イチグンからニグン落ち   作:らっちょ

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※グロ注意警報発令。お食事中の方や、耐性の無い方はこの話を読み飛ばして下さい。

※若干、クトゥルフ神話的な要素もあります。

 



第23話 血に染まる草原

 

 

 馬車の轍が重なり合って出来た土塊の輸送路。

 

 アスファルトで舗装されていない凸凹とした道は思った以上に過酷である。

 

 地面から飛び出た小石などは、荷馬車の車輪を歪ませたり、歩行者の体力を奪う。

 

 更にこの世界では人間を脅かす魔物達の存在もいるので、戦う術を持たぬ弱者は文字通り命懸けの旅路となる。

 

 そんな悪路をリィジーが乗った荷馬車を護衛しながら、俺達冒険者一行は歩く。

 

 道すがら漆黒の剣の面子とも交流を深め、お互いの冒険者となった切っ掛けを雑談がてら話した。

 

 

「モモンさん達の国では、随分と魔法の技術が発達しているのですね」

 

「ええ、そうですね。バハルス帝国のような魔法を習う施設が市民に無償開放されておりました。ですので第3位階程度の魔法詠唱者は沢山居ましたよ」

 

 

 興味深そうに尋ねるニニャに対し、アインズさんが丁寧に答える。

 

 俺達は自分達の出自を偽る上で、魔導国の存在を仄めかした。

 

 出身地を語る際に、未だ存在しない魔導国の名を出したのは、今後の活動の為の布石でもあるが、理由の一つとして冒険者となった理由付けも含まれている。

 

 

 魔導国という大国で行われた転移実験の失敗により、俺達はこの地に飛ばされてしまった。

 

 故にこの地での身分を確立させる為に、冒険者として登録したのだという捏造設定を造ったのだ。

 

 そうすることで、冒険者となったバックボーンが出来上がり、人並み外れた力を持つことや、此方の常識に関して疎いという事実を下手に誤魔化さずに済むからだ。

 

 虚実を織り交ぜることで出来上がったバックボーンを元に、漆黒の剣と会話を重ねて、この世界の情報を仕入れていく。

 

 旅の知恵や冒険者の常識。生活魔法と呼ばれるユグドラシルには存在しない魔法。そして周辺地理の情報や、諸国の情報など話題は多岐に渡る。

 

 陽光聖典隊長ニグンとしての記憶もある為、この世界の常識などもある程度は知っていたのだが。冒険者として王国で活躍していた漆黒の剣の話を聞くことにより、更に見識が深まった。

 

 

(……やはり原作と同じく、リ・エスティーゼ王国は完全に終わってるな)

 

 

 賄賂・職権濫用・麻薬・重税・派閥争い。

 この国の権力者達が行っている悪行の数々をニニャは淡々と語る。

 

 想像以上の腐敗具合に頭が痛くなる。

 王国はまるで燃え尽きる寸前の松明のようだ。

 

 今はまだ国としての体裁を保っているかもしれないが、何かの拍子で国として機能しなくなるのも時間の問題だろう。 

 

 

「無能な貴族が蔓延るからこうなるんですよ。要らないものは間引いてスッキリさせるべきだとは思いませんかイチグンさん?」

 

 

 そういって国の未来を憂いながらも、暗い笑顔で毒を吐きながら話し掛けてくるニニャ。

 

 ……同意を求められても反応に困るのだが、取りあえず話を繋げることにした。

 

 

「――それを実行に移し、成功した事例が隣国にあるから尚更といったところですか」

 

「鮮血帝のことですね」

 

 

 バハルス帝国の若き皇帝ジルクニフは『鮮血帝』などと呼ばれ、一部の貴族から恐れられているが、民衆からの評価は非常に高い。

 

 何故なら無能な貴族や敵対者を徹底して排除し、自分の支配下の下、有能な人材が国を動かせる体制を創り上げたからだ。

 

 一人の指導者の下で管理される国は、その指導者によって国の運営が左右されやすいという欠点こそあれど、迅速に改革を進めるには理想的な状態なのだ。

 

 何故なら指示命令の系統がハッキリしている為、意見が割れることなく政策を通しやすいからだ。

 

 王国のように貴族と王族で覇権が割れている場合は、一つの政策を通すにも根回しや賄賂が必要となる。

 

 

 無論、その指導者が権力欲に溺れる無能であった場合は、王国以上に酷い有様になるのだが。ジルクニフは近代稀に見る優秀な王である為、帝国は彼の力によって年々進化している。

 

 魔法学校などの教育制度を充実させたり、闘技場などの催し物を定期的に実施しているのも急成長の要因だろう。

 

 

「この二つに関しては、鮮血帝は軍事力強化や娯楽以外にも目的があって力を入れているんでしょうね」

 

