ヒロアカ転生、かっちゃんでTS   作:しろぷー

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004 合格、初登校、相澤先生

 試験から1週間。1万もの受験生がいたってのに、たったの1週間で採点、合否判定、合否通知用の撮影に配送までできるって、雄英っておかしくね?

 実技に重きを置いてるから、実技上位者から優先的に採点していってるのかもしれないけどさ。

 つまり、心操みたいに仮想敵倒せないタイプのやつは最初から採点すらして貰ってないのかもしれないな……

 なんか憐れだ。あんなに人質立てこもり事件で最強な個性のやつ、他にいねーってのに。

 

 

 

 たぶん原作かっちゃんの呪い的な物が全力で仕事してたのと、原作知識があったせいだろう。自信満々で、自室ではなく、リビングの母ちゃんの見てる前で封筒を開けて中に入ってたコインみたいな装置を起動させてしまった。

 

『私が投影された!』

 

 そこには原作知識の通り、雄英の教師に就任したオールマイトが合否発表をする姿が映し出された。

 これ、不合格者にはさすがに撮影はしてないんだろうな。

 一人五分程としても一万の受験生で、五万分。30人ぐらいの教師が同時進行不眠不休で撮影したとしても丸一日以上かかる計算になる。現実的じゃない。

 前世でもよく聞いた不合格通知はペラペラってやつは、このヒロアカ世界でもそのままなのかもしれない。

 

『ヴィランポイント77! これだけでも実技成績はトップ!

 だが、我々が見ていたのはそれだけじゃない。

 もう一つの評価ポイント。その名もレスキューポイント!

 人を助けてこそのヒーローという事さ。

 そちらも君は高得点、なんと55ポイント!

 合わせて132ポイント、文句なしっ! ダントツの主席合格だ!

 来いよ、爆豪少女。ここが、雄英が、君のヒーローアカデミアだ!』

 

 まさか100P超えになるとは。

 

 うーん、テンション高かったな、ははは。

 あ、気が付いたらめっちゃ手握りしめてた。まぁ、仕方ないよな。

 俺だってオールマイトのファンだし。

 

 原作かっちゃんだってオールマイト見てヒーローに成ろうと思った程のオールマイトファンだ。

 こんな事言われて奮い立たねえ程の玉無しじゃねぇ。

 まぁ、女になってしまったから、玉はないんだが……急に股間に寂寥感が……

 

「勝己!」

 

 母ちゃんが飛びついてきた。

 あ、原作みたいにババアとは言ってないんだ。

 こんな若い美人母ちゃんにババアなんて言えないよな。転生して良識を持ち越してる身としちゃよ。

 

「合格したぜ!」

 

 一頻り喜び合ったら、ちょっと電話したいからとリビングを出る。

 電話の先は当然デクだ。うわ、ワンコールで出たぞ!?

 

「おいデク! 合否通知来たぞ! デクの所はどうだ? 来たか!?」

『うん! うん! 今見終わって電話しようとしてた所! 合格だって!』

「よかったな! 行くぞ、雄英! ヒーローになんぞ!」

『うん! かっちゃん!』

 

 原作デクよりも努力し続けてきたんだ。努力が実って、本当に良かったな。

 

「母ちゃん! デクも合格してた!」

 

 

 

 瞬く間に日は過ぎ、入学式。

 雄英の制服に身を包み、家を出る。

 

「行ってくる!」

「行ってらっしゃい!」

 

 そして……学校の前に寄り道だ。「行くぞデクぅっ!」記念すべき初登校だから、一緒に行きたいって思っても仕方ないだろ?

 見送りをしてた緑谷母は、原作とはちがい痩せていた。まぁ、家にもちょくちょく行ってたし、痩せてるのを知ってはいたんだが。

 デクが毎日明るく元気にヒーロー目指してトレーニングしてたから、その影響かな?

 

 

 

 登校中、ふと思い出した事を話す。

 

「デク、個性も発現したし、努力が実って雄英にも入れた。

 そろそろデクを卒業して、出久って呼ぶか?」

 

 そう、もうただのヒーローに憧れるヒーローオタクじゃないんだ。

 ガキ大将かっちゃんの庇護下、ボスのお気に入りのデクは中学といっしょに卒業。

 デクは、いや、出久は今や雄英に通う誰に見せても恥ずかしくない、ヒーローの卵だ。

 

 オールマイトに認められて個性を手にした。

 頑張り屋の出久は、卒業する頃にはきっと100%以上の力をモノにして、日本を代表する期待の若手ヒーローになるんだろう。

 そして俺は、轟や八百万なんかと同じライバル枠に入っちまうのかね? 簡単に負けちまうようなつもりはねえけど。

 出久が、最高のヒーローになる物語って出だしだったんだもんな。

 

 そう考えたら、今まで守ってきた幼馴染みのデクが、どっか遠くに行っちまうような気がしてきた。

 なんか寂しいなぁ……

 

「ううん、デクでいいよ。まだ雄英に入れただけで、ヒーローになったわけじゃない。

 ボクは、まだまだ頑張れって感じのデクだよ!

