田舎から引っ越してきた僕と個性的な人達   作:知栄 砂空

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どうも、知栄砂空です。

ドリフェス10連引いたら星四は出たものの千聖さんがだぶりました。

星四だぶりはきついって……。

ちなみに今回、めちゃくちゃ長いです。

1話から4話よりもめちゃくちゃ長いです。

なぜ長くなっちゃったか、あれやこれや書いてたらこうなりました……。

飽きないで読んでいただけたら、嬉しいです……。


5話 一応街を案内してもらってるってことになってるらしい

【空見家】

 

『……ジリリリリリ!ジリリリリリ!ジリリ…カチッ』

 

楓「……ムク」

 

……10:30。

 

時間通りだ。

 

楓「よっ、と。」

 

……ガチャ

 

ふわぁ~……。

 

……眠。

 

 

 

 

 

……ガラ

 

翔真「そう!そこそこ!……よしOK!じゃあ俺、アイテム取るぞー。」

 

楓「……おはよう。」

 

翔真「……ん?あ、楓。おはよう。」

 

楓「……またチャット?」

 

翔真「ああ……あ!おい待て!そいつは俺が倒すんだ!」

 

楓「……」

 

……パタン

 

今翔真がやってるのは、オンラインゲーム。

 

イヤホンマイクというやつで、友達とチャットしながらゲームしてるらしい。

 

正直、友達とチャットしながらゲームしてる翔真はうるさい。

 

あと余談だが、僕と翔真の部屋はめちゃくちゃ近く、歩いて4、5歩ぐらいの距離にある。

 

 

 

 

 

ガチャ……ガチャリ

 

僕は部屋に戻り、家着から出掛ける用の服に着替えた。

 

そして下に降り、居間に行った。

 

居間にあるソファの上では、マリーが寝ていた。

 

あ、起きた。

 

マリー「……にゃ~。」

 

楓「マリー、おはよう。」

 

現在家にいるのは、僕、翔真の2人とマリー1匹だ。

 

お母さんとお父さんは仕事に行っている。

 

ちなみにお母さんは15:00、お父さんは夜遅くに帰ってくる(たまに早く帰ってくることもある)。

 

楓「……あと15分で出るか。」

 

白鷺さんとの約束の時間は11:30。

 

現在は10:45。

 

場所は駅前なので、11:00に出れば丁度良いはずだ。

 

ピッ

 

……今の時間だと、どこのチャンネルもニュースばっかだな。

 

いいや、部屋行ってSNSでも見よ。

 

ピッ

 

マリー「にゃ~?」

 

楓「ん?マリーも上行きたいの?」

 

マリー「……にゃ~。」ゴロリン

 

楓「……丸くなってるマリーも可愛いな~♪携帯持ってくりゃ良かった……。」

 

そんなことを呟きながら、僕は自分の部屋に戻り、携帯に入っているSNSのアプリをひらいた。

 

そして時間になるまで、僕がフォローしてる人の猫の写真を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜10分後〜

 

楓「……まぁ、2500円ありゃ足りるか。」

 

現在は10:55。

 

さっきまで僕は、財布の中身を確認していた。

 

そしてたった今確認が終わり、財布をバッグにしまったところだ。

 

……ガチャリ

 

 

 

 

 

 

……ガラ

 

楓「翔真、ちょっと僕出掛けてくる。」

 

翔真「ああ。……あ、そうだ。じゃあ……」

 

楓「?」

 

翔真「……」ゴソゴソ……

 

……お金?

 

翔真「はい。」

 

楓「……何、これ。」

 

翔真「これでこの本買ってくれ。」

 

そう言って翔真は、携帯のある画面を見せてきた。

 

それは、今翔真がやってるゲームの攻略本の画像だった。

 

翔真「この本さ、限定の装備がゲットできるシリアルコードが付いてくるんだよ。今ネットで、この装備がめちゃくちゃ使えるって評判なんだ。」

 

楓「ふーん。」

 

翔真「だからお願い、このお金で買ってきて。」

 

楓「……それぐらい、自分で行け…「行・け。」……はぁ、分かったよ。」

 

翔真に握り拳なんか作られてお願いされたら、もう断れねえや。

 

だって僕、喧嘩くっそ弱いもん。

 

4歳年下のこいつにだって、喧嘩で買ったこと1回もないし。

 

楓「……じゃ、行ってきます。」

 

翔真「いってらー。……あぁごめん。ちょっとチャットはずしてたわ。」

 

楓「……ったく。パタン」

 

ちなみに翔真からもらったのは1000円。

 

攻略本、これで買えるの?

 

……まぁいいや。

 

……行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【駅前】

 

楓「……ちょっと早かったかな?」

 

現在の時刻は11:25。

 

約束の時間まであと5分ある。

 

つまり、早く来すぎたのだ。

 

……いや、来すぎではないか。

 

たった5分だし。

 

楓「……流石に、まだ来ては……あ。」

 

 

 

 

 

千聖「……」

 

 

 

 

 

……いたよ。

 

ま、予想はしてたけどね。

 

 

 

 

 

千聖「……あら、空見さん。」

 

楓「お、おはようございます、白鷺さん。」

 

千聖「おはよう。……意外と早かったわね。」

 

楓「いえ、たまたまですよ。」

 

千聖「……そう。……それじゃあ行くわよ。」

 

楓「え?あ、はい。」

 

白鷺さん、行動が早いな。

 

……ていうか、どこに行くんだろう?

 

千聖「……」

 

……ちょっと聞いてみるか。

 

楓「……あ、あのー。」

 

千聖「何かしら?」

 

楓「こ、これから、どこに…「黙ってついてきなさい。」……はい。」

 

……白鷺さんのことだから、変なとこは行かないと思うけど。

 

……不安だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???】

 

千聖「着いたわ。」

 

楓「え?……ここ、ですか?」

 

千聖「そうよ。……何か不満でも?」

 

楓「あ、いえ、全然。……ただ、ちょっと意外だなって。」

 

千聖「意外?……まぁ確かに、あまりこういうところは来ないわね。」

 

え?

 

……じゃあ何でここに来たの?

 

僕と白鷺さんが来た場所。

 

それは……

 

 

 

 

 

……映画館だ。

 

今僕と白鷺さんは、ショッピングモールの中にある映画館の前にいる。

 

……さっきも言った通り、意外だ。

 

白鷺さんは普段おとなしい人だから、てっきり静かな場所かに行くのかと思った……。

 

あ、ちなみにショッピングモールへは、近道じゃなくて普通の大通りから来た。

 

千聖「……これを見ましょう。」

 

楓「これ、ですか?」

 

千聖「ええ。今話題の恋愛映画みたいなの。」

 

楓「そ、そうなんですか。」

 

……なぜに恋愛映画?

 

別に恋愛ものは嫌いじゃないけど……映画館とかでは見たことないんだよな。

 

……白鷺さんはこういうジャンルが好きなのかな?

 

千聖「じゃあ私、先にチケットを買ってくるわね。」

 

楓「あ、はい。」

 

千聖「えーっと……私達は高校生だから、丁度1000円ね。」

 

楓「そうですね。」

 

千聖「……チラッ」

 

楓「……?行かないんですか?」

 

千聖「……行くわよ。スタスタスタ……」

 

? 何なんだ?

