とうとう僕の地域でも雪が積もり始めて……やっと12月って実感が湧いてきましたね。
【おばあちゃん家】
空「おりゃあ!ここだあ!」
彩「あー!ちょっと待って!待ってええ!!」
『1P WIN!!』
空「おっしゃ勝ったー!」
牧人「相変わらず強いなー空は。」
彩「ま、また負けた〜……。」
日菜「あはは!彩ちゃん、これで3連敗だよ?」
彩「うぅ〜……。」
空「今の俺は無敵だー!」
日菜「よーし空くん、次はあたしと勝負だよ!」
空「臨むところだ!」
牧人「次は日菜さんとの勝負か。これは面白くなりそうだ。」
彩「日菜ちゃん、頑張って私の仇とってね!」
日菜「え〜?どうしよっかな〜。」
美咲「まさか、黒服の人がゲームを持ってきてくれるなんて……。」
裕也「マジでびっくりしたぞ。何なんだよ、あの人達……。」
美咲「あー……あまり気にしないで大丈夫です。」
裕也「そう言われるとますます気になるんだが……。」
翔真「大丈夫だ裕也、じきに慣れる。……たぶん。」
香澄「裕也さん!次裕也さんの番ですよ!」
裕也「え?あ、悪い。えーっと……じゃあこれだ!バッ!……マジか。」
有咲「(あの顔、絶対ババ引いた……。)」
裕也「……よし、いいぞ。引け。」
こころ「うーん……じゃあこれにするわ!バッ!」
裕也「あ!」
こころ「やったわ!あがりよ!」
有咲「マジか!」
翔真「は、早っ。」
香澄「すごーいこころん!」
美咲「こころが一抜けか〜。」
楓「ゲームとトランプかー。」
千聖「楓も、遊んできていいのよ。」
楓「いやいや、そういうわけにはいかないよ。」
楓の祖母「お嬢ちゃんの言う通りだよ、楓。三郎や陽子さんも手伝ってくれてるから、人手は足りてるんだ。今日くらいはみんなと遊んできたらどうだい?」
千聖「あの、おばあ様?できれば、お嬢ちゃんはやめてもらえると…「ふぇぇ、玉ねぎが目に染みるよ〜。」! 花音、大丈夫!?」
楓「……いや、やっぱ手伝うよ。もう習慣づいちゃってることだし、向こうは今いいところみたいだから、邪魔はしたくないし。」
楓の祖母「そう……。ありがとうね、楓。」
楓「ううん。えっと次は…「空見先輩、ちょっとこっち手伝ってくれますか?」牛込さん。うん、いいよ。」
楓の祖母「……「このお皿、もう持っていきますね。」! 陽子さん。あぁ、お願いね。」
三郎「なぁ母さん。これ、どう盛りつけたほうがいいかな?」
楓の祖母「ん?そうだねぇ。これは……」
恵美「気をつけてくださいよ?絶対落としちゃダメですからね?」
拓海「わ、分かってますって……。」
楓の祖母「……ほんと、賑やかになったねぇ。」
楓「……よし、これでOKっと。」
りみ「ありがとうございます!空見先輩!」
楓「どういたしまして。それじゃあ、向こう持ってこ…「空見先輩。」ん?」
りみ「……あの……さっきは、すみませんでした!」
楓「……えーっと……何のこと?」
りみ「な……さ、早希ちゃんに……空見先輩の親戚なのに、あんなことを…「あぁ、大丈夫大丈夫。別に気にしてないよ。」で、でも!」
楓「たぶん、あいつも気にしてないんじゃないかな?まぁ、びっくりはしたけどね。そんなことより、早くこれ持っていこうよ。」
りみ「……はい。(……やっぱり空見先輩、早希ちゃんに対してだけちょっと冷たい気がする……。親戚なのに、どうしてここまで差が……。)」
楓「……それはそうと、どこ行ったんだあいつ。もうすぐ夕飯だってのに、手伝いもしないで。……まぁいいか。」
【おばあちゃん家 庭】
早希「……」
『……おかけになった電話は、現在電波の届かないところに……』
早希「やっぱり出ない……。お父さんもお母さんも、いったいどこにいるの……?……」
『私とあんたは、ただの他人じゃん。」
『はぁ。何で私、あんたなんかと兄妹になっちゃったんだろう。」
『あの女達は、あんたの何なの?』
『……別に、ただの友達だよ。」
早希「……はぁ〜……。……私、何であんなこと言っちゃったんだろう……。言い方きつすぎだし、そもそもあんなこと思ってないし。……あの人達にも、いつか謝らないとな……。……この先、どう接していけば……。
……楓にい。」
【おばあちゃん家 居間】
空「それで俺、運良くアイテムをゲットできてさ。一気に超グレート技を当ててフィニッシュ!彩姉ちゃんにも日菜姉ちゃんにも勝ったんだぜ!」
