SIX HUNDRED~俺の600族が最強過ぎなんだが~ 作:ディア
俺のルーツを辿る為にアローラ地方のマリエ図書館に向かうとそこはチンピラどもがたむろしていた。
「何だてめえは!」
「俺達がスカル団だと知ってのことスカ!」
「知るかカス」
「な、何を!?」
俺の左手を飛びかかってきたチンピラその一の顔に伸ばして鼻を人差し指の第一関節と第二関節の間の部分と親指で挟み込み、鼻梁に親指の先を突き立てるようにしながら左回りに180度捻る。するとチンピラその一がケンタロスが鼻輪を捻られたかのように身体を地面に転がし、鼻を抑える。
「ざまあねえな~」
チンピラその一が鼻血を出している姿をゲラゲラと笑う。笑う理由など至って単純で、
「スカル団だがカスカス団だかホネホネ団だが知らねえが、何の関係もねえ人様に迷惑をかけてなぁ……どうなるかわかっているんだろうな?」
「ぎゃぶっ!」
ごく普通に、手加減した状態で顔を殴るとチンピラその二が縦に一回転しながらぶっ飛び、口が利けなくなる。
流石にこれだけやっておけば恐慌状態に陥り、撤退するだろう……そう考えていた時期が俺にもあった。
「何をてこずっている?」
突如乱入してきた黒尽くめの男が現れ、チンピラどもに声をかけるとチンピラどもが復活し、一筋の希望の光を見つけたようにすがる。
「あっ、先生!」
「それがこいつが邪魔をしてきたんでスカら!」
「わざとらしく語尾にスカをつけるな……紛らわしい」
「そんなことよりも先生、この暴力トレーナーをなんとかして下さい!」
「図書館に鼻血垂らすんじゃねえ!」
「みぎっ!」
鼻血を垂らしたアホの顔を踏みつけ、気絶させる。
「くくく……どうやらお前は図書館が大好きなようだ。どうだ? 表に出てポケモンバトルで決着を着けようじゃないか、図書館をむやみやたらと荒らされても困るだろう?」
「……いいだろう」
俺が奴の提案に乗った理由は奴がここでポケモンを出して暴れたら共犯にされかねないからだ。
「さて準備はいいな?」
「勿論だ」
俺が出すポケモンは戦闘狂のイリアではない。俺が出すポケモンはメタグロスのダンだ。
『……ようやく会えたな。親父達の事を忘れたとは言わせねえ』
いつもなら爆発、爆発と喧しいこの上ないダンが静かに怒りを露にし、目の前にいるポケモントレーナーを睨む。
それもそのはず、こいつはダンの育ての親であるゴローニャ達の仇であるポケモンハンターだからだ。
こいつがダンの育ての親であるゴローニャの仇だと知ったのは、つい先程であり爆弾厨であるこいつが珍しく収納されているボールを揺らし戦闘の意思を露にし、事情を聞いた俺はそれを承諾した。
「いけ、ギルガルド!」
取り出してきたポケモン、ギルガルドはタマゴでヒトツキとして生まれる、所謂通常のポケモンだがかなり特殊なポケモンでもある。
何故特殊かというとギルガルドがバトルスイッチという特性を持っており、ギルガルドが攻撃すると超攻撃型であるブレードフォルムに、ギルガルド専用の技であるキングシールドを使うことによって超防御型であるシールドフォルムに変化し、それを使いこなせば攻撃、防御両方こなせる究極のポケモンとなりうる存在だ。
そんなギルガルドにメタグロスは勝てるかと言えばノーだ。ギルガルドのタイプは
メタグロスが覚える技の中で与えられるダメージの中で決定打を出せる技はじしんくらいしかあらず、ほとんどないのに対してギルガルドはタイプ一致のシャドーボールがある。
普通ならイリアやブリタに入れ換えるのだが、これはダンの戦いだ。部外者が口を出す道理はない。
『ギルガルドだろうが、カビゴンだろうが関係ない。このバトル、だいばくはつは使わねえ』
だいばくはつを使わない……なんて素敵な言葉の響きだろう。出来れば毎日ダンの口から聞きたい言葉だ。
「ギルガルド、シャドーボール!」
『……!』
ギルガルドがダンに向けてシャドーボールを放つとダンが口を開き笑みを浮かべた。
『シック、修行の成果が上がったのはあんたのポケモン全員だ。今、その力を見せてやるよ』
ダンがそう告げるとシャドーボールをサイコキネシスやねんりきといった超能力を応用し、シャドーボールをギルガルドの元に返す。
「避けろギルガルド」
『……』
ギルガルドの感情はないのか了解と言った言葉も発せずに無言で避ける。
『甘えよ!』
『……ッ!』
だがそれを避けた直後、シャドーボールが急転換し、ギルガルドに直撃し、ヨレつく。今のギルガルドは避けることで精一杯でキングシールドをしなかった、いや出来なかったというべきか。
それ故に超攻撃型であるブレードフォルムでシャドーボールを受けたんだ。大ダメージは免れない。
「タフな奴だ。ダン、とどめのじしんだ」
『死に晒せぇっ!』
「キングシールドだ!」
ダンがリックのように口調が荒くなりながら、ギルガルドにとどめのじしんを放つとギルガルドがキングシールドをしており、じしんのダメージは無効化されていた。
『命拾いしたな』
ただ一言、そう告げるダンはどこか皮が向けていた。
その後ギルガルドは逆転することなく普通にダンに止めをさされ、戦闘不能になる。
「いけ、ヨワシ」
次はヨワシか。単体では全ポケモンの中で最弱とまで言われるほど弱いが、ある程度レベルが上がりしかも体力が有り余っているとどこからともなくヨワシが集まりむれたすがたになる。
奴が姿を表した瞬間、ヨワシが即座にむれたすがた──以下群れヨワシ──に変化したことから相当強いヨワシだとうかがえる。
