田舎から引っ越してきた僕と個性的な人達   作:知栄 砂空

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どうも、知栄砂空です。

ガルパとWE GOのコラボ第2弾が発表されましたね。

それで5人の書き下ろしイラストを見て思ったんですが……千聖さんがめちゃくちゃ可愛いw。

はい、それだけが言いたかっただけですw。

というわけで6話スタートです。


6話 僕が学校で一番苦手なこと

【空見家 玄関】

 

楓の母「楓ー、弁当持ったー?」

 

楓「持ったー。……いってきまーす。」

 

楓の母「いってらっしゃーい。」

 

ガチャ……ガチャリ

 

……今日もいい天気だなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川女子学園 校門】

 

先生「おはよう。」

 

楓「おはようございます。」

 

今まで気づかなかったけど、この学校でも先生が校門に立ってあいさつしてたんだ。

 

生徒A「おはよう、空見先輩。」

 

楓「お、おはよう。」

 

生徒B「おはようございます、空見さん。」

 

楓「お、おはよう、ございます。」

 

生徒C「おはよう!空見先輩!」

 

楓「あ、うん。お、おはよう……。」

 

 

 

 

 

校門くぐって学校入ってから玄関で靴履き替えて歩き出すまで、10人ぐらいにあいさつされた……。

 

みんな学年ばらばらだし、知らない人ばっかなのに。

 

……ほんと何で?

 

 

 

 

 

???「お、おはよう、空見くん。」

 

楓「? あ、松原さん。おはよう。」

 

花音「今日は空見くん、学校来るの早いんだね。」

 

楓「お母さんが早く起きろってうるさくてさ。いつも目覚ましかけてる時間より10分も早く起きたよ。」

 

花音「そうなんだ。大変だったんだね。」

 

楓「まあね。」

 

花音「……あ、そういえばさっき空見くん、いろんな人にあいさつされてたよね。」

 

楓「うっ……見られてた?」

 

花音「う、うん。」

 

楓「……そうなんだよね。転校初日の学校帰りや、その次の日の登校中もめちゃくちゃいろんな人に声かけられてさ。」

 

花音「そうだったんだ……。ふふ、空見くん、この学校じゃ有名人なんだね。」

 

楓「いや、別にそういうわけじゃ…「あ、空見先輩!おはようございまーす!」お、おはよう。……はぁ。」

 

花音「だ、大丈夫?」

 

楓「まぁ、なんとか……。」

 

花音「……あ、教室着いたよ。」ガラガラガラ。

 

橋山「あ、おはよう松原さん。お、空見もおはよう!」

 

楓・花「「お、おはよう。」」

 

朝から元気だなぁ、橋山さんは。

 

千聖「おはよう花音、楓。」

 

花音「あ、千聖ちゃん、おはよう。」

 

楓「お、おはようございます。」

 

千聖「珍しいわね。二人がいっしょに登校なんて。」

 

花音「教室に来る途中で会て、そこからいろいろ話しながら来たんだ。ね、空見くん。」

 

楓「う、うん。」

 

クラスメイト「ねぇ白鷺さん、ちょっとお願いしたいことあるんだけど、いいかな?」

 

千聖「ええ、いいわよ。……それじゃあ花音、楓、また後でね。」

 

花音「うん。」

 

楓「……」

 

花音「……誤解、解けたみたいで良かったね。」ボソッ

 

楓「うん、ほんとに……。松原さんと白鷺さんのおかげだよ。」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜昨夜〜

 

【空見家 楓の部屋】

 

楓「ふわぁ~。……眠い。」

 

『……プルルルル……プルルルル……』

 

楓「電話?こんな時間に?……と言ってもまだ20:00だけど。って白鷺さん!?」

 

『プルル…「はいもしもし。」』

 

千聖『もしもし楓?悪いわね、こんな時間に電話して。』

 

楓「い、いえ……。それで、どうかしたんですか?」

 

千聖『あなたと花音が付き合ってるという話についてだけど。』

 

楓「え?あ、はい。」

 

いきなりだな。

 

千聖『誤解、解けたわよ。』

 

楓「……へ?」

 

千聖『私は最初から、楓と花音が付き合ってないということは分かっていたけれど、クラスのみんなはまだ、楓と花音は付き合ってると思ってるでしょ?』

 

楓「……あ、そういえば。」

 

クラスの人達のこと、すっかり忘れてた……。

 

千聖『それの誤解、私が解いておいたわよ。』

 

楓「え……。ど、どうやって……」

 

千聖『簡単よ。今日私が橋山さん達と花音を呼んで、花音にあなたとショッピングモールに行ったときのことを話させたの。』

 

楓「……」

 

千聖『花音の話を聞いた橋山さん達は、すぐに自分達の思っていたことが誤解だったのだと気づいてくれたわ。あの人達、話せば意外と分かってくれるのね。』

 

楓「は、はぁ。」

 

白鷺さん、相変わらず行動が早いなー……。

 

すごいというか、なんというか……。

 

千聖『そして楓。』

 

楓「! 何ですか?」

 

千聖『私に何か、言わなきゃいけないことがあるんじゃないかしら?』

 

楓「い、言わなきゃいけないこと?……あ。し、白鷺さん、ありがとうございます。」

 

千聖『……ええ。……それじゃあ楓、また明日ね。』

 

楓「え?あ、はい。……おやすみなさい。」

 

千聖『おやすみ。プツンッ』

 

『ツー、ツー、ツー……』

 

……白鷺さんが、誤解を解いてくれた……。

 

最初のほうは怖いって思ってたけど、氷川さんと同じで意外と優しいんだよね、白鷺さんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜現在〜

 

【花咲川女子学園 2-A教室】

 

『キーンコーンカーンコーン』

 

楓「あ、チャイム鳴った。」

 

花音「1時間目は確か、英語だったよね?」

 

楓「うん、たぶん。」

 

このとき僕は、思いもしなかった。

 

僕が学校で一番苦手なことが、1時間目、2時間目、4時間目と、午前中の授業だけで3時間もふりかかってくることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめん、さっきのナレーションは、流石に大袈裟すぎた。

 

というわけで、1時間目は英語。

 

今僕は、あるいくつかの単語の意味を辞書で調べてるところだ。

 

えーっと、aspect、aspect……。

 

あった。

 

……姿、イメージ、印象。

 

へぇ、なるほど……。

 

先生「皆さん、意味は調べ終わりましたかー?」

 

『ハーイ』

 

『オワリマシター』

 

先生「じゃあ今度はペアワークをするので、隣の人とペアになってください。」

 

んーと次は……何これ?

 

ショウト?シャウト?