 

 

 

 

 

千聖「……お待たせ。」

 

早っ!

 

楓「は、早いですね……。」

 

千聖「そうでもないわ。これくらい普通よ。」

 

楓「ふ、普通、なんですか……。」

 

千聖「ほら、あなたも急いで買ってきてちょうだい。映画が始まっちゃうわ。」

 

楓「あ、はい。」

 

 

 

 

 

店員「……1000円丁度、お預かりいたします。……こちら、チケットになります。」

 

楓「あ、ありがとうございます。」

 

千聖「……買ったわね。それじゃあさっさと行くわよ。スタスタスタ……」

 

楓「……白鷺さん。何か怒ってま…「別に怒ってないわよ。」ニコニコ ……そ、そうですか。」

 

うん、白鷺さん絶対怒ってる。

 

僕には分かる。

 

千聖「えーっと……1番スクリーンね。ほら、早く行きましょ。」

 

楓「は、はい。」

 

……後で謝ったほうがいいのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜2時間後〜

 

【ショッピングモール】

 

楓「……」

 

千聖「……」

 

約120分の映画が終わり、僕と白鷺さんは映画館を出て歩いていた。

 

それはいいが……この通り、2人とも無言だ。

 

そのわけはたぶん……この2人で恋愛映画を見たからだ。

 

映画自体は普通に面白かったんだけど……めちゃくちゃ気まずかった。

 

もちろん、僕と白鷺さんは隣同士の席で見た。

 

それもあって、よけいに気まずかった。

 

……おそらく、もう白鷺さんと2人で映画を見ることはないだろうな。

 

千聖「……そろそろ、ごはんを食べに行きましょうか。」

 

楓「え?」

 

……あ、今時計見て気づいたけど、もう14:00過ぎだったんだ。

 

ま、12:00頃から映画見始めたらだいたいそれぐらいの時間になるか。

 

千聖「空見さん、行くわよ。」

 

楓「! は、はい。」

 

やっぱり白鷺さん、行動が早いな。

 

見失わないよう気を付けないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【フードコート】

 

千聖「ここね。」

 

楓「いろんな店がありますね……。」

 

昼ごはんを食べるために僕と白鷺さんが来たのは、フードコート。

 

フードコートは映画館と同じ3階でしかも意外と近くだったので、歩いて5分ぐらいで着いた。

 

そこまでは良かったんだけど……席が全然空いてない……。

 

14:00過ぎとは言えど、このくらいの時間に昼ごはんを食べる人は少なくない。

 

今僕はフードコートの真ん中辺りにいるが、周りを見渡してみても空いてる席が全然見つからない。

 

てか、松原さんと来たときもそうだったけど、普通に人が多いんだよなぁ。

 

楓「……あれ?白鷺さん?」

 

……おかしいな。

 

さっきまで隣にいたのに。

 

千聖「何してるの?空見さん。」

 

楓「! し、白鷺さん……。」

 

千聖「席ならもう取ってあるわよ。ほら、こっち。」

 

楓「え?あ、はい。」

 

……早い。

 

千聖「……ここよ。」

 

楓「ソファ、なんですね。」

 

千聖「何か不満?」

 

楓「あ、いえ全然。むしろ、僕もソファのほうがよかったですし。」

 

千聖「そう。……じゃあ私、自分の買ってくるから。荷物、見張っててもらえるかしら?」

 

楓「はい、分かりました。」

 

スタスタスタスタ……

 

……僕も財布出しとこ。

 

楓「……何食べよっかなー。」

 

周りを見渡すと、ほんとにいろんな店がある。

 

ラーメン屋さん、かつ丼屋さん、牛丼屋さん、うどん屋さん、他にも中華屋さん、アイスクリーム屋さん、パンケーキ屋さんなど、多種多様の店がある。

 

もちろん、今言ったの以外にも、多くの店がある。

 

千聖「……ただいま。」

 

楓「あ……おかえりなさい。」

 

……もう何も言わないし、驚かないぞ。

 

千聖「空見さんは、何にするか決めたの?」

 

楓「いえ、まだ考え中で……。」

 

……白鷺さんがもらってきた四角い形のベル、そこには、かつ丼屋さんの店のロゴが書いてあった。

 

白鷺さんはかつ丼か。

 

……なんか映画といいごはんといい、意外だな~。

 

千聖「……どうしたの?人のベルじっと見て。」

 

楓「あ、いえ、別に。白鷺さん、かつ丼にしたんだなーって。」

 

千聖「?」

 

楓「……じゃあ、僕も買ってきます。」スク

 

千聖「……変な人。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓「牛丼の並をください。」

 

店員「はい、320円になります。」

 

悩んだ末、僕は牛丼にした。

 

理由は単純に、安いしおいしいからだ。

 

店員「はい、こちら、牛丼の並でなります。」

 

楓「あ、どうも。」

 

しかも、早い。

 

店員「七味などは、ご自由にお使いください。」

 

楓「はい。」

 

七味は別に使わないから、箸とスプーンだけかな。コト

 

よし、戻るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖「……」

 

楓「……コト」

 

千聖「あら、おかえりなさい。牛丼にしたのね。」

 

楓「はい。……白鷺さんのは、まだ来てないんですか?」

 

千聖「ええ。意外と時間がかかるみたい。」

 

楓「そうなんですか。」

 

よ、っと。

 

楓「……」

 

千聖「……先、食べてていいのよ?」

 

楓「いや、なんか悪い気がして。」

 

千聖「先に食べたところで、悪いことなんて何もないわよ。早く食べないとそれ、冷めちゃうわよ?」

 

楓「大丈夫ですよ。僕、家とかでもこんなですし。」

 

千聖「こんな、って……家族全員分のごはんが出来るまで食べないってこと?」

 

楓「ごはんが出来るまでっていうよりは、家族全員のごはんをテーブルに全部並び終えて、みんなでいただきますするまで、ですかね。」

 

千聖「……」

 

楓「? 白鷺さん?」

 

千聖「……あなたって、変なところで律儀なのね。」

 

楓「へ?」

 

『ピー!ピー!ピー!ピー!』

 

楓「あ。」

 

千聖「出来たみたいね。じゃあ、取りに行ってくるわね。」

 

楓「はい。」

 

千聖「……先に食べててもいいのよ?」

 

楓「だ、だから食べませんって。」

 

千聖「ふふ、そう。スタスタスタ……」

 

……最後のってもしかして……

 

……からかわれた?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜15分後〜

 

楓「ごちそうさまでした。」

 

千聖「美味しかった?空見さん。」

 

楓「あ、はい。……白鷺さんは?」

 

千聖「私も、とても美味しかったわよ。」

 

楓「そ、そうですか。」

 

……14:30か。

 

次は、どこ行くんだろう?

 

千聖「さて、行きましょうか。」

 

楓「あ、はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【映画館】

 

楓「……ここ、映画館ですよね?」

 

千聖「ええ、そうよ。」

 

白鷺さんについてったら、なぜか再び映画館に来てしまった。

 

……何で?

 

どゆこと?

