SIX HUNDRED~俺の600族が最強過ぎなんだが~   作:ディア

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更新遅い上に焦らすようですみません……


第19話 R団とダン

シンオウ地方に向かう前に俺はある男と会っていた。いや遭遇してしまった

 

「君が今話題のポケモントレーナーか」

目の前にいるのは黒尽くめの中年男性でカントーの誰もが知る犯罪者だ。

 

「俺に何の用だ? 元R団のリーダー、サカキ」

「そう睨むな。私はお前を害を与えに来た訳じゃない」

じゃあ何だというのだ? そうアイコンタクトを取るとサカキが口を開く。

「私は君に礼を言わねばならない」

「礼?」

俺はサカキに何かしたかと言うと何もしておらず、むしろ初対面だから礼もクソもない。ポケモンバトルで恐喝するのか?

 

 

 

「君がイッシュ地方にいた時の話だ。R団元団員のナサオが君に助けられたと聞いた」

「R団を助けた覚えはないが?」

「ナサオは君が助けた時には既に辞めていたんだ。しかし私とは未だに接点があり、君に会えたら自分の分まで礼をして欲しいと頼まれたからな。本来であれば私と共にナサオが礼を言うべきなのだが、ブタ箱*1の中で言いたくても言えない。だからこうして私だけが君に礼を言いに来た」

「ブタ箱にいたあのおっさんか。確か囚人番号1125だっけか」

 

あのおっさん元団員だったのか。穏やかで優しかったからとてもポケモンマフィアに所属していたとは思えないんだよな。そういう奴は、不器用すぎてR団に所属することになったのか、あるいは丸くなったのかのどちらかだ。おそらくおっさんは前者だろう。

 

「思い出してくれて何よりだ。彼は優秀なポケモントレーナーで幹部候補までなった男だ。しかしある日、ポケモンバトルによる過失致死*2というポケモントレーナーにとって永遠に償っても償いきれない罪を犯してしまった」

 

だからあの時、死んだ目をしていたのか。

 

「ポケモンマフィアに限らず極道の世界において過失致死は当たり前のことだが彼は優し過ぎ、R団のような極道の世界に生きるべき人間ではなかった。ポケモンバトルが得意でもR団に入るべき人間ではなかったのだ!」

 

さらっと怖いこと言っているなこのおっさんは。過失致死は誤って殺してしまうの意味だが、こいつらにとって「過失致死=罪の軽い殺し方」としか思っていない。邪魔な存在であれば排除するのは理解出来るにしてもそれを堂々と言うあたり恐ろしい。俺だって邪魔な存在は証拠が残らないように手順を踏まえて暗殺するというのに。

 

「それにも関わらず私は彼をスカウトしてしまった! 私は彼を救うことが出来なかった……」

「サカキお前……」

「しかし私ではどうすることも出来なかった。それを君の一言で彼を立ち直らせることが出来た。だから感謝している。ありがとう」

頭を下げ、礼を言うサカキ。部下の為にここまでやる人間はそうはいない。ナサオさんはサカキの教え子なのだろうか。

 

「さて、彼から君に一句預かっている」

「一句?」

「サザンドラ 主求めて 目の前に」

人のことは言えんがあのおっさん相変わらずポケモン川柳下手くそだな。だがシンプルで率直だから言いたいことがわかる。

 

ナサオさんには俺がブタ箱に入った経緯を教えている。その理由は俺がブタ箱に入られる原因となった竜の里出身独特の臭い、いや雰囲気というべきか。それが全く感じられず、話したところで状況が変わる訳がなかったからだ。

 

さてそんなことよりこの俳句を意訳すると「貴方が捕まえたサザンドラは真の主人を求め、貴方の前に現れるでしょう」という意味になる。もうとっくに出会っていてリックを俺の持ちポケモンにしているから今更感が酷い。

 

 

 

「なら俺も一句詠もう」

そういって筆を取り出し、少し考え筆を走らせた。

「今はもう ボールを放つ 戦場(いくさば)に」

やはり微妙だが俺はセンスがないからこれくらいしか出来ないんだよな。しかし詠まない訳にはいかない。これはナサオさんだけでなくサカキにも伝えたいからだ。

 

「サカキ、俺が何故こんな俳句を作ったかわかるか?」

「何故かね?」

「それはこういうことだ」

メタグロスのダンを出し、ポケモンバトルをするように促した。

「そういうことか」

 

サカキが納得してくれて何よりだ。ナサオさんに伝える意味としては「もうサザンドラは捕まえてポケモンバトルをしていますよ」という風になるがサカキの場合だと「ポケモンバトルしようぜ!」という意味になる。

 

「ポケモントレーナー同士目があったらやることはわかっているよな?」

「良いだろう。アローラ地方でR団を復活させる前哨戦になる」

 

アローラで復活するつもりなのかよ。アローラにはスカル団という田舎チンピラくらいしかおらず対抗勢力になり得ない。むしろ吸収されるのがオチだ。

地元警察? クチナシさん以外の奴らは頼りにならん。国際警察を呼ばないとR団に対抗出来んよ。

 