 

???「……くん。」

 

……あ、思い出した。

 

shoutはシャウトか。

 

えーっと、shout、shout……。

 

???「……くん!空見くん!」

 

楓「! え?よ、呼んだ?松原さん。」

 

花音「さっきからずっと呼んでたよ~。」

 

楓「そ、そうだったの?ごめん。……で、どうかしたの?」

 

花音「次ペアワークだから、机くっつけないと。」

 

楓「え?……あれ?」

 

みんな、いつの間にか机くっつけてる……。

 

あ、意味調べに夢中で気づかなかったかも……。

 

先生「空見さん、松原さん。あなた達も早くペアになって。」

 

楓「す、すみません!えーっと……」

 

花音「机を横にして、こうやって向かい合わせにくっつけるんだよ。」

 

楓「わ、分かった……。ガタン ごめんありがとう……。」

 

花音「ううん、いいよ。」

 

ペアワークか。

 

……苦手なんだよな、こういうの。

 

先生「じゃあ今からやり方を説明しますね。」

 

……そういや僕、意味調べ途中だった……。

 

えーっと……、! あった。

 

叫ぶ、大声を出す……。

 

あー、なるほど……。

 

よし、これで区切りが…「空見くん!」!

 

楓「え?」

 

花音「ほら、早くやろう。」

 

楓「……やるって、何を?」

 

花音「え……もしかして先生の話、聞いてなかった?」

 

楓「……ご、ごめん。ずっと単語の意味調べてて……。」

 

花音「……空見くん。ちゃんと先生の話は聞こうよ。」

 

楓「ごめん……次は気をつける……。そ、それで、何するって言ってたの?」

 

花音「まずは教科書を開いて。28Pだよ。」

 

楓「わ、分かった。えーっと、28P28P……。ペラペラ ここか。」

 

花音「そしたら、そのページに本文とその訳が書いてあるでしょ?ペアの人とじゃんけんをして、勝ったほうが訳を、負けたほうが本文を読むんだよ。」

 

楓「な、なるほど。分かった。」

 

こういう系のやつは、中学とか前の高校でもやったことあるな。

 

花音「じゃあまずはじゃんけんするよ。最初はグー、じゃんけんポイ。」

 

楓「……」グー

 

花音「……」チョキ

 

楓「か、勝った……。あ、じゃあ先僕が訳読むね。」

 

花音「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~1時間目終了後~

 

『キーンコーンカーンコーン』

 

楓「お、終わったー……。」

 

千聖「……楓。」

 

楓「あ、白鷺さ…「さっきの見てたわよ。先生の話はちゃんと聞きなさい!流石の花音も呆れていたじゃない!」うっ……」

 

花音「わ、私は大丈夫だよ、千聖ちゃん。」

 

千聖「花音、あなたはお人好しすぎるの。こういうときにズバッと言ってあげないとダメなのよ。」

 

花音「そ、それは、分かってるんだけど……。」

 

千聖「ということで楓、分かったわね!?」

 

楓「は、はい、ごめんなさい……。」

 

スタスタスタスタ

 

楓「……え、えっと……ごめん。」

 

花音「も、もういいよ。次、気を付けようね。」

 

楓「うん……。」

 

はぁ、松原さんに迷惑かけちゃった……。

 

次は……国語か。

 

……憂鬱だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、10分間の休憩を挟み2時間目の国語が始まった。

 

先生「それでは、今言った通りに机をくっつけてください。」

 

『ハーイ』

 

クラスメイトA「えーっと、私はこっちか。」

 

クラスメイトB「あぁ違う違う、あんたはそっちだって。」

 

クラスメイトC「よし、これでOKっと。」

 

……今度は、グループワークか。

 

はぁ……。

 

花音「空見くん、私達も早く机くっつけよう。」ガタン

 

楓「う、うん。」ガタン

 

 

 

 

 

同じグループの人A「では、私から発表します。ここの文は……」

 

楓「……ふわぁ~。」

 

……眠い。

 

花音「……」

 

同じグループの人A「……と、このように考えます。」

 

同じグループの人B「ありがとうございます。では、次は私が。私の考えは……」

 

楓「……」ボー

 

今日帰ったら何しようかなー……。

 

花音「……」

 

同じグループの人B「……と、これが私の考えです。」

 

同じグループの人A「ありがとうございます。それでは次、松原さんお願いします。」

 

花音「! は、はい!え、えーっとー、私は……」

 

楓「……!カキカキ」

 

えーっと、ここのボスは防御が固いから……。カキカキ

 

花音「……と、これが私の考えです。ふぇぇ、緊張した~。」

 

同じグループの人A「ありがとうございます。それでは最後、空見さんお願いします。」

 

楓「……」カキカキカキ

 

いや、違うな。これだとスキルを発動させるまでターンがかかりすぎる……。カキカキカキ

 

同じグループの人A「……あの、空見さん?」

 

楓「……!」

 

そうだ、じゃあこいつをチームに入れてさらにこのアイテムを持たせれば……!カキカキカキ

 

花音「……はぁ。……空見くん。」トントン

 

楓「え?な、何?松原さん。」

 

花音「空見くんの番だよ。」

 

楓「え?な、何が……「ん。」ユビサシ ? あ。」

 

松原さんが指差した方を見てみると、そこには黒板がありチョークで……。

 

『なぜ筆者はこのよう表現を用いているのか、その理由を自分なりに考え、グループで発表し話し合いなさい。』

 

と、書いてあった。

 

楓「……アセダラダラ」

 

同じグループの人A「どうしました?空見さん。早く考えを発表…「……ません。」はい?」

 

楓「……すみません。やってませんでした……。」

 

同じグループの人A「やってない?」

 

楓「は、はい……。ほんと、すみません……。」

 

同じグループの人A「……はぁ、分かりました。」

 

完っ全にやらかした……。

 

はぁ……。

 

花音「……空見くん。」

 

楓「え?」

 

花音「こういうグループ活動のときは、自分だけ他のことやったりしないで、ちゃんとグループでやるべきことをやらなきゃダメだよ。」

 

楓「う、うん……。ごめん……。」

 

花音「……もういいよ。」

 

だ、だんだん、松原さんが冷たくなってる気がする……。

 

……だ、だって、仕方ないじゃん。

 

こういうの、ほんとに苦手なんだもん。

 

 

 

 

 

千聖「……はぁ。全く楓は……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間目の国語が終わり、再び10分間の休憩を挟んで3時間目の社会……というか日本史が始まった。

 

この授業では特に移動するようなことはなく、ただ先生の話を聞きながら板書してたらいつの間にか終わった。

 

毎回こんな感じの授業なら比較的楽なのに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、3時間目の日本史も終わり、いよいよ昼休み前最後の授業である、数学が始まった。

 

数学か……。

 

英語、国語と、2時間続けてグループ活動だったけど、数学なら別にそういうのなさそうだし、大丈夫だ…「それでは、今配ったプリントの問題を解いてみてください。自由に立ったり机を動かしたりして、友達といっしょに解いても構いませんよ。」え?

