろ。……もう、いろいろどうでもよくなった。好きなようにしてくれ。」
不良(リ)「ほぅ、それはいい心がけだ。……なら遠慮なく、やらせてもらおうか。」バキッ、ボキッ
不良(子1)「いっちゃってくださいアニキ!」
不良(子2)「マジになったアニキは、もう誰にも止められないぜ!」
カエデ「……」
不良(リ)「それじゃ、……さよならだ。空見カエデええええ!!!」
カエデ「(……もう、ほんとどうでもいい。これまでろくな人生送ってないし、これからも同じ人生を歩むなら、いっそのこと動けない体になるほうがマシだ。……僕はそっと目を閉じて、何も考えようにし、その場に座り込んだまま、じっ……と時が動くのを待った。)」
「待って!!」
カエデ「!?」
不良(リ)「!?」ピタッ
不良(子1・2)「な、何だ!?」
カエデ「(なぜか、時はすぐに動き出した。それはなぜか。……なぜかこの場に、いるはずのない人がいたからだ。)あ、あんたは……!!」
カノン「……」
不良(リ)「……は、はは、ははは……。あーはっはっはっはっは!!何だぁ!誰かと思えば女じゃねえか!!」
不良(子1)「しかも結構可愛いですよアニキ!」
不良(子2)「どうしたんだい?こんなところにいたら危ないよぉ?」
カノン「っ……!……そ、空見くんから、離れて!」
不良(子1)「ん?何だって?声が震えててよく聞こえないなー。」
カノン「っ!……」
不良2「ほらほら、こっちおいでー。俺達が可愛がってあげるからさぁ。」
カノン「ひっ!」
不良(リ)「やめろ。」
不良(子1)「え~?何でですか?アニキ。」
不良(子2)「こんな可愛い子、めったにお目にかかれないですよ~?」
不良(リ)「おい、女。」
カノン「! ……な、何?」
カエデ「そいつのそばに行ってもいいぞ。」
カノン「え……?」
不良(子1)「! どうしてですかアニキ!」
不良(子2)「いったい何を考えて……」
不良(リ)「お前らは1回黙ってろ!!」
不良(子1・2)「ひぃっ!す、すみません!!」
カノン「……」
不良(リ)「さぁ、そいつのそばに行くのか、行かないのか。さっさと決めろ。俺は待たされるのが一番嫌いなんだ。」
カノン「……ダッ!」
カエデ「あ、あんた、何でこんなところに…ギュッ! !?」
不良(リ)「!!」
不良(子1・2)「おぉ~。」
カノン「ごめんね?来るのが遅くなっちゃって。私、空見くんのサポート係なのに、この3ヵ月間、何にもしてあげられなかった。」
カエデ「さ、サポート係?来るのが遅くって……。もう、何が何だか……」
カノン「空見くんが転校してきたばかりの頃にね?先生に言われたの。空見くん、この学校のこと、まだよく知らないみたいだから、空見くんの手助け……サポート係をしてあげてくれないかって。」
カエデ「……だからあんなに何度も何度も話しかけようとしてたのか。」
カノン「う、うん……。」
カエデ「あの先生、余計なことを……。とりあえず、いいからあんたは逃げろ。」
カノン「嫌だ。」
カエデ「! な、何でだよ!前も言ったけど、僕のことはどうでも…「どうでも良くない!」! ……チサトと同じで、強情な女だなぁ。」
カノン「……」
カエデ「……ったく、何で来たんだよ。」
カノン「空見くんを、助けたかったから。」
カエデ「余計なお世話だ!いいからさっさと離れろ!」
カノン「嫌だ!」
カノン「っ!……お前、いい加減にしないと殴る…「殴ってみなよ。」!?」
カノン「いいよ、殴って。ほら、顔でもどこでも、好きなところを殴ってみなよ。」
カエデ「……そ、それは……」
カノン「……殴れないよね。だって空見くん、喧嘩なんてできないし、やったことないもん。」
カエデ「え……?」
カノン「……」
カエデ「……あ、あんた……。何でそれを……」
カノン「何で?……だって私、
……昔、空見くんと友達だったから。」
カエデ「……は?僕とあんたが、友達だった……?」
カノン「うん。」
不良(リ)「おいてめえら!無視してイチャついてんじゃねえぞ!!」
カエ・カノ「!」
不良(子1)「俺達の前でイチャイチャを見せつけるなんて、いい度胸だなぁ!!」
不良(子2)「覚悟、できてんだろうなぁ?」
カエデ「……おい、いいからあんたは早く逃げろ。ここにいると危ない。今なら、謝ればお前だけなら逃げさせてくれるかもしれない。」
カノン「……」
カエデ「俺ならともかく、あんたは女だ。……不良の相手なんて、俺みたいなやつがしてりゃいい…「女だから、何?」え?」
カノン「……」スッ
カエデ「! お、おい、何を……」
カノン「男とか女とか関係ない!」
カエデ「!」
カノン「……私は空見くんのサポート係で、……友達だから……!」
バッ!