陽子「そうだったの。すごいわね〜空。」
彩「コテンパンにやられちゃいましたよ……。」
日菜「いやぁ、惜しいとこまでいったんだけとなぁ。」
拓海「うちの空を舐めたらアカンでぇ〜。」
牧人「何で関西弁……?」
美咲「何回かやったけど、全部こころの一人勝ちだったね……。」
こころ「とても楽しかったわよね!」
裕也「一人勝ちというか、運が良いというか……」
三郎「トランプか〜。もう何年もやってないなー。」
香澄「じゃあ後で、いっしょにやりますか!?あ、恵美さんも!」
有咲「ま、マジかよ……。」
恵美「いいの?なら、私達も混ぜてもらおうかしら。」
翔真「子ども相手に本気出さないでくださいよ?」
楓「……改めてこうして見ると、人多いな……。」
花音「でも、こういうのも賑やかでいいよね。」
千聖「この賑やかさは……こころちゃんの家での、文化祭の打ち上げを思い出すわね。」
楓「あ……確かに。」
りみ「文化祭……懐かしいなぁ。」
空「何何ー?ぶんかさいってー?」
楓「!」
千聖「あら、聞こえちゃったかしら。」
彩「私達の学校でね、この前文化祭っていうお祭りがあったんだよ!食べ物屋さんとかお化け屋敷とか、楽しいのがいっぱいあるんだ!」
空「へー……。俺、そのぶんかさいってお祭りの話、もっと聞きたい!」
拓海「お、珍しいなぁ。空がゲーム以外のことに興味を……むぐっ!」
陽子「あなた、余計なこと言わないの。」
空「? 彩姉ちゃん、ぶんかさいの話、もっと聞かせてー!」
彩「うん、もちろんいいよ!あ、それなら香澄ちゃん達もいっしょに話そうよ!」
空「香澄姉ちゃん?」
香澄「私はね、ライブしたんだよ!ここにいるりみりんと有咲と、ここにはいないけどおたえと沙綾の五人で…「おい香澄、早えって。」え?」
空「ライブ……?ここにいない……?」
香澄「! ご、ごめんごめん!もうちょっと分かりやすく説明するね!えーっと……」
楓「……なんかごめんね、おばあちゃん。夕飯なのに、全然……」
楓の祖母「いいんだよ。みんなが楽しそうならそれで。」
楓「いや、でも…「とりあえず、先にご飯食べない?」! さ、早希!?」
早希「……空くんも、お腹空いたでしょ?」
空「え?……あ、そういえば……。じゃあまずいただきますして、それから話聞くよ!」
彩「うん、そうだね、そうしよっか♪」
こころ「早希、帰ってきたのね!」
早希「……まぁ。」
楓「お前、今までどこに…「小言は後で聞くから、まずはご飯食べさせて。」……」
美咲「(相変わらずの対応……。)」
空「それじゃあみんな、手を合わせて!」
楓「え、これ僕もやるの……?」
千聖「やるのよ。ほら。」
楓「わ、分かったよ。」
空「……いただきます!!」
『『『いただきます!!』』』
〜20:00〜
【おばあちゃん家 玄関】
三郎「それじゃあ母さん、俺達は帰るよ。」
楓の祖母「気をつけて帰りなね。」
恵美「はい、ありがとうございます。」
裕也「空、寝ちゃいましたね。」
拓海「ああ。いっぱい遊んだし、話したし、疲れちゃったんだろう。空も、今日はいつも以上に楽しかったと思うぞ。」
空「zzz……。」
陽子「ふふふ♪可愛い寝顔ね、空。」
彩「陽子さん。」
陽子「ん?どうしたの?彩ちゃん。」
彩「あの……ありがとうございます。」
陽子「! そん…「礼を言うのは、俺達のほうだよ。」……」
拓海「きっと俺達がいて、最初はびっくりしたと思うんだ。楓の親戚が、こんなにいるなんてーって。……でも君達は、そんなこと気にしないかのように、いっしょにご飯食べたり、遊んだり、話したり……。空もだけど、俺達も楽しかったよ。」
彩「拓海さん……。」
拓海「楓、お前の友達、みんな良い子だよな。この子達とお前が話してるところ、たびたび見てたけど……とても良い顔してたぜ。きっと、新しい学校でもそうなんだろうなって思えたし……何より、お前が元気そうで良かったよ。」
楓「……ありがとうございます。」
陽子「……こう見えてうちの旦那ね、とても寂しがりやで、心配性なのよ。だから突然、こんなこと言い出したのよ。」ヒソヒソ
花音「そ、そうなんですね……。」
陽子「あなた、早く空を布団で寝かせてあげましょう。もうこんな時間だし、冷えるわよ。」