 

クラスメイトA「ねぇ、いっしょにやろうよ。」

 

クラスメイトB「んー、そうだなー。よし、あいつといっしょにやろ。」

 

クラスメイトC「ほら、早く机くっつけて。」

 

千聖「……花音、いっしょにやりましょう?」

 

花音「千聖ちゃん。うん。いいよ。」

 

………あ、あれ?

 

僕以外みんな、誰かしらとやるの?

 

……僕だけ1人って、めっちゃ気まず……。

 

先生「……空見さんは、1人でいいの?」

 

楓「え?あ、はい。大丈夫です。」

 

先生「そ、そう。」

 

……まぁいいや。

 

こんなん1人でも解けるし、1人のほうが楽だし、さっさとやるか。

 

えーっと、まずこの問題は……。カキカキ。

 

 

 

 

 

花音「……」

 

千聖「……花音。」

 

花音「ふぇ!?な、何?千聖ちゃん。」

 

千聖「そんなに驚かなくても……。気になる?」

 

花音「……うん、ちょっとね……。」

 

千聖「……いいわよ。誘っても。」

 

花音「ほんと!?」

 

千聖「ええ。」

 

花音「ありがとう千聖ちゃん。……空見くん、もしだっ…「空見ー!こっち来なよー!」!」

 

楓「え、橋山さん?」

 

 

 

 

 

橋山「1人でやっててもつまんないでしょ?だからさ、うちらといっしょにやろうよ!」

 

 

 

 

 

楓「……うん。まぁ、いいけど……。」

 

 

 

 

 

橋山「よっしゃ!じゃあほら、机用意しといたからさ、来なよ。」

 

 

 

 

 

楓「わ、分かった。(えーっと、プリントと筆記用具を持って……。)」ガタ

 

クラスメイトD「おぉー、優しいー。」

 

クラスメイトF「橋山さんかっこいいー!」

 

クラスメイトG「よーし!あたし達も集中しよう!」

 

花音「……」

 

千聖「……先、越されちゃったわね。」

 

花音「うん……。き、気を取り直して、私達も早くやろう。」

 

千聖「……」

 

花音「……千聖ちゃん?」

 

千聖「いえ、何でもないわ。じゃあ、やりましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~4時間目終了後~

 

『キーンコーンカーンコーン』

 

先生「はーい、それじゃあ今日はここまで。机を戻したら、昼休みに入っていいよー。」

 

橋山「やっと終わったー!」

 

浅井「橋山、一人じゃ全然解けなかったね。」

 

橋山「だってムズいんだもん!空見も解けなかったよね?」

 

楓「え?」ズラー

 

浅井「……すごい。全部解けてる……!」

 

橋山「……空見。あんた、裏切ったね?」

 

楓「し、知らないよ!……ただ、数学はまぁまぁ得意だから。」

 

浅井「へぇー、意外。てっきり空見は、国語とかのほうが得意なのかと。」

 

楓「逆に国語なんかダメダメだよ。だって……」

 

 

 

 

 

花音「……」

 

千聖「花音。」

 

花音「え?」

 

千聖「あなた、さっきからずっと楓のこと見てるわよ。……もしかして、ほんとに楓のこと好きになっちゃった?」

 

花音「! べ、別にそんなんじゃないよ///!何言ってるの千聖ちゃん!」

 

千聖「ふふ、ごめんなさい。少しからかっただけよ。……花音、悩みがあるなら、私が力になるわよ。」

 

花音「……うん、ありがとう千聖ちゃん。……悩みってわけじゃないんだけど、ちょっと心配で……。」

 

千聖「心配?……楓が?」

 

花音「うん……。空見くん、これまでのグループ活動で全然積極的じゃなかったでしょ?それで、何でだろうって思って。」

 

千聖「……ただめんどくさかっただけじゃないの?」

 

花音「うーん……そうかもしれないけど……。なんか、違う気がするんだ。……たぶん、だけど。」

 

千聖「……」

 

楓「……はぁ、なんか疲れた……。」

 

花音「! そ、空見くん!(戻ってきた……!)」

 

楓「ん?どうかした?」

 

花音「う、ううん、何も。」

 

千聖「……」

 

花音「……ねぇ、もしだっ…『プルルルルル……プルルルルル……』え?」

 

楓「あ、電話だ。誰からだ……ってあいつかよ。」

 

花音「……」

 

楓「ごめん、ちょっと電話してくるね。……あれ、そういやさっき、何か言おうとしてた?」

 

花音「……ううん、何も言ってないよ。」

 

楓「そう?……じゃ、行ってくる。スタスタスタスタ」

 

花音「……はぁ。」

 

千聖「楓をお昼に誘おうとしてたのね。」

 

花音「! ど、どうして分かったの!?」

 

千聖「お弁当を手に持ちながら話しかけようとしてたから、そうじゃないかって。」

 

花音「そ、そっか。……あはは、タイミングが悪かったみたい。」

 

千聖「花音……。」

 

花音「……千聖ちゃん、彩ちゃん達のとこ、行こ。」

 

千聖「……ええ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【屋上】

 

ガチャ

 

楓「……ここでいっか。」

 

僕が電話をするために来た場所は屋上。

 

前に廊下で電話してたら氷川さんに怒られたから、ここなら誰の迷惑にもならないし、電話にはもってこいの場所だろうと思ったからだ。

 

にしてもあいつ、突然電話かけてくるよな。

 

楓「……もしもし。」

 

???『……』

 

楓「? おーい、もしもし牧人ー?」

 

牧人『……っと。』

 

楓「あ?」

 

牧人『やっっっと出てくれたな……。』

 

楓「あ……うん。」

 

なんか、声が暗え……。

 

楓「あー、最近いろいろ忙しくてさ。電話、全然出れなくて悪かったよ。」

 

牧人『……ってるよ。』

 

楓「え?何?」

 

牧人『分かってるよ。それが嘘なことぐらい……。』

 

楓「……は?」

 

牧人『あのとき俺が何かお前の気にさわることを言ったから、怒って電話に出てくれなくなったんだろ?』

 

楓「あ、あのとき?」

 

牧人『お前の転校初日の日だよ。』

 

……あ、あのときか。

 

……気にさわることなんて、言われたっけ?

 

あのとき僕は、電話してる途中で携帯取られて……あ!

