SIX HUNDRED~俺の600族が最強過ぎなんだが~   作:ディア

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最近この小説しか更新してねえ……


第20話 音速のジム巡り

シンオウ地方にて、俺は音速を超える勢いで爆走していた。

 

「邪魔だおらぁぁぁぁっ!!」

本来いあいぎりで切るべきであろう木を手刀でぶった切り、いわくだきで砕く岩を右ストレートで粉砕し、かいりきが必要な岩をぶっ飛ばし、なみのりが必要な海は水切りの要領で走って移動していた。

 

その理由は、チャンピオンの推薦試合にはその地方のジムバッチを8個集めなければならないらしく慌てて集めているということだ。

 

本当ならシンオウ地方のジムリーダー全員纏めて相手にしたいところだがそれは掟上無理だ。ジムリーダーは基本的にそれぞれのジムで戦わないとジムバッチを渡すことが出来ないらしい。一部例外もあるが、基本的にジムリーダーはほとんどその街から出ることはなくジムのある街に向かわないと会えない。

 

だがその例外もある。修行の為に別の街のジムリーダーと切磋琢磨する場合なんかは別の街に滞在していて例外的にジムバトルをすることができる。

 

その例外というこで二人の女性ジムリーダー、スモモさんとスズナさんがマルチバトルで相手にしてくれることになった。

「ではよろしくお願いいたします!」

スモモさんとスズナさんが同時にお辞儀をし、そうハキハキと声を出す。

 

 

 

「ゴウカザル、任せましたよ!」

ゲストであるトバリジムのジムリーダー、スモモさんが取り出したポケモンはゴウカザル。ここシンオウ地方の初心者ポケモンの一匹であるヒコザルの最終進化系であり、物理特殊問わない高速アタッカーとして知られるポケモンで地方世界問わずレーティング団体では隠れ特性のバシャーモが発見されるまでの間活躍していた。

 

「マニューラ、遠慮はいらないよ!」

ここキッサキジムのジムリーダー、スズナさんが出したのはマニューラ。こいつは氷タイプとして最速の物理アタッカーであり、俺の持ちポケモンのうち三体──イリア(カイリュー)マンダー(ボーマンダ)ブリタ(ガブリアス)──の天敵とも言える存在だ。またポケモンの所持している道具を使えなくする、はたきおとすの技を使えるのでポリゴン2など道具に頼るポケモン等も天敵と見なしている。

 

このマニューラが出ている以上、イリアやマンダー、ブリタを出さずに他のポケモンに任せるのが上策だろう。特にギラギラはゴウカザルに相性こそ悪いが負けるどころか蹂躙することも可能だ。

 

「いけっマンダー、ブリタ!」

だがしかし、俺は敢えてマンダーとブリタを出した。

ブリタを出す理由は対戦相手のオカに他のポケモンを使った戦法を知られたくないからで、その相方に他のポケモンを出さずマンダーを出したのも同じ理由でマンダー以外戦法を自在に変えられる奴はいない。実際、ブリタ以外ジム戦で使用したポケモンは皆無だ。

 

『ようやく私の出番ですか』

『オイラ達のコンビは何気に初めてなのはなんでだろ~、なんでだろ~、何故だなんでだろ~!』

ブリタ、お前はそういうセリフを言わなきゃ気が済まないのかよ。

 

「あれがシロナさんのフルパーティを殲滅したガブリアス……!」

スモモさんが喉を鳴らし、手を握り奮い立てる。

「スモモ、ガブリアスよりもボーマンダを警戒して。苦手なタイプでしょ?」

「そうですね……では頼みましたよ。スズナさん」

二人が頷き、目を合わせるとスズナさんが口を開いた。

 

「もちろん! マニューラ、ガブリアスにれいとうパンチ!」

『お任せあれ!』

ブリタに向かってマニューラが冷気を放った拳を振るうが、ブリタはそれを皮一枚で避ける。

『砂糖菓子よりも甘過ぎ、リックは太り過ぎ、そしてあの世へGOGO急ぎ過ぎ!』

笑みを浮かべたブリタの行動はさらに距離を取ることだった。

「おい、何を──」

『あれでいいんですよ。シックさん』

マンダーがそういって俺に声をかけ、ブリタがいた場所に目を向けさせるとそこにはゴウカザルが君臨……いや普通にいた。

『シックさんは気づいていないようでしたがスモモさんの目を見たゴウカザルが判断して動いていたんですよ』

やはりマンダーは観察力等に関しては世界レベルだ。確かに格闘技の最中に技の名前を叫びながら攻撃するほどバカなことはないが、ポケモントレーナーのほとんどは技の名前を叫ぶことになるならその必要はないと思っていた。しかしスモモさんがそうしている以上、そうもいかず特訓する必要がある。その課題を見つけただけでも収穫だ。

