田舎から引っ越してきた僕と個性的な人達   作:知栄 砂空

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最近はポケモンの過去作をやるのにハマってます。

ということは置いといて、4月初投稿です!

ゆったりゆったり書いてる(打ってる?)ので、話がめちゃくちゃガチくそ進みませんが、そこはまぁ、温かい目で見てくださいw。

あ、あと余談ですがAndroidからiPhoneに変えました。


50話 楽しんで、トラブって、願って

【空見家】

 

楓「ただいまー。」

 

翔真「おう、お帰り。」

 

楓「あ、翔真。ただいま。」

 

タタタタ……

 

翔真「……何急いでんの?」

 

楓「今から友達と七夕祭り行ってくるから、その用意。」

 

 

 

 

 

翔真「七夕……。あぁ、そういや今日七夕か。……ん?楓が、七夕祭り?友達と?……、……!?楓が友達と七夕祭り!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~17:30~

 

【空見家 楓の部屋】

 

集合は、確か18:00って言ってたよな。

 

時間まであと30分。

 

……なんとか間に合うだろ。

 

まずは着替えて、それからバッグ用意して、持ち物入れて……おっと、財布も忘れないようにしないとな。

 

……あ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓の母「えぇ!?楓が友達と七夕祭り!?」

 

翔真「うん。あの楓がだよ?……とうとう楓も、そういうことをする友達ができたか。」

 

楓の母「でもあの子、これまでも何度か友達と出かけてたみたいよ。」

 

翔真「それ去年だろ?しかも友達っていっても一人だ…「いいえ?今の高校に行き始めてからよ。」……マジか。」

 

楓の母「あの子も、今の生活になるにつれて少しずつ成長してるのね。」

 

翔真「……まぁ、そうだね。」

 

楓の母「……じゃああの子、今日は友達と食べて帰ってくるのかしら。」 

 

翔真「うーん……どうだろ。」

 

楓の母「今からあの子のところに行って聞いて…「お母さん。」!?」

 

翔真「!? い、いたのかよ楓!」

 

楓「いや、今来たばっかだけど……。それはそうと、お母さんにお願いがあるんだけど。」

 

楓の母「な、何……?」

 

翔真「(俺より驚いてる……。)」

 

楓「お金、くれない?」

 

楓の母「え?お金?」

 

楓「うん。……手持ちのお金だけじゃ、足りなそうで……。あ、えっと、実はこれから友達と…「七夕祭り行くんでしょ?」! な、何でそのことを……!」

 

楓の母「翔真から聞いたのよ。……えーっと、2000円くらいあげれば足りる?」

 

楓「……う、うん、たぶん。」

 

楓の母「……無駄遣いしないようにしなさいよ?」

 

楓「分かってるって。……ありがとう、お母さん。」

 

楓の母「どういたしまして。」

 

楓「よし……!」

 

タタタタ……

 

翔真「……普通にあげるんだね。いつもなら、またおこづかい全部使ったの?みたいな感じで怒るのに。」

 

楓の母「友達と出かけるっていうときは、普通にあげるわよ。」

 

翔真「ふーん。……さて、俺は友達とチャットしながら七夕限定クエストでもやろっかなー。」

 

楓の母「……そう、普通にあげるわよ。だって私、……あの子のお母さんだもの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓「行ってきまーす!」

 

楓の母「いってらっしゃい、気をつけてねー?」

 

楓「はーい!」

 

……17:50。

 

まぁ、ギリギリ間に合うかな。

 

にしてもお母さん、今日は何事もなくお金くれたな。

 

いつもなら、もうおこづかい全部使ったのか、みたいな感じで怒るのに。

 

……帰ったら、何か手伝いとかしたほうがいいかな?

 

まぁいっか。

 

とりあえず、集合場所まで行くか。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~15分後~

 

はぁ、はぁ、はぁ……。

 

時間配分ミスった……。

 

予定では10分で着く計算だったのに、まさかの道が工事中で遠回りするはめになり5分オーバー。

 

うーん、工事中だったなら仕方ないって思うけど、でも、うーん……。

 

こうなることも考慮してもうちょっと余裕を持って出るべきだった……。

 

お、やっと着いた。

 

楓「はぁ、はぁ、はぁ……。」

 

彩「うん、それでね……って、空見くん!?」

 

花音「ふぇぇ!?もしかして、走ってきたの!?」

 

りみ「そこにベンチがあるので、座って休んでください!」

 

楓「あ、ありがとう……。」

 

みんなのことだもん、もうとっくに着いてるよね。

 

はぁ、疲れた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「でも良かったよ~。空見くん、もしかしたら来てくれないんじゃないかって思っちゃった。」

 

楓「ごめん、僕が遅刻したばっかりに……。」

 

花音「そんな、謝ることないよ!」

 

りみ「いつもの道が工事で通れなかったんじゃ、仕方ないですよ。」

 

彩「そうそう!りみちゃんの言う通りだよ!」

 

楓「……」

 

三人とも、めっっちゃフォローしてくれるじゃん……。

 

花音「だから空見くん、元気出して?」

 

りみ「いつまでも落ち込んでたら、楽しめるものも楽しめませんよ?」

 