「……軍事娯楽目的以外に何かあるんですか?」

 

「寧ろ、軍事娯楽は本筋のオマケに過ぎないと思いますよ」

 

 

 あの取り組みの真の目的は、人材の育成と優秀な人材の国外流入による帝国の繁栄である。

 

 教育制度がしっかり定着すれば、それによって民衆から優秀な人材を輩出出来る。

 

 鮮血帝が身分に囚われず優秀な人材を雇用して身近に侍らせているのは、民衆でも成り上がれるという実績づくりや宣伝も兼ねているのだろう。

 

 闘技場を開催すれば、民衆の不平不満の捌け口にもなるし、公共事業としての収入にも繋がる。

 

 更に腕自慢の人材が闘技場でひと稼ぎしようと帝国に流入することにより、需要と供給が生まれて帝国の経済は活性化する。

 

 そして鮮血帝もそんな人材の中から有能な者を見出して、自分の手駒として雇用することが出来るのだ。

 

 一石二鳥どころか、一石三鳥。

 将来を見越した素晴らしい政策である。

 

 

 そう語ると、ニニャはポカーンとした様子で口を開いていた。

 

 

「……イチグンさんは素晴らしい先見の明をお持ちですね。何処かでそう言った学問を学ばれたのですか?」

 

「齧った程度ですがね」

 

 

 最終学歴は大学中退だし、この程度の考えなら原作知識があれば誰でも出来るだろう。

 

 それは俺が特別優れているからという訳ではなく、そういった知識を教えてくれる教育制度が日本という国は充実していたからである。

 

 

 だからこそ民衆を軽んじる権力者で溢れた王国に未来はないと思った。

 

 民衆は自分達の食い扶持を稼ぐ奴隷程度にしか考えていない為、国を支える民の成長がなく、結果として国そのものが停滞したままとなるからだ。

 

 停滞は衰退と同じだ。

 王国の腐敗した内政に見切りをつけ、未来ある帝国に移住した者達は沢山居るだろう。

 

 

「まぁ、それも帝国――というより鮮血帝の狙いの一つだと思いますけどね」

 

「それは一体どういう意味ですか?」

 

 

 国の行く末を不安に思ったのか、隣にいたペテルが尋ねてくる。

 

 

 俯瞰的に物事を見れば簡単な話だ。

 定期的に戦を仕掛けることにより、王国の財政や人材を疲弊させる。

 

 圧政によって王国を離れた人材を帝国に囲い込み、敵国の情報を得ながら徐々に領土を拡大する。

 

 そして最終的には王族に成り代わって、王国全領土を支配統治する。

 

 

 ジルクニフは既に王国を侵略支配することではなく、統治管理することにまで視野を広げているのだ。

 

 悪政の被害者である王国の民に、善政を敷くことで鮮血帝は圧倒的な支持を得られるだろう。

 

 そうなれば支配後の統治もスムーズになる。

 後は自分の信頼できる人材を派遣して、管理すれば良いだけだからな。

 

 

「僕としては是非ともそうなって欲しいんですけどね」

 

 

 この国の権力者に深い恨みを持つニニャは、そうなる未来を望んでいるようだが、その考えは余りにも浅はかである。

 

 

「その過程で何十万人という王国の民の命が奪われる可能性もあるのにですか?」

 

「あぅ!?」

 

 

 そう指摘すると、ニニャはバツが悪そうに顔を伏せる。

 

 

 結局、真っ先に被害を受けるのは権力者ではなく末端にいる国民なのだ。

 

 何故なら危険な最前線へと駆り出されるのは、農村などから強制招集された若い男達であるからだ。

 

 しかも、訓練された帝国兵とは違い。戦すら経験したことのないような即席の兵士ばかり。武装もそれに倣って貧弱である。

 

 これで王国は兵を揃えたつもりになっているというのだから、ちゃんちゃら可笑しな話である。

 

 

 しかも帝国には魔法という戦術まで充実しているのだ。

 

 如何に頭数を揃えたところで魔法による殲滅攻撃で無駄死にだ。そして男手を失った国民達は更に貧困に苦しむ破目になる。

 

 そしてそんな国の内情を理解していない馬鹿な権力者達は、戦に勝つ為であるという大義名分の下、国民達を地獄に突き落とす政策を実行に移すという悪循環。

 

 勝てない戦など、最初からやらずに降伏した方がずっとマシである。

 

 

 そういうとペテルとダインは気難しい顔を浮かべながら呟く。

 

 

「……私は自分の浅学が恥ずかしいですよ。王国に居ながらそんな不穏な未来を想像すらしていなかったのですから」

 

「全く以てペテルの言う通りである。正しく股間からポーションが出る話であるな」

 

「「ごふっ!?」」

 