 

……そういうことか。

 

牧人『だから……あのときは、ほんとご…「バカじゃねえの?お前。」へ?』

 

楓「僕、お前に気にさわることなんて言われた覚えねえし。ていうか、言われたとしても自分で自覚してるから別になんとも思わねえし。あ、でも、僕の好きなものにケチつけるとかなら別だけど。」

 

牧人『……』

 

楓「僕が最近全然電話に出れなかったのは、ちょっとあることをやらかして携帯取られてたからだよ。携帯を返してもらった後も、さっき言った通りいろいろ忙しくて電話かける時間がなかったんだよ。(まぁ、全くなかったわけじゃないけど。)」

 

牧人『……そう、だったのか。……なーんだ。普通に俺の勘違いだったのか。』

 

楓「そういうこと。」

 

牧人『じゃあもうこの話は終わりだ!で、最近どうよ?』

 

楓「切り替え早えしいきなりだな。」

 

牧人『どうだ?友達できたか?周りの環境はどうだ?何か嫌なこととかなかったか?』

 

楓「お前は保護者か!そんないっぺんに聞かなくてもちゃんと答えるよ。」

 

牧人『そうか?じゃあまずは、友達できたか?っていう質問から答えてもらおうか。』

 

楓「はいはい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

牧人『でさ、あいつ、そのとき何したと思う?』

 

楓「何したの?」

 

牧人『余計に石1個使ってスタミナ回復させ…「あ!」ん?どした?』

 

楓「……もうすぐ昼休み、終わる。」

 

牧人『え?……あ、ほんとだ。もうすぐこっちも終わる。』

 

グ~

 

楓「……」

 

牧人『というわけで続きはまた今度な。じゃーな楓。』

 

楓「う、うん。じゃ。プツンッ……ツー、ツー……」

 

……なんだかんだ30分も話しちゃったな。

 

おかげで弁当、食えなかったし……。

 

グ~

 

楓「……はぁ。腹へった……。」

 

……教室戻るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2-A教室】

 

楓「……あれ?」

 

屋上から戻ってきたはいいが……なぜか教室には誰もいなく、電気もついていなかった。

 

しかも……。

 

ガチャ、ガチャ

 

教室の鍵も閉まっていた。

 

……え、どゆこと?

 

みんなどこ行ったの?

 

次って、体育じゃないよな?

 

……あれ?

 

次の時間って何だっけ……?

 

 

 

 

 

???「……!空見くん!」

 

 

 

 

 

楓「? あ、先生!あのー、教室誰もいないんですけど、次って何か…「みんなもう体育館に集まってるわよ!」へ?体育館?」

 

先生「朝のホームルームで言ったでしょ?5時間目はオリエンテーションだから、昼休みが終わったらすぐに体育館に集合って。聞いてなかったの?」

 

楓「……あ。そういやそんなこと、言ってたかも……。でも、オリエンテーションっていったい何…「いいから早く体育館に行って!もうすぐ5時間目が始まるわよ!」は、はい!ダッ!」

 

すっかり忘れてた……。

 

そういや先生言ってたな。

 

昼休みが終わった後すぐ体育館に行けって。

 

これ、間に合うかな~……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【体育館】

 

楓「はぁ、はぁ……。つ、着いた……。」

 

僕は全速力で走り、なんとか5時間目が始まる前に体育館に着くことができた。

 

着くことはできたんだけど……これ、どういう並びなんだ?

 

……ん?てかよく見るとこれ、並びじゃなくね?

 

並んでるというよりは……何人かで集まってるって感じ?

 

……やべぇ、何も分かんねえ……。

 

……いいや、端っこにでも座ってよ。スタスタ

 

 

 

 

 

???「……あー!いたー!」

 

 

 

 

 

ん?クルッ

 

……あれ?

 

あの人、確か昨日の……。

 

ピンク色の髪だから、よく覚えてる……。

 

彩「空見くん、こんなところにいたんだね。良かったー、見つかって。」

 

楓「お、同じ学校だったんだ……。」

 

彩「え?あれ、言ってなかったっけ?」

 

楓「うん、聞いてない……。」

 

彩「そ、そっか。……私ね、空見くんの隣のクラスなんだ。」

 

楓「隣?……あ、B組か。」

 

彩「うん!私が最初にそ…『キーンコーンカーンコーン』あ、チャイム鳴っちゃった!空見くん、この話はまた後で。」グイッ

 

楓「え、ちょ、ちょっと!」

 

彩「ごめんね。ちょっと走るよ!」

 

楓「は、走るって……えぇ!?」

 

……すごいスルスルと、いくつものグループの間を抜けてってるな……。

 

行き先が分かってる、ってことか……。

 

まぁそれなら納得、だけど……周りの人に、めちゃくちゃ見られてる……。

 

恥ずい……。

 

ってかこういうの、なんか既視感が……。

 

 

 

 

 

彩「みんなー、お待たせー!」

 

千聖「楓、遅いわよ。」

 

楓「え?……し、白鷺さん!?それに、松原さんと氷川さんも……。それと……」

 

???「……!こ、こん、にちは……。」

 

楓「こ、こんにちは……。」

 

まさかの新顔……。

 

彩「えへへ♪やっとこれで全員揃ったね。」

 

千聖「彩ちゃん、よく楓を見つけてこれたわね。」

 

彩「体育館の端っこのほうにいたよ。1人だけ男の子だし制服も違うから、すぐに見つけられたんだ。」

 

花音「そうだったんだ。」

 

紗夜「そういう点においては、1人だけ男の人がいるというのも、便利なものですね。」

 

花音「さ、紗夜ちゃん、それは少し、空見くんに失礼な気が……。」

 

ガヤガヤガヤ……

 

ガヤガヤガヤ……

 

ガヤガヤガヤ……

 

……みんな、それぞれ班になってたんだ。

 

て、僕は5人と班と……。

 

……知ってる人が多くて良かった……。

 

あ、そうだ。

 

楓「あの、ところで氷川さん、これから何をするんですか?」

 

紗夜「そのことに関して、もうすぐ先生方から話があると思い…「えーそれでは皆さん。ここからはオリエンテーションの時間です。」始まりましたよ。」

 

 

 

 

 

先生「まず初めに、班内で自己紹介をしてください。その後は何を話しても構いません。いろいろなことを話して、班内で交流を深め合いましょう。」

 

 

 

 

 

彩「よーし!それじゃあ、まずは自己紹介だね。」

 

楓「あ、あのー……。」

 

彩「ん?どうしたの?空見くん。」

 

楓「いまいち、状況が飲み込めないんだけど……。これは何の時間なの?」

 

彩「? 先生の言った通り、オリエンテーションだよ。」

 

楓「いや、まぁそれは分かるんだけど……」

 

