SIX HUNDRED~俺の600族が最強過ぎなんだが~   作:ディア

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前書きらしい前書き
今回は文字数最多です。クリスマスでもないのにクリスマスネタを書いてしまったよ……


時系列まとめ

第9話→第14話→第11話~第13話→第15話(今回)→第10話→第1話~第8話


第15話 クリスマスイブのヌメルゴン騒動

クリスマスイブのカロス地方。

 

俺はホウエン地方の観光が終わった後、カロス地方にいた。だが今回は観光って訳ではない。れっきとした修行の旅でクリスマスイベントに構っている暇などなかった。その修行の最中にとある事件が多発していた。

それはヌメルゴンが♀ポケモンをレイ……性的に襲う事件が多発しているらしい。被害者によると♂ポケモンがいようと構わず性的に襲う。♂ポケモンが邪魔した場合、キレて大暴れすると言った超問題児だ。俺もそのヌメルゴンの被害者でイリアがやられ、泣きべそをかいていた。

 

そして今、そのヌメルゴンを追い詰めていた。

「観念しろヌメルゴン」

『くっ……ワシの楽園もここまでか……?』

観念したようにヌメルゴンが呟く。

「そこまでだ。イリアをあんな目に遭わせた罪は重い」

『イリアちゃん。あのカイリューはイリアちゃんというのか……グフフ! あの肌は良かったのう』

ヌメルゴンがイリアの名前を出すとイリアが中に入っているモンスターボールが怯えるように震え出した。……このヌメルゴン反省の欠片もないな。

「いたぞあのヌメルゴンだ!」

声がした方向に振り向くと、工場の作業員らしき人物が俺の目の前にいるヌメルゴンに近寄る。

『くそ、バレたか!』

このヌメルゴンはそいつらのことを知っているようで、俺達の対応のそれとは違い嫌悪感がひしひしと伝わる。なにがなんでもあいつらとは関わりたく無さそうだ。

「ヌメルゴン覚──」

『やむを得ん!』

覚悟!と言おうとした瞬間、ヌメルゴンが俺の手にあるモンスターボールのスイッチを押してゲットされる。それほどまでに関わりたくない相手なのか? なら一つだけ手がある。ヌメルゴンのボールと俺の手持ちのポケモンが入っているモンスターボールとすり替え、ボール越しに命令した。

「おいそこの小僧、そのモンスターボールをよこせ」

「ほらよ」

モンスターボールを渡すと怪しそうな男達は下衆な笑みを浮かべる。

「ありがとよこいつはお礼だ。じゃあな!」

男達がそういって俺にきんのたまを渡す。後で換金しておこうか。

 

『しかしお主あんな命令をさせるとは最低じゃのう』

あんな命令とは失礼な奴だ。

「お主じゃないシックだ。最低の称号はてめえにくれてやる。それよりか尾行するぞ」

『何故じゃ?』

「あの組織をぶっ潰す。お前が潔く俺に捕まったのに対し、お前はあいつらから逃げた。つまりよほどポケモンに悪影響を与えてきた組織だ。そんな組織は潰すに限る。そうだろうゴルメ?」

『ゴルメ?』

「お前の名前だ。それよりかあの組織を潰すか潰さないかどっちか選べ。どっちみち行くが」

『随分過激じゃのう……とはいえ、あのような組織はあっちゃならんし、何よりもワシの子供達の為じゃ。着いて行こう』

ゴルメが正式に俺のポケモンになり、尾行していくとそれまで普通のヌメルゴンだったのが色違いへと変化していく。

「おい、ゴルメ。色違いだったのか?」

『これが本来のワシの姿じゃ。さっきまでペンキで奴らを誤魔化していたがワシの特性のせいで落ちてしまうわい』

「ペンキで誤魔化していたのかよ」

よくそんなもので誤魔化せたな。

 

『まあの。……ワシは他のヌメラ達とは違う色で生まれ、群れの誰からも忌み嫌われて来た。もちろん親兄弟からもな』

「野生の世界だと色違いは忌み嫌われるのか」

それが原因で色違いが突然変異の単位でしか生まれなくなったのも納得だ。

『うむ。誰にも頼れない状況の中、ワシは一人でヌメルゴンまで育ってきたんじゃよ。そんなある日のことじゃ、ワシ達の群れを見つけたポケモンハンターがワシ達を乱獲していった。一人で育ってきた故に隠密行動を取れるようになっていたワシは他のヌメルゴン達が乱獲されるのを見てこっそりと逃げ出そうとしたんじゃ。その判断が間違いだと気づかずにの』