拓海「あ、そうだな。……じゃあ、俺達はそろそろ帰るよ。またな、楓、みんな。」
陽子「お母さんも、またね。」
楓の祖母「また、いつでも遊びに来なよ。」
陽子「うん。」
三郎「じゃあな、みんな。」
恵美「またね。」
裕也「楽しかったぜ。」
香澄「私達も、楽しかったです!」
こころ「今度は、ミッシェルも連れてくるわね!」
彩「さようなら〜!」
千聖「……行っちゃったわね。」
花音「うん……。」
有咲「……なんだかんだ、私も楽しかった、かな。」
りみ「ふふ、私もだよ♪」
美咲「ミッシェルのこと、忘れてなかったか……。」
日菜「ま、こころちゃんだからね〜。」
楓「……んで?お前らは帰らねえのか?」
牧・早「……」
香澄「! 早希ちゃん!まだ帰らないなら、私とお話…「おばあちゃん。お風呂、先もらってもいい?」あ……。」
楓の祖母「ああ、構わないよ。」
早希「ありがとね。……スタスタスタ」
香澄「……」
有咲「あまり気にすんなよ、香澄。」ポン
香澄「……うん。」
牧人「……俺、ちょっと見たいテレビがあるから見てくるわ。」
楓「へ……?今かよ。」
牧人「ああ、どうしても見たいやつなんだ。悪いな。スタスタスタ……」
こころ「……なんか早希も牧人も、元気ないわねぇ。」
日菜「……」
美咲「それじゃあ……あたし達はどうしよっか。」
彩「お風呂は今早希ちゃんが入ってるから……。あ!皿洗いしないとだ!」
花音「あ、そっか。ご飯食べて少し話した後に、みんな帰る用意を始めたんだもんね。それじゃあ彩ちゃん、いっしょにお皿…「大丈夫だよ。」え?」
楓の祖母「皿洗いは私と牧人でやっておくから、みんなはお風呂に入ってきな。」
彩「でも、今牧人くんは、テレビを見に…「叩き起こして無理やり手伝わせるから大丈夫さ。」……は、はぁ……。」
千聖「しかし、おばあ様。今お風呂は早希ちゃんが入っているので、その間私達もお皿を……」
楓の祖母「お風呂なら、銭湯があるよ。」
『『『せ、銭湯?』』』
楓「……あ、そういやあったな。」
楓の祖母「ここから20分くらい歩いたところに、私の知り合いがやってる銭湯があるんだよ。いつもはもう閉まってるんだけど、私が電話すれば開けてくれるから、そこにみんなで行って入ってきな。」
花音「そんな、悪いです…「いいんだよ。君達みたいな若いお客さんが、遠慮なんてするもんじゃないよ。」……」
楓の祖母「それに、今から行けば貸し切り状態だよ。今日は楓の親戚がいっぱいいて疲れたろ。君達だけで行って、お風呂にゆっくりつかって休んできなさい。」
千聖「……分かりました。」
花音「! 千聖ちゃん!」
千聖「花音、ここはおばあ様のご厚意に甘えましょう。伊那日まで長時間移動して、楓の親戚と会って、いっぱいお話をして……疲れがないと言ったら、嘘になるもの。みんなもそうでしょ?」
『『『……』』』
彩「……あはは、そうかも……。」
千聖「楓はどう?」
楓「……まぁ、確かに。僕も、ちょっと疲れた、かな。」
千聖「ふふ。……花音も、いいわよね?」
花音「……そう、だね。千聖ちゃんが言うなら、私も……おばあちゃんのお言葉に、甘えさせてもらおうかな。」
千聖「ありがとう、花音。みんなはどう?」
こころ「みんなでお風呂、とても楽しそうね!」
美咲「つまりは、あたし達の貸切ってことですよね……?」
日菜「すごいすごーい!贅沢だねー!」
有咲「でも、やっぱちょっと悪い気も……。」
香澄「大丈夫だって!花音先輩もOKしたんだし、有咲も行こ!」
りみ「こんな機会、めったにないしね。」
彩「……賛成みたいだね。」
千聖「ええ。……ちなみに、あなたはどうするの?」
翔真「ギクッ! ば、バレてました……?」
千聖「気配を隠そうと楓の後ろに隠れていたみたいだけど、私の目は誤魔化せないわよ。」
翔真「す、鋭え……。」
楓「まぁ、白鷺さんだからな。で、どうする翔真?お前もいっしょに行くか?」
翔真「……いや、俺はいいよ。おばあちゃん家の風呂に入…「え〜?いっしょに行こうよ翔真くーん!」!!」
有咲「おい香澄、無理に誘うのは…「だって、空見先輩の弟くんだよ?昔の空見先輩の話とか、頼めばしてくれそうじゃない?」昔のって……」
花・彩・り「「「!」」」
楓「ちょ、ちょっと戸山さん、それは…「それは面白そうね!翔真、あなたもいっしょに行きましょう!」つ、弦巻さん!?」