 かっちゃんには今まで通り、デクって呼んでほしい。」

 

 そう言った出久の笑顔は、眩しかった。

 なんか勝手に遠くに行っちまうなんて考えたのがバカみたいだ。

 そうだよ。出久が最高のヒーローになるとしても、それは俺が置いて行かれるって意味じゃなかった。

 俺に手を引かれてた、頑張り屋でかわいい「俺のデク」じゃなくなるだけ。

 これからは一緒に、隣に並んで歩く、「ヒーロー仲間の出久」になるんだ。

 

 俺は原作かっちゃんじゃねえって思ってたけど、やっぱりかっちゃんだったんだなぁ。

 デクが後ろにいる事を、どこかで当たり前に思ってて、そこ以外はどこか遠くだなんて感じてやがったとは。

 くそ、なんか無性に恥ずかしいな。

 

 出久は一人前に向かって歩き始めたのに、俺が足踏みして、本当に置いて行かれるところだった。

 まだ今日入学したばかりだぞ? 今から卒業後まで心配してどうする! バカじゃねーかっ!!

 

 俺だって原作よりも頑張って、俺と出久で2大ヒーローになればいいんだ。

 こいつに、オールマイトみたいな孤独な闘いなんかさせねえ。

 たった一人の平和の象徴になんかさせねえ。

 俺を置いて行かせやしねえ!

 

「あぁ、そうか。んじゃぁ、これからもよろしくな、デク。」

「うん!」

 

 なんかいい顔で言うんだぜ? よろしくな、ライバル。俺のヒーロー。

 それにしても今日はまだ春だってのに、クソ暑いな!

 

 

 

 雄英の巨大な敷地内の、これまたバカでかい校舎に入る。

 異形型個性だと、体もデカくなる奴もいる。ハ〇クレベルの奴とか。まぁ、あれは発動型だけど。

 そんなのが問題なく過ごせるように、廊下も扉もバカみたいにデカイ。

 そんな扉を開けて1-Aの教室に入る。

 中にはすでに何人か生徒がいる。

 

「デク、席は決まってるみたいだぞ。これ見てみろよ。」

「あ、ホントだ。」

 

 出席番号順に席が振り分けられている座席表があった。

 はは、そういや初日に確か原作かっちゃんは机に足乗せてるんだったか。確かこんな感じに……あれから10年以上経つし、さすがに細部は思い出せないなー。

 

「か、かっちゃん、机に足乗せるのは良くな「君っ!」うぇ!?」

 

 デクにうっかり注意されてしまったので足を下ろそうとしたら、メガネの委員長っぽいやつこと飯田がツカツカと足音高くやって来る。

 あ、これ飯田と爆豪の初日の言い合いのシーンになっちまったか?

 

「机に足をかけるな! 雄英の先輩方や机の制作者方に申し訳ないと思わないか!?」

「思わねーよ。ちょっと考え事してんだから、静かにしろ。」

「仮にも女子生徒だろう!? スカートの中が見えてしまうぞ! 足を下ろしたまえ!」

「なんだ? 見たいのか?」

「違う! そうじゃない!」

 

 飯田ってムッツリだったかな? こう言うのは峰田の役割だった気がするんだが。

 ふとそう思って周囲を見回すと、紫頭の小さいやつがすごい目でこっちを見ていた。

 あ、峰田じゃねーか。安定のスケベキャラに安心感すら湧くな。

 だが、あいつにわざわざ見せるのはむかつくから足下ろすか。

 

「しょうがねーな。騒がしい方が考え事に集中できねえ。

 足を上げてリラックスした姿勢は、足に行く血液を頭に回せっし、いい考えが浮かぶ気がするんだがよ。」

「そんな意図があったのか!? いやダメだ、やっぱり行儀が良くないぞ!」

「わかったわかった。」

 

 飯田、なんか簡単に騙されそうで心配なやつだな。そして峰田を指さして、睨み付ける。

 

「あとそこの葡萄頭、ガン見しすぎだ。軽く引くから視界から外れろ。」

 

 ふははは、かっちゃんから受け継ぐ目つきの悪さは健在だぞ。

 悪いな峰田、パンツぐらいどうでもいいが、てめーには見せてやらねーよ。

 それに、スパッツ履いてるからどうせ見えないけどな。

 キャラとしては好きだが、エロイ目で見られるのは胸の事もあってけっこう嫌なんだよ。

 そういうスケベネタは、はたで見るから面白いんだ。

 

 その後、デクに気が付いた飯田が試験中の話と自己紹介が始まった。

 そこにコミュ力が高い芦戸に切島、上鳴が参加し、次々に葉隠や梅雨ちゃんが輪に加わる。

 最後に麗日もやってきて教室は随分賑やかになった。

 