 

「マンダー、メガシンカしてりゅうのまいだ! ブリタはじしん!」

『了解です』

『揺すって(これより先は諸事情により表示出来ません)』

ブリタ、それ以上はマズイからやめてくれ。

そんなことを思いながらマンダーがメガシンカしメガボーマンダとなりりゅうのまいをし、ブリタがじしんをしゴウカザルとマニューラを攻撃するがそこにはおらず代わりにジャンプしてそれを回避していた。

 

『ブリタの攻撃回避お疲れ様です』

『え、ちょっ……うぎゃぁっ!』

 

宙にいるマンダーがゴウカザルとマニューラをりゅうのまいを組み合わせた攻撃で倒す。

 

 

 

「つ、強い……! 相性の悪いゴウカザルはともかくマニューラがこうもあっさりと倒されるなんて!」

「スズナさん、やはりあのボーマンダも侮れません」

「ええ。でも勝ち目はあるわ。あの方法でね」

「あの方法ですね。わかりました」

そして出してきたポケモンはユキノオーとルカリオ。どちらも強力なポケモンだ。ユキノオーはふぶきの命中率を必中にする霰を降らす特性があり、ルカリオについては鋼タイプのゴウカザルであり、鋼に対抗出来る炎、闘、地の技がないと勝ちづらい相手だ。

 

「さあこれからよ! シック君」

「これから私達の動きについて来て下さいね!」

ユキノオーとルカリオがメガシンカせずそのまま戦闘に入る。メガシンカではないなら何だと言うんだ? マンダーを見ると頷き、予測出来たと解釈して自由にさせる。

 

「ブリタ、だいもんじ」

『汚物は消毒だーっ!』

ブリタのだいもんじがルカリオとユキノオーに炸裂。だいもんじは本来一匹にダメージを与えるがブリタのだいもんじはコンテスト用に用意しただいもんじで範囲が広く派手で相手の視野を狭くする変わりにかえんほうしゃの威力くらいしかない上にリック等の特殊攻撃に優れたポケモンに比べると火力に欠けるがルカリオとユキノオーを仕留めるには十分だ。

 

「ユキノオーふぶき!」

だが煙が晴れる前に見たものは倒れたはずのユキノオーのふぶき。ブリタに炸裂し、大ダメージを負った。

 

『相性なんぞ、そんなの関係ねえってか?』

俺達が見たもの、それは二匹がまだ耐えきり、戦闘不能になっていない姿だった。ルカリオはまだわかるにしても炎に弱いユキノオーが何故耐えきったんだ? そう思いある一つの仮説が成り立つ。

「きあいのタスキか。それも二頭ともか」

きあいのタスキを持たせるとどんな強力な一撃を受けても耐えきるという道具だ。ダンに持たせている道具きあいのハチマキとは違い、必ず発動する代わりに一度しか使用出来ない。

「正解です。シックさんのガブリアスが持っているのと同じですよ! ルカリオ、ガブリアスにはとうだんで止めを!」

スモモさんが止めを刺さんとブリタにはとうだんをルカリオに指示する。その判断は正解だ。ブリタの特性はさめはだでインファイトだとルカリオが戦闘不能になってしまう。しかし必中技かつ特殊攻撃であるはとうだんならタスキを使ったブリタの止めを刺すには持ってこいだ。

『甘いですよ。そんなことでは私に永遠に勝てません』

どこからともなくマンダーが現れ、ユキノオー、ルカリオをともに戦闘不能にした。

「嘘っ!?」

スズナさんが驚愕の声を出して目を見開く。俺も信じられん……何故マンダーが戦闘不能になるどころか傷を受けていないのか、不思議なくらいだ。

霰状態の時のふぶきは必中技でありそらをとぶ、ダイビング、あなをほる等の技で回避しない限りは絶対に当たる。しかしマンダーはそれをしないでユキノオーのふぶきを回避した。普通ならあり得ないことだ。しかしマンダーはそれをした。イガミ技──イカサマ、ズルのこと──扱いされても仕方ないことだ。