 

 真剣に頷きながら呟いたダインの一言に、俺とアインズさんは同時に吹き出した。

 

 

(……股間からポーションってアンタ)

 

 

 シリアスな雰囲気でとんでもないことを口走った髭親父に、思わずツッコみそうになったわ。

 

 同じことを思っているであろうアインズさんに念話で話し掛ける。

 

 

『……「目から鱗が落ちる」といった意味合いで使ったのは判るけどさぁ。自動翻訳機能が酷過ぎるだろコレ』

 

『……時折、とんでもない言葉が飛び出すから油断なりませんよねホント』

 

 

 便利な言語翻訳機能であるが、常に完璧な翻訳が出来る訳ではない。

 

 日本語で言うところの四字熟語や諺などの、言葉の組み合わせによって意味合いの変化する異世界言語に関しては、ダインの発言のように直訳されてしまう場合があるのだ。

 

 俺はダインの唇の動きから、その異世界言語を読み取ったが別に下品な意味ではない。

 

 この王国ではオーソドックスな諺であり、単語として聞き取ると、回復薬や下半身といった意味合いの言葉としても使われていた為、このような誤訳となってしまったのだろう。

 

 

(……俺達がこんな感想を抱くってことは、逆もまた然りってことだよな?)

 

 

 知らない内に、此方の日本語が相手の誤解を招くような言葉に翻訳されている……なんてことになったら洒落にならない失態を招くだろう。言葉は複雑な言い回しを極力避けた方が無難かもしれないな。

 

 

 俺達がそんなやり取りをしている最中。荷馬車の反対側ではルプーに対し、ルクルットが下心丸出しで話し掛けていた。

 

 

「ねぇねぇ、ルプーちゃんの趣味って何?」

 

「ん~、悪党の悶え苦しむ姿を眺めることっすね。回復魔法で癒せば長いこと楽しめるし」

 

「――おふっ。ちょ、ちょっと質問が悪かったかなぁ~?好きな食べ物は何?」

 

「ひt……じゃなくて肉が好きっすね」

 

「おおっ、肉食系なんだねっ!男のタイプもワイルドな奴が好みだったりする?

俺とかどうよッ、割と鍛えてるし野性味溢れる男だとは思わないかな?」

 

「アハハッ!冗談は顔だけにした方が良いっすよ。雌に種付けすることしか考えてない雄犬そのものじゃないっすか!あっ、でもそういう部分は確かに野性味溢れてるっすね!」

 

「……」

 

 

 ルプーの容赦のない駄目だしに、哀愁漂う表情を浮かべたまま涙目となるルクルット。

 

 文字通りその娘、肉食系の猛獣だからやめといた方が無難だよ?

 

 そう助言したいところだが、折角話も弾んでいるのに、態々水を差すのも悪いと思ったので放置することにした。 

 

 鋼の心臓の持ち主であるルクルットは、そんな塩対応にもめげずにルプーへの求愛行動を続ける。

 

 そんな仲間に対し、リーダーのペテルは溜息を吐きながら注意する。

 

 

「ルクルット、俺達はリィジーさんの護衛依頼で此処に居るんだぞ。一切喋るなとは言わないけど、もう少し周囲を警戒したらどうなんだ?」

 

「大丈夫だって。いざとなれば俺の耳が知らせてくれるからさ。森には常に意識を向けてるしな」

 

 

 そういって左手の親指で、道の真横にある森林を指し示すルクルット。

 

 馬車の右手側は俺達がカバーしており、見晴らしの良い平原が広がっているが。馬車の左手側は鬱蒼と茂る森があり、視界が悪い為、常に魔物の出現を警戒しなければならない。

 

 故に耳の良いルクルットが敵の襲撃を警戒しているのだが、ルプーとの会話に集中しているように見えたので、リーダーとして諫めたのだろう。 

 

 そんな二人のやり取りを見て、ルプーはコテンと首を傾げながら尋ねる。

 

 

「耳が良いんすか、ルクルットさんは?」

 

「おうよっ、俺の耳がある限り敵の襲撃は直ぐに察知して見せるぜルプーちゃん」

 

 

 そういって自信満々に語るルクルットであったが、ルプーの一言で台無しになる。

 

 

「私も鼻が利くんですけど、なんか敵近づいて来てるっす。5、6体ぐらい」

 

「「え゛っ!?」」

 

 

 そういって森の一角を指し示すルプー。

 

 半信半疑であったルクルットが耳を澄ますと、目を見開いて驚いた。

 

 

「……マジで近づいてきてるぜこりゃ。大型の敵1体に小型の敵が5体。恐らくゴブリンとオーガの群だ」

 

 

 そんな言葉と共にルクルットが矢を番え、ペテル達は剣や杖を構える。

 