 

……まさか、また映画見るわけ…「そんなわけないでしょ。」で、すよね~……。

 

っていうか、今またさらっと心読まれた。

 

千聖「今から一度ここで別れて、別行動しましょ。」

 

楓「え?」

 

千聖「そして16:00頃に、またこの場所に集合。いいわね?」

 

楓「え……あ、あの、白鷺さん?」

 

千聖「何かしら?」

 

楓「あ、えっと、その……や、やっぱ、何でもないです。」

 

千聖「……そう。じゃあそういうことだから。……一応言っておくけど、時間厳守よ。」

 

楓「あ。」

 

スタスタスタ……。

 

……行っちゃった。

 

……いきなり別行動って……白鷺さんの考えてることはよく分からないな。

 

……16:00にまたここに集合ってことは、あと1時間半か。

 

……何するかなー。

 

楓「ん?」

 

『ニャンニャンフェア開催中!』

 

楓「……よし、これ見に行こう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜PM 15:55〜

 

【映画館】

 

楓「……あ、いた。タッタッタッタ……」

 

 

 

 

 

千聖「……やっと来たわね。」

 

楓「す、すみません。待たせちゃってましたか?」

 

千聖「いえ、私も今来たとこよ。」

 

楓「え?あ、そうなんですか……。」

 

千聖「……今から行けば丁度いいわね。」

 

楓「え?」

 

千聖「行くわよ。」

 

楓「あ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール 外】

 

ザーザーザーザー……!!

 

楓「……雨。」

 

天気予報ではずっと晴れの予報だったのに……。

 

傘なんて持ってきてないよ。

 

千聖「……」

 

楓「はぁ……。」

 

千聖「……仕方ないわね。」ゴソゴソ……

 

? 白鷺さん、何探して…「……」バッ! ……え?

 

千聖「もしものことを考えて、折り畳み傘を持ってきていたのよ。」

 

楓「な、なるほど……。」

 

さ、流石白鷺さん、準備もよろしくて……。

 

千聖「ほら。」サッ

 

楓「え?」

 

千聖「入りなさいよ。」

 

楓「え……い、いいんですか?」

 

千聖「変なことを考えていないならね。」

 

楓「そ、そんなこと考えてないですよ!……でも、僕男だし、白鷺さんは…「あーもうじれったいわね。」グイッ! うわっ。」

 

千聖「……これで文句ないでしょ。」

 

楓「……は、はぁ。」

 

現在の状態を説明すると、こんな感じだ。

 

白鷺さんの傘を僕が持ち、そこに白鷺さんが入っている。

 

まぁ周りから見たら、完全に相合い傘状態だ。

 

楓「……なんか、すみません。」

 

千聖「いいのよ。じゃあ私が道案内するから、あなたはその通りに歩いてちょうだい。」

 

楓「わ、分かりました。」

 

……ヤバイ。

 

これ、めっちゃ緊張するんだけど。

 

今も緊張で、体が震えちゃってるよ……。

 

千聖「……あなた、体震えてるけど、寒いの?」

 

楓「い、いえ、寒くはないんですけど……こういうの、したことなくて……緊張して……。」

 

千聖「……すぐ慣れるわよ。」

 

楓「……そう、ですか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜15分後〜

 

【???】

 

千聖「着いたわ、ここよ。」

 

楓「……ここは?」

 

相合い傘の中、僕と白鷺さんが着いた場所。

 

そこには、赤い屋根の建物が立っていた。

 

その建物の入口付近にはミニ黒板?みたいなのが立っていて、そこにいろいろ書いてあるということはここから離れて見ても分かった。

 

そして建物の上部には、英語で建物の名前?が書かれていた。

 

楓「……す、SPACE?」

 

……何屋さんなんだろ?

 

よく見ると、人も結構入ってるから人気みたいだし。

 

食べ物屋さんとか、かな?

 

千聖「入るわよ。」

 

楓「え?あ、はい。」

 

白鷺さんは、来たことあるっぽいな。

 

 

 

 

 

カランコロン

 

うわぁ、結構人いるな。

 

千聖「こっちよ。」

 

楓「あ、はい。タッタッタ」

 

千聖「……高校生です。」

 

???「……」

 

楓「あ、僕もです。」

 

???「600円。」

 

楓・千「「……」」サッ

 

???「……ドリンクチケット、あっちで好きなもの頼みな。」

 

千聖「ありがとうございます。」

 

楓「あ、ありがとうございます。」

 

???「……」

 

千聖「……あの人は、ここのオーナーなのよ。」

 

楓「オーナー?」

 

千聖「管理人、って言った方が分かりやすいかしら。」

 

管理人……。

 

ってことは、食べ物屋……ではなさそうだな。

 

だとすると、ここはいったい何の店なんだ?

 

???「あ!千聖ちゃんだー!」

 

楓「!」

 

千聖「? あら、日菜ちゃん。」

 

???「やぁ、千聖。」

 

千聖「薫……。なかなかに珍しい組み合わせね。」

 

日菜「ここに来る途中で偶然会ったんだー。ね、薫くん!」

 

薫「ああ。」

 

楓「……」

 

この二人、白鷺さんの知り合いかな?

 

日菜「……?……」ジー

 

……な、なんか、じーっと見られてる気がするんだけど。

 

楓「……な、何ですか?」

 

日菜「……千聖ちゃん。もしかしてこの子、千聖ちゃんの彼……むぐっ!」

 

千聖「安心して日菜ちゃん。決して、そういうのではないから。」ニコニコ

 

日菜「んー、んー……ぷはぁ。で、でも、千聖ちゃんが男の子といっしょにいるなんて…「この人はただの友達よ。」友達?」

 

千聖「そう。この人、おととい花咲川に転校してきたばかりだから、今日は私がこの街をいろいろ案内してあげてたのよ。」

 

日菜「へぇ~、そうだったんだ。」

 

……白鷺さんがちょっとテンパり気味なの、初めて見た。

 

薫「……でも千聖、花咲川は女子高だろう?女子高に男の子が転校できるのかい?」

 

千聖「え?……た、確かに。言われてみれば、そうね。」

 

楓「……」

 

千聖「……どうなの?空見さん。」

 

楓「え?ぼ、僕ですか!?」

 

千聖「他に誰がいるっていうのよ。あなたのことなんだから、あなたに聞かないと分からないでしょ?」

 

日菜「ねぇ、どうなの?」

 

薫「どうなんだい?」

 

楓「うっ……え、えーっとー……」

 

日・薫「「……」」ジー

 

ど、どうしよう……。

 

僕もそこんとこ、よく分かんないし……。

 

いったいどうしたら……。

 

……!そうだ!

 

楓「ちょ、ちょっと待っててください。」

 

千聖「?」

 

クルッ

 

楓「……」サッ!

 

えーっと、メッセージメッセージ……。

 

それでお母さんに、『今更こんなこと聞くのは変なんだけど、女子高に男が転校なんてできるの?』と。

 

よし送信!ピッ!

 

 

 

 

 

『……ピロリンッ♪』

 

きた!早い!

 

えーっと何々?

 

 

 

 

 

 

……『悪いけど、そのことに関しては何も答えられないわ』。

 

……え?何で?