千聖「彩ちゃんは少し大雑把すぎるのよ。「えぇ~!そうなの~!?」……つまり楓が言いたいのは、このオリエンテーションは何のためにあるのか、ということでしょ?」

 

楓「あ、はい。まさにそれです。」

 

花音「空見くんは先週転校してきたばかりだもんね。」

 

紗夜「知らないのも無理はありませんね。」

 

楓「?」

 

千聖「実は明日、2年生はお花見に行くのよ。」

 

楓「お、お花見……?え、それって、2年生全員でってことですか?」

 

千聖「ええ、そうよ。」

 

紗夜「今日はそのお花見のために、あらかじめ決められた班で交流を深めるための、オリエンテーションなんです。」

 

花音「お花見の会場までは班のみんなで歩いていくから、少しでも班内での交流を深めたほうがより楽しいお花見になるからね。」

 

楓「な、なるほど……。」

 

2年生全員でお花見……。

 

そんな行事があるのかこの学校には。

 

パンフレットにも書いてなかったし、初耳だ……。

 

……要は、このオリエンテーションは班の人達と仲良くなるための時間ってことね。

 

それで班の人達と交流を深めて、明日のお花見に備えると。

 

……あ、昨日あの人……ピンクの髪の人が『明日はよろしく』って言ってたのって、このことだったのか。

 

彩「空見くんへの説明も終わったことだし、今度こそ自己紹介だね!」

 

千聖「彩ちゃん、張り切ってるわね。」

 

紗夜「それでは、誰から自己紹介をしましょうか?」

 

彩「もちろんトップバッターは、空見く…「あら、こういうのは普通、言い出しっぺの人が最初なんじゃないかしら?」え?」

 

紗夜「それもそうですね。では丸山さん、お願いします。」

 

彩「わ、私?……まぁ確かに、私が言い出したんだし、それが一番といえば一番か……。」

 

千聖「それじゃあ自己紹介は、彩ちゃん、私、紗夜ちゃん、花音、燐子ちゃん、最後に楓の順番でいいわね?」

 

紗夜「ええ、構いませんよ。」

 

花音「私も、それで大丈夫だよ。」

 

燐子「わ、私も……それで、OKです。」

 

千聖「楓も、意義なしかしら?」

 

楓「あ、はい。大丈夫です。」

 

千聖「ふふ。それじゃあ彩ちゃん、トップバッターお願いね。」

 

彩「う、うん。……じゃあ、いくね。」

 

花・千・紗・燐「「「「……」」」」

 

彩「……え、えっと~……。」

 

花・千・紗・燐「「「「……」」」」

 

……あ、あれ?

 

自己紹介、しないの?

 

花・千・紗・燐「「「「……?」」」」

 

彩「……あ、あはは……。」

 

千聖「えっとー……どうしたの?彩ちゃん。」

 

彩「ご、ごめん……。いざ自己紹介しようって思ったら、緊張してきちゃって……。」

 

花音「あー、あるよねそういうこと。私も経験あるよ。」

 

彩「だよねだよね!緊張しだしちゃうと、何から言えばいいか分からなくなっちゃうの。」

 

千聖「……でも彩ちゃんの場合、いつも練習しているあれがあるじゃない。それではダメなの?」

 

彩「え……あれでいいの?」

 

千聖「ええ。あ、でも、あのビシッ!はやめてくれると助かるのわ。」ニコッ

 

彩「え?あ、うん、分かった。」

 

ビシッ?

 

やめてくれると助かるって、何で……。

 

何かの攻撃だったりするの?

 

彩「こほんっ!……じゃあ改めて、私から自己紹介やるよ!」

 

花音「頑張って、彩ちゃん。」

 

彩「ありがとう花音ちゃん♪……よーし。」

 

花・千・紗・燐「「「「……」」」」

 

楓「……」

 

 

 

 

 

彩「……まん丸お山に彩を♪丸山彩です♪」ビシッ!

 

楓「……」

 

千聖「……」

 

花音「……あ、彩ちゃん……。」

 

紗夜「丸山さん、あなたという人は……。」

 

燐子「わ、私は……良いと、思います……よ?」

 

彩「ん?……あっ!」

 

あれが……ビシッ?

 

……なんとなく白鷺さんがああ言った理由、分かったかも……。

 

花音「……」

 

紗夜「……」

 

燐子「……」

 

千聖「……誰か、この場の空気をなんとかしてくれないかしら。」

 

彩「ご、ごめん千聖ちゃ~ん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~3分後~

 

千聖「それじゃあ、次は私ね。」

 

楓「あの、白鷺さん……。」

 

千聖「何?楓。」

 

楓「この人、どうするんですか……?」

 

彩「ブツブツブツブツ……」イジイジ

 

千聖「……大丈夫よ。すぐ元に戻るわ。」

 

楓「そ、それならいいんですけど……。」

 

花音「あはは……。あ、そうだ。ねぇ千聖ちゃん。」

 

千聖「ん?何かしら?花音。」

 

花音「ここからは名前だけじゃなくて、自分の好きな食べ物とかも言うようにしようよ。」

 

千聖「好きな食べ物?……いいわね。そうしましょう。」

 

紗夜「好きな食べ物、ですか。」

 

燐子「ちょ、ちょっと、恥ずかしい……かも。」

 

千聖「それでは始めるわね。……A組の、白鷺千聖よ。好きな食べ物は……そうね。さっぱりした味のものかしら。あ、それと紅茶や、アサイーボウルも好きよ。」

 

楓「あ、アサイーボウル?」

 

千聖「アサイースムージーが入ったボウルに、バナナやクラッカーなど、いろいろな果物を乗せたデザートのことよ。朝食としても人気で、蜂蜜をかけて食べるととても美味しいのよ。」

 

楓「へぇ~……。」

 

千聖「……楓、分かってないわね?」

 

楓「!ギクッ! い、いや、そんなことないですよ!」

 

千聖「ほんとに?……ならいいのだけど。」

 

ふぅ……。

 

……後でアサイーボウル、ネットで調べてみるか。

 

紗夜「では、次は私ですね。……B組の氷川紗夜です。好きな食べ物は……そうですね……特に、ありませんね。」

 

燐子「? でも氷川さん、確かこの前ファミレスに行ったときに、山盛りのポ…「白金さん、そのことは言わないでもらえますか?」! は、はい!すみま……せん。」

 

? ポ……何だろう?

 

山盛りの、ポ、ポ……ポテトサラダ!

