SIX HUNDRED~俺の600族が最強過ぎなんだが~ 作:ディア
レッドさんに紹介状を貰って俺は今、ホウエン地方の空の柱に来ている。紹介状の相手はホウエン地方チャンピオン、ダイゴさんとホウエン地方四天王、ゲンジさんの二人だった。しかしシロガネ山に篭っていると噂のあの人は一体どうやって知り合ったんだろうか。
そんな疑問を他所に俺は二人に説明する。
「うーん……なるほどね。僕はレッドくんの意見に賛成だけど、ゲンジさんは?」
「ワシも同じじゃ」
果たしてどういうことなのか。それを聞こうとすると二人がお互いにエースのポケモンを出してきた。
ダイゴさんのエース、メタグロス。鋼・超タイプのポケモンでしかも強いポケモンと言われている。しかしホウエン地方では存在しないポケモンで、メタグロスは当然ダンバルやメタングの生息地が不明だ。その為、ダイゴさんに憧れた人々がメタグロスを捕まえようとしても手に入れられず他の地方から輸入するか、他の地方でダンバルを捕まえて進化させるしかない。おそらくダイゴさんも他の地方で捕まえてきたんだろうな。
そしてゲンジさんが出してきたポケモン、ボーマンダ。メタグロスと並ぶ強いポケモンの一頭で並大抵のポケモンであれば一撃で屠られる。しかし一方でバンギラスに並ぶほど狂暴なポケモンでも知られており、ボーマンダを扱うには一流のポケモントレーナーでなくてはならない。それを扱えてかつ四天王の立場にいるゲンジさんは間違いなく超がつくほどの一流のポケモントレーナーだ。
「シックくん、僕とゲンジさんの二人を相手に対戦してもらうよ」
「ダブルバトルでですか?」
ダブルバトル。二対二のチーム戦で行うポケモンバトルだ。ポケモンそのものよりも戦略がものを言う為にシングルバトルで強くともダブルバトルで弱くては勤まらない。
「その通り。レッドが言うにはワシらは互いに一体ずつ、お主は二体使って勝ったらポケモンリーグに参加出来るように取り計らってほしいと書いてあったよ」
「ダブルバトルか……わかりました。その前にお願いがあるのですが宜しいでしょうか?」
「ん? 手加減しろとかは聞き届けられないぞ」
「そんなことじゃなく、別のことです。この後──」
そして俺は二人にあるお願いをした。
「わかった。その方が良さそうだね」
「うむ。チャンピオンに同じく、やってみよう」
そのお願いを二人が了承し、頷くと俺は二つのモンスターボールを手にした。
「ありがとうございます。それではいきます……!」
そしてそのモンスターボールからでてきたポケモンはメタグロスのダン、ボーマンダのマンダーだ。ダンとマンダーのニックネームは安直だって? ダンはともかく、マンダーについては反論出来ない。
『やっと出番かぁぁっ!』
ダンはメタグロスとは思えないほど騒がしく、俺のポケモンのなかでも問題児の一匹だ。名前の由来もとある問題を起こすからだ。
『うるさいですよ、ダンさん。公共の場ではもっとお静かに』
眼鏡が似合いそうなインテリ、マンダーがダンを注意する。
「ダン、マンダー、試合だ。気を引き締めろ!」
『やったぜ!』
ダンが素直に喜び、ゲンジさんのボーマンダとダイゴさんのメタグロスを見て笑みを浮かべた。
『やれやれ。仕方ないですね』
マンダーは素直じゃないな。嬉しいなら嬉しいと言ってくれてもいいのに。
「ルールを確認しようか。君対僕達の二対二の変則マルチバトル。互いに道具はポケモンに持たせたものだけを使う。交換は一切禁止。そこまではOK?」
「はい」
「それではこれよりポケモンリーグ推薦試験を開始する」
ゲンジさんがそう宣言し、俺はすぐにメガシンカの構えを取った
「マンダー、メガシンカだ」
『最上ですよ、シックさん』
マンダーがメガシンカし、姿を変える。そして向こうの二人もメガシンカをしていた。なるほどな……
「ボーマンダ、小僧のメタグロスに“かえんほうしゃ”!」
「マンダーいけっ!」
メガシンカしたボーマンダ──メガボーマンダが火を吹き、ダンを襲おうとするがマンダーはそれを阻止した。
『やれやれ、咄嗟に考えられる私だからよかったものの他の方々だったら止められませんでしたよ?』
「すまない……」
お叱りを受けるがそれはやむを得ない。しかしそこでボケボケしていると今度はダイゴさんがメガシンカしたメタグロス──メガメタグロスを使って攻撃してくるはずだ。それの対応が間に合わない。
「メタグロス、“じしん”だ!」