「サカキ、アローラ地方に手は出させねえよ」

 

なにがなんでもここで止めなくてはアローラ地方は終わる。カプや伝説達の対策もされ、捕まえられるだろうな。

 

「なら俺を止めてみろ!」

 

そしてサカキが出したポケモンはハガネール。名前の通りタイプは鋼と進化前であるイワークの地面の複合タイプ。分かりやすくいうと鋼・地の二つのタイプだ。炎、水、闘が良く効き、物理防御の高いハガネールを倒すには特殊攻撃が良く効く。しかし闘の技で特殊攻撃であるのはきあいだまくらいしかあらず実質炎と水タイプの技に頼ることになる。

 

しかしハガネールは見た目の割に物理攻撃が微妙で弱いという訳ではないがガブリアスやカイリューのように特別強いという訳ではない。

 

「いきなりハガネールかよ」

「当然だ。かつてのシンオウ地方チャンプ、シロナを、それもガブリアス一頭のみに指示して倒した男と戦うことなると予想していたからな。もっとも手持ちは二体だけだが」

嘘を吐け。もしもの時の為に予備のポケモンを持っているだろ。そうでなければR団のリーダーなどやれるはずもない。それを口にしないのは俺の優しさだ。

「それでは始めようか」

 

 

 

「ダン、グロウパンチだ!」

『爆っ発っ!』

グロウパンチでハガネールに攻撃するが2割程度のダメージしか与えられず、ハガネールが攻撃する。

「ハガネール、じしんだ!」

タイプ一致のじしん技とはいえハガネールの攻撃力では普通のメタグロスでも8割前後削るくらいだ。

「ダン、もう一度グロウパンチ!」

『またかよっ!』

文句を言いながら、ダンがグロウパンチを放つ。仕方ないだろう。ハガネールは鋼で無のだいばくはつが効きにくいんだから。

「こっちもじしんだ!」

サカキのハガネールがダンに向けてじしんを放つ。しかしそれを予測していたダンが俺の指示を待つことなく宙に浮いていた。

 

『てめえのせいで爆発出来ねえんだから、退場しろやぁぁぁっ!』

ダンのいつもの暴走癖が始まり、グロウパンチでハガネールを攻撃する。そしてそれが決め手の一撃となりハガネールが倒れた。

 

「流石だ……あのハガネールを倒すとはそのメタグロスも鍛えているようだ。ドリュウズ、出番だ」

ドリュウズはハガネールと同じく地タイプでありながら鋼タイプの持ち主で、だいばくはつの威力を半減する。それを見たダンが口を開いた。

『あ゛あ゛あぁぁぁぁぁっ!? ふざけんなカス野郎がぁぁぁぁっ! 芸術的な爆発が出来ねえだろうがぁぁぁぁっ!! 第一てめえはブリタに対して対策してねえのかよおぉぉぉぉっ!』

 

ドリュウズを見た瞬間ダンがキレて、大暴れ。グロウパンチで何度も殴り蹂躙する。ダンは確かに爆弾厨と俺が呼んでいるほどだいばくはつが好きでどうしようもない。しかし最近は無タイプを半減以下に抑えるポケモンに対してだいばくはつを指示しないことに気がついて、そいつらに対してキレる。しかし一体でも等倍以上に効くポケモンがいれば話は変わりすぐにだいばくはつをしてしまう。

しかしダンの言うとおり、じしんを覚えるブリタを警戒しているなら鋼タイプを出す筈がない。やはり三体以上持っているな。

 

 

 

しかしそれとこれとは別でサカキが持っている──つまり、二体までしか出さないと宣言している以上、二体目であるドリュウズが戦闘不能となった為に決着が着いた。

『つまんねえことしてんじゃねえよ』

散々暴れ回ったお陰かモンスターボールに戻っていくダン。これでも大人しい方で酷いときにはトレーナーに向かってだいばくはつをしようとするからな。その時はギラギラやリックを使って止めるけど。

「流石だ。その個性の強いメタグロスを扱えるとはな」

「後半は何もしてなかったけどな。あれは勝手にやったことだ」

「そうか……そう言うことにしておこう。さらばだ。約束通りアローラ地方には手を出さん」

サカキがドリュウズを収納し、その場を去った。

 

 

 

しかしダンが暴れたことによる磁力の乱れが別世界の穴を作ることに影響したのかは不明だが、別世界のサカキ達率いるRR(レインボーロケット)団がそこから現れアローラ地方が支配されかけるのはまた別の話だ。

*1
刑務所のことをシックやマフィア団体はそう呼ぶ

*2
ポケモンバトルで誤って人にダイレクトアタックしてしまって殺してしまうこと




後書きらしい後書き
FPSハマり過ぎてポケモンやる時間がない……

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  • ライバル達とのポケモンバトル
  • ルチアとの砂糖大噴火シーン
  • 他ヒロインルート
  • 主人公のその後の日常
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