そんな群れヨワシの特徴はある程度体力が減ると元のヨワシに戻り、物理特殊問わず攻撃と防御と言ったステータスが下降する──ヨワシが群れヨワシになっても体力や素早さは変化しない──といったところだろうか。
「ダン、かみなりパンチだ」
『おらぁっ!』
群れヨワシにかみなりパンチが直撃する。当然と言えば当然だ。群れヨワシはポケモンの中であまりにも巨体過ぎる。あれ以上の巨体で避けることが出来るのは本気になったギラギラくらいのもので他はいないだろう。それに群れヨワシそのものの素早さが低いこともあってまともに動くことも出来ない。
だからといって、群れヨワシが倒れる訳でもなければ群れヨワシが通常のヨワシに戻る訳でもない。
「その程度の攻撃でどうこう出来る訳じゃない。ヨワシ、ハイドロポンプだ」
そう、群れヨワシの特徴は物理特殊問わず攻撃と防御がかなり優れており並大抵のポケモンでは太刀打ち出来ない。
「メタグロス、かみなりパンチの電気をサイコキネシスに乗せてヨワシに喰らわせろ」
ではどうするか? ヨワシ、群れヨワシは共に体力がないという弱点があり、防御を突破してしまえばいい。
『うぎゃぁぁぁっ!』
電気のサイコキネシスを喰らった群れヨワシが悲鳴を上げ、暴れまわるがそれは収まることを知らず、群れヨワシは次第に群れをなくしていき、遂にヨワシが単体となり戦闘不能になる。
「……ふん、どうやらここまでのようだ。今回は花を持たせるがいずれ勝負することになる。そのときに決着を着けよう」
戦闘不能になったヨワシをボールに収納するとハンターがそう告げ、エアームドを取り出しライドするとはるか彼方へと消えていく。
それを見たチンピラどもが危険を感じ取ったコラッタのように図書館から逃亡していった。
『クソが!』
ここで
ダンもそれをわかっていたのか宙に浮くことをせず、地面が抉るほど地団駄を踏み鳴らし怒りを表していた。
「それじゃ事情聴取はこれで終わりだ。シック、お疲れさん」
警察官としてのクチナシさんが俺の事情聴取を終え、仕事に戻る。
「図書館はアセロラのお気に入りなんだ。そこを守ってくれたことに感謝するぜ。ありがとよ」
最後にクチナシさんがそう口にして、別の場所に向かう……恐らくだがハンターが移動したと思われる場所に向かったんだろう。
「シック、クチナシのおじさんの事情聴取は何て聞かれた?」
クチナシさんがいなくなると同時に、やや赤みがある紫の髪の少女アセロラが口を開いた。
「ん? 犯人の特徴とかそんな感じだ」
「それじゃクチナシのおじさんはシックのことを怪しんでないみたいだね」
「まあ俺はラフプレーはするが反則はしない人間だからな。クチナシさんもその事を知っているから犯人とは思われなかったんだろう」
「もしクチナシのおじさんがシックのことを逮捕しようとしたら私が弁護してあげようと思ったけど杞憂で良かった」
アセロラ……お前弁護士の資格持っているのか?
「ところでアセロラ、聞きたいことがあるんだが」
「何?」
「この地方に纏わる伝承が書かれている本はあるか?」
「伝承の本なら向こうだけど何か調べているの?」
「何でも俺の御先祖様がアローラ地方の伝説ポケモンと関わっていたらしい。今回はそれを調べに来た」
「御先祖様か……そう言えばシックってポケモンの言葉が理解出来るんだよね?」
「まあな。言葉だけじゃなく技も出来るぞ」
身体のエネルギーを消費して威力を最小限に抑えたたつまきを発生させるとそこらにあった埃を舞い上げ回転させる。
「それなら伝承の本を見終わった後にカプ・レヒレに会ったらどう? カプ・レヒレは一番謎に包まれているけど他のカプに比べたら知識とか豊富なはずだよ」
仮にも神と呼ばれるポケモンに対してサラッと酷いことを言っているな。それも仕方ない話でカプ・レヒレ以外は問題児だらけだ。
カプ・コケコはイリアと同じく戦闘狂であり短気な性格だ。しかもその癖怒った理由も忘れるという有り様で、とても昔のことをついて語れるとは思えない。
カプ・テテフは良くも悪くも自然だ。恵みを与える一方で、無邪気さが目立ち残酷な性格も併せ持っている。こいつに話を聞こうものなら心臓を差し出せくらいのことを言うだろう……てか前に言われた。
カプ・ブルルはクチナシさんにものぐさを二倍にして暴力を加えて真面目さを減らしたポケモンだ。簡単に言えば話を真面目に聞く気もないし無理やりやろうものならポケモンバトル待ったなしだ。勝っても負けても話を聞かないのはお察し出来る。
しかしカプ・レヒレは俺に対して島キングになれとうるさいが他の
「そうか。なら本を読み終えたらポニ島に行くとしよう。アセロラ、お前も行くか?」
「魅力的な提案だけど遠慮しておく。その代わり今度この街にある料亭で一品奢って」
「わかった。それじゃアセロラ、また今度な」
そうしてアセロラと別れ、伝承の本を読みポニ島へ向かう。その最中にゴージャスボールの中にいるジャックに『無自覚主人公やってんじゃねえよ』と呟かれたが無視した。
後書きらしい後書き
前回のアンケートの結果によると見易いとのことでしたがより良い作品の為に再びアンケートをとります。話には関係ありませんが今回の文字の見やすさに関するごく簡単なアンケートですのでご協力お願いします!
それでは恒例の。
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ルチアとの砂糖大噴火シーン
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