不良(リ)「!」
不良(子1・2)「!」
カノン「……空見くんは、私が守る!」
カエデ「……あんた……。」
不良(リ)「……」
不良(子1・2)「……ぷっ、わーはっはっはっは!!だっせーー!!男が女に守られてやがる!!」
カノン「笑わないで!!」キッ!
不良(子1)「おー怖い怖い。」
不良(子2)「そんなににらむなよ。……2人まとめて、遊んでやるからよ。」
不良(子1・2)「あーっはっはっはっは!!」
カエ・カノ「……」
不良(リ)「おい。」
不良(子1・2)「!!」
不良(リ)「お前らだけで勝手に話をすすめてんじゃねーよ。」
不良(子1・2)「す、すみませんアニキ!!」
不良(リ)「……お前、女のくせに良い度胸してんじゃねえか。」
カノン「! こ、来ないで!」
不良(リ)「……しかし残念だったなぁ。俺に歯向かうなんてことをしなければ、……こいつと同じように、いたぶられずに済んだのによぉ。」
カノン「! ……」
不良(リ)「どうした?足が震えてるぞ?まさか、今更怖くなったのか?」
カノン「……そ、そんなこと……」
不良(リ)「ふっ、安心しろ。俺は男だろうと女だろうと容赦しない。……たっぷりと、痛めつけてやるからよ。」
カノン「……」
カエデ「……おい、まだ間に合う。早くどこか遠くへ…「いや、もう遅い。」何?……!」
不良(子1)「へへへ……。」
不良(子2)「ははは……。」
カエデ「(囲まれてる……。くそっ、こいつら本気で僕達を……。)」
不良(リ)「さぁお嬢ちゃん、空見、最後に言い残すことはないか?」
カエデ「……ある。」
不良(リ)「何だ、言ってみろ。」
カエデ「……この人を、……この人だけは、見逃してやってくれ。」
カノン「!」
不良(リ)「それはできねぇ。」
カエデ「! ……頼む。」
不良(リ)「ダメだ。」
カエデ「頼む!」
不良(リ)「ダメだ!」
カエデ「……頼む!!この通りだ!!」バッ!
カノン「そ、空見くん……!」
不良(子1)「はははは!こいつついに土下座しやがったよ!!」
不良(子2)「女の前で土下座なんて、ダっせー!!」
カエデ「……頼む……。この人だけは、見逃してくれ……。」
不良(リー)「……」
ガッ!
カエデ「うっ!」
カノン「! ちょっと、何を……」
不良(リ)「うらぁっ!」ドカッ!
カエデ「ぐはっ!」
カノン「空見くん!!」
カエデ「げほっ!ごほっ!」
不良(リ)「舐めてんじゃねえぞガキ!!俺はなぁ、そういう甘っちょろいことを言うやつが大っっっ嫌いなんだ!!」
カノン「空見くん、空見くんしっかり!」
カエデ「げほっ!げほっ!……はぁ、はぁ……。」
カノン「……ひどい。」
不良(リ)「あ?」
カノン「1人の男の子を、まるで自分の遊び道具のように扱って、こんなボロボロになるまで痛めつけて。……こんなことをして、何が楽しいの!?」
不良(リ)「何って、今こうしてるのが楽しいんだよ。」
カノン「っ!」
不良(リ)「自分の遊び道具のように?あぁそうだ、こいつは俺の遊び道具だ。遊び道具兼、ストレス発散器だ。こいつを痛めつけることで、俺は十分な快楽を得ている。」
カノン「……」
不良(リ)「どうした?もう何も言い返さないのか?はっ!まさか、今頃俺に怖じ気づいたか?残念、もう遅い。今からこのゴミもお嬢ちゃんも、俺の遊び道具になって…「最低。」……あ?」
カエデ「お、おい……や、やめろ……。それ以上……刺激……するな……。」
カノン「世の中に、あなたみたいな最低な人間がいるなんて、夢にも思わなかった。空見くんがゴミ?……私からしてみれば、あなたのようないじめの対象を自分の快楽の道具としか思ってないような人のほうが、よっぽどゴミに見えるよ。ううん、それ以下だよ。あなたみたいな人は、……この世の中に生まれてくるべきじゃなかった。」
不良(リ)「……言いたいことはそれだけか?」
カノン「私はあなたを、絶対に許さない。死んでも一生恨み続けるから。あなたが死んで、地獄に落ちて、一生かけても償えないような罰を受けるまで、ずっと恨み続けるから。」
カエデ「……」
不良(リ)「……いい加減、そのおしゃべりも聞きあきた。」
カノン「……」
カエデ「……!は、早く!早くここから逃げ……
ギュッ!