彩「お祭りなんだから、明るい気持ちで行こうよ!ね、空見くん。」

 

楓「……明るい気持ち、か。」

 

彩「そ!明るい気持ち!」

 

楓「……うん、そうだね。分かった。もう落ち込まないようにする。……よし、気持ちを明るく、気持ちを明るく……。」

 

彩「その調子だよ、空見くん!」

 

花・り「ふふふっ♪」

 

……ほんとこの三人と白金さんは、純粋に優しいよね。

 

白鷺さんや氷川さんも優しくはあるけど、たまに厳しいときがあるし。

 

……もう、文化祭前のときみたいないざござは、起こさないようにしたいな。

 

てか起こさない。

 

うん、絶対もう起こさない。

 

今固く決心した。

 

彩「あ!見えてきたよ!」

 

? 見えてきたって、何が……。

 

楓「!! す、すごい……。」

 

 

 

 

 

【商店街】

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ 

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

 

 

 

 

花音「ふぇぇ、人がいっぱい~……。」

 

りみ「はぐれないように気を付けなきゃですね。」

 

この商店街、こんな混むことあるんだ。

 

でも、何であんなに混んで…「ち、違うよ二人とも~!」え?

 

花・り「え?」

 

彩「いや、まぁ別に違くはないんだけど……。人がいっぱいではぐれないようにしなきゃいけないのもそうなんだけど……。私が見てほしかったのはあれだよ!ビシッ!」

 

楓・花・り「? ……あ。」

 

あ、あれは……。

 

たくさんの、短冊……。

 

花音「綺麗……。」

 

りみ「そっか。七夕だから、みんなあの短冊に願い事を書いてるんだ。」

 

彩「みんなの短冊を笹の葉に吊るしてるから、色がカラフルで、しかも飾り付けもされてて……。これぞ七夕、って感じだよね。」

 

あの人混みは、みんな七夕祭りに来た人達だったのか。

 

そういや祭りの場所までは聞いてなかったっけな。

 

まさか商店街でやるとは……。

 

そりゃあこんな人混みができるわけだ。

 

……にしても、確かに綺麗だなぁ。

 

商店街のあちこちに飾り付けされた笹の葉が並んでいて、そこには色とりどりの短冊が笹の葉いっぱいに吊るされている。

 

もちろん祭りなので屋台もあり、家族、友達同士、カップルなど、いろんな人で賑わっている。

 

……こういう祭りとかで人がいっぱいいて賑わってる光景、昔から好きなんだよなぁ。

 

彩「……」

 

花音「どうしたの?彩ちゃん。なんか浮かない顔してるよ?」

 

彩「あ、うん……。……結構、着物を着てる人、いるなって思って。」

 

花音「着物……?」

 

りみ「……あ、確かに。」

 

着物か。

 

……言われてみれば、結構着てる人多いな。

 

まぁお祭りっちゃお祭りだから、当然なのかもしれないけど。

 

でも着物って聞くと、やっぱ夏のお祭りとかのほうがしっくり来るよな。

 

彩「……私達も、着物で来ればよかったかな?」

 

花音「そ、そんなことないよ。彩ちゃんの私服、とても可愛いよ?」

 

彩「そ、それを言うなら、花音ちゃんの私服も……りみちゃんの私服だって、女の子っぽくてすっごく可愛いよ!」

 

りみ「! そ、そんなこと///……。」

 

アーダコーダアーダコーダ

 

……何でこの三人、言い合ってるの?

 

着物の話をしてたはずが、どうして私服に……。

 

彩「じゃあそれを言ったら、空見くんの私服はどうなの!?」

 

花・り「!?」

 

楓「え?」

 

彩「私達の私服が可愛いなら、空見くんの私服はカッコいいになるはずだよ!なんてったって空見くんは男の子だもん!」

 

……なんか、話が脱線してきてない?

 

僕の私服とか、どうでもいいと思うんだけど……。

 

楓「あ、あの、三人とも、もうそのくらいで…「で、でも、今は空見くんは関係ないよ!」「関係あるよ!友達じゃん!」「理由になってないと思うんですけど……。」……」

 

ダメだこりゃ。 

 

……私服、ねー。

 

……あ、そういえば僕、私服の松原さんと牛込さんを見るのは初めてだな。

 

丸山さんはまぁ、あのときに三日間も連続で出かけたから四回目だけど。(ちなみにその四回とも全部違う服なんだよね。)

 

……って、そんなこと今はどうでもいっか。

 

彩「だから!私が言いたいのは……」

 

花音「それは絶対違うと思うよ!だって……」

 

りみ「年下の私から言われてもらいますと、二人とも……」

 

……いつ終わるんだ、この言い合い……。

 

そろそろ、周りの人にすごい見られるようになって恥ずかしくなってきたし。

 

……ここは、僕が止めるしかないのか。

 

でも、どうやって止めれば……。

 

……あ、そうだ。

 

彩「もぅー!二人とも頑固だなー!だから私は…「ね、ねぇみんな。」?」

 

花音「そ、空見くん?」

 

りみ「すみません空見先輩。今私達、とても大事な話を…「うん、分かってる。分かってるけど……その前に一つだけ言わせて。」? 一つ、ですか……?」

 

彩「空見くん、いったい何を……。」

 

楓「……三人とも、引き分けってことでいいんじゃない?ほら……その……三人とも、似合ってて、可愛い……んだからさ。」

 

花・彩・り「……」

 

……あ、あれ?