 

……んなわけないか。

 

花音「つ、次は私だね。えっと、千聖ちゃんと同じA組の、松原花音です。好きな食べ物は、美味しいお菓子とケーキかな。あ、あとコーヒーと紅茶も好きだよ。」

 

紗夜「白鷺さんも松原さんも、紅茶が好きなんですね。」

 

花音「うん。この前も、2人で近くのカフェに行って、お茶してきたんだ。ね、千聖ちゃん。」

 

千聖「ええ。あのカフェの紅茶はとても美味しかったから、また今度行きたいわね。」

 

花音「うん♪」

 

千聖「そのときは、楓もいっしょにどう?」

 

楓「え、僕もですか?」

 

千聖「別に強制ではないわ。嫌ならいいのだけど…「あ、いえ……。ぼ、僕もそのカフェ、行ってみたいです。」……そう。だって、花音。」

 

花音「え?あ……こ、今度、いっしょに行こうね、空見くん!」

 

楓「う、うん。」

 

何で今、松原さんに振ったんだ?

 

紗夜「では、次は白金さんの番ですね。」

 

燐子「! は、はい……!」

 

! この中で唯一、新顔の人……。

 

千聖「燐子ちゃん、緊張しなくても大丈夫よ。」

 

燐子「は、はい。……び、B組の、白金燐子……です。す、好きな食べ物は……ホットミルク、です……。」

 

白金、さん……。

 

紗夜「ホットミルク、ですか?」

 

燐子「はい。……たくさん練習して、その後家に帰ってから疲れを癒すために飲むホットミルクは、すごく……美味しいんです。」

 

紗夜「そうなんですね。私も今度、飲んでみようかしら。」

 

燐子「あ、それなら私、おすすめのミルクがあるので……今度、氷川さんに差し上げますよ。」

 

紗夜「いいんですか?」

 

燐子「はい……。是非、それを使って、飲んでみてください。心も体も、あったまりますので……。」

 

燐子「ふふ。ありがとうございます、白金さん。」

 

花音「……それじゃあ最後は、空見くんの番だね。」

 

楓「え?……あ、そっか。」

 

千聖「自己紹介はここからが本番、と言っても過言ではないわよ。」

 

楓「え!そうなんですか!?」

 

紗夜「確かに、この自己紹介は空見さんのためにあるようなものですしね。」

 

彩「いよいよ空見くんの自己紹介!?」バッ!

 

花音「あ、彩ちゃん。もう大丈夫なの?」

 

彩「うん!心の中で100回千聖ちゃんに謝ったから、もう平気だよ!」

 

千聖「こ、心の中で、私に、100回……。」

 

花音「あはは……。」

 

彩「あ、私、紗夜ちゃんと燐子ちゃんと同じ、B組の丸山彩でーす♪好きな食べ物は、オムライスとかハンバーグみたいな洋食系かな。」

 

燐子「丸山さんも……みんなと同じように自己紹介、したかったんですね……。」

 

自己紹介は、ここからが本番……。

 

この自己紹介は僕のためにあるようなもの……。

 

……よし。

 

楓「そ、それじゃあ、始めていいですか?」

 

千聖「ええ。いつでもどうぞ。」

 

楓「……い、田舎から引っ越してきました、A組の、空見楓です。好きな食べ物は……ラーメンとか、ポテトサラダとかですかね。あ、あと、チーズケーキも好きです。」

 

千聖「……楓の言うその田舎って、どこにあるの?」

 

楓「あ、県外です。なので、この街へは新幹線で来ました。」

 

彩「そうだったんだ~。…‥あ、じゃあさ、空見くんは何か、趣味とかある?」

 

楓「趣味?」

 

彩「うん!私の場合、SN…「あら、彩ちゃんの趣味はエゴサじゃなかったかしら?」うっ……そ、それは趣味じゃなくて、いつもの日課みたいなものだから……。」

 

千聖「似たようなものでしょ?」

 

彩「……で、でも、自分のプロフィールの趣味の欄がエゴサって、なんか嫌じゃん。アイドルの趣味がエゴサって……。」

 

千聖「本当のことなんだからいいんじゃない?なんだったら、今から事務所に電話して彩ちゃんのプロフィールの趣味の欄をSNS、自撮りの研究からエゴサに変えてもらって…「それだけはダメー!千聖ちゃん、ほんっとにごめん!この通りだから~!」さて、どうしようかしらね~?」

 

紗夜「白鷺さん、さっきのこと、まだ根に持っていたんですね……。」

 

楓「……」

 

花音「? どうしたの?空見くん。」

 

楓「え?あ、いや……。さっき丸山さんが、事務所とか、アイドルとか言ってたから、ちょっと『ん?』ってなって……。」

 

花音「……あ、空見くんは、まだ知らなかったっけ。」

 

楓「?」

 

花音「彩ちゃんはね、アイドルなんだよ。」

 

楓「……へ?あ、アイドル?」

 

花音「うん。近くの芸能事務所でPastel*Palettesっていうアイドルバンドをやっていて、彩ちゃんはそこのボーカルなんだ。」

 

楓「アイドル、バンド……?アイドルのバンドって、あまり聞いたことないけど……。」

 

花音「ふふ、そうだよね。私も、Pastel*Palettesのことを知ってから、アイドルバンドっていうものがあるんだって知ったから。」

 

楓「そ、そうなんだ……。」

 

やっぱり、丸山さんも、バンドやってたんだ。

 

……Pastel*Palettesか……。

 

……いや、ていうか待って?

 

アイドル?

 

アイドルって、あの、アイドル……だよね?

 

千聖「……楓、どうしたの?」

 

楓「あ、いや……。あの、丸山さんの言うアイドルって、あのアイドルですよね……?テレビによく出ていて、バラエティ番組や歌番組とかで紹介されたり歌って踊ったりしてる、あの……。」

 

千聖「彩ちゃんはまだそこまで有名ではないけれど、まぁ、そうね。……それがどうかしたの?あ、もしかして楓って、アイドル好…「いや、そういうわけじゃなくて……。」……そういうわけじゃないのね……。」ボソッ

 

楓「白鷺さんも、元子役で……丸山さんはアイドル……。って考えたら、この学校、すごいな……って、思っちゃって……。」

 

千聖「……あぁ、そういうこと。大丈夫、じきに慣れるわよ。」

 

楓「そ、そうですかね……。」

 

千聖「そうよ。」

 

彩「……」ジー

 

千聖「……ど、どうしたの?彩ちゃん。」

 

彩「さっきから空見くんと何コソコソ話してたの?」

 

千聖「楓はアイドル好きなのか、そうじゃないのか、という話をしていたのよ。」

 

彩「ふーん……。それで、空見くんは何だって?」

 

千聖「それが、意外にも後…「わー!!そのことは言わなくてもいいじゃないですかぁ!」だって実際そう言っていたじゃない。」

 