 

あ、続きが……。

 

 

 

 

 

 

『大人の事情だから』。

 

……え。

 

な、何だよそれ……。

 

千聖「空見さん、もういいかしら?」

 

楓「え!?あ、えっとー、そのー……」

 

日・薫「「……」」

 

楓「……ちょ、ちょっとこれ見てください。」ヒソヒソ

 

千聖「? …… これは?」

 

楓「女子高に男が転校できるのかという質問に対する答えです。お母さんに聞きました。」ヒソヒソ

 

千聖「……これ、答えになってるの?」ヒソヒソ

 

楓「さぁ……?僕もよく分からなくて……。」ヒソヒソ

 

日菜「ねー、二人で何話してるのー?」

 

千聖「! な、何でもないわよ?」

 

……これ、どう説明すりゃいいんだろ……。

 

千聖「空見さん。」ヒソヒソ

 

楓「! は、はい。」ヒソヒソ

 

千聖「私に任せて。」ヒソヒソ

 

楓「へ?」

 

千聖「そ、そんなことより日菜ちゃん、薫。そろそろ時間じゃないかしら?」

 

日菜「え?……あー!ほんとだー!」

 

薫「ふっ。私としたことが、つい時間にルーズに…「あなたは黙っててもらえるかしら。」……ふっ、相変わらずきついね、千聖は。」

 

……え、何今の。

 

知り合い、なんだよね……?

 

日菜「というわけで日菜ちゃん、ステージのほうに向かいましょ。ほら、空見さんも。」

 

楓「あ、はい。」

 

ふぅ。

 

なんとか白鷺さんのおかげで、この話を(強制的に)終わらせることができた。

 

後でお礼言っとこ。

 

……そういや、さっきステージって言ってたよね?

 

なんかショーでもやるのかな?

 

……あ、もしかしてここは、何かの劇場とか?

 

……とにかく、中に入れば分かるか。

 

 

 

 

 

『ワーワー!!』

 

『キャーキャー!!』

 

楓「! す、すごい人……。」

 

日菜「あちゃー、もう始まっちゃったね~。」

 

薫「ふっ、構わないさ。今からじっくりとライブを堪能すればいい。」

 

楓「? ライブ?……って、何の……」

 

千聖「バンドよ。」

 

楓「バンド?」

 

千聖「ここ、SPACEは、ガールズバンドの聖地みたいなの。」

 

楓「ガールズバンド?聖地?」

 

 

 

 

 

紗夜『……私、バンドをやってるんです。』

 

 

 

 

 

はぐみ『はぐみとみーくんはね、バンドやってるんだよ!』

 

 

 

 

 

……あの人達も、ガールズバンド、なのかな?

 

てかそもそも、ガールズバンドって何なの?

 

女子高生のバンドのことを、ガールズバンドって言うの?

 

……よく分からないや。

 

千聖「はい。」

 

楓「え?」

 

千聖「今日のライブの出演者よ。」

 

楓「あ……ありがとうございます。」

 

白鷺さんから渡された携帯の画面を見ると、そこにはいろんなグループの名前が書いてあった。

 

……『GRLSLS CROWN』、『Switch Back』、『クライテリア』、『Glitter Green』……。

 

これ全部、ガールズバンド、ってこと?

 

いろんなグループがいるんだなー。

 

 

 

 

 

???「っ!」バタンッ!

 

楓「ん?」クルッ

 

薫「ああ美咲、来ないのかと思って心配したよ。」

 

美咲「お、遅れてすみません薫さん。親の買い物が結構長引いちゃって……って、え?」

 

楓「! き、君は……」

 

美咲「そ、空見先輩!?何でここに……。」

 

楓「そ、それはこっちの……ってまぁ別にいっか。ひ、久しぶり……。えっと……美咲ちゃん、だっけ?」

 

美咲「そう、ですけど……どうしてあたしの名前を?ていうか、どうして空見先輩がここに?」

 

楓「名前は、松原さんに教えてもらったんだよ。で、ここにいるのは、普通にライブを見に来ただけで……。」

 

美咲「な、なるほど……。」

 

千聖「……」

 

日菜「……」

 

薫「……」

 

美咲「……ライブ、見ましょうか。」

 

楓「そ、そうだね。」

 

……ここからは、ガールズバンドのライブを楽しむとするかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クライテリアのボーカル「さぁみんなー!まだまだ声出していくよー!」

 

 

 

 

 

『ワーワー!!』

 

『キャーキャー!!』

 

千聖「……変ね。」

 

楓「え?」

 

千聖「このタイムスケジュールだと、Glitter Greenのライブは既に終わってるはずなのよ。でも、いまだにGlitter Greenのライブは始まらない。」

 

Glitter Green……。

 

確かに、バンド紹介でまだその名前のバンドは聞いてないな……。

 

日菜「もしかして、メンバーの1人が体調崩しちゃったとか?」

 

薫「だとすると、とても心配だね。ああ、Glitter Greenのメンバーの1人が体調を崩してしまったのかと思うと、胸が苦しくなるよ。」

 

美咲「胸が苦しくなるかどうかはともかくとして、グリグリのライブがないとなると、結構みんなショック受けますよね。ここら辺では、グリグリはとても人気のあるバンドみたいですし。」

 

楓「グリグリ?」

 

美咲「あぁ、Glitter Greenの略ですよ。みんな、Glitter Greenのことをグリグリって言ってるそうです。」

 

楓「へぇー。」

 

 

 

 

 

クライテリアのボーカル「ステージ、最後までありがとう~!」

 

 

 

 

 

観客「あれ~?もう終わり~?」

 

観客「グリグリは~?」

 

日菜「え?ライブ、終わっちゃったよ?」

 

千聖「そう、みたいね。」

 

薫「やはり、グリグリのライブはなかったね。」

 

美咲「グリグリを楽しみにしてた人が、こんなにいるのに……。」

 

……ここら辺でとても人気のあるバンド、か。

 

さぞかしすごいバンドなんだろうなー。

 

……ちょっと聞いてみたかったけど、メンバーの1人が体調不良なら、仕方ないか。

 

……そろっと帰ってる人もいるし、僕もそろそろ帰…「あれ?見て、ステージの上に女の子が立ったよ。」え?

 

楓「女の子?」

 

……ほんとだ。

 

どこかのバンドのメンバーかな?

 

 

 

 

 

香澄「……こ、こんにちは!私、戸山香澄です!」

 

 

 

 

 

『『『……』』』

 

楓・千・日・薫・美『『『……』』』

 

 

 

 

 

香澄「……え、えーっとー……。」

 

 

 

 

 

千聖「……まさかあの子、何の考えもなしにステージに上がったの?」

 

薫「ふっ。まるで巣から飛び立とうとしたけれど、突然恐怖が襲いかかってきて固まってしまった小鳥のようだ。ああ、儚い。」

 

美咲「どういう例えですか、それ。」

 

日菜「あはは、やっぱ薫くんって面白〜い!」

 

楓「……」

 

 

 

 

 

香澄「……き。」

 

 

 

 

 

き?

 

 

 

 

 

香澄「きーらーきーらーひーかーるー♪おーそーらーのーほーしーよー♪」

 

 

 

 

 

……え?