「どうなったんだ?」

『奴らはワシの体の色とこのぬめぬめした体のヌメラを大量生産することが目的じゃった。そのために奴らは群れを乱獲したんじゃ。しかしワシが捕まったことによって捕まったヌメルゴン達が用済みになり処分させられた。ワシがいれば色が違ったり、このぬめぬめした体も受け継ぎ易いと考えたんじゃろうな……ワシがあの時逃げずに助けようと考えていれば救えたかもしれない。その後悔だけが頭から離れんのじゃ。目の前で親兄弟を殺されたのだから尚更の』

リックも大概だが、こいつはこいつで壮絶な過去を送ってやがる。

 

「ゴルメ……」

『ワシがシックの提案に乗ったのはワシの息子や娘達を失いたくないからじゃ。あ奴らはワシに似ず、色違いとやらでもなくぬめぬめした体でもない。いずれ処分されるのが目に見えておる』

「おいおい、もしかしてそのハンター達はバカなのか? 普通にポケモンとして売り飛ばせばいいだけだろうが」

尾行し、対象者達が角を曲がるとその場に止まりこっそりと耳打ちする。

『ハンター達がいうにはヌメルゴン一族の肉は珍味として知られていてそのまま売り渡すより肉塊にして売った方が儲かるらしい』

「ヤドンのしっぽみたいなものか……犯罪のオンパレードじゃねえか」

ヤドンのしっぽ。名前の通りヤドンの尻尾を切り落とした珍味で堪らない程の旨さらしいが、ポケモン愛護団体から訴えられる程非人道的な方法でしか入手出来ないのとヤドンの尻尾が再び生えてくるのに時間がかかるので生産量も少なく非常に高額な値段で売られている。ジョウト地方にてR団が野生のヤドンの尻尾を切りまくった事件があったから、取り締まりも厳しくなり今ではポケモンドクター以外は全てのポケモンを解体するのに届け出が必要になった。もちろん自分のポケモンでなくては届け出を出したとしても違法になるし、ポケモンドクターですら手術の時くらいしか許可されない。

つまり奴らは違法な手段で手に入れたポケモンを解体しようにも届け出を出せる訳がなく、無許可でやるしかないと言うことだからかなりの犯罪者であることは確かだ。

 

 

 

そうしていくうちに奴らのアジトらしき建物が見えてきた。

『やはりここか……』

「ゴルメの息子や娘がここにいるのか?」

『うむ』

「ゴルメ、お前があそこを抜け出した理由は♀ポケモンを求めたって訳ないだろう?」

『……ワシがあそこを抜け出したのはワシ一人では子供達を救えぬからじゃ。あそこにいたんじゃ何も出来ん。せめて未来のワシの子供達だけでも助かろうと抜け出して来たんじゃ』

前半はまだわかるが後半が最低だ。

「そうか。なら救うぞ、今いるお前の子供達をな」

『無論。ここまできてやらぬは男の恥じゃ!』

よし覚悟を決めたようだな。なら本気でやるか。

 

 

 

「そうと決まればイリア、マンダー!」

イリアとマンダーを外に出すとイリアがゴルメを見るやいなや嫌悪感を露にする。

『げっ、セクハラヌメルゴン……』

セクシャルハラスメント。略してセクハラ。要するに性的に嫌がらせをする行為のことだな。

『セクハラとは失礼な奴じゃな。ほんのちょっと触っただけだというのに』

『それがセクハラだっての!』

『落ち着きなさいお二人とも。それでシックさん。私達二人はこの付近を見回ればよろしいのですか?』

流石マンダー理解が早い。

「その通りだ。イリアとマンダーにはこの付近を見回ってもらいたい。本来ならイリアじゃなくブリタに任せたいがイリアがゴルメと行動するには無理だと思ったからな。ブリタとリックはゴルメと共に俺とヌメラ達の救出だ」

『な、なんじゃとぉっ!?』

『まあそうでしょうね。貴方もバカですね。イリアさんにセクハラしたばかりに一緒に行動を取れなかったのですから』

『知った口を効くなボーマンダ!』

『私が貴方のことを知った口で効こうが効かまいがこれは決定事項です。文句を言うなら私ではなくシックさんにお願いいたします』

『くっ!』

ゴルメが引き下がり、マンダーとイリアが空を飛ぶ。

『それではシックさん、グッドラックです』

『ご主人、手柄立てたら誉めてよー!』

マンダーとイリアがそれぞれ別の方向に見回り始めた。

 

 

 