『ば、馬鹿な……私のふぶきが当たらなかった?』

『タネは簡単ですが、それを教えるとつまらないでしょう』

マンダーがユキノオーの疑問を一蹴し、どや顔で誇る。

 

後日聞いたことだが、あれのタネはブリタのだいもんじに紛れこみマンダーがだいもんじでふぶきをかき消し水蒸気を上がらせ自分を見失わせていた。

ブリタに被害が及んだのはブリタがきあいのタスキを持っていることを知っており敢えてブリタにふぶきを炸裂させ油断させるのが目的だったようだ。

 

 

 

「ふう……熱いバトルありがとう! 氷タイプが苦手な筈のボーマンダとガブリアスで勝つなんて……シロナさんのガブリアスでも無理なのに、ブリタをよっぽど鍛えているのね!」

スズナさんがブリタをべた褒めし、バッチを渡した。

「スズナさんありがとうございます」

「しかしあのボーマンダも強かで驚きました。あのボーマンダで負けたようなものですよ」

「それね。まさかあんな奇襲でやられるなんて思いもしなかったわ」

俺もだ。マンダーがあんな奇襲を使うなんて予想外もいいところだよ。そう声を出したかったが心の中にしまっておく。

「それじゃこれを受け取って下さい」

二人がポケモンをしまいバッチを渡すとスズナさんが口を開いた。

「もし今度時間あったらプライベートでバトルしてくれないかな?」

「あっズルいですよ! 私も宜しくお願いします!」

二人ともストイックだな……やはりジムリーダーなだけあってポケモンバトルに関してはそうなるんだろうな。

 

 

 

「スズナさんの要望はともかく、スモモさんの要望なら半分答えられます」

「えっ!?」

「俺の故郷では最終進化した格闘系のポケモン相手に殴り合う風習がありましてね。俺も例外ではなく殴り合って武術を会得しました。スモモさんのポケモン相手なら素手でも出来ますよ」

闘だけでなく竜でも可能だが。イリアを捕まえたのもほぼ素手だ。しかし一番やり易いのは格闘だ。あいつらは人に最も近いポケモン故に打撃系の技だけでなく関節技や絞め技等技のレパートリーが増え、対応がしやすくなるからだ。

「もしかして、その故郷って……」

「さあポケモンを出して下さい」

そして俺がブリタとマンダーを下がらせ構えると戦闘不能になっていないポケモンを出してきた。

「ではいきます!」

その後スモモさんはカイリキー、サワムラー、エルレイド、ハリテヤマの順に出すが俺の攻撃になす術なく倒されていき、遂には彼女自身が俺と対決することになる。

 

 

 

格技場に場所を移し、スモモさんと対峙する。

「手加減不要です! 全力でお願いします!」

手加減不要って言われてもな。スモモさんに与える技と言えばカイリキーにやったような関節技か、サワムラーにやったような絞め技しかないんだが。

「本気じゃありませんが全力でいきます。本気かつ全力でやると死ぬかもしれませんから」

スモモさんは格闘技をする人間だが、シャガさんのように気を自在に操れる訳ではない。シャガさんが出来ると思う根拠は気を扱えずに竜と素手で特訓なんか出来ないからだ。

話がそれたが、気を扱えないスモモさんを軽く小突くだけで気絶してしまうだろう。その為ハンデが必要であり、気を纏い攻撃することはしても極弱いデコピンだ。それでも気絶しかねない奴はいるが、スモモさんは仮にも格闘技経験者。しかも身長こそフライ級だがS(スーパー)バンダム級の筋肉量がありあの程度の攻撃で気絶する訳がない。気絶したなら格闘技の素質はないと告げる必要がある。

「っ!」

スモモさんに詰め寄り、頭に左ジャブデコピンを炸裂させようとするもスモモさんが体を反らしそれを回避する。見た目通りの軽いフットワークにSバンダムの筋肉量となれば中々厄介だ。素質はかなりあるってことだな。