 

千聖「こ、これって……。」

 

薫「きらきら星……?」

 

美咲「……何で?」

 

日菜「よく分からないけど、なんかるんっ♪ってきた♪」

 

……僕達含め、観客全員ぽかーんとしてるんだけど。

 

 

 

 

 

香澄「……ダッ!」

 

 

 

 

 

千聖「え?」

 

楓「に、逃げた?」

 

 

 

 

 

香澄「ほら、有咲もいっしょに!」

 

有咲「お、おい香澄!」

 

 

 

 

 

日菜「あ、戻ってきた。」

 

薫「どうやら今度は、1人がきらきら星を歌い、もう1人が演奏をするらしいね。」

 

美咲「あれって……カスタネット?」

 

 

 

 

 

香澄「きーらーきーらーひーかーるー♪おーそーらーのーほーしーよー♪」

 

有咲「……」

 

 

 

 

 

もう1人の人、ぽかーんとしてるけど……。

 

 

 

 

 

香澄「まーばーたーきーしーてーはー♪みーんーなーをーみーてーるー♪」

 

有咲「……はぁ。」

 

香澄「きーらーきーらーひーかーるー♪」カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……

 

 

 

 

 

日菜「あ、カスタネットの音が入ったよ。」

 

 

 

 

 

香澄「おーそーらーのーほーしーよー♪」カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数分が経過したが、相変わら1人は歌で、1人はカスタネットを使って、2人はきらきら星を演奏していた。

 

リピートも入り、いつまできらきら星をやるのかと思った矢先、もう1人の女の子がギターを持ってステージに出てきた。

 

そして……。

 

 

 

 

 

???「……」~♪

 

 

 

 

 

楓「……あの人、すごい……。」

 

千聖「あれはベースね。」

 

楓「ベース?ギターじゃないんですか?」

 

千聖「ええ。……ちなみに私も、バンドではベースをやっているのよ。」

 

楓「へぇー。……え!?」

 

 

 

 

 

香澄「きーらーきーらーひーかーるー♪」~♪~~♪♪~~♪♪

 

 

 

 

 

あ……きらきら星に、ベースの音が……。

 

 

 

 

 

香澄「おーそーらーのーほーしーよー♪」~♪~~♪♪~~♪♪

 

 

 

 

 

楓「……すごい……。こんなきらきら星、聞いたことない……。」

 

千聖「ええ……。それに、あの子のベース、なかなかのものね。」

 

 

 

 

 

???「……みんなー!お待たせー!」

 

 

 

 

 

日菜「! グリグリだ!」

 

薫「ちゃんと4人いる……体調不良じゃなかったみたいだね。」

 

美咲「とりあえず、一安心ですね。」

 

あれが、Glitter Green……。

 

……何だろう。

 

確かになんか……他のバンドと、風格が違う。

 

 

 

 

 

Glitter Greenのボーカル「りみ、よく頑張ったね。」

 

りみ「あ、ありがとう、お姉ちゃん!」

 

 

 

 

 

! あ、あの人、あのベースの子のお姉さんなの!?

 

な、なんかすごいな……。

 

 

 

 

 

Glitter Greenのボーカル「よーし!それじゃあみんなー、いっくよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ライブ終了後~

 

日菜「いやー、すごかったねー!」

 

薫「最初はどうなることかと思ったが、結果良ければ全て良し、というからね。」

 

美咲「確かに。こればかりは、薫さんの言う通りだね。」

 

千聖「あれが、Glitter Greenの演奏……。私も、まだまだ頑張らなくちゃいけないわね。」

 

あの後グリグリは、あの3人とともにきらきら星を演奏した。

 

グリグリの演奏、きらきら星のアレンジバージョンはほんとにすごかったが、歌、カスタネット、ベースの3人の演奏も良かった。

 

特にベースに関しては、白鷺さんが絶賛していたほどだ。

 

白鷺さんは、『あれだけベースを弾けるということは、あの子もバンドをやっているんじゃないか』って言ってたけど、どうなんだろ……?

 

あ、ちなみにライブは、30分ぐらいで終わった。

 

千聖「どうだった?空見さん。」

 

楓「え?あ……す、すごかったです。特にGlitter Green……グリグリの演奏は、今日聞いたバンドの中で一番すごかったです。」

 

千聖「……そうよね。……Glitter Green、本当にすごいバンドだったわ。」

 

楓「……」

 

 

 

 

 

千聖『ちなみに私も、バンドではベースをやっているのよ。』

 

 

 

 

 

白鷺さんも、バンドを……。

 

氷川さんも、奥沢さんも、あのオレンジ色の髪の子も。

 

僕がこれまで会った人の中には、バンドをやってる人が4人もいる。

 

……もしかして、ここにいる2人や、あの3人、さらには松原さんまでもが、バンドを……?

 

……なーんて、そんなわけないか。

 

偶然だよね、こんなの。

 

 

 

 

 

???「あ、いた!ち、千聖ちゃーん!」

 

楓「!」

 

千聖「あら?彩ちゃん、どうしたの?」

 

彩「はぁ、はぁ……ら、ライブは!?」

 

日菜「あ、彩ちゃん。ライブならもう終わったよ?」

 

彩「えーー!!そ、そんなぁ……。」

 

千聖「来るのが遅いのよ。30分早かったら、まだGlitter Greenのライブが見れたのだけど。」

 

彩「うぅ、ライブ見たかったよ……。」

 

日菜「あはは。ドンマイ、彩ちゃん。」

 

……この人も、白鷺さん達の知り合いかな?

 

……この人も、バンドやってたりしてね。

 

ていうか、白鷺さんの知り合い多いな。

 

千聖「……それじゃあ、私達はそろそろ行くわね。」

 

彩「うん……。……あれ?千聖ちゃん、その子…「勘違いしないでね彩ちゃん。私はただ、この人に街を案内しているだけだから。」街を?……そっか。うん、分かった。」

 

千聖「? そう。なら、いいのだけど……。」

 

楓「……」

 

彩「……えーっと、空見くん、だっけ。」

 

楓「え?」

 

彩「明日はよろしくね。」

 

楓「……へ?」

 

千聖「何してるの?行くわよ。」

 

楓「あ、はい。」

 

千聖「じゃあね、日菜ちゃん、彩ちゃん、美咲ちゃん。」

 

日菜「じゃーねー。」

 

彩「また明日ね、千聖ちゃん、空見くん。」

 

美咲「さようなら。」

 

薫「またね、千聖。」

 

……何であの人、僕の名前知ってたんだろ?

 

それに、明日はよろしくって……。

 

何のことかさっぱりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在の時刻は、17:45。

 

僕と白鷺さんは、SPACEを出て駅のほうに向かって歩いていた。

 

ちなみに、雨はライブ中にやんだらしい。

 

次は、どこに行くんだろう?

 

千聖「……空見さん。」

 

楓「! は、はい!」

 

千聖「あなたはどこか、行きたいところなどあったりするの?」

 

楓「え?い、行きたいところ?」

 

千聖「ええ、どこでもいいわよ。」

 

……行きたいところ、か。

 

……あ!

 

そういやあいつに買ってきてほしいって頼まれてた攻略本、まだ買ってないや。

 

楓「……それなら、ほ、本屋さんに……。」

 

千聖「本屋さん?」

 

楓「はい。弟に買ってきてほしいって言われた本があって、それを買いたいなーって。」

 

千聖「空見さん、兄弟がいたのね。」

 

楓「はい。超生意気な弟ですけど。」

 

千聖「……そう。……分かったわ、それじゃあ行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【本屋】

 

千聖「着いたわ、ここが本屋さんよ。」

 

……こんなところに、あったんだ……。

 

千聖「入りましょ。」

 

楓「あ、はい。」

 

カランカラン

 

楓「……で、でかい……。」

 

千聖「ここの本屋さんは、この街で一番大きい本屋さんなのよ。」

 

楓「そ、そうなんですか……。」

 

この街で一番……。

 

いや、にしてもでかすぎない?