「これからアジトに突撃する。ブリタ、リック話は聞いていたな?」

『もちろんでさぁマネージャーさん。こんな映画みたいな状況、ワクワクすっぞ!』

『興奮するな』

「作戦はシンプル。ポケモンを除いたあのアジトにあるもん全て破壊だ」

『マネージャーさん華がねえな。爆発バカがいないならもっとスマートにいこうぜ』

「例えば?」

『それは──』

ブリタから作戦が伝えられ、それを聞くと確かに奇襲や不意を突くには丁度良い。

「それ採用。ブリタ、行け」

『了解!』

ボールにリックとゴルメを収納するとブリタがアジトまで穴を堀り、俺はその穴を使って進んでいく。そしてアジトまでたどり着くと奥から爆発音が響き渡る。

 

 

 

「ダンの奴、上手くやったか」

俺がゴルメとすり替えたポケモンは爆弾厨のダン。あいつの命令はシンプルにモンスターボールから出されたらすぐにだいばくはつしろというものだ。万一尾行に失敗して見失った時の保証としてメタグロスのだいばくはつが目印となるようにした訳だ。やり方がえげつないかもしれないがこのやり方が俺のやり方だ。

「ダンのところに向かうぞ。ブリタ」

ブリタしか出さないのはブリタに比べ二頭の足が遅いからで俺はブリタについていけるから問題ない。

『合点でさ!』

ブリタのドラゴンダイブと並走し、だいばくはつが起こったと思われる部屋に移動する。しかしその前には立ち塞がる障害があった。その障害は黒い霧──ポケモンの技にもくろいきりという技があるがあれとは別物──でいかにも危険そうな臭いを醸し出し、このまま突っ込んだらロクなことにならないと判断しブリタを収納して止まる。

「リック、あくのはどう!」

『サー、イエッサー!』

リックを取り出しあくのはどうを放たせると黒い霧が晴れ、それまで隠れていた研究員らしき男が呻き声を上げながら横に倒れていた。

「どうした、誰にやられたんだ!?」

「あ、あいつ……」

そしてその先には幸悦に浸っていながら気絶しているダン。とった行動はただ一つ。

「証拠隠滅!」

「ぶっ!」

証拠を隠滅することだけだった。

『流石サー。自らの保身の為にクソ野郎共を殺すとはやりますね』

「いや殺してないから。記憶抹消のツボを押しただけだからな? リック」

何でこうもリックは過激なんだろうな。やっぱりあれか? ペットは飼い主に似るんだろうな。それが元か今かはわからないが。

 

 

 

全員の記憶をほどほどに消去しダンを回収するとゴルメの子供達を探す。ゴルメは子供達の場所を知らないから探すのに手間がかかり、頭が三つあるリックに臭いを嗅いで探知させることにした。

『サー、この部屋です』

リックがそういって右手の頭でその扉を指すとゴルメがパワーウィップをして扉を無理やり壊そうと足掻いた。

『くそ、ダメか。年は取りたくないもんじゃ』

「どいてろ」

『え?』

俺の右ストレートが扉をぶち壊しその部屋内に入ると今にもヌメラを始末しようと包丁を持った男が硬直して俺を凝視する。

「ば、バカな……! この扉は硬度、靱性ともにエメラルドを超えるのに……何故人間が壊せる!?」

よく硬度とか靱性とか知っているな。硬度は引っ掻いた時の傷がつくかどうかの物差しでダイヤモンドが最高ランクの10に認定されている。それに対して靱性は衝撃に対する物差しだ。ダイヤモンドは衝撃に弱い為、靱性は低い。

「それ以上の力で殴ったから何か? あんまり力込めてぶっ壊したお陰で血が出てしまったよ、どうしてくれる?」

右ストレートなんてそうそうやるものじゃないな。強いパワーと引き換えに腕に負担がかかるハードパンチャーの悲しい定めだ。

「ひ、く、来るな! 来たら殺すぞ!」

ヌメラのうち一匹を捕まえ包丁を突きつけ人質に取る。しかしそれは悪手だ。

『この世から去ねいぃっ!』

怒り狂ったゴルメのみずのはどうが炸裂し、男が気絶する。こうして見てみるとポケモンの技を喰らって無事でいられる俺が異常なんだと再度確認出来る。

 

 

 

『お主ら無事か!?』

『とーちゃん、かーちゃん達が連れてかれた!』

『何ぃっ!? ワシ達の襲撃を見越してそうしたのか?』

上手い手だ。あのどさくさ紛れにこれを見越して逃げたみたいだ。大犯罪者なのにやっていることは小物だ。

「リック、臭いは感知出来るか?」

『サー、無理言わないでください。ここにだけ臭いが充満していてとてもではありませんが探すのは不可能です』

調教モードなら「甘ったれるな! 貴様は何の為に生きている(差別的な表現の為削除されました)が!」と怒鳴り付けるが今回は違う。

「くそ、万事休すか?」

『マネージャーさん、オイラにお任せだぜ!』

ブリタがボールから勝手に出て来て、穴を堀り、俺はリックとゴルメを収納してヌメラ達を袋の中に入れる。その先に……ってこのやり取りやったな。それはともかくブリタの進んだ先にトラックがパンクして停車していた。