楓「いや、それとこれとは話が……」

 

彩「そんなことより千聖ちゃん!」

 

楓・千「「そ、そんなことより……?」」

 

彩「今は空見くんの趣味について話してたのに、それがどうして私の趣味の話になるの!?」

 

千聖「……え?」

 

彩「だから!関係ない私の話をどうして空見くんの自己紹介中に持ち出したのかって聞いてるの!」

 

千聖「……し、知らないわよ。彩ちゃんが自分から自分の趣味について話し出したんじゃない。」

 

彩「エゴサの話に入ったのは千聖ちゃんのせいじゃ~ん!」

 

紗夜「いつの話をしているんですか……。」

 

燐子「私も……もうその話は終わったと、思ってました……。」

 

花音「あはは……。」

 

 

 

 

 

先生「えーそれでは、班内での自己紹介はここで区切りをつけたいと思います。」

 

 

 

 

 

彩「あー!自己紹介の時間終わっちゃったー!」

 

千聖「あなたがどうでもいいことで文句言うからでしょ?」

 

彩「ど、どうでもよくないもん!うぅ、まだ空見くんと話したいこと、いっぱいあったのに……。」ガクリ

 

楓「丸山さん……。」

 

花音「彩ちゃん、元気出して?」ポン

 

紗夜「それに、なにもこの時間が全てではないでしょう?」

 

彩「え?」

 

紗夜「この後、学校が終わってから、そして明日のお花見など、この時間でなくてもそういう時間は作れるはずです。だから、そこまで落ち込む必要はないと思います。」

 

彩「紗夜ちゃん……。」

 

燐子「だから丸山さん……元気、出してください。次は、おそらく……」

 

 

 

 

 

先生「みなさん、ここからは自由行動です。他の班の人とも交流を深め合い、いろんな人達と仲良くなってください。」

 

 

 

 

 

自由行動……。

 

……いいや、ずっとここに座ってよう。

 

花音「自由行動か……。浅井さん達のところにでも行ってみようかな。

……空見くん、行かなくていいの?」

 

楓「う、うん……。」

 

花音「うん、って……。空見くん、今ならチャンスだよ。」

 

楓「え、チャンス……?」

 

花音「そう。仲良しづくり、いろんな人と仲良くなるチャンス。」

 

楓「あ……そ、そっか。」

 

花音「私、言ったよね?空見くんの仲良しづくり、私も手伝うから、いっしょに頑張ろうって。」

 

楓「……うん。」

 

確かにあのときは、松原さんのおかげで仲良しづくりを頑張ってみようと思ったし、松原さんも手伝ってくれるって言ってたから、少し自信もついたけど……。

 

けど、今は……。

 

……はぁ、ダメだ。

 

無理……全然自信がついてこない……。

 

花音「? 空見くん?」

 

千聖「……「よし、それじゃあ私も行こうかな。千聖ちゃんも行こうよ。」! え、ええ。」

 

燐子「(……?気のせいか、周りから視線が……、!? ……プルプルプル……」

 

紗夜「? 白金さん?なぜ震えて……、!!」

 

彩「え……な、何?どういうこと?」

 

……!

 

な、何だあれ……。

 

いつの間にか、僕達の班の周りに、人が……。

 

千聖「……どうしたの?あなた達。みんなして周りを取り囲んだりして。」

 

生徒A「あたし達ね、空見と話がしたいんだ。」

 

花音「そ、空見くんと?」

 

生徒A「うん。最初この学校に男子が転校して来たって聞いたときは、いやいやおかしいだろって思ってたけど、あんたらと普通に話してる空見を見てたら、あまりそう思わなくなってさ。」

 

???「……」

 

千聖「……」

 

生徒A「それで思ったんだ。空見のこと、いろいろ知りたいなーって。」

 

生徒B「でも、なかなか話しかけるタイミングが見つからなくて。そんなとき、丁度オリエンテーションがあったんだよ。しかも自由行動!」

 

???「……」

 

彩「な、なるほど……。」

 

生徒A「このチャンスを逃すわけにはいかない!そう思っていざ話しかけに行こうとしたんだけど……。」 

 

ガヤガヤガヤ

 

ガヤガヤガヤ

 

ガヤガヤガヤ

 

生徒B「空見と話したいってやつが他にもいたみたいでさ。こんなに集まっちゃって。」

 

???「……」

 

彩「……う、噂通り、ほんとに人気者、なんだね……。」

 

楓「いや……もうここまで来ると、人気者とか関係なく普通に怖いよ……。」

 

てか、どんだけ集まってんだよ……。

 

自由行動なんだから、もっと他のいろんなとこ行けばいいじゃん……。

 

あと……なんか1人だけ、全然喋ってない人いるんだけど……。

 

何あれ、怖い……。

 

千聖「……おそらくこれは、この体育館にいる2年生の大半がここに集まっているわね。」

 

紗夜「2年生の大半……。圧がすごいわけですね。」

 

燐子「プルプルプルプル……」

 

千聖「……悪いのだけれど、とりあえず少し離れてくれないかしら?友達が怖がって……」

 

生徒B「というわけで空見、今からいろいろ話そうよ!」グイッ!

 

楓「え?ちょ、うわっ!」

 

???「……」

 

花音「あ、空見くん!」

 

千聖「……大丈夫?燐子ちゃん。」

 

燐子「は、はい……なんとか……」

 

彩「……空見くん、大丈夫かなぁ?」

 

 

 

 

 

「空見って、何でこの学校に来たの?」

 

「好きなものとかこととかあるの?」

 

「ペットとか飼ってる?」

 

「前の学校ではどんな感じだった?」

 

???「……」

 

楓「え、えっと……その……」

 

 

 

 

 

紗夜「大丈夫じゃ、なさそうですね……。」

 

千聖「ええ。」

 

燐子「た、助けたほうが、いい……ですよね?」

 

彩「そ、そうだよ!困ってたら助けてあげなきゃ!……ごめんなさい、ちょっと通し……うぐっ!」

 

花音「彩ちゃん!ど、どうしよう……これじゃあ空見くんが…「……」スッ ! ち、千聖ちゃん?」

 

千聖「すみません、少し通してください。すみません…….。」スルスルスル

 

燐子「す、すごい……。」

 

紗夜「白鷺さん、あの人混みを簡単に……。」

 

 

 

 

 

「ねぇ、あたしも空見にいろいろ質問したいよ~!」

 

「ちょっと!ちゃんと順番守ってよ!」

 

「次、私私ー!」

 

???「……」

 

ガヤガヤガヤ

 

ガヤガヤガヤ

 

ど、どうしよう……。

 

どうすればいいんだ、この状況……。

 

い、1秒でも早く、ここから逃げ出したい……けど……。

 

全員女子だし、周り囲まれてるし、逃げようにも逃げられない……。

 

それと……やっぱりあの全然喋らない人、怖い……。

 

金髪だし、制服着崩してるし、絶対ギャルじゃん……。

 

……オリエンテーションの時間が終わるまで、このまま耐えるしかないのか……ん?

