ヒロアカ転生、かっちゃんでTS   作:しろぷー

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007 戦闘訓練、不本意な決着、生涯の友

 核兵器と言う事になっている大きな爆弾風の張りぼてを、建物の奥に運ぶ。

 

「お茶子の無重力を使えば、どの階の窓からでも入る事ができる。窓のない部屋に置いた方がいいな。」

「確かに、二方向から攻められるのは避けたい。」

 

 せっかく用意された準備時間だ、とりあえずこの訓練でとる行動を話していく。

 

「俺の個性は爆発だから、爆弾の傍で使うのは設定的に引火に誘爆、核物質の漏れ……核兵器を守りきると言う今回のルールに合わねえ。

 だから、俺は守りよりも、侵入したヒーローチームを強襲する役割を取りてえんだが、飯田が守りを受け持ってくれるか?」

 

 原作かっちゃんがやってたように、軽く開いた手の上でパチパチと小さな爆発を見せて尋ねる。

 

「なるほど。しかしそれでは2対1で戦う事にならないか?」

「それはもっともだが、デクはたぶんタイマンに乗ってくる。

 お茶子の個性は俺と相性が悪い。空中機動が可能だから、脅威になるのは確保テープだけと見ていい。

 爆発は攻撃範囲の広い個性だ。両手で出せる分、挟み撃ちにも強い。2対1は得策とは言えねえ。

 だったら、時間制限を考えて俺をデクが足止めして、お茶子をここに向かわせる可能性が高い。」

 

 それに、さっきのやりとり。乗ってくれると言う確信は、友人として信じているのか、デクに甘えてしまっているのかわからねえけど。

 

「お茶子は個性で浮けば足音も消せる。SF映画の宇宙船内での移動みたいに宙を浮いて、核兵器に忍び寄る事ができる。

 核兵器奪取役に適任ってわけだ。クソ、窓がない部屋がねえな。ここにあるもので窓塞ぐか?」

「いや、君が緑谷君を受け持ってくれるなら、麗日君が窓から来ることも考えて警戒を受け持とう。」

 

 フルフェイスのコスチュームだから表情は見えないが、いい表情してるんだろうな。サムズアップしてる。

 

「そうか、助かる。じゃぁ、浮かせて武器になりそうなもんを時間までに部屋の外に出しておくか。バリケードにして進入路を限定すれば警戒も楽だしな。」

「いい案だ。準備時間の残りも少ない、さっそく始めよう。」

 

 そうして二人で5階の大部屋に核兵器の張りぼてを設置して、ここに入れる入口を1つを残して塞いだ。

 

 

 

『それでは、AコンビとDコンビによる屋内対人戦闘訓練。スタート!』

 

 通信からオールマイトの声が届き、訓練が始まった!

 

「それじゃあ飯田、守りを頼んだ。」

「任された!」

 

 軽く言って窓から飛び出す。軽くビルの周りを飛び、お茶子の個性を使った外からの侵入がない事と、ヒーローチームの侵入口を確認した。

 

 あそこか! 1階裏通り側の窓!

 

 通信装置を起動する。

 

「飯田、2人はビルの裏側の1階窓から侵入した。侵入にお茶子の個性は使わねえようだ。

 これから強襲をかける。」

『わかった。気を付けてくれ。』

 

 通信を切って、ヒーローチームの後を追って窓に飛び込む!

 

「後ろから!」

「よく来たな! ヒーロー!」

 

 爆発飛行は音が大きい。速度と瞬発力は高いが、遠くからでも丸わかりだ。

 

「麗日さんは先へ!」

「わかった、デク君も気を付けて!」

 

 デクがこちらに向かって捕獲テープを伸ばして構え、お茶子を奥へと進める。

 爆発飛行の慣性のままデクに向かって突き進む。

 右腕を振りかぶると、デクがスッと左手を広げる。

 

「オラァッ!」

「右の大振り!」

 

 気合い一閃、しかし殴りかかった腕を取られ投げに入られる。

 

 読まれた! でもまだだ!

 

 足の爆破で加速して足から着地して投げのダメージを軽減し、そのまま掴まれた右に爆風特化で爆発!

