オルタ視点。
ジャンヌとオルタは相部屋のイメージがあったので、なんとか理由をつけて相部屋になってもらいました。
リリィは未登場。
「サーヴァント、アヴェンジャー。召喚に応じ参上しました。……どうしました。その顔は。さ、契約書です」
ついに私はマスターのサーヴァントとしてカルデアに召喚された。驚いているマスターの顔を眺めながら、私は契約書を差し出す。
「ようこそ、ジャンヌ・オルタ。カルデアに来てくれて嬉しいよ。契約書? オルタが不利な条件になってるけどいいの?」
「これは私なりのケジメのつもりよ。それに、アンタはこれを悪用したりしないでしょ? なら問題ないわ」
こうして私はマスターと不平等な契約を自ら結んだ。
契約後、マスターがカルデアを案内すると言い、管制室や工房、食堂、レクリエーションルームなど様々な施設を紹介してくれた。時折マスターがマシュと通信をしていたので、少し意地悪をした。
「私を案内している最中に、マシュとお話なんていい度胸ね」
「ああっ、ごめんね。もう用件は終わったから」
マスターは慌てていたが、通信はもう終わりとのことなので良しとする。
最後にサーヴァントの居住スペースへと向かった。
「ここがジャンヌ・オルタの部屋だよ」
この部屋が私のカルデアでの居場所になるのかと、これからの生活に期待を膨らませながらドアを開けた。
「ようこそ、オルタ。これからよろしくお願いしますね」
ジャンヌ・ダルクが嬉しそうな笑みで私を迎えた。私はマスターを問い詰めた。
「どうして、聖女様が私の部屋にいるのよ? 返答によっては燃やすわよ!」
「ごめん、部屋の数よりサーヴァントの方が多くて相部屋をお願いしてるんだ」
「部屋がないにしても、よりにもよってなんで私と聖女様が同じ部屋なのよ?」
「それは、私からお願いしたのです。あなたが召喚されて、マシュさんがあなたを迎えてくれるサーヴァントを探していたので、ぜひ私の部屋にと」
カルデア案内中に、マシュと通信をしていたのはこういうことだったのか。大体の事情は掴めた。しかし、私は全力で拒否する。
「嫌よ!」
「そこをなんとか」
マスターが困り顔で頼んでくる。しかし、私も引き下がることが出来ない。
「なら、聖女様を追い出して私だけの部屋にしてちょうだい」
「マスター、私はオルタと同じ部屋がいいです」
「ジャンヌもこう言ってるし、マスターとしては2人に仲良くなってもらいたいんだけど」
この2人は何を言っているのだろうか? オルレアンでのことを忘れてしまったのだろうか? そんなはずはない。再び私は拒否する。
「イ・ヤ・よ!」
「ジャンヌ・オルタはマスターのいかなる指示にも従います」
マスターがぼそりと呟いた。それは、私が作った契約書の一文だった。オルレアンや贋作騒ぎで迷惑をかけた私。それでも私を必要としてくれるマスターに対する私なりの覚悟だった。だったのだが、早速後悔した。
「お願い、オルタ」
契約書を盾にして申し訳なさそうなマスター。早速利用されてしまったが、自分で決めたルールだ。私は覚悟を決めた。
「分かりました。聖女様との相部屋、我慢してあげましょう」
「ありがとう、オルタ!」
「これからよろしくお願いしますね、オルタ」
「勘違いしないでください。廊下で寝るよりマシだと思っただけです。聖女様と仲良くする気なんてこれっぽっちもないですからね」
こうして私と聖女様のカルデアでの生活が始まったのだ。