 

……もしかして、褒める作戦、失敗だった……?

 

花音「……可愛い?……そ、そう、かな///……?」

 

ん?

 

りみ「……ほんとに、可愛いと思いますか?この服。」

 

楓「え?……う、うん。牛込さんらしいと思うけど……」

 

りみ「わ、私らしい///……。」

 

……なんか、雰囲気変わったな。

 

……作戦、成功か?

 

彩「……えへへ♪」

 

楓「え?」

 

彩「ありがとう、空見くん。私、すっごく嬉しいよ!」

 

楓「……う、うん。それなら、いいんだけど……」

 

彩「はぁ。……なんかもう、言い合う気分じゃなくなっちゃった。」

 

花音「うん、私も。」

 

りみ「ふふっ、そうですね。」

 

彩「……よし!じゃあ夏!夏祭りのときは、みんな揃って着物で来よう!もちろん、空見くんも!」

 

楓「え!?ぼ、僕も!?」

 

花音「空見くんの着物……。……うん!絶対似合うと思う!」

 

りみ「私も、空見先輩が着物を着てる姿、見てみたいです!」

 

楓「ま、マジか……。」

 

彩「ふふふっ♪じゃあ、着物の楽しみは夏までとっとくとして、今はみんなで七夕祭りを楽しもう!」

 

花音「うん、そうだね!」

 

りみ「楽しんでる途中で、知り合いにも会えたらいいですよね。」

 

彩「あ、確かに!紗夜ちゃんも燐子ちゃんも、来るって言ってたもんね!」

 

花音「ハロハピのみんなも、来てるのかなぁ?」

 

りみ「香澄ちゃん達は、絶対に来る!って言ってましたよ。」

 

……よく分かんないけど、上手くいったみたいだ。

 

やっぱり、褒めるって手段はこういうときに最適なんだな。

 

これからも似たような言い合いが起きたときは、この手段が使えそうだ。

 

まぁでも……。

 

……褒めるとなんか照れくさくなっちゃうから、あまりしたくない手段ではあるけど。

 

……いいや、最後の手段ということで留めておこう。

 

でもさ、一つだけいい?

 

……こういうとこで知り合いに会うと、ちょっと気まずくなるの僕だけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして僕達は、七夕祭りの屋台巡り兼短冊観賞をすることにした。

 

夏祭りのような大きい祭りではないので、それに比べたら屋台の数は少なめだが、しっかりお祭りとして成り立つくらいの屋台は揃っている。

 

それと、道の所々に飾ってある短冊。

 

何百、何千もの短冊がズラリと吊るされており、これらがあることで七夕感がより強く演出させられているのは間違いないだろう。

 

短冊には一枚一枚、いろんな人の願いが込められている。

 

それらを見ながら屋台を巡るというのが、この七夕祭りの楽しみかたなのだろうと、僕は思う。

 

 

 

 

 

グ~

 

彩「あ///。……あはは……。私、ちょっとお腹すいちゃったかも。」

 

りみ「それじゃ、屋台に行って食べ物を買ってきましょうよ。」

 

花音「休憩所もあるみたいだから、そこで座って食べようか。」

 

彩「うん、そうしよう!そうと決まったらまずは、食べ物屋台探しだー!」

 

りみ「オー!」

 

花音「お、オー?」

 

 

 

 

 

……まぁ、まずは腹ごしらえだな。

 

……焼きそば食べたいなぁ。

 

にしても、……ほんとに人多いなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「よーく狙ってねー、花音ちゃん。」

 

花音「う、うん。……え、えい!パシュッ!」

 

……コトン

 

花・彩「倒れた!!」

 

「おめでとうお嬢ちゃん達。ほれ、景品のぬいぐるみだよ。」

 

花音「あ、ありがとうございます。」

 

彩「すごいよ花音ちゃん!まさか一回で景品をゲットしちゃうなんて!」

 

花音「た、たまたまだよ~。……でも、嬉しいな♪」

 

 

 

 

 

りみ「えいっ!」

 

楓「また!?え、もうそれ何個目……?」

 

りみ「えーっとー……6個目ですかね。」

 

楓「6……。ま、マジかよ……。」

 

りみ「ヨーヨーつりのコツは、狙いをさざめたら一気に引き上げる、です。」

 

さっきからずっとそれやってるんだけどなー……。

 

楓「でも、牛込さんのは……ここまでくると、もう才能だよね。」

 

本気出せば、ここにあるヨーヨー全部すくいそうだもん。

 

 

 

 

 

彩「……!あ、紗夜ちゃん!」

 

紗夜「! ま、丸山さん!?それに松原さんも……」

 

日菜「やっほー彩ちゃん。花音ちゃんも久しぶり~♪」

 

花音「うん、久しぶり♪」

 

日菜「ね?私の言う通りだったでしょ?」

 

紗夜「え、ええ……。」

 

彩「? 何の話?」

 

紗夜「えっと、実は……」

 

 

 

 

 

???「あ……あの……!」

 

楓「ん?あ……白金さん!」

 

燐子「こんばんは……。まさか……会えるとは、思いませんでした……。」

 

楓「この人混みだもんね。偶然ってすごいな~。」

 

りみ「あこちゃん、こんばんは。」

 

あこ「こんばんは、りみりん!それと……」

 

っ!