 暫くすると木々をガサガサと掻き分けながら、小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)の群が現れた。

 

 醜悪な表情で血痕の付着した薄汚い布切れや棍棒で武装した魔物達である。

 

 

 現実世界であれば悲鳴を上げながら腰を抜かしていたかもしれないが、生憎この程度の脅威などシャルティア戦を経験した俺にとっては鼻糞のようなものだ。

 

 さてやるかと武器を構える俺達であったが、まさかのストップが漆黒の剣から掛かった。

 

 

「……申し訳ありません。此方の不手際で敵の接近に気付くのに遅れました」

 

「故に此処は我々に任せて欲しいのである」

 

「……はぁ~、耳の良さには自信あったのになぁ。ルプーちゃんの鼻は犬並に利くんじゃねぇのか?」

 

「ほら、愚痴らないで構えて下さいルクルット」

 

 

 そういって漆黒の剣が魔物の前に躍り出て、戦闘を開始する。

 

 ルクルットの矢が開幕と同時に人喰い大鬼(オーガ)の目を正確に射貫き、敵の主戦力を封じてしまう。

 

 ニニャの《魔法の矢/マジック・アロー》が小鬼(ゴブリン)の胸部を射抜き一体仕留める。

 

 ダインの《植物の絡みつき/トワイン・プラント》により小鬼(ゴブリン)二体が足止めされた。

 

 動揺した相手の虚を突く形で、ペテルが華麗な剣捌きで小鬼(ゴブリン)二体の首を切り裂き、ルクルットの矢が足止めされた二体の小鬼(ゴブリン)の頭を貫く。

 

 残る敵は片目を失った愚鈍な人喰い大鬼(オーガ)一体のみ。こうなれば最早勝負は決まったも同然だ。

 

 

「これでも喰らいなっ!」

 

「《下級筋力増大/レッサーストレングス》

《下級敏捷力増大/レッサーデクスタリティ》」

 

「《植物の絡みつき/トワイン・プラント》」

 

「武技〈斬撃〉ッ!」

 

 

 ルクルットの追撃により、両目を失った人喰い大鬼(オーガ)は顔を抑えながらのた打ち回る。

 

 その隙にニニャはペテルに補助魔法を施し、ダインは相手を植物の蔦で絡めとる。

 

 補助魔法により能力の底上げされたペテルは、武技〈斬撃〉を用いながら、我武者羅に暴れ回る敵の攻撃を躱し、ヒット&アウェイで急所を斬りつける。

 

 そんな斬撃を幾度とその身で受け止めた人喰い大鬼(オーガ)は、力なく地面に倒れ伏す。

 

 誰が見ても判るぐらいの快勝であった。

 

 

(……良いチームワークだな)

 

 

 状況や敵に合わせて、即座に最適なフォーメーションを組み、伝令無しで連携をとる。

 

 言葉にすれば簡単だが、コレが実戦で出来るチームは中々ないだろう。

 

 

「……ほぉ~、こりゃぁたまげたわい。嘗て依頼した金級冒険者以上に連携がとれておるのう」

 

 

 リィジーも素直に感心しており、賞賛の言葉を彼らに贈る。

 

 アインズさんはそんな彼らのチームワークを見て、ユグドラシル時代の出来事を思い出しているのか、何処か眩しいものを見るような羨望の視線で漆黒の剣の面々を眺めていた。

 

 だが次の瞬間には何かに気付いたのか、唖然とした様子で話し掛けて来る。

 

 

「……活躍する機会、見事に奪われましたね」

 

「……それは言わないお約束でしょモモンさん」

 

 

 何れ俺達の活躍する場面も訪れるはず……トブの大森林まではお預けだなと返答した。

 

 しかし、漆黒の剣の戦いに触発されてしまったのか、闘いと活躍の場を求めるアインズさんは《伝言/メッセージ》を使って提案してくる。

 

 

『もしよければ効果検証も兼ねて、このアイテムを使ってみませんか?』

 

『その小瓶は何ですか?』

 

『ユグドラシルで使ってた消耗型の上級アイテムですよ』

 

 

 アインズさん曰く、このアイテムを使用すると。一番最後にエンカウントした魔物との遭遇率が高まるらしい。

 

 ユグドラシルでは稀少性の高い魔物をレアドロップ目的で何度も狩りたい時に使っていたのだとか。

 

 本来なら小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)如きに使うようなアイテムではないのだろうが、効果検証してなかったし丁度良い機会だとでも思っているのだろう。

 

 ワクワクといった様子で使う気満々のアインズさんであったが、どうも効果が不明確なアイテムを本番で使うのには不安が残る。

 

 使ったらワールドエネミー級の強敵が出現するとかに、仕様変更されてないだろうな?