 

中にエスカレーターとかあるし。

 

2階建ての本屋なんて、初めて来た……。

 

千聖「それで、弟さんが欲しいって言っている本はどういう本なの?」

 

楓「あ、えーっと……ゲームの本、なんですけど。」

 

千聖「ゲーム?……そうね、そういう類いの本だと……下かしら。」

 

楓「降りるんですか?」

 

千聖「ええ。」

 

白鷺さんについていきエスカレーターを降りると、そこは2階よりも広くて、本もかなりの数だった。

 

この街で一番大きい本屋さんなだけあるな……。

 

千聖「こっちよ。」

 

 

 

 

 

千聖「……たぶんだけど、ここら辺にあると思うわ。」

 

楓「あ、ありがとうございます。」

 

千聖「それじゃあ私は、あそこにある雑誌売り場にいるから。」

 

楓「は、はい、分かりました。」

 

スタスタスタ……

 

……そういや白鷺さん、ここまで迷いなく歩いてたけど、場所知ってたのかな?

 

ってことは、前にも1回来たことある……?

 

……まぁいいや。

 

えーっと、攻略本攻略本……。

 

楓「……!あった!これだ。」

 

よし、あとはこれを買って……ん?

 

楓「……!このゲームの攻略本、もう出てたんだ!」

 

僕が見つけたのは、今僕が一番はまってるゲームの攻略本だった。

 

SNSを見ても全然攻略本の情報がなかったので、もう出ないのかと諦めかけていた。

 

楓「限定ダンジョンがゲットできるシリアルコード……。買うしかないな。」

 

えーっと、財布財布……あった。……パカッ

 

……あ。

 

楓「……お金が、足りない……。」

 

2500円持ってきて、まず映画で1000円使って、次に昼ごはんで320円使って、さっきSPACEで600円使って。

 

……既に2000円も使ってたのか。

 

うぅ、マジか……。

 

楓「……仕方ない、また今度買うか…「ねぇ君。」ん?」

 

知らない人「今さ、その攻略本見てた?」

 

……誰?この人。

 

楓「……はい。」

 

知らない人「ということはやっぱり、君もそのゲーム好きなんだよね?」

 

楓「まぁ……はい。」

 

知らない人「おぉ!やはりそうか!」

 

……マジで何なのこの人。

 

ちょっと怖いんだけど。

 

知らない人「俺もさ、このゲームめちゃくちゃ好きでさ。今超どはまりしてるんだよ。」

 

楓「は、はぁ……。」

 

……悪い人ではないっぽい、けど。

 

知らない人「今どこのダンジョンまで解放してる?」

 

楓「……か、神の神殿、まで。」

 

知らない人「! もうそこまで行ったの!?すげえじゃん!」

 

楓「そ、そうですか?」

 

知らない人「そこまで行ってるなら、もうベテランじゃん!」

 

楓「べ、ベテランって……。」

 

知らない人B「なぁ、何してんだ?」

 

! も、もう1人来た……。

 

知らない人A「この子すげえんだよ!もう神の神殿までいったってさ!」

 

知らない人B「マジ!?ヤバ!うわー、コツとか教えてもらいてー。」

 

知らない人A「なぁ、もしだったらさ、今から近くのファミレス行かね?」

 

楓「へ?」

 

知らない人A「そこでコツとか教えてもらいたいんだけどさ。」

 

楓「……で、でも僕今、ゲーム持ってませんし。」

 

知らない人A「ゲームなら俺とこいつのがあるから大丈夫だよ。」

 

「お、お金も、あまり持ってませんし……。」

 

知らない人B「それぐらい、俺達がおごってやるよ。」

 

楓「……そ、それに、僕…「ちょっとだけでいいからさ。お金だって、俺達がおごってやるから心配ないし。なぁ行こうぜ。」……」

 

どうしよう、めちゃくちゃ怖いんだけど……。

 

知らない人に話しかけられてしかもファミレス行かないかって誘われるとか。

 

……ヤバイ、マジで怖いんですけど……。

 

てか、こういうとき普通は断らなきゃだよね?

 

昔から、知らない人にはついていっちゃだめってよく言うし……。

 

……なんとか、断らなきゃ……。

 

楓「……す、すみません。僕、今…「あ、悪い、ちょっと電話かかってきた。」……」

 

タイミング悪すぎ……。

 

じゃ、じゃあ、もう1人の人に……。

 

楓「あ、あの…「君ってさ、どんなモンスター使ってる?」……はい?」

 

知らない人A「俺は……こんな感じなんだけど、どうすればもっと強くなれるのか教えてほしくて……」

 

楓「は、はぁ……。」

 

……ダメだ。

 

全然タイミングが合わない……。

 

早く攻略本買って、白鷺さんのとこ戻らなきゃなのに。

 

黙って逃げるのもなんか悪いし……マジでどうしよう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その頃、雑誌売り場では~

 

……遅い。

 

空見さん、本を買うだけでどうしてこんなに時間かかってるのかしら。

 

……はぁ、仕方ないわね。コト

 

千聖「……」スタスタスタ

 

 

 

 

 

私が教えた場所から動いていないなら、まだここにいるはずだけど。

 

千聖「……空見さん。あとどれくらい待たせれば気が済…「よしOK。というわけで行こうぜ。」?」

 

あれは……。! 空見さん!?

 

と、あの人達は……。

 

楓「い、いえ、僕はまだ、何も……。」

 

知らない人B「だから、お金のことは気にするなって。少しだけでもいいから、君と話がしたいんだよ。」

 

知らない人A「ゲームのコツとかもそうだけど、何より俺達は君と仲良くなりたいんだよ。」

 

楓「で、でも……。」

 

……女の人が男の人にナンパされるというのは分かるけど、男の人が男の人にナンパされるなんていうのは初めて見たわ……。

 

あの人達、もしかして……。

 

知らない人A「なぁ、少しぐらいいいだろ?」

 

楓「す、すみません……。僕、今日は用事が……。」

 

知らない人B「用事か。じゃあ、その用事が終わった後とかはどうだ?」

 

楓「え?」

 

知らない人B「もしだったらさ、俺と連絡先交換しようぜ。」

 

楓「え……。あ、えーっとー……。」

 

……はぁ、もう見てられないわ。スタスタスタ

 

知らない人B「なぁ、連絡先交換しようぜ。」

 

楓「……ぼ、僕…「本を買うだけでどれだけ時間かかってるのかしら?」! し、白鷺さん!」

 

知らない人B「ん?君、この子の知り合い?」

 

千聖「知り合いも何も、今日私はその人に街を案内していたんです。本屋さんに来たのも、その人が来たいと言ったからです。」

 

知らない人B「あ、そうだったんだ。」

 

知らない人A「! ねぇ。もしだったらさ、君もいっしょに行かない?ファミレス。」

 

千聖「……」

 

知らない人B「お、それいいじゃん!ねぇ君、そうしよう!人が多いほうが話も盛り上がるし!」

 

千聖「……大人のくせに、女子高校生をナンパですか。」

 

知らない人A・B「「え?」」

 

千聖「……」スタスタスタ……ガシッ

 