おそらくこのパンクもブリタがやったことだ。ブリタの特性であるさめはだは触れるだけで相手を傷つけることが出来、それは無機物でも同じだ。地上に出る際にタイヤに触れてしまったんだろうな。

『これをこうしてと……よしマネージャーさんヌメラ達だ。受け取ってくれ』

ブリタがトラックの底から穴を開け、そこから手際よくヌメラ達を救出し、袋の中に入れていく。

『これで最後だっと!』

ブリタがヌメラを渡し終えると穴から抜け出し、トラックを反転させると悲鳴が上がるがこの際無視だ。

 

 

 

「そこまでだ。悪党共」

決め台詞を放ちトラックから這い出てくる悪党達を引っ捕らえるとヌメラが袋から出て来て悪党達に父譲りのパワーウィップを放った。

『このかーちゃん達を誘拐した鬼畜めー!』

『覚悟しろー!』

「やめ、ぎゃあっ!」

どうやら母親を誘拐したことに対して怒りももっているようで、しばらくの間放っておくしかなさそうだ。

しかしそんなことをしていると、横転させたトラックと同じ種類のトラックが俺達に目掛け突っ込んできた。

「死ねおらぁぁっ!」

万全の状態ならともかく、右手が痛むこの状態で止められるか? いやヌメラ達の為にもやるしかなさそうだ。そう決意して前に出て腰を落とすと、横と上空から流星が降り注いだ。

『龍拳爆発ーっ!』

流星の一つ目の正体はブリタのドラゴンダイブ。トラックを貫通し、その動きを止めてしまった。

『月に代わってお仕置きよ!』

そして止まったトラックに止めを刺した二つ目の流星、イリア。ブリタ同様にノリノリで決めた。

「そ、そんな馬鹿な……!」

イリアとブリタに壊されたトラックが炎上し、この様子を見た俺達は全てが終わったのだと悟った。

 

 

 

その数時間後、消防や救急、警察が駆けつけ悪党達は逮捕。ヌメラ達はクリスマスプレゼントにポケモンを欲しがる子供達の下にいくことになった。

「ゴルメ、お前はどうするんだ?」

『もちろん、ワシはイリアちゃんと一緒にいるぞ』

『嫌っ、こんなセクハラ爺と一緒に居たくないわ!』

『まあお待ちなさいイリアさん。彼は戦力になります。彼ほど優れたヌメルゴンはそうはいないでしょう』

『そうじゃぞ。ワシは凄いんじゃ!』

『そんな彼を野放しにしたらどんな事態になるかわかったものではありません。実際今回もそうでしたが一々彼の暴走を止めるのに草むらに入って探すのは手間がかかります。それならばいっそのこと我々と同じようにシックさんの下にいる方が暴走を止め易いんですよ』

『でもセクハラは嫌!』

『お仕置きを設ければ良いでしょう。そういう訳ですのでゴルメさん、セクハラしたらどうなるかわかっていますね?』

『知らない、知らない、ラララーwww』

どこぞのむかつくハイエナのように歌いながら、誤魔化すゴルメにマンダーがキレた。

『……シックさん』

「おう」

ゴルメの足をローキックで蹴るとゴルメが宙で5回転半くらいしながら頭から落ちる。そしてトドメを刺すようにかえんほうしゃを放った。

『とまあこうなる訳です。ゴルメさんわかりましたね?』

『わかった……』

『それとイリアさん、もしゴルメさんがセクハラしたら全力で攻撃しても構いません』

『やった! ストレス解消用のサンドバッグが手に入った!』

酷い扱いだ。そんだけゴルメを嫌っている証拠だ。

『わ、ワシの夢が、ロマンが……』

項垂れるゴルメは結局、俺の下でポケモンとして過ごすようになった。




後書きらしい後書き。
やっぱり時系列のまとめは大切ですね。


それはそうと、感想は感想に、誤字報告は誤字に、その他聞きたいことがあればメッセージボックスにお願いいたします。また高評価やお気に入り登録、感想を送ったりすると作者のモチベーションが上がります。

番外編で出す話はどんなものがいい?

  • ライバル達とのポケモンバトル
  • ルチアとの砂糖大噴火シーン
  • 他ヒロインルート
  • 主人公のその後の日常
  • その他
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