 

 

『大丈夫ですよ。フレイバーテキストにも、そんな記載はありませんでしたから。じゃあ使いますね』

 

『……あ゛っ』

 

 

 そう言ってアインズさんは、此方がうんと頷く前に小瓶を握り潰した。

 

 

 ……この骸骨。外の世界を冒険出来るという解放感で完全に浮かれているな。

 

 そんな漆黒の戦士をジト目で睨むが、此方の視線には一切気付かぬまま、敵の出現を待ち望むアインズさん。

 

 

 数秒が経過。

 ――辺りはシーンと静まり返っている。

 

 数分が経過。

 ――荷馬車がガラガラと動く音しか聞こえない。

 

 数十分が経過。

 ――ルクルットの口説き文句が、虚しく周囲に響き渡る。

 

 

『……何も起きませんね』

 

『……仕様変更されて、効果が発動しなかったんじゃないですか?』

 

『……えぇ、そんなぁ~』

 

 

 そういうと残念そうに肩を落とすアインズさん。

 

 まぁ其処まで気落ちしなくとも、今後チャンスは巡って来るさ。

 

 

 ――そんな風に考えていたのだが、思いの外チャンスは早く訪れた。しかも()()()

 

 

「……おいおい、ヤベェぞこりゃ。皆、直ぐに荷物を捨てて逃げるぞッ!!」

 

「おやおや、団体さんのお出ましっすねぇ」

 

 

 おどけた調子のルクルットが、急に真面目な表情になって叫ぶ。

 

 彼は冷や汗をダラダラと流しながら、ジッと森林の奥を凝視し。ルプーも牙を剥きだしにするような好戦的な笑みを浮かべ同じ方向を見据える。

 

 

「「グォオオオオオ!!」」

 

 

 静寂を切り裂くような魔物達の咆哮が、周囲に(こだま)する。

 

 薙ぎ倒される森の木々により、平穏な草原は一気に騒がしくなる。

 

 倒れる木々から小鳥達が一斉に飛び立ち、皆口々に『逃げろ逃げろ』と囀った。

 

 

「……マジかよ」

 

 

 目の前の惨状に、俺は思わず目を覆い隠したくなった。

 

 

 青々と生い茂る藪を掻き分けて現れたのは、何の変哲もない小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)である。

 

 但し先ほどとは数が桁違いだ。

 軽く100体は超えるだろう軍勢が、明確な敵意を持って此方に襲い掛かって来たのだ。

 

 

 そんな大惨事を引き起こした漆黒の戦士にチラリと視線を送ると、彼は緑色の燐光を纏った後冷静に呟いた。

 

 

「――成程、効果は抜群のようですね」

 

 

 そういって背中に背負った大剣を、スラリと引き抜いたアインズさん。最早弁明することは愚問と言わんばかりの態度である。

 

 

「おっ、皆良い表情してますねぇ!やる気(死ぬ気)満々じゃないっすか!」

 

 

 絶望の表情を浮かべたまま、小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)の大群を見据えるリィジーと漆黒の剣の近くでは、ルプーが天真爛漫な笑みを浮かべつつ杖を構えていた。

 

 

「……はぁ~。《R1:眷属召喚(サモン・サーヴァント)》」

 

 

 そんな彼らの様子に呆れながらも、暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)を召喚し、朱槍を構えて戦闘に備える俺。

 

 

 こうして平穏な草原は、血生臭い惨劇の事故現場となるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは絶望と呼ぶに相応しい光景であった。

 

 森の木々を薙ぎ倒しながら押し寄せる魔物達の大群。

 

 刀や槍などの多彩な武器で武装しており、狼に騎乗した機動力の高い小鬼の騎手(ゴブリンライダー)まで混在しているのだ。

 

 軽く数えただけでも百体以上はおり、醜悪な魔物の肉壁がリィジー達の視界を埋め尽くし、津波のように押し寄せて来た。

 

 

 どう考えても絶体絶命の状況であるが、モモン・イチグン・ルプーの三人は、まるで散歩にでも赴くかのような気軽さで戦場の最前線に立つ。

 

 

「皆さんは荷馬車でリィジーさんと共に待機して下さい」

 

 

 そんな言葉と共に、モモンは二本の大剣を片手で支えながら身を屈める。

 

 そして次の瞬間、爆音と共に地面が抉れ、モモンの姿が掻き消えた。

 

 

「「……えっ?」」

 

 

 漆黒の剣とリィジーの呆然とした声が戦場に響く。

 

 それも仕方のないことだろう。つい先程まで隣にいたモモンが土煙と共に居なくなり、数百メートルは離れている敵陣のど真ん中に出現したのだから。

 

 圧倒的な身体能力により一気に加速したモモンの身体を、彼らは目で追うことが出来なかったのだ。

 