楓「!」

 

千聖「行きましょう、空見さん。」

 

知らない人A「! ちょ、ちょっと待ってよ!別にナンパしてるわけじゃないよ!俺はただ、君達と仲良くなりたくて。」

 

千聖「仲良くなりたいのなら、同じくらいの年齢の人と仲良くなればいいんじゃないんですか?別に高校生と仲良くする必要はないと思いますけど。」

 

知らない人A「そ、それは……。」

 

知らない人B「……」ジー……

 

千聖「……何ですか?人の顔をじっと見て。セクハラですよ?」

 

知らない人B「あ、ごめんごめん。……君の顔、どこかで見たことあるような気がしたから。」

 

千聖「……」

 

知らない人B「なぁ、この子の顔、なんか見覚えない?」

 

知らない人A「え?……うーん、言われてみれば、見覚えあるような、ないような……。」

 

楓「(ま、まさか白鷺さん、この人達とも知り合いだったり……?……いや、流石にないか。)」

 

千聖「……」

 

知らない人B「うーん、どっかで見たことあるんだよなー。10年前ぐらいに、何かで……。」

 

千聖「……元子役の白鷺千聖、って言ったら分かりますか?」

 

楓「……え?」

 

知らない人B「元子役の……」

 

知らない人A「白鷺千聖?」

 

知らない人A・B「「……!あぁ!!」」

 

千聖「……」

 

知らない人A「ま、まさか君……あの、白鷺千聖ちゃん!?」

 

知らない人B「そうだ!俺思い出したよ!確か、はぐれ剣客人情伝に出てた!」

 

楓「……はぐれ?」

 

千聖「……コホンッ!」

 

知らない人A・B「「!?」」

 

千聖「思い出せて良かったですね。それでは、私達はこれで失礼します。」グイッ

 

楓「あ。」

 

知らない人B「! ……ほ、ほんの少しだけ…「まだ何かあるんですか?」ジロッ !! な、何も、ございません……。」

 

千聖「……行くわよ、空見さん。」

 

楓「は、はい……。(白鷺さん、すごい……。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【本屋 外】

 

カランカラン

 

楓「……」

 

千聖「……」

 

楓「……あ、あの、白鷺さん。」

 

千聖「何かしら?」

 

楓「さっきは……あ、ありがとうございました。」

 

千聖「……」

 

あ、あれ?

 

……まさか、また、怒ってる?

 

千聖「……あなた、花音を助けようとして不良達に立ち向かったんじゃないの?」

 

楓「え?……ま、まぁ、はい。」

 

千聖「そんな勇気がありながら、どうしてさっきはあんなに弱気だったのかしら?」

 

楓「……僕、苦手なんですよ。」

 

千聖「? 苦手って、何が?」

 

楓「知らない人に、話しかけられるのがです。」

 

千聖「……そんなこと言ってたら、学校の先生や生徒はどうなるのよ。」

 

楓「そういうのは、別に大丈夫なんですけど……。さっきみたいに、すごいぐいぐい話しかけてくるような大人の人は、ほんと苦手で……。こんなこと初めてだったので、尚更……。」

 

千聖「……」

 

楓「……なんか、すみません。」

 

千聖「? どうして謝るの?」

 

楓「え?……白鷺さん、怒ってるんじゃないんですか?」

 

千聖「私が怒る理由なんて、何もないわよ。」

 

……僕の、思い違いだったのか……。

 

千聖「……ふふ。」

 

楓「え?」

 

千聖「やっぱりあなたに、花音を任せるわけにはいかないわね。」

 

楓「?」

 

千聖「あら、忘れたとは言わせないわよ?言ったでしょ?あなたが花音の彼氏に相応しいかどうか、見極めさせてもらうって。」

 

楓「……あ。」

 

そういやそんなこと言ってたなこの人……。

 

楓「……そうですか。」

 

千聖「……花音の彼氏とは認めない、と言ったのに、あまりショックそうじゃないわね。」

 

だって、ショックも何も、僕は松原さんの彼氏なんかじゃないんだもん。

 

千聖「……ま、それもそうよね。

 

 

 

 

 

あなたは花音と付き合ってなんかないんだもの。」

 

楓「はは、全くその通りで……え?」

 

千聖「……」

 

楓「……し、白鷺さん?今、なんて……」

 

千聖「あなたは花音と付き合ってなんかないんだから、ショックなわけがないと言ったのよ。」

 

楓「……はぁ、やっと分かってくれたんですか。」

 

千聖「やっと?……あなた、何か勘違いしてない?」

 

楓「え?……違うんですか?」

 

千聖「私は最初から知っていたわよ。あなたが花音の彼氏じゃないってことくらい。」

 

楓「……え?……えぇ!?さ、最初からって、いったいいつから……」

 

千聖「初めてあなたに会ったときから、かしらね。」

 

楓「ほんとに一番最初じゃないですか!?……もう僕、わけが分かりませんよ……。」

 

千聖「……私も、最初花音に彼氏ができたと聞いたときは少し驚いたわ。でも、教室に入ってあなたを見て、すぐにそれはみんなの勘違いだって分かったわ。」

 

楓「? 僕を見て?」

 

千聖「ええ。こんな気弱そうな人が花音の彼氏なわけがないって、確信があったから。実際、さっきもそうだったしね。」

 

……まぁ、別にそのことに関しては否定はしないけどさ。

 

ちょっと僕のことディスってるよね、この人。

 

楓「……じゃあ、そのときに言ってくれればよかったんじゃ……」

 

千聖「もちろん、言おうとはしたわ。宮村さんに話を聞いた後にね。」

 

楓「言おうとは?……あ。」

 

 

 

 

 

千聖『……それと昼休み、屋上に来て。』ボソッ

 

 

 

 

 

楓「察しがついた?ほんとは私、あなたが花音の彼氏ではないことを確認するために、あなたを屋上に呼んだのよ。……でも、宮村さんからあんな話を聞いちゃったから。」

 

楓「あんな話?」

 

千聖「あなたが花音といっしょに、ショッピングモールに行ったときの話よ。」

 

楓「……あ。」

 

千聖「あの話を聞いてから、私の中にだんだんと怒りがこみあげてきたの。」

 

楓「……」

 

千聖「花音があなたを抱き締めたり、いっしょに喫茶店に入ったりしたことは、あなたに詳しく聞けばいいと思ったけど……あなたが花音を泣かしただの、花音をからかっただの、無理矢理に手を繋いただの聞いたときは、本当に虫酸が走ったわ。」

 

楓「……だから白鷺さんは、あんな告白みたいな演技を?」

 

千聖「ええ。あのときはあれが、あなたを問い詰めるために一番最善な方法だと思ったの。」

 

……一番最善、だったのか?

 

え、本当にあれが……?