 反動で起き上がりながら、デクを吹き飛ばそうとするが、

 

「くっ……お互いに癖を知ってるとやりづらいな。」

「かっちゃんは右の大振り、つい出ちゃうもんね。」

 

 爆発より先に掴んだ手を放して、ものすごい勢いのバックステップで爆風を避けたデクがマイトスマイルで答えた。

 原作知識で右の大振りはダメだって分かってたのに! この癖は本当に抜けないな! これも、原作かっちゃんの呪いなのか!?

 そしてデクのフルカウル。練習を何度も見たが、想像以上のスピード!

 また個性の制御が上手くなって、出力を上げてきたって事か。

 という事はパワーもまた想像以上のはず、迂闊に守勢に回ったら……何もできずに負ける!

 

「いくぞっ! デク!」

「こいっ! かっちゃん!」

 

 一気に踏み込んで、今度は左の回し蹴りだ!

 しかしデクの蹴りに止められる。

 おお、なんか北斗〇拳の一シーンみたい……なんてバカな事考えてる場合じゃない!

 脚甲ふくらはぎの爆破で更に押し込む!

 

「がっ!?」

「コスチュームの機能だ。まだまだいくぞオラァッ!」

 

 無理やり押し込んだからお互い姿勢が崩れているが、俺には爆発での姿勢制御がある!

 左右の手の爆発で無理やり姿勢を戻して、右のソバットに繋げる。

 俺もデクも小柄だから、ヒーロー事務所の施設で格闘技の訓練をしていた時、足技を重点的に鍛えた。足は腕よりも力が強いし長い。体格の不利を少しでも埋める為に選んだ格闘スタイルだ。

 

「フッ!」

「くっ! でも!」

 

 しかし、ソバットは間一髪躱されて、足に捕獲テープが巻きつけられようとしている!

 あれに捕まったらダメージは無くとも確保判定で即アウトだ! ヤバイ!

 右足の爆破を使って反動で引き抜く。

 

 確保は免れたが両手も右足も爆破を使った直後で、反動を利用できる程の爆発は一呼吸置かないと使えねえ。連続爆破は最初からそのつもりでないと出力がまだ安定しない。空中で使うと、弱くても強すぎても錐揉み回転して自滅してしまう。

 そんな状態で崩れた姿勢……本格的にマズイ!

 

「だああああっ!」

 

 デクがフルカウルのパワーで無理やりタックルをかけてくる。近すぎて避けられねえ!

 

「がふっ!」

 

 もつれあったまま吹き飛ばされて、ゴロゴロと転がる。クソ! どっちが上かも分からねえ!

 目が回ってまともに動けねえ! ヤバイ、確保される!

 

「あっ!?」

 

 さっきまで俺を押さえつけていたデクが素っ頓狂な声を上げてピクリとも動かなくなった。

 いったい何が……むにむに?

 

「あ゛!?」

 

 デクの右手ががっちりと俺を掴んでいた。まぁ、確保するつもりだから、がっちり掴むのはかまわねえ。でもそこは俺の胸だ。むにむに……

 

「ああああぁぁぁぁっ!?」

「戦闘中に盛ってんじゃねえ! 隙ありだ!」

 

 胸を鷲掴みにして驚愕の表情で固まったままのデクに、ポケットから出した捕獲テープを巻き付ける……

 

「こんな決着、ダメだろうがっ! せめて戦闘中だからと、さらっと流せよ!

 いつまで掴んでんだっ! 俺まで恥ずかしいだろうがぁっ!」

「ごごごごご、ごめんかっちゃああんっ!」

『緑谷少年、アウトー! じゃなかった、確保ー!』

 

 あ、今のオールマイトの通信、後ろに峰田の叫びが聞こえたな。クソッ、現実逃避でもしねえといられねえぐらい恥ずかしい。

 

「そそそそそ、その! わざとじゃ!」

「わかっとるわそんなコトぉっ! 頼むからなんも言うなっ! 忘れろ!」

「ううううん! うん!」

「俺だって胸に手が当たったぐらいだったら、戦闘中だし文句言ったりしねえよ!!」

 

 なにがっちり掴んでるんだよ、このクソエロデクめっ!

 そのあとちょっと離れて、落ち着くために二人して深呼吸しまくるのだった。

 

 

 

「飯田、