!?」
カノン「……空見くんは、私が守るから。空見くんを、絶対このまま離したりしないから。」
カエデ「……松原、カノン……。」
不良(リ)「2人まとめて、死ねええええ!!!」
カノン「っ!」ギュッ!
カノン「……?」
カエデ「……え?」
カノン「(いったい……どうなったの……?私達は今、何を……)」
……ン、……ン!!
カノン「(! この声は……。いったいどこから……?何かすごく、聞き覚えのあるような……。)」
……ン!!……ノン!!……起きて……ノン!!
……お願いカノン!!目を覚まして!!
カノン!!!
カノン「……!チ……チサト……ちゃん?」
チサト「!! ……か、カノン……?」
カノン「……えっとー、私はいったい、何を…「カノオオオオン!!」うわぁっ!」
チサト「良かった、本当に良かった……。カノン……、カノン……。」ギュー!
カノン「く、苦しいよチサトちゃん……。それより、私、いったい何を……。」
チサト「……気を失ってたのよ、あなた。」
カノン「え、気を……?」
チサト「ええ。そこにいる、カエデを抱きしめながらね。」
カノン「カエデ……。……!!そうだ空見くん!!空見くんは!?空見くんは無事…「大丈夫、カエデは無事よ。ほら。」え?……!!」
カエデ「……いててて。」
リカ「こーら、動かないの。消毒しにくいでしょ?」
カエデ「だって……」
リカ「だってもひったくりもないの。ほら、沁みるよー。」
カエデ「いたっ!……いちちち。」
カノン「……そ、空見くん!!」
カエデ「え?うわっ!」
リカ「きゃっ!ま、松原さん!?」
カノン「空見くん……。空見くん……。」
カエデ「な、何泣いてんだよ……。死んだわけでもないのに……。」
カノン「だから嬉しいんだよ……。良かった……ほんとに、ほんとに……。無事で、ほんとに……。うっ、うぅ……。」
カエデ「……はぁ。」
チサト「全く、カノンに泣きつかれるなんて、妬いてしまうわ。」
カエデ「チサト……。これ、どうにかしてくれよ。」
チサト「知らないわよ。カノンはあなたに泣きついてるんだから、あなたが自分でなんとかしなさい。」
チサト「自分でなんとかって……。……」
カノン「良かった……良かったよぉ……。」
カエデ「……はぁ。」
リカ「モテモテだね、空見くん。」
カエデ「そんなんじゃないって。……早く離れてくんないかなー?」
カノン「(あの後、空見くんは事情聴取のために警察へと連れてかれた。本人は不満そうだったけど、流石に警察の人からの頼みは断れるはずもなく……。ちなみに私も事情聴取の対象だったが、空見くんが気をきかせて自分だけでいいと言ってくれたため、私が警察へ行くことはなかった。……もしあのまま不良に殴られていたら、私と空見くんはどうなっていただろう。もしかしたら、……本当に死んでしまっていたのだろうか。そんなことを考えると、すごく怖くて、今でも震えてしまう。今思えば、何で私はあんなことをしたのだろう。空見くんを守りたかったからとは言え、あんな危険なことを……。もしチサトちゃんが警察を呼んでくれていなかったら……。そんなこと、もう二度と考えたくない。あの事件も、あの人達のことも、もう一生考えたくない。だけど、……本当に、空見くんが無事で良かった。空見くんもだけど、私も。)」
~???~
カノン「チサトちゃん、ほんとにいいの?」
チサト「いいのよ。あの人とお似合いなのは私じゃない、あなたなの。」
カノン「でも……チサトちゃん、あの頃のように戻りたいって、あんなに……」
チサト「それはもう過去のことよ。それに、……決めたの。これからは未来に向かって、大切な親友のことを応援していこうって。」
カノン「チサトちゃん……。」
チサト「さぁ、行って。今が絶好のチャンスなんだから。気分が変わらないうちに、早く。」
カノン「……う、うん!……それじゃあ、行ってくる!」
タッタッタ
チサト「いってらっしゃい。……悔しいけど、あの人とお似合いなのは私じゃない。あの人の隣にいるべき人間、それはカノン、あなたしかいないの。……ほんと、悔しいけどね。」
カエデ「僕の親は人殺しなんだ!殺人鬼なんだ!!そんな親の子になんて、誰も近づきたくないだろ!!」
カノン「……」
カエデ「親が殺人鬼だから、誰からも嫌われる。僕に近づいた人は同じく嫌われて、しかもいじめの対象になってしまう。このまえの不良だって、そんな僕に目をつけてからずっと、僕や僕に近づいた人をいたぶってきた。だから嫌なんだ。他の人に近づかれるのが……。僕が受けてきたのと、同じ運命をたどることになるから。」