 

な、何やら、視線を感じる……。

 

楓「……えっと、この人が白金さんの言ってた……」

 

燐子「あ、あこちゃんです。宇田川あこちゃん。」

 

楓「宇田川さん、か。」

 

りみ「二人は、初対面なんですか?」

 

楓・あ「うん……。」

 

人と話す中で、初対面ほど緊張することはないよな……。

 

あこ「……あ、あこ、空見先輩のこと、いっぱい聞きました。りんりんや紗夜さん、リサ姉さんからも。」

 

楓「そ、そうなんだ……。」

 

燐・り「……」

 

あこ「……えっと、……ゲーム、好きなんですか?」

 

楓「へ?……ゲーム?……う、うん、まぁ、好きだけど。」

 

あこ「! だ、だったら今度、……あこ達と、ゲームしに行きましょう!」

 

燐・り「!」

 

楓「……げ、ゲームを?」

 

あこ「はい!」

 

楓「……う、うん。まぁ、いいけど…「約束しましたよ!しましたからね!忘れないでくださいよ!」わ、分かってるよ……。」

 

燐子「……あ、あこちゃん。今のは、少し…「りんりん、そろそろ行こう!」グイッ! ちょ、ちょっと……あこちゃん……!」

 

楓・り「……」

 

燐子「ふ、二人とも……さ、さようなら。ま、待ってよあこちゃ~ん……!」

 

……何だったんだ、いったい……。

 

りみ「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「はぁ〜。楽しいなー七夕祭り。」

 

りみ「そうですね〜。」

 

……お金、こんな持って来なくてもよかったかも。

 

お祭りだから、結構使うと思ってたけど、現状1000円も使ってない……。

 

……貯めとくか。

 

彩「どう?空見くん。」

 

楓「え?」

 

りみ「七夕祭り、楽しめてますか?」

 

楓「あぁ。……うん、バッチリ楽しめてるよ。」

 

彩「ほんと?にしては、あまり浮かない顔してるような……」

 

楓「いや、これはちょっと、考え事をしてたからで……。大丈夫、ほんとにちゃんと楽しんでるから。」

 

彩「……うん、大丈夫!嘘をついてる目じゃないから、本当だね!」

 

え……目?

 

……いつもと変わんない目をしてるつもりだけど、そうなの?

 

彩「ね、花音ちゃんもそう思うよね!」クルッ

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

彩「……?花音ちゃん?」

 

え?クルッ

 

りみ「そういえば……さっきから話してるの、私達だけのような……」

 

彩「え……?……そ、そんな……嘘、だよね……?」

 

りみ「……!か、花音先輩!花音先輩!!」

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

お、おい……。

 

嘘だろ……?

 

彩「か、花音ちゃん!花音ちゃん!!花音ちゃーーん!!」

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

……ダメだ。

 

人が多すぎて、声がかき消されてる……。

 

よし、こうなったら一か八か……。

 

彩「……どうしよう、私のせいだ……。私が花音ちゃんを見てなかったから…「待って丸山さん!」……空見くん?」

 

楓「今松原さんに電話かけてみるから!」

 

『……プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル……。』

 

頼む、松原さん、出てくれ……!

 

この騒がしい中厳しいとは思うけど……運良く気づいてくれ……!

 

『プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル……。』

 

『プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル……。』

 

楓「……」

 

彩「そ、空見くん……。」

 

楓「……ダメだ、全然つながらない……。」

 

りみ「やっぱり、この人の数だから……」

 

彩「……!探そう!みんなで探せば、きっと…「ダメだよ、丸山さん。」でも!」

 

りみ「空見先輩の言う通りですよ。この人混みの中、手分けして探したとしても、すぐ見つかるかどうか……。」

 

楓「悔しいけど、それはちょっと無謀だよ……。それに、僕達三人もはぐれちゃう可能性があるし。」

 

彩「……でも……このまま花音ちゃんを放っておくことなんてできないよ!今頃きっと、寂しがってると思う……。それに花音ちゃん、方向音痴だから、尚更……。」

 

りみ「……」

 

……そっか。

 

そういえば松原さん、方向音痴だった……。

 

……くそっ、こんなとき、白鷺さんなら……。

 

 

 

 

 

???「あ!空見先輩!彩先輩に、りみりんも!」

 

楓・彩・り「!?」

 

たえ「やっと会えた。」

 

有咲「ま、マジで見つけやがった……。」

 

沙綾「ね?香澄の言う通りだったでしょ?」

 

戸山さん、花園さん、市ヶ谷さん、山吹さん……。

 

そういえば牛込さんが来るって言ってたな。

 

しかし、何でこんなときに……。

 

タイミングが良いのか悪いのか……。

 

香澄「? どうしたんですか?空見先輩。私の顔に何かついてます?」

 

彩「……うっ、うぅ……」

 

りみ「みんな〜……」

 

有咲「お、おいりみ!?彩先輩も!どうして泣いて……」

 

彩「うわぁ〜ん!!香澄ちゃ〜〜ん!!」ガバッ!

