ハイスクールD×Ω   作:tubaki7

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episode4

 

兵藤一誠は悪魔である。つい三日前までは普通の人間として暮らしていた彼だがとある一件から彼は一度絶命しその魂をリアス・グレモリーの下僕となることを条件に復活し悪魔となった。最初は困惑していたが説明を受けて以来自分が悪魔だということと、もう普通じゃないということを実感しているらしい。今ではオカルト研究部――――通称オカ研にも出入りしている。そこでの一誠の悪魔としての仕事がなんとビラ配り。これが悪魔のやることかと疑問にも思ったがリアスの命令とあれば逆らうことはできない・・・・いや、逆らうなんて考えは毛頭ないようで一瞬疑問に思っただけでチラシの入った肩掛けのバッグを手に出て行った。

 

それから数時間後。

 

 

「そういえばなんで聖一はビラ配りしないんだ?俺とそんな大差ないんだろ」

 

「えっとね――――」

 

「聖一は私の眷属じゃないし、そもそも悪魔でもないのよ」

 

 

聖一の言おうとしていた言葉をリアスが代わりに喋る。

 

 

「聖一はアギトって言って、いうなれば神様の生まれ変わり、候補みたいなものなのよ。と言ってもこれはわかりやすく言った例えであって実際は違うのだけれど」

 

「聖一・・・・おまえ、神様だったのか」

 

「だから違うって。て言うかなんでファイティングポーズなのさ」

 

「いや俺悪魔だし」

 

 

つまり自分が反存在であるから危ないのではと思ったらしい。それがギャグでも少しだけ傷ついた聖一はあとで仕返ししてやろうと誓って説明をリアスから引き継ぐ。

 

 

「いい?確かに僕は悪魔からしてみれば毒が手足生やして歩いてるようなものだけど、それは変身していたらの話。力を使ってなければ僕は普通の人間だよ。まあ多少違う節もあるけど」

 

「ちなみにアギトになった聖一君に触れられると低級悪魔なら一瞬で蒸発するから気を付けて。特に兵藤君は三日前に悪魔になったばかりだから3秒持たないよ」

 

 

それを言われてゾッとした後に聖一を見る。相変わらず困ったように笑うその顔がどこか悲しそうな色を帯びていたのは多分間違いじゃないとこの時の一誠は思った。

 

 

「でも、変身してなければいいんだろ?なんも変わんねーよ」

 

 

それを見抜いた一誠がそう一言言うと心なしか笑顔が戻ったことに一誠もつられて笑った。やっぱりこいつにはこういう表情してる方が似合ってると思いながらリアスが締めくくるように続ける。

 

 

「だから変身している時の聖一には絶対に触らないこと。上級悪魔以外が触れば一瞬で消滅してしまうって言葉の通り、傷を癒したりはできないからそのつもりで」

 

「あの~、それって小猫ちゃんと木場も一緒なんですか?」

 

「私は、もって3分・・・・」

 

「僕は5分。それから、部長は上級悪魔だから1時間で副部長が制限なしだよ」

 

 

・・・・あれ?なんで制限なし?一誠の頭に疑問が浮かぶ。ここに居るのは全員悪魔なわけだから副部長である姫島朱乃も同じく制限があるはず。それがなぜか一人だけないのはおかしい。上級悪魔であるリアスでさえ制限があるというのに、だ。

 

だがそれを聞こうとした瞬間にリアスが間髪入れずに割り込んできた。

 

 

「聖一、今日のお菓子はなにかしら?」

 

「あ、はい。今日はマフィンです。ちょっと待ってくださいね」

 

「私も手伝うわ」

 

 

奥へと消えていく朱乃と聖一を見た後、何食わぬ顔で専用のデスクの上にある紅茶の入ったカップの傾けるリアス。どう考えても今のは不自然すぎる、とこれは流石に一誠もおかしいとは思った。明らかに今「そのことには触れるな」と無理やり話を断ち切ったのが窺える。触れてほしくない話題ならはっきり言ってくれればいいのにと思いながら漂ってきたかぐわしい香りに思考をすぐさま切り替える。聖一の腕前はここでも評判はかなりいいらしく木場に訊いたところいつもこんな感じとのこと。こんなにおいしいお菓子と紅茶があってさらに美少女に囲まれて部活できるなどまさに天国だと鼻の下を伸ばす。

 

それと同時に頭まで痛くなったのは彼が悪魔になったということを示していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聖一ってさ」

 

「なに?」

 

「姫島先輩と仲いいよな。なんでだ?」

 

 

帰り道にふとそんなことを聞かれた。なぜか怒気のこもった声なのはきっと部活のことなんだろうなと親友のエロさ加減に軽くため息をはいて説明する。

 

 

「・・・・昔、僕の両親と朱乃先輩の家族とはちょっとした仲でさ。よく遊んでもらったりして、僕的にはよく遊んでもらった年上のお姉さんってとこかな。結構一緒にいる時間も長かったしお泊りした時はよく一緒にお風呂に入ってたりもしたから」

 

 

そこで聖一はしまったと顔をそむける。今の一誠にこのワードはNGだったと後悔してももう遅い。すぐさま食いついてきた一誠に心底めんどくさい顔をして弁解する。

 

 

「入ったって言ってもまだ互いに小さな時だし、小学校あがってからはそんなこと一度もないよ。っていうか顔近い!」

 

 

やたらと近い一誠を叩いて黙らせる。

 

 

「けど今日の部長なんかヘンじゃなかったか?あんな露骨な話の逸らし方してさ」

 

「ちょっと色々あるんだよ。ホラ、元浜君がよく言ってたじゃない?女性はミステリアスな雰囲気がある方がいいって」

 

「そういうもんかな?」

 

「そういうもんだよ。さ、帰ろう」

 

 

やっぱり何かある。いつか時が来れば話してくれるだろうか?

 

そんなことを考えながら一誠は聖一の後に続いた。




今更ながらキバにすればよかったと軽く後悔しているでござる
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