 

「はぁあああああッ!」

 

 

 先陣を切って敵に突っ込んだモモンは、二本の大剣を巧みに操り、流れるように魔物達を斬殺する。

 

 その剣戟により、巨大な人喰い大鬼(オーガ)が脳天から股にかけて真っ二つにされ。恐怖で硬直した小鬼(ゴブリン)を数体纏めて(なます)切りにする。

 

 大剣の間合いに入っただけで、問答無用と言わんばかりに敵を屍に変えるその姿は、さながら死の竜巻である。

 

 周囲に血肉が飛び散り、魔物の大群が中央から真っ二つに分断された。

 

 

「漆黒の剣の皆さんは、荷馬車の守りを固めつつリィジーさんの護衛を」

 

 

 イチグンは魔物の大群を見て暴れ回る馬を即座に諫めると、召喚魔法を用いて黒い粘体生物を召喚する。

 

 召喚された暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)はリィジー達の前に移動すると、身体の一部から触腕を生やして鋭い刃物のように形状変化させた。 

 

 

「お前も護衛と打ち漏らした奴らの相手を頼んだぞ」

 

 

 そんな主からの命令に、暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)は嬉しそうに身をプルンと震わせて了承の意を示した。

 

 

「武技〈縮地・改〉」

 

 

 武技を使うと同時に、イチグンはまるで氷上を滑るかのように地面を滑走する。

 

 モモンの一騎駆けにより分断された軍勢を、凄まじい速さで駆逐していく。

 

 魔物を倒すごとにその速度は加速し、遂にはモモンすら超える機動力で動き回る神速の騎士となった。

 

 戦況を遠くから眺めている漆黒の剣の面々には、黒い影の残像しか映っておらず。間近で対峙している小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)達はそんな残像すら見ることが叶わない。

 

 一刺一殺。

 

 正確に頭部や心臓を穿つ槍の一撃で、何が起こったかもわからぬまま敵は死に絶えた。

 

 

 次々に血溜まりに沈む仲間達を見て、小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)は恐慌状態に陥る。

 

 相手と自分達の圧倒的な力量の差を思い知らされ、進路を反転させて森に逃亡しようと目論んだが、それを許してくれるほど対峙した相手は甘くなかった。 

 

 

「敵前逃亡は頂けないっすねぇ~」

 

 

 彼らが逃げようとした森の手前には、既に一人のシスターが回り込んでいた。

 

 豪華な装飾の施された杖を右手に掲げながら、ルプーは嗜虐的な笑みを浮かべつつ魔法を発動する。 

 

 

「《魔法誘導化/ホーミングマジック》

《魔法効果範囲拡大化/ワイデンマジック》

《魔法距離延長化/ロングレンジマジック》

《魔法三重化/トリプレットマジック》

《聖浄なる月光/シャイニングレイ》」

 

 

 神秘的な魔法陣が虚空に描かれ、三つの丸い球体が出現する。

 

 それらは白い燐光を放ちながら高速回転し、聖なる祝福の施された光の矢を周囲にばら撒いた。

 

 本来なら光球の近くにいる敵を無作為に攻撃する信仰系の第5位階魔法なのだが、補助魔法を重ね掛けしたことにより、広範囲の敵に影響を及ぼす殲滅兵器となった。

 

 

 森に逃げ込もうとした者達は、森に入る一歩手前で手足を穿たれ草原に崩れ落ちる。

 

 一人としてその攻撃に晒されて死んだものは居ない。何故なら彼女(ルプー)がそうなるように仕組んだ(加減した)からだ。

 

 

「あらら、失敗っす。コレってコントロール難しいんすよねぇ~」

 

 

 そんな態とらしい呟きと共に、彼女は近くで蠢く小鬼(ゴブリン)の下に歩み寄ると、持っていた杖の先端でグチャリと頭部を叩き潰した。

 

 地面に転がった十数体の小鬼(ゴブリン)達は、仲間の末路を見て恐れ慄くが。手足の自由を奪われた彼らは、その痛みに呻くことしか出来ない。

 

 芋虫のように身を捩らせる彼らを、無邪気な子供が蟻を踏み潰すかの如く、一匹、また一匹と時間を掛けてトドメを刺すルプー。

 

 

「「グゥゥ……ゴォオオ……」」

 

 

 そんな残虐非道なシスターの姿を見た魔物達は、己の不運を嘆くような悲鳴を漏らしながら、必死で無い知恵を絞り出す。

 

 

 前門の虎に後門の狼。

 前に進めば漆黒の鎧を纏った戦士達に容易く命を刈り取られ、後ろに逃げれば残虐なシスターに嬲り殺される。

 