 

香澄「うわぁ!ちょ、ちょっと彩先輩!?」

 

りみ「さ、沙綾ちゃ〜ん!!」ダキッ!

 

沙綾「うわっ、ど、どうしたのりみりん!?何で泣いてるの!?」

 

……ん?

 

待てよ?

 

……、……そうだ、この人数なら……!

 

たえ「……空見先輩、これはいったいどういう……、 ? 空見先輩?」

 

楓「……」

 

有咲「あ、あの……空見先ぱ…「花園さんと市ヶ谷さんに、お願いがあるんだけど、いい?」え?」

 

たえ「お願いって……急にどうし…「大事なことなんだ。」! ……分かりました。」

 

有咲「お、おいおたえ、分かったって何が…「ちょっと有咲は黙ってて。」! ……わ、分かった。なんか、ごめん。」

 

たえ「……それで、大事なお願いって何ですか?」

 

楓「……丸山さんや牛込さん、みんなを連れて、休憩所に行っててほしいんだ。」

 

彩・り「!!」

 

たえ「休憩所……ですか?」

 

楓「うん。そして、そこから一歩も離れないでほしいんだ。絶対に、何があっても。」

 

たえ「絶対に、何があっても……」

 

楓「最悪休憩所の中なら、移動してもいいよ。水飲み場やトイレもあるしね。でも、休憩所から離れるのだけは、……絶対に、避けてほしい。」

 

たえ「……分かりました。」

 

彩「ねぇ空見くん!いったいどうするつもり!?」

 

りみ「まさか、一人で花音先輩を探しに行く気じゃ……」

 

楓「……じゃあ、頼んだよ花園さん、市ヶ谷さん。」

 

たえ「はい。……空見先輩との約束、絶対に守り抜いてみせます。」

 

有咲「……」

 

たえ「……有咲。」

 

有咲「……分かりました。……何をするつもりかは知らないですけど、気をつけてくださいね。」

 

楓「うん。……よし。」

 

ダッ!

 

タタタタ……

 

彩「! 空見く…「ダメです!」離して、離してよたえちゃん!私もいっしょに行く!」

 

りみ「おたえちゃん、有咲ちゃん、お願い!私達もいっしょに行かせて?」

 

有咲「……悪いなりみ。空見先輩のあんな真剣な顔を見せられたら……理由が分かんなくても引き受けなきゃいけない気がしたんだ。」

 

香澄「……ねぇさーや、もしかしてこれ、結構ヤバい状況?」

 

沙綾「うん。もしかしなくても、ヤバい状況だよ。」

 

たえ「(空見先輩との約束……絶対に守り抜く!)」

 

有咲「(空見先輩。こいつらのことは、私らに任せてください。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、……」

 

くっそ、カッコつけてああ言ったものの、どこを探しゃいいんだ……。

 

一番いいのは、大声で呼びまくることなんだろうけど……流石にそれは、ちょっと恥ずかしいし……。

 

なんてこと言ってる場合じゃないのは分かってんだけど!!

 

うー……あぁもう!

 

やっぱ片っ端から探していくしかねえか!

 

大丈夫、絶対に見つかる……いや、見つける!

 

タタタタ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花音「……」

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

花音「……みんな……どこにいるの……?」

 

ドンッ!

 

花音「きゃっ!」

 

「危ねえなぁ!気をつけろ!!」

 

花音「す、すみません!……」

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

……さっきよりも、人が多くなってる気がする……。

 

さっきから何度も電話してるけど繋がらないし、いろんな人に彩ちゃん達のことを聞いても知らないの一点張りだし……。

 

……いったい、どうすれば……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓「す、すみません、通してください!……すみません……すみません、そこ通して……」

 

はぁ、はぁ、はぁ、……。

 

ダメだ、全然見つからない……。

 

やっぱり、一人でこの広い会場を探すのは無理があったか……。

 

……いや、みんなで探してバラバラになるより、一人でひたすら探すほうがマシだ。

 

そのためにみんなを休憩所に行かせたんだから。

 

……まさかこの短期間に、二人も探すことになるとは思わなかったな。

 

一人目は牛込さん。

 

文化祭で突然いなくなってしまった牛込さんを、ゆりさんの教室で見つけたんだ。

 

そして今回。

 

はぐれてしまった松原さんを、今……。

 

……そうだ、牛込さんを探したときのことを思い出すんだ。

 

あのときは確か、これまでの牛込さんの言動を遡って、そこからヒントを導き出した。

 

そのときみたいに今回も、これまでの松原さんの言動を遡ってヒントを導き出せば……。

 

思い出せ……思い出せ……。

 

これまでの松原さんの言動を、一から遡って思い出せ……。

 

そこから何か、ヒントを……ヒントを……。

 

 

 

 

 

「おぉ、お前は!」

 

楓「! え?」

 

「こっちこっち、ほら。」

 

楓「……!あ、あなたは……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花音「いたたた……」

 

うぅ、やっぱり、履き慣れないくつなんて履いてくるんじゃなかった……。

 

……はぁ。

 