 

千聖「……でも、あなたの話を聞いて、私の怒りはすぐにおさまった。」

 

楓「え?」

 

千聖「……あなたがそんなことをするような人には見えなくなったから。」

 

楓「……」

 

千聖「もちろん、あなたが気弱そうな人というのもあるけど……なにより、あの場であなたが嘘をつけるような人ではないってことが分かったから。」

 

楓「……白鷺さん……。」

 

千聖「もしあなたがあんな場でも嘘をつけるような人だったら……ドアの心配なんてしないでしょ?」

 

楓「……いや、あのときはほんとにドアが壊れないか心配だったので……。」

 

千聖「だいたい、普通の女子高生がドアなんか壊せるわけないでしょう?」

 

楓「……まぁ、確かによく考えればそうですけど……。でも、すぐに怒りがおさまったんなら、どうしてそのときに僕を問い詰めるのをやめてくれなかったんですか?」

 

千聖「……」

 

楓「? 白鷺さん?」

 

千聖「……ごめんなさい。あなたの反応が面白くて、つい問い詰め続けてしまったの。」

 

楓「……白鷺さんも、意外とそういう一面、あるんですね。」ボソ

 

千聖「え?」

 

楓「あ、いえ、別に。」

 

千聖「……ふふ。」

 

楓「?」

 

千聖「空見さん、今日は楽しかった?」

 

楓「え?あー……まぁ、はい、楽しかったです。」

 

千聖「そう、良かった。……ほんとは、あなたがどんな人なのかというのを知るために、一番最善な方法であろう街案内を選んだのだけれど……いつの間にか、目的を忘れて私もいっしょに楽しんでいたわ。」

 

楓「……」

 

千聖「……1つ、聞いてもいいかしら?」

 

楓「え?あ、はい。」

 

千聖「さっき私が、元子役の白鷺千聖って言ったとき、あなたはどう思ったの?」

 

楓「え?ど、どうって……。」

 

千聖「……」

 

楓「……す、すごい人なんだなぁとは、思いましたよ。」

 

千聖「……それだけ?」

 

楓「は、はい。」

 

千聖「……驚かなかったの?」

 

楓「ま、まぁ、驚きはしましたけど……白鷺さんが元子役だったってのを知っても、『へぇ、そうだったんだー。』みたいな感覚だったので……。あ、失礼だったら、すいません……。」

 

千聖「『へぇ、そうだったんだー。』みたいな感覚?」

 

楓「は、はい。」

 

千聖「……」

 

やっぱり、この表現はまずかったかなぁ?

 

千聖「……ふふ、うふふふっ。」

 

楓「? 白鷺さん?」

 

千聖「ふふふっ、ご、ごめんなさい。……そう。……じゃあ、あなたも花音と同じね。」

 

楓「え?な、何で松原さん?」

 

千聖「私が芸能人だと知ったら、みんなよそよそしくなるのが当たり前だったの。……でも、花音はそうじゃなかった。あの子は、私が芸能人だと知った後でも、普通に話しかけてくれた。私のことを、初めて友達として、“千聖ちゃん”と呼んでくれたのも、花音だったのよ。」

 

楓「……そうだったんですか。」

 

千聖「そして今あなたも、私が芸能人だと知った後でも普通に私と話してくれている。」

 

楓「……」

 

千聖「ありがとう、空見さん。

 

 

 

 

 

……いえ、楓。」

 

楓「!?」

 

千聖「ふふ、いきなり呼び方が変わったから驚いた?……いいのよ?あなたも、私への呼び方を変えても。」

 

楓「……い、いえ、それはちょっと、遠慮しときます……。女子を名前で呼ぶ勇気がないので……。」

 

千聖「そう。……じゃあ、敬語以外でしゃべる勇気ならあるかしら?」

 

楓「け、敬語以外?……あ。」

 

千聖「分かった?どういうことか。」

 

楓「は、はい……じゃなくて……うん。」

 

千聖「ふふ、正解。」

 

ずっと敬語で話してたからか、まだちょっと慣れないな……。

 

いや、ちょっとどころかこれは……。

 

千聖「じゃ、今日はこれでお開きにしましょうか。」

 

楓「そ、そうですね。」

 

千聖「……」

 

楓「? ……!じゃなかった!そ、そうだね。」

 

千聖「ニコッ ええ。」

 

楓「す、すみません……まだ、慣れなくて……。」

 

千聖「いいのよ。少しずつ慣れていけば。」

 

楓「……そ、そう……だね。」

 

今のところ、違和感しかない……。

 

千聖「……」

 

楓「……?どうしま……したの?」

 

千聖「連絡先、交換しない?」

 

楓「え……僕と、ですか?」

 

千聖「ええ。どう?」

 

楓「……まぁ、別にいいですけど。」

 

千聖「ありがとう、楓。……スッ」

 

楓「あ。ゴソゴソ……スッ」

 

えーっと、連絡先連絡先……出た。

 

千聖「はい。これ、私の連絡先。」

 

楓「あ……ありがとう。」

 

僕が先に入力する側か。

 

楓「……よし、出来た。それじゃあはい、僕の連絡先…「終わったわ。」早っ!」

 

まだこっちの連絡先見せて5秒も経ってないのに……驚異のスピードだ……。

 

千聖「それじゃ、私はそろそろ行くわね。」

 

楓「あ、はい。……じゃなくて、うん。」

 

千聖「……自分から言っておいてなんだけど……もしだったら、まだ敬語でもいいわよ……?」

 

楓「そ、そうですか?……じゃあ、そうさせてもらいます。」

 

千聖「悪かったわね、無理させて。」

 

楓「い、いえ、そんな……」

 

千聖「ふふ。……じゃあね楓。また明日、学校で。」

 

楓「……は、はい。さようなら……。」

 

千聖「ええ、さようなら。」

 

スタスタスタスタ……。

 

……行ったか。

 

……さてと、じゃあ僕も帰るかな。

 

『ピロリン♪』

 

ん?メッセージ?

 

……白鷺さんからだ。

 

何々……?

 

 

 

 

 

千聖『そういえば、1つ言い忘れたことがあったの。あなたが花音と手を繋いだというのに関する件なのだけど。あなたの言う通り、無理矢理に手を繋いではいなかったみたいね。それだけ言いたかったの』

 

 

 

 

 

……何だこれ?

 

……あ。

 

 

 

 

 

千聖『嫌がっていたのにあなたは、無理矢理手を繋いだの?』

 

 

 

 

 

そういやそんな話してたな……。

 

……あれ?

 

……!

 

やっぱり僕、嫌がってる松原さんの手を無理矢理繋いでなんかないじゃん!

 

そうだよ!

 

松原さんから手を繋ごうって言ってきたから、手を繋いだんだ。

 

いろいろあって、話がごっちゃになってたんだな……。

 

てか、わざわざそんなことメッセージで言わなくてもいいのに。

 

……ん?何だ?

 

PS?

 

 

 

 

 

千聖『そういえば、1つ言い忘れたことがあったの。あなたが花音と手を繋いだというのに関する件なのだけど。あなたの言う通り、無理矢理に手を繋いではいなかったみたいね。それだけ言いたかったの

 

 

 

 

 

PS.私とあなたは、お友達ってことでいいのかしら?』

 

 

 

 

 

白鷺さん……。

 

楓「……ポチポチポチポチ……」

 

……よし。

 

返信したし、帰るか。

 

あー腹へった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖「……『ピロリン♪』! ……」

 

 

 

 

 

楓『もちろんですよ。これからもよろしくお願いします。』

 

 

 

 

 

千聖「……ふふ。こちらこそよろしく、楓。」




さて、それでは次回予告です。

ちょっとネタバレすると、次回のその次の回はお花見回です。

現実ではもう10月ですが、そこのところはあまり気にしないでください……。

というわけで次回は、お花見回の前の前日談です。
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