「らぁっ!」

だが体反らしを逆に利用し、足を引っかけ体勢を崩させ後ろに倒すと尻餅をついた。

 

そのままスモモさんが俺の脚を絡ませようと足の代わりに腕を使い詰め寄るがそれを逆に利用し跳躍し、スモモさんに寝技の一つである横四方固めで固める。

「ふーっ、ふーっ!」

鼻息を荒くし、顔を紅潮したスモモさんが脱出を試みようとするが無理だ。そもそも寝技は敵の動きを封じ込むのに特化した技でスモモさんがどれだけ暴れても逃げられないようになっている。ましてや体格差がある以上脱出はどう頑張っても無理だ。

 

「スズナさんカウントを」

「え、あ、1、2……」

もはや柔道になっているがどうでもいいだろう。これしか勝ち目はないんだから。

「ふがーっ!」

スモモさんが足を踏み鳴らせるがスモモさんに勝ち目はない。スズナさんのカウントが徐々に10まで近づいていく。

 

 

 

「10! 勝者、シック!」

そして10まで数えさせると予想通り、俺の手を上げさせ勝利宣言させた。

「あー……負けちゃった」

「まあ柔道だとあと20秒必要でしたからワンチャンあったかもしれませんよ」

「あのままやっても勝てませんでしたよ。でも何故寝技なんですか?」

「なんとなく思い付いたのが横四方固めだったんですよ。それにスモモさんの体に痣をつける訳にはいきませんからね」

「……その割にはジャブで攻撃してきましたけどね」

流石にデコピンだとわからなかったか。あれを見切れるのは極一部の人間か実際に喰らった人間、あるいは人外かのいずれかだ。

「あれに当たったら、素質がないから格闘技を止めろと通告するつもりでしたから、避けれて安心しました」

「そうですか……」

「結構シビアね……」

「まあ格闘技の素質はあると思いますのでこれからも精進してください。今度はもっと強くなったスモモさんとやってみたいですから」

「それじゃ約束してください。私が総合格闘技で世界を獲ったら戦ってくれると」

「その時を楽しみにしてますよ。スモモさん」

「それじゃシック君。私とも約束してくれるかしら」

「何でしょうか?」

「シンオウ地方チャンプになったらここに来てくれるかな」

「それは出来ませんよ。先約がありますから」

そのスズナさんとの約束は出来ない。何故なら俺は世界チャンプになる約束をしていて一々立ち寄れるほど暇ではない。

「じゃあ連絡先を交換してメールで交換日記を始めましょう! それならいいでしょ!」

スズナさんが必死過ぎるのは何故だろう。しかし交換日記か……マンダーに聞くか。

『あくまで友達としての交換日記なら宜しいのでは? 恋人同士の交換日記は見ているだけでもイライラしますし。そんなことをする暇があるなら助平爺とまでは言わずともさっさと繁殖しろといいたくなりますからね』

それまで傍観者だったマンダーに目を合わせるとそう答えが返って来たのでそうすることにした。しかしマンダーは効率を求めるだけあってロマンチストじゃないな。そうなったのはマンダーが♀が少なくなり始めた群れの長だったからだろうか。

「それじゃ友として交換日記をしようか。俺の連絡先は──」

 

そしてスズナさんと連絡先を交換し合うとスモモさんが格闘技の世界チャンピオンになったときに連絡したいとのことでスモモさんとも交換した。俺がジムを出た後、スズナさんとスモモさんが喧嘩していたらしいが何が原因なのかさっぱりわからず最後のジムへ移動することにした。




元ネタというか解説というか言い訳
≫『あの世へGOGO急ぎ過ぎ』
≫『揺すって(これより先は諸事情により表示出来ません)』
・この二つの元ネタはアニメ版星のカービィ61話が元ネタです。歌詞もあるので著作権に触れないように替え歌──それもかなり変更して原型を留めておらず解説をしなければならないくらいです。シックの心情に「ブリタ、それ以上はマズイからやめてくれ」とあったのはシックが聞かないようにしていただけで変更されています(断言)


後書きらしい後書き
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番外編で出す話はどんなものがいい?

  • ライバル達とのポケモンバトル
  • ルチアとの砂糖大噴火シーン
  • 他ヒロインルート
  • 主人公のその後の日常
  • その他
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