……はぐれたりしなかったら、今頃みんなで夕ごはん食べて、もうちょっとお祭りを回ってって、楽しんでたんだろうなー。

 

なのに、……私のせいで、こんなことになって……。

 

……うぅ……ごめん、みんな……。

 

私の……私の、せいで……楽しいお祭りが、こんな……こんな……。

 

うぅ……うっ、うぅ……。

 

 

 

 

 

???「松原さん!!」

 

 

 

 

 

花音「!?」

 

……今の……声って……。

 

タタタタ……

 

 

 

 

 

楓「松原さん!!」

 

花音「!!」

 

楓「はぁ……はぁ……や、やっと見つけた……。」

 

花音「……そ、空見……くん……?」

 

楓「良かった……。見つかってほんとに良かったよ……。」

 

花音「……」

 

楓「……さぁ、戻ろう松原さん。みんなが待って……

 

 

 

 

 

ガバッ!!

 

楓「!?」

 

花音「空見くん……空見くん!!」

 

 

 

 

 

ドサッ!

 

楓「……ま、松原、さん?」

 

花音「……私、もうみんなと会えないのかと思った……。空見くんと、みんなと……もうこのままお祭りを楽しめないんじゃないかと思った……。だから……だから……」

 

楓「……ごめんね。僕がもっと、松原さんのことを注意深く見てあげてれば……。」

 

花音「! それは違っ…スッ !!」

 

ナデナデ

 

楓「……ほんと、ごめん。」

 

花音「……うぅ……ううう……」

 

楓「(……これも、松原さんがずっと持ってたぬいぐるみのおかげだな。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「……ねぇ、まだ?まだ空見くんは帰って来ないの?」

 

有咲「だーもう!一回落ち着いてくださいって!さっきからずっとそればっかじゃないですか!」

 

彩「だって〜!」

 

たえ「有咲、もう少しの辛抱。」

 

有咲「もう少しっつってもよー。はぁ、あとどれくらい待てばいいんだか……。」

 

りみ「……!!彩先輩!あれ!」

 

香・た・有・沙「……!!」

 

彩「え?……!あ!!」

 

 

 

 

 

楓・花「……」

 

 

 

 

 

たえ「帰って来た……。」

 

彩「……」ワナワナ

 

楓「ただいま、みんな。」

 

花音「みんな、本当にごめ…「花音ちゃーーーん!!!」ガバッ!! わぁっ!」

 

パッ

 

楓「あ。」

 

彩「花音ちゃんごめんね!!私の……私のせいで……」

 

花音「あ、彩ちゃんのせいじゃないよ!と、とりあえず落ち着いて?ね?」

 

楓「……「空見先輩!」! 牛込さん。」

 

りみ「……お帰りなさい。」

 

楓「あ、うん、ただいま。」

 

たえ「空見先輩、どうやって花音先輩を見つけたんですか?」

 

香澄「それ!私も気になります!」

 

楓「あぁ、それは……射的のおじさんと、そのぬいぐるみのおかげだよ。」

 

花音「ぬいぐるみって、これ?」

 

楓「うん。」

 

沙綾「それに……」

 

有咲「射的のおじさんって……」

 

彩「……!もしかしてあの人!?」

 

楓「そ、たぶん丸山さんが思い付いた人で合ってるよ。」

 

 

 

 

 

〜30分前〜

 

思い出せ……思い出せ……。

 

これまでの松原さんの言動を、一から遡って思い出せ……。

 

そこから何か、ヒントを……ヒントを……。

 

 

 

 

 

「おぉ、お前は!」

 

楓「! え?」

 

「こっちこっち、ほら。」

 

楓「……!あ、あなたは……!」

 

「おぉやっぱそうだ。お嬢ちゃん達といっしょにいた冴えない坊主じゃねえか!」

 

楓「さ、冴えないって……。」

 

冴えなそうならまだ分かるのに……会ってそうそう失礼な人だな……。

 

この人はさっき松原さんと丸山さんがやっていた射的の屋台の人だ。

 

見た目はいかついが、根は優しい……のかな?たぷん。

 

……一か八か、この人にも聞いてみるか。

 

楓「あの、ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」

 

「ん?何だ?」

 

楓「ここら辺で、さっきここで射的をやってた水色髪の女の子、見ませんでしたか?この屋台でとったぬいぐるみを持ってるはずなんですけど……。」

 

「……それって、さっき俺が言ってたお嬢ちゃんか?」

 

楓「は、はい、そうです!」

 

「うーん……」

 

楓「……」

 

やっぱり、ダメか……。

 

「……そのお嬢ちゃんなら、さっき見かけた気がしたなぁ。」

 

楓「! ほ、ほんとですか!?」

 

「お、おう……。お前、そんな大きい声も出せるんだな。」

 

楓「あ……。す、すみません……。」

 

「いや、謝るこたぁねえよ。男なら、大きな声出して当たり前だからな!」

 

楓「は、はぁ……。」

 

「俺の見間違いじゃねえなら、さっきここを通って、向こうのほうに行ったはずだぜ。なんか、悲しそうな表情をしてたが……って、お前さてははぐれたのか!!」

 

楓「(今頃気づいたんだ……。)あ、ありがとうございます!行ってみます!」ダッ!