 幾ら群れで挑もうとも結果は変わらない。

 ならばと彼らは群れることの利を捨て、各々がバラバラに逃げ始める。

 

 そして三人の猛威を潜り抜けた者達の一部が、狂乱の咆哮と共に荷馬車に待機した漆黒の剣へと決死の特攻を仕掛けたのだ。

 

 

「――ッ皆、防御を固めろッ!」

 

 

 リーダーであるペテルが真っ先に我に返り、仲間達に指示を飛ばす。  

 

 なりふり構わぬ小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)が、手に持った得物を力任せに投げつけて来たのだ。

 

 粗末な槍や丸太のような棍棒が一斉に荷馬車に投擲される。

 

 ペテルは武技〈要塞〉を発動し、ニニャは《鎧強化/リーンフォース・アーマー》を連続行使。

 

 ダインとルクルットは、ニニャが魔法で強度を上げた手荷物を盾のように掲げリィジーを守るが、それらは無意味な徒労行為に終わる。

 

 

「「……グガッ?」」

 

 

 小鬼(ゴブリン)達の間抜けな声が響き渡る。

 

 彼らの傍に待機していた暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)が、投擲された槍を切り払い。飛来する棍棒を護謨のような柔軟な身体で受け止めて跳ね返したのだ。

 

 丸太のような棍棒は投げられた時以上の速度で敵に跳ね返され、傍にいた小鬼(ゴブリン)達は、そんな反撃に巻き込まれ轢き殺された。

 

 

「「……え゛っ?」」

 

 

 一抱え程の大きさしかない粘体生物による蹂躙劇に、再び思考停止するリィジー一行。

 

 ピタリと足を止めた魔物達に対し、暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)はプルンと身を一度震わせると、分裂して二つに別れた。

 

 

 二つに別れた内の一体は、頭部が刃のついた触手に成り代わってしまった仔犬のような姿に形状変化する。

 

 触手の先端には剥き出しの眼球のようなものもついており、その血走った眼が何かを探索するようにギョロギョロと忙しなく動き回る。

 

 

「……うっ……あっ」

 

 

 その歪で禍々しい姿にペテルはゴクリと唾を呑み込む。

 

 小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)の大群よりも、目の前に居る歪な黒い仔犬の方が恐ろしい存在に思えたからだ。

 

 

「な、何ですかコレはっ!?」

 

 

 そしてもう一体は、もっと奇妙な形状に変化していた。

 

 長い筒や板を重ね合わせて出来たような近未来的なフォルムは、チームの頭脳として知識を蓄えてきたニニャですら見たこともないような形状であり、これから何が起こるのかまるで予想が出来なかった。

 

 ニニャが知る由もないことだが、その形状は近代兵器の固定機銃そのものであった。

 

 暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)による即席の固定機銃は敵に狙いを定め、強酸性の黒い弾丸を銃口から吐き出した。

 

 

「グォオオオオオッ!!」

 

 

 腹部に着弾した一体の人喰い大鬼(オーガ)は、その激痛に呻き苦しむ。

 

 着弾した部分から侵食するように広がる強酸性の猛毒は、人喰い大鬼(オーガ)の腸を溶かしてあっという間に絶命させる。

 

 

「グギッ!?ニゲr――」

 

 

 それを見た他の魔物達は、再び方向転換して難を逃れようとするが、数歩と歩かぬ内に背後から凶弾で撃ち抜かれた。

 

 背骨を溶かされて、頭蓋骨を溶かされ、物言わぬ歪な肉塊となる。

 

 リィジー一行に襲い掛かった小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)は、一体のスライムにより瞬く間に駆逐されてしまったのだ。

 

 

「……アハハハッ、なぁにコレ?」

 

 

 弓使いである自分以上の射撃能力を披露した出鱈目なスライムを見て、頬を引き攣らせながら壊れたように嗤うルクルット。

 

 しかしそんな機銃掃射すらも、このスライムにとっては能力の一端に過ぎなかったのだ。

 

 

「……フシュルッ……フシュルッ」

 

 

 無数の触腕を頭部から生やした黒い仔犬は、奇妙な呼吸音と共に首元からダラダラと涎を垂らす。

 

 その涎は先ほどの弾丸と同じく強酸性なのか、ジュウゥゥと焦げ付くような音と共に地面に生えた草木を溶かす。

 

 仔犬が触手の先端についた目で捉えたのは、必死で草原を駆ける小鬼の騎手(ゴブリンライダー)であった。

 

 

「――クゥ~ン」

 

 

 その歪な姿には似つかわしくない、愛らしい鳴き声を上げた仔犬。

 ――それは狩猟開始の合図でもあった。

 

 

 ボッという風切り音と共に駆け出した仔犬は、一番遠くに逃げていた小鬼(ゴブリン)と狼の首を刎ね飛ばす。

 