 

あ、あれは……!

 

千聖「すみません、通してください。すみません。」

 

楓「し、白鷺さん!」

 

千聖「楓、行くわよ。」ガシッ

 

楓「あ……。」

 

スルスルスルスル……

 

す、すげえ……。

 

この人混みの中を、こんなスルスルと……。

 

千聖「……ボソボソ……」

 

……え?

 

 

 

 

 

千聖「……連れてきたわよ。」

 

花音「千聖ちゃん!空見くんも、大丈夫だった?」

 

千聖「ええ、何も問題なかったわ。ね、楓。」ニコッ

 

楓「え?あ……はい。」

 

……さっきのって、いったい……。

 

生徒A「ねぇちょっと!」

 

楓「!」

 

千聖「……何かしら?」

 

生徒A「何でいきなり空見を連れ出したんだよ!?あたしら、まだ話してる途中だったのに!」

 

千聖「そんなの決まってるじゃない。楓が嫌がっていたからよ。」

 

生徒A「っ!あたし達、空見が嫌がるようなことなんて、何もしてないじゃん!」

 

千聖「確かにあなた達からすれば、楓が嫌がるようなことは何もしていないかもしれない。でも、それはあなた達が勝手にそう思ってるだけでしょ?」

 

生徒A「! そ、そんなことは……。」

 

???「……」

 

千聖「まぁ、もし楓の本当の気持ちを知りたいのなら、直接本人に聞いてみることね。」

 

生徒A「え?」

 

生徒B「そ、そうか……。よし、あんたがそう言うなら……。空見!」

 

楓「!ビクッ は、はいっ!」

 

生徒A「さっきあたしらがいろいろ質問してたとき、別に嫌がってなかったよね?」

 

生徒B「ね?空見。」

 

楓「え、えっと、僕は……」

 

???「……」

 

……この状況、僕はどう答えればいい……。

 

本当のことを言うべきか、嘘のことを言うべきか……。

 

本当のことを言えば、もうさっきみたいに質問攻めされることはなくなる、思う……。

 

でも、それだと……この人達に、悪い気がする……。

 

本当に、僕と仲良くなりたくて、いろいろ質問してくれてたのなら……。

 

生徒A「おい、どうなんだよ空見!」

 

生徒B「早く答えてよ!」

 

千聖「……」

 

ま、まずい、待たせちゃってる……。

 

早く、何か言わないと……。

 

花音「空見くん……。(……私にできること、空見くんの力になれること……。何か、ないのかな……?)」

 

彩・紗・燐「「「……」」」

 

や、ヤバい……緊張で、顔や体が熱くなってきた……。

 

手汗も、すごいし……。

 

生徒A「……空見!いい加減にしろ!!」

 

花・彩・紗・燐『『『っ!?』』』ビクッ!

 

千聖「本性を表したわね……。」

 

こ、この人、こういうタイプだったのかよ……。

 

怖え……。

 

燐子「プルプルプル……」

 

紗夜「白金さん……。あなた、いい加減に…「外野は黙ってて!!」が、外野……。」

 

彩「か、花音ちゃん……」ギュッ!

 

花音「! 彩ちゃん……。(彩ちゃんも、怖いんだ……。空見くん……。)」

 

楓「ぼ、僕は、えっーと……その……え、えっと…「えっとだけじゃ分かんねえだろ!!」! す、すみません!」ビクッ!

 

千聖「……楓。」

 

楓「な、何ですか白鷺さん、こんなときに……」

 

千聖「あなたの本心は、何なの?」

 

楓「! ……」

 

生徒B「おい空見、何か言ったらどう…「うっ、うぅ……」? 空見?」

 

???「?」

 

千聖「? 楓?」

 

楓「うっ……

 

 

 

 

 

……バタンッ」

 

千・彩・紗・燐『『『!?』』』

 

生徒A・B「「え!?」

 

???「!?」

 

花音「空見くん!」ダッ!

 

楓「うっ、うぅ……」

 

ポトッ

 

花音「どうしたの空見くん!ねぇ、空見くん!」

 

楓「……お、お腹が……」

 

花音「え?」

 

楓「お腹が……い、痛い……。うっ!あぁっ!」

 

花音「空見くん!わ、分かった!今すぐ、保健室に連れてってあげるからね!……?これは……」

 

千聖「花音、楓は……?」

 

花音「それが、お腹が痛いみたいで…「ぐあっ!うっ!あぐっ!」! い、今すぐ保健室に連れて行かないと!声を出すぐらい痛がってて……」

 

千聖「わ、分かったわ。彩ちゃん、紗夜ちゃん、燐子ちゃん、いっしょに手伝ってもらえる?」

 

彩「う、うん!」

 

紗夜「わ、分かりました。」

 

燐子「コク」

 

花音「あ、それと千聖ちゃん、これ……」

 

千聖「これは……薬?」

 

花音「空見くんの近くに落ちてて……。もしかして、空見くん……」

 

千聖「……とりあえず、これは私が預かっておくわ。まずは楓を運ぶことが先決よ。」

 

花音「千聖ちゃん……う、うん!そうだね!」

 

生徒A「……な、なぁ、あたしもいっしょに…「必要ないわ。」……」

 

千聖「……でも、そうね。1つだけ頼むことがあるとしたら……このことを、先生達に知らせてくれるかしら?私達を取り囲んでいるせいで、今ここで何が起きているか、先生達からは見えないだろうから。」

 

生徒A「! ……わ、分かった!行くよ!」

 

生徒B「う、うん!」

 

???「……空見……。」

 

千聖「……それじゃあみんな、行くわよ。」

 

彩・紗・燐「「「コクリ」」」

 

花音「空見くん、ちょっとだけ我慢しててね。」

 

楓「う、うん……。」

 

千聖「楓……。はぁ……。」

 

紗夜「……?白鷺さん?」




突然ですが、空見以外のオリキャラの話し方とかがまたあまり定まってないんですよねw。

そこら辺はなんとか、身近にいる人とかを参考にできればなーとは思ってるんですが……。

というわけで次回は、超超超超超~季節はずれのお花見回ですw。

本編は春、現実は秋、ということで、まぁまだ正反対ではないんですがw。

できれば現実で冬になる頃には本編で夏に行きたいんですが……おそらく無理ですねw。

夏までの話数とか考えると、普通に無理があるw……。
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