 

「……頑張れよ、坊主。」

 

〜回想 終了〜

 

 

 

 

 

沙綾「そんなことがあったんですね。」

 

彩「あのおじさんが……」

 

楓「教えてもらった通りの方向に行ったら、木の幹のところに座ってる松原さんを見つけたんだ。ほんと、あの人には感謝してもしきれないよ。」

 

花音「……後で射的のおじさんにも、お礼言いに行こうかな。」

 

彩「そのときは、私もいっしょに行くね。」

 

花音「うん、ありがとう彩ちゃん♪」

 

……一時はどうなることかと思ったけど、無事に見つかって良かった。

 

射的のおじさんにも感謝だけど、みんなを引き止めてくれていた花園さんと市ヶ谷さんにも感謝だな。

 

お礼言わないと。

 

たえ「りみ、後でわたあめ買いに行こう。」

 

有咲「お前、まだ食べる気なのか…「花園さん、市ヶ谷さん。」! そ、空見先輩!」

 

楓「ありがとね。みんなを引き止めてくれていて。ほんと、助かったよ。」

 

有咲「そんな……それだけのことでお礼なんて…「それだけのことが大事だったから、それをやり遂げてくれた二人には感謝してるんだよ。」……」

 

たえ「……。」

 

楓「だから、……本当にありがとう。」ペコリ

 

有咲「わ、分かりましたから!何も頭まで下げなくても…「空見先輩。」!」

 

楓「ん?」

 

たえ「一つ、お願いがあります。」

 

有咲「お、おいおたえ、それは…「大丈夫だよ、市ヶ谷さん。」でも!」

 

楓「花園さんは僕のお願いを聞いてくれた。だから花園さんには、僕にお願いをする権利がある。」

 

有咲「そ、それはそうかもしれませんけど…「有咲も、何かお願い聞いてもらったら?」え!?い、いいよ私は!」

 

香澄「いいじゃん有咲〜。聞いてもらいなよ〜。」

 

有咲「香澄、お前まで……!」

 

沙綾「まぁ、たまにはいいんじゃない?空見先輩は数少ない、有咲が心を許せる先輩なんだし。」

 

有咲「お、おい沙綾!その言い方はいろいろと誤解を…「その通りだよ有咲ちゃん!」へ?あ、彩先輩?」

 

彩「有咲ちゃんは後輩なんだから、先輩に甘えてもいいんだよ。」

 

花音「空見くんに甘えてる有咲ちゃん、私見てみたいな〜。」

 

有咲「か、花音先輩!だからその言い方はいろいろと誤解が〜!」

 

……なんか、聞いてるこっちが恥ずかしくなってきた///。

 

楓「と、とりあえず、花園さんのお願いのほうを、聞かせてもらってもいい?」

 

たえ「え?あ、はい。」

 

有咲「ふぅ、とりあえず助かった……。」

 

りみ「有咲ちゃん、なんかすごく疲れてない?」

 

有咲「あぁ、実際今のですっげー疲れた……。」

 

たえ「私のお願いは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たえ「あ、ここです空見先輩。」

 

楓「へぇ、こんなところがあったんだ。」

 

僕が連れてきてもらった場所。

 

ここでは、自分のお願い事を短冊に書いて、吊るすことができるらしい。

 

そっか、商店街中に吊るされてたのはここでいろんな人が書いた短冊だったのか。

 

あ、ちなみに今、僕達(僕+松原さん+丸山さん+牛込さん)と戸山さん達は、いっしょに行動している。

 

彩「お願い事……今年はどんなのにしようかな〜。」

 

花音「去年は彩ちゃん、確か可愛いアイドルになれますようにって書いたんだよね。」

 

彩「あれ、そうだったっけ?」

 

花音「そうだよ〜。」

 

松原さんと丸山さんは、去年も七夕祭りに来てたのか。

 

可愛いアイドルになれますように……か。

 

……あれ?

 

もう叶ってね?

 

たえ「空見先輩、早く書きましょう。」

 

楓「あ、う、うん。」

 

えーっと、短冊の色は何にしようかなー?

 

……青にすっか。

 

あとは、油性ペン油性ペン、と。

 

沙綾「香澄はお願い事、何にするの?」

 

香澄「もちろん!私はこれだよ!」

 

りみ「ふふっ、まぁ、そうなっちゃうよね。」

 

有咲「こんなこと、わざわざ短冊に書くほどじゃねえ気もするけどな。」

 

香澄「そんなことないよ!こうやってお願いすれば、織姫と彦星も、私達のことを頑張れって言って応援してくれるかもしれないじゃない?」

 

沙綾「あはは、香澄らしいね。」

 

楓「……」

 

たえ「……できた。」

 

香澄「ねぇ!この短冊、みんな同じ場所に飾ろう!」

 

沙綾「お、いいねそれ!」

 

りみ「私も賛成!」

 

有咲「おいおい、それは流石に近すぎねえか?」

 

たえ「ううん、これでいいと思う。」

 

香澄「……よし、OK!」

 

たえ「……空見先輩。私のお願い、聞いてくれますか?」

 

楓「うん、もちろんだよ。絶対に行く。」

 

花園さんのお願い、それは。

 

 

 

 

 