 距離にして500m以上はあっただろうに、辿り着くのは一瞬であった。

 

 鮮血により草原が真っ赤に彩られ、敵は断末魔すら上げることなく即死した。

 

 

 暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)は元々防御と素早さに特化した魔物であり、直接的な物理攻撃は貧弱だ。半分に別れた今の状態では元のLvの半分――つまりLv30前半程度のステイタスしか持たない。

 

 本来であればこのような出鱈目な速度や、小鬼(ゴブリン)の首を一撃で跳ね飛ばせるような攻撃力は持たないが、この魔物にはユグドラシルの召喚モンスターにはない特異性があった。

 

 

 それは術者の肉体の一部として扱われるという点である。

 

 

 術者の肉体の一部として扱われているが故に、術者を対象として発動するバフの一部が暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)にもフィードバックされるのだ。

 

 イチグンが大量の魔物を討伐したことにより、〈贄の刻印〉(にえのこくいん)が発動。そのバフの恩恵により、暗黒魔粘体(ダークネス・スライム)の物理攻撃力と素早さが大幅に向上したのだ。

 

 

 戦いを放棄して逃げ回る敵は、そんな猟犬に追い詰められて、あっという間に食い殺される。

  

 縦横無尽に草原を駆け回る黒い仔犬は、決して獲物を逃がすことのない不死の猟犬(ティンタロス)そのものであった。

 

 

「……グォオオオオッ!!」

 

 

 最後の一匹となった人喰い大鬼(オーガ)の断末魔が草原に響き渡り、そんな人喰い大鬼(オーガ)の首を容赦なくモモンが斬り落とす。

 

 リィジー一行に襲い掛かって来た魔物達は一匹残らず全滅。

 

 僅か数分と経たぬ内に、平穏な草原は魔物達の屍が転がる地獄絵図となった。

 

 

 そんな血塗れの草原を踏みしめながら、モモン達一行は荷馬車で石像のように固まっていたリィジー達に近づく。

 

 

「どうやら無事、討伐出来たようですね」

 

「……いやいや、流石にコレはやり過ぎでしょうモモンさん」

 

「ん~、久々に運動したっすねぇ♪」

 

 

 血塗れの大剣を軽々と片手で持ち、息一つ乱していないモモン。

 

 アレほどの乱戦にも関わらず、返り血一つ浴びていないイチグン。

 

 見たこともないような大魔術を行使し、この地獄のような惨状で笑みを浮かべるルプー。

 

 

 そんな三人の姿を眺めながら、ペテルは思った。

 

 

「……ハハハッ、貴方達は何という」

 

 

 ――常識外れな存在なんでしょうか。

 

 その心境は、英雄達の活躍を見て憧れを抱いた青年というよりは、異次元の怪物達を目撃して価値観の崩壊した被害者の諦観であった。

 

 

 

 




悲報

・骸骨魔王がまたうっかりをやらかしました。

気の合う友人と冒険出来ることに浮かれており、漆黒の剣にチームプレイの楽しさを見せつけられたから仕方ないねッ!


・原作で描写されてる信仰系魔法があまりにも少な過ぎィいい!

……回復系や補助系の魔法はあっても、攻撃魔法が少なすぎるでしょ。あっても単体攻撃しか出来ないような奴ばっかりだし。否応なしに範囲攻撃の信仰系魔法はオリジナル要素が増えそうだ。


・暗黒魔粘体ヤバすぎぃ

スライム最強!実はイチグンの〈狂戦士の魂〉(バーサーカーソウル)の効果も有効だったりします。ただ召喚解除する度にログアウト扱いになり、バフは全部消えるので、永続的な強化は無理っぽいです。





~独自設定・言語翻訳について~


原作では一番意味の近しい言葉に自動翻訳されるとなっておりましたが、完璧に異なる言語を翻訳することなど不可能なのではと感じました。

『何言うてんねん、不思議な力で自分にとって一番意味の近い日本語に自動翻訳されるからそんな不具合起こらへん』って方もいると思いますが、それだと個人によって耳にした会話の内容に齟齬が生まれ、会話が噛み合わなくなってしまいますからね。

つまりアインズもイチグンも配下達も、言葉の意味が判るか判らないかに関わらず、現地人の言葉が日本語に翻訳された際は、一言一句同じ文言を聞いているはずなのです。

ということは第三者が翻訳する日本語をコレだと定義している訳なので、そういった不具合は起こり得るはず!

自動翻訳機能は優秀かもしれませんが、日本語でいうところの諺や四字熟語みたいな単語の組み合わせによって意味の変わる言葉だったり、王国限定の格言みたいな言葉に関しては誤訳があっても可笑しくはない……と勝手に思ってたりします。

 
  

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