メガボーマンダもマンダーも飛行タイプなので“じしん”は効かない。となると先にダンを狩ろうって訳か。いやマンダーの決定打になる技がないのか。
「ダン、“グロウパンチ”だ」
『攻撃力アップゥゥゥっ!』
ダンがメガメタグロスに“グロウパンチ”で攻撃をして上げる。“じしん”ではダンにダメージは与えられたものの、その威力は変わらない。対してこちらはパワーアップしている。
そしてそのわずか数コンマ後にゲンジさんの指示が飛んできてメガボーマンダがダンに“ギガインパクト”をする。そしてダイゴさんは、“かみなりパンチ”でマンダーに攻撃するように指示した。
「マンダー、“まもる”」
マンダーにまもるをさせ“かみなりパンチ”を防ぐ。これで準備は整った。
ダンに攻撃が直撃し、倒れるかと思いきや、ダンに持たせていたきあいのハチマキ──持たせると、ひんしになるダメージを受けても10%の確率でHPが1残る──が効果を発揮させて耐え切ってしまう。そしてダンにあることを指示した。
「ダン、“だいばくはつ”だ」
『ヒャッハー、だいばくはつは芸術だぁぁぁっ!』
その場にいたメガボーマンダとダンは倒れ、メガメタグロスも大ダメージを受けた。残り体力2割から3割強くらいじゃないのか?
「しょ、正気か? メタグロスに“だいばくはつ”を覚えさせるなんて」
正気ではない。ただし俺ではなくダンだ。ダンは自力で“だいばくはつ”を覚えるほどの大の“だいばくはつ”好きで、ポケモンバトルをすると必ずと言っていいほど二回目の攻撃で“だいばくはつ”してしまう。極々稀に三回目で“だいばくはつ”をするがそんなのは滅多にあり得ない。何故なら、ダンに持たせているきあいのハチマキが必ず一回、7割くらいの確率で二回効果を発揮するのでそうしているからに過ぎない。もしきあいのハチマキを持たせていなかったら俺の指示を無視して一回目で“だいばくはつ”している。
とある研究者によると、メタグロスの特性であるクリアボディやライトメタルの特徴もないことから、メタグロスの新しい特性の一つなんじゃないのかと言われている。俺個人の意見だと、そんなものじゃなく、とにかく“だいばくはつ”しようとしてそうなったんじゃないのと、本来はライトボディであり、他のメタグロスと体重が同じなのはダンが他のメタグロスよりも二回り以上も大きいからだと個人的には推測している。
『“だいばくはつ”、最高……っ!』
とにかくそんな謎に包まれたメタグロス、ダンはダンバルの頃からだいばくはつ厨であり、“だいばくはつ”をするとこのように光悦な笑みを浮かべ瀕死になる。名前の由来も爆弾のダンから由来しているんだよ。ちなみに“だいばくはつ”を忘れさせたとしても次のバトルには思い出して“だいばくはつ”をするので無駄だと悟った。
「マンダー、“だいもんじ”」
『フィニッシュです』
マンダーがメガメタグロスに“だいもんじ”を放つとメガメタグロスが倒れ決着がついた。
「“だいばくはつ”はともかく、見事な試合だったよ。僕のメタグロスをああも簡単に仕留められるなんて予想外だよ」
ダイゴさんの言うように“だいばくはつ”はポケモンリーグでは否定されがちだ。その理由は「ポケモンを犠牲にしてまで勝ちたいのか」という批判が余りにも多いからだ。
しかしあれも立派な戦略の一つだ。だいばくはつを使われて相手が負けたらゴーストタイプや“まもる”を使わなかったトレーナー達の責任だ。“だいばくはつ”をするポケモンはトレーナーを信頼しているからこそ“だいばくはつ”をする。トレーナーはその期待に答えなきゃいけない。つまり義務であり責任なんだ。世の中には一矢報いりたくとも出来ない奴らが多くいる。そいつらに引き分けに近い敗北──ポケモンリーグの規定上、だいばくはつをしたポケモンは敗北となる──をさせれば一矢報いたことになる。何せ勝てない敵に勝とうとして相討ちになったのだからな。それを否定される筋合いは誰にもない。
「ありがとうございます。ダイゴさん」
「さて、ポケモンバトルにも負けてしまった事だし、ワシらは連絡しようか。ボーマンダ!」
ゲンジさんが別個体のボーマンダを取り出し、その場を去る。
「それじゃ僕も失礼するよ」
ダイゴさんもエアームドを取り出し空の柱から去っていく。……俺も準備するか。
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