……SPACEでのポピパのライブを見に来てほしい。

 

とのことだった。

 

どうやらSPACEは、今月いっぱいでなくなってしまうらしい。

 

僕はあそこに、二、三回くらいしか行ってないけど、……そのおかげで、バンドの良さに気づけた。

 

グリグリの演奏を聞いて、感動して、震えて。

 

周りの人達がほぼみんなバンドをやってると聞いたときは驚いたけど、……それと同時に、そのバンドはどんな演奏をするんだろうと、考えるようになって。

 

……あのとき白鷺さんにSPACEに連れて行ってもらってなかったら、こんな気持ちにはなってなかったと思う。

 

てか絶対なってなかった。

 

……戸山さん達は、オーディションに合格し、SPACEのステージで演奏することを目標にしているらしい。

 

そのライブを見に来てほしいというのが、花園さんのお願いというわけだ。

 

香澄「よーし!明日からまた練習、頑張ろー!!」

 

た・り・沙「おー!!」

 

有咲「お、おー!」

 

楓「……」

 

花音「……香澄ちゃん達、オーディション受かるといいね。」

 

楓「松原さん。……うん。」

 

彩「でもまさか、SPACEがなくなっちゃうなんて……。千聖ちゃんは、このこと知ってるのかなぁ?」

 

白鷺さんのことだから、知ってそうではある……。

 

彩「私も空見くんと同じで、あそこへは二、三回くらいしか行ったことないけど……なくなるって聞くと、やっぱり寂しくなるよね。」

 

楓「そうだね。……でも、だからこそ、戸山さん達にはオーディションに合格してほしい。それで、SPACEのステージに立ったポピパの演奏を見てみたい。」

 

彩「……うん、そうだよね。空見くんの言う通りだよ!よーし!私も香澄ちゃん達を応援するぞー!おーい、香澄ちゃーん!」

 

花音「ふふっ♪彩ちゃんったら。」

 

……あ、そうだ。

 

まだお願い、書いてなかったんだった。

 

うーん……何かあるかなー?

 

うーん……うーん……。

 

花音「空見くん、大丈夫?」

 

楓「え?あ、うん、大丈夫大丈夫。松原さんは、短冊書き終わったの?」

 

花音「うん。今年のお願い事は、これにしたよ。」

 

楓「……"これからもみんなと仲良くいられますように"。……松原さんらしいね。」

 

花音「えへへ……。」

 

松原さんのお願い、すごく良いな〜。

 

僕も同じにしようかなー?

 

いやでも、それじゃあパクリになっちゃうしなー。

 

うーん……どうしたものか……。 

 

花音「……ここだけの話なんだけどね?」

 

楓「ん?」

 

花音「私と彩ちゃん、本当は今日、バイトの日だったんだ。」

 

楓「え、バイト?……松原さん、バイトやってたの?」

 

花音「うん。あれ?言ってなかったっけ?」

 

楓「初耳……。」

 

花音「そっか。……なんかごめんね?」

 

楓「い、いや、全然……。え、それで、どうして今日、バイト行かなかったの?」

 

花音「店長さんに無理言って、急遽休みにしてもらったの。」

 

楓「無理言って……?」

 

花音「うん。今年の七夕祭りは、絶対に、どうしてもいっしょに行きたい人がいるんです、って。何回も頭を下げてお願いしたんだ。こんなこと初めてだったから、店長さん困惑してたな〜。」

 

楓「……どうしても、いっしょに行きたい人?」

 

花音「……空見くんのことだよ。」

 

楓「!!」

 

花音「……。」

 

楓「……///。」

 

ぼ、僕が、どうしてもいっしょに行きたい人だった……?

 

……ま、まぁ、確かに丸山さん、思い出を作りたいって言ってたから、そういう意味ではないと思うんだけど……。

 

こうして面と向かって言われると……。

 

……やっぱりなんか……恥ずかしいな///……。

 

花音「……空…「花音ちゃーん!花音ちゃんもおいでよー!」! う、うん!じゃあ私、ちょっと行ってくるね。」

 

楓「え?あ、ちょっと!……行っちゃったか。」

 

……ふ、深く……深く考えない様にしよう。

 

うん、そうしよう。

 

よ、よーし、お願い事、今はお願い事を考えよう。

 

さて、何にしようか……あ。

 

……今、思い付いた。

 

……よし。

 

今年の僕のお願い事は、これにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は短冊に、秒で思い付いたお願い事を書き、近くの笹に吊るした。 

 

これはお願い事でもあり、目標でもある。

 

このお願い事兼目標を達成できたとき僕は、……今とは全く違う自分に生まれ変われている。

 

そう願いたい。

 

りみ「空見先輩は、お願い事、何にしたんですか?」

 

楓「秘密だよ。」

 

彩「えぇ〜?そんなこと言わないで教えてよ〜。」

 

楓「だから秘密だってば。」

 

花音「私も空見くんのお願い、気になるな〜。」

 

楓「……絶対、教えないからね?」

 

 

 

 

 

"積極的な自分になれますように"。




iPhoneに変えたことでやっと音ゲー反応しないストレスから解放されました。

良かった……マジで良かった……。

これでもうイライラしながら音ゲーをしないで済む……。
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