 

 

 なんやかんやで賑やかにしていると、ガラっと扉が開き、蓑虫マンが現れた。いや、相澤先生だ。

 

「お友達ごっこがしたいなら余所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」

 

 寝袋のままゼリー飲料を飲み干し、

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね……

 担任の相澤消太だ。よろしくね。」

 

 声は聞こえてきていないが、生徒たちの困惑の心の声が教室に響いている気がした。

 

「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」

 

 原作通りだな。じゃあ、原作通りじゃないTSかっちゃんはさっさと更衣室に行くとしますか。

 

 

 

 数分後、グラウンドに体操服に着替えたクラスメイトたちが集合する。

 なかなかの早着替えだった。こういうのって、くっちゃべりながら5~10分ぐらいかかるもんじゃない?

 相澤先生が時間に厳しい姿勢を見せていたおかげだな。

 

「……20、揃ったな。これから個性把握テストを行う」

「ええ!? 入学式は!? ガイダンスは!?」

 

 相澤の宣言に生徒たちがざわつく。が、自由な校風とヒーローになるのに悠長な時間はないで押し切っていた。

 

「実技入試成績のトップは爆豪だったな。中学の時、ソフトボール投げ、何mだった?」

「たしか、60mぐらいだった。」

 

 女子生徒としては十分にぶっ飛んでるんだが、TSの影響か原作より飛ばせてないんだよなぁ……鍛えてんのにパワーが足りねえ。

 

「じゃあ、個性を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。思いっ切りな。」

「思いっ切りね……んじゃまぁ、遠慮なく。」

 

 ソフトボールを投げ渡されたので、位置につく。原作より飛ばしてやる!

 

「死ねぇっ!!」

『死ね!?』

 

 投げるのに合わせて爆風に特化した爆発を起こす。熱や閃光は必要ない。むしろボールが燃えつきちゃ記録が出ねえ。各種特化型の爆発を使い分けられるように訓練した成果を存分に発揮だ。

 ボールがあっという間に飛び去り、しばらくして相澤先生が持つ液晶に898mと記録が表示された。いいね、898、バクハってか。偶然だが語呂までいい数値だ。

 生徒たちが歓声を上げて盛り上がり、誰かが言ってしまった。「面白そう」と。

 

「面白そう……か。ヒーローになる三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

 相澤先生の雰囲気が変わり、威圧するかのような強烈なプレッシャーを発し始める。

 

「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう。

 生徒の如何は教師の自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

 生徒から悲鳴と嘆願があがるも取り合わず、世界にあふれる理不尽を乗り越えるのがヒーロー。ならばこの程度の理不尽、乗り越えられずしてヒーローにはなれない。プルスウルトラだ。乗り越えて見せろと煽る。

 

 そうして、個性把握テストが始まった。




誤字の指摘ありがとうございます。
書き癖とか、変換癖は意識外で起きるから、誤字に全く気が付かない事ってありますよね。
できるだけ誤字誤変換に気を付けて文章作っていこうと思います。

かっちゃん、入学初日でそんな先を想像して気が早すぎだよ!
だけど、自分がかっちゃんしていた自覚が芽生えました。乙女的解決。暴力ヒロインなので妄想が暴走しがちです。
これからは、ライバルだっ! 的な、兄貴分や格上の仲間がライバルになる少年漫画的展開がTSかっちゃんの内心だけで終了。
そういうのって本来、見せ場の一つになるんよ? 潰さないで? かっちゃん成長イベントは戦闘訓練の後の予定よ? 「テメーの都合なんかしらねー!」 ヒドイ!
原作とか前世とか、年上ぶってても体と同じ、TSかっちゃんもまた自分が子供だったと思い知りました。
これでオカンぶっちゃうのが減っていく予定です。
書いてるとキャラが勝手に動くってあるんですね。



(嘘予告)
出力が低くともフルカウルできるデクに死角はない。
除籍の最下位は誰になるの!?

頑張って! あんたが今ここで除籍されたら、ここから先のスケベネタはどうなっちゃうの?
種目はまだ残ってる。根性見せれば相澤先生は合理的虚偽とか言って見逃してくれるんだから!
次回「峰田死す」デュエルスタンバイ!



デクのフルカウルの出力が低い
鍛え続けた体で、最大パワーも一緒に上がってしまったので、骨が耐え切れないのです。
原作デクの10%と、魔改造デクの10%は、同じ出力だとしても、実際の持てる重さや威力は違う感じです。
そして、半年の集中特訓で10%しか出せていないのは、ライバルとの交流が足りないからです。
ジャンプ作品のお約束は「友情」「努力」「勝利」の三本柱なので。
今交流できてるライバルはかっちゃんだけなので、友情の刺激が足りていないのです。
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