日菜「あたしも、空見くんの昔話聞きたーい!」
花・彩・り「「「わ、私も気になる!……え?」」」
翔真「……いや、でも、牧人ならともかく、俺は…「行ってきたらいいよ、翔真。」お、おばあちゃんまで……。」
楓の祖母「もし楓とこの子達だけで行くとなると、楓は一人で風呂に入ることになっちゃうよ。それは流石に寂しいだろ?楓。」
楓「え?……いやぁ、公民館のお風呂に入らせてもらったときも一人だったし、別に……」
香・り・有「「「(こ、公民館?)」」」
日・こ・美「「「(何のことだろう(かしら)……?)」」」
楓の祖母「それに、だいいち翔真。」
翔真「ん?」
楓の祖母「お前、大の風呂好きだったろ?」
翔真「!!」
香澄「そうなの!?なら決まりだね!行こ、翔真くん!ガシッ!」
翔真「ちょ、ちょっと待っ…「おばあちゃんナイス♪ありがとー!」ひ、日菜さん、待って……」
美咲「……連行されていっちゃった。」
有咲「だな……。っておい香澄!風呂道具忘れてるぞ!」
こころ「花音!あたし達も行きましょう!」
花音「う、うん!あ、その前にお風呂の道具持ってかないとだよ。」
彩「パジャマも、いっしょに持って行っていいんじゃない?夜で貸し切りだし、道もあまり人いないと思うんだけど……」
千聖「……そうかもしれないわね。みんな!お風呂の道具とパジャマを忘れないでね!あと、夜は冷えるから、上着も持って行くように!」
『『『はーい!』』』
楓の祖母「お嬢ちゃん、まるでみんなのリーダーだね。」
千聖「そんな大層なものじゃないですよ。それと、できれば私のことをお嬢ちゃんと呼ぶのは…「それじゃあ私は、銭湯に電話をかけてこようかね。」……」
りみ「……あの、空見先輩。」
楓「ん?何、牛込さん。」
りみ「さっきさらっと言ってた……公民館って、何のことですか?」
楓「あぁ、別にそんな大したことじゃ……いや、大したことか?……」
りみ「そ、空見先輩?」
楓「……まぁ、後でゆっくり話してあげるよ。」
りみ「あ、ありがとうございます。」
千聖「……」
花音「また今度、みんなで行きたいね。」
千聖「花音……。ええ、そうね。」
楓の祖母「みんなー。知り合いから、銭湯の貸し切りの許可もらったよー。」
楓「ありがとう、おばあちゃん。……よし、じゃあ準備も終わったし、行こうか。」
りみ「はい!」
花音「ふふ、楽しみだなぁ。」
千聖「いつにも増してうきうきね。」
花音「え、そう見える?」
千聖「ええ。」
花音「えへへ……。」
楓「……じゃあ、行ってくるね、おばあちゃん。」
楓の祖母「いってらっしゃい。みんなも気をつけてね。」
花・千・り「「「はい!」」」
【おばあちゃん家 居間】
牧人「あー、疲れた〜……。あの量を二人は鬼畜すぎる……。ん?」
早希「……」
牧人「……よぉ、早希。」
早希「! ま、牧人……さん。」
牧人「お前と二人きりって、珍しいよな。」
早希「……」
牧人「……楓達、あの銭湯行ったらしいぜ。」
早希「! そ、そうですか……。」
牧人「……お前も、素直じゃないよなぁ。」
早希「……うるさいです。」
牧人「いつまでそうやって、私は兄なんて好きじゃありませんキャラ演じるつもりだ?楓の友達とも、本心ではちゃんと話したいって思ってるんだろ?」
早希「……」
牧人「まぁ、楓も楓の友達も、そのことには全く気づいてねえみたいだから、お前にとっては都合がいいんだろうけど。」
早希「……私だって、素直になりたいですよ。でも……でも……」
牧人「……ゆっくり考えりゃいいさ。」
早希「え?」
牧人「楓と楓の友達が帰るまで、あと四日ある。それまでどうするべきか、じっくり考えてみるといい。お前のその事情を唯一知ってる、俺という心強い存在もいるわけだしさ。」
早希「……自分で心強いとか言っちゃうんですか?」
牧人「い、いいだろこれくらい。俺はカッコつけなんだよ。」
早希「自分でカッコつけとか言うのも、ダサいですよ。」
牧人「だ、ダサ……」
早希「ふふ。……ありがとうございます、牧人さん。私、一晩考えてみます。」
牧人「……お、おう。」
早希「では、おやすみなさい。」
牧人「お、おやすみ……。」
……そろそろ、帰るか。
おっと、その前に楓のばあちゃんにあいさつしていかなくちゃな。
伊那日編も長くなりそうだな……。