カノン「……」
カエデ「……だからあんたも、もう僕には関わるな。チサトやクラスの人達にも、そう言っといて…「嫌だ。」……」
カノン「そんなの、絶対に嫌だ。空見くんは友達だから。これからも関わるし、これからもいっぱい話しかけるし、近づく。」
カエデ「……何で。……何で僕の言うことを聞いてくれないんだ!あんたも僕みたいな運命をたどることになってもいいのか!?」
カノン「そんな運命にはならないよ!ううん、私がさせない。もしこれから空見くんにひどいことを言ったりしたりするような人が出てきたら、私が空見くんを守る!」
カエデ「っ!……」
カノン「だからお願い、私の話を聞いてほしい。これは、空見くんにしか話せないことなの。」
カエデ「……もういい。」
カノン「……私、空見くんと再会できて嬉しかった。最初転校してきたときは、全然気づかなかったけど、チサトちゃんとある話をしてるときに気づいたの。あのとき、私に声をかけてくれたのは、空見くんだったんだって。」
カエデ「……もういいって。」
カノン「昔私に声をかけてくれたのが空見くんだって気づいたとき、嬉しさよりも、感謝を伝えたいっていう気持ちのほうが大きかったんだ。今の私があるのは、あのとき空見くんが、私に一歩を踏み出す勇気をくれたからだから。……そのときの言葉があったから、これまで頑張ってこれたの。だから空見くん、……あのときは、本当にありが…「もういいって言ってるだろ!!」!?」
カエデ「はぁ、はぁ、はぁ……」
カノン「……」
カエデ「……今の僕は、そんな人間じゃない。……ただの嫌われものなんだ。」
カノン「……」
カエデ「もう、僕のことはほっといてくれ。誰に嫌われようと、松原さんの知ったことじゃ…「そんなことない!」!」
カノン「そんなこと、ないよ……。私以外にも、空見くんが嫌われるのを望んでない人、いっぱいいるんだよ?」
カエデ「そんなのありえないよ。だって僕は…「何で?」え?」
カノン「何でそんなに、自分のことを責めるの?空見くんは悪くない。悪いのは、あの人達なのに……。」
カエデ「……」
カノン「ねぇ、何か言ってよ!」
カエデ「……松原さんには、僕の気持ちなんて、何1つ、分からな……
ギュッ!
!?」
カノン「……分かるよ。」
カエデ「……分かるって、何を根拠に…「空見くんの気持ちなら、私がよく知ってる。」……」
カノン「だって空見くんは、昔からそうだったもん。昔から、何1つ変わってない。……昔からの、私の、……」
カエデ「……」
カノン「……分からないわけがないよ。だって私、……空見くんのこと、昔から、ずっとずっと好きだったんだもん。ギュッ」
カエデ「……そんなの、でたらめだ。」
カノン「でたらめじゃないよ。あの言葉のおかげで、今の私がある。空見くんがあのとき言ってくれなかったら、まだ私、全然前に進めてなかった。」
カエデ「……」
カノン「きっと私は、あのときから空見くんのことが好きだったんだと思う。……ううん、好きだった。今なら、そう断言できる。」
カエデ「……」
カノン「これからは私が、空見くんのことを守るから。誰にも、空見くんのことを嫌いだなんて言わせない。空見くんはとても素敵な人なんだって、私が何度も何度も説明して、納得させる。」
カエデ「……」
カノン「多少強引になっちゃうかもしれないけど、……それくらい私は、空見くんのこと、大切に思ってるから。」
カエデ「……どうして、そこまで……」
カノン「もちろん、……私、空見くんのこと、大好きだから。」
カエデ「……///」
カノン「……?もしかしたて空見くん、顔赤い?」
カエデ「! ち、違うよ///!これはただ単に、その……あ、暑いからだよ///!」
カノン「え~?今冬なのに~?」
カエデ「……冬でも、暑いときはあるだろ。」
カノン「ふふっ♪……ねぇ、空見くん。」
カエデ「……?」
カノン「あなたのことが、ずっと好きだったの。あの頃から、ずっと……。」
カエデ「……」
カノン「だから、……お願い。」ガシッ!
カエデ「……」
カノン「……私と、付き合ってもらえませんか?」
カエデ「……まぁ、僕で良ければ///……」
カノン「……えへへ、ありがと♪空見くん♪」
カエデ「……///」
美菜『こうして松原さんと空見カエデは、はれて恋人同士になったのでした。これからどんな困難が待ち受けていようと、2人の愛の力で、全てを乗り越えていくことでしょう……。』
2-A 演劇『他人と友達と親友と……』後編
終演
文化祭回、もう1話くらい続きそうです……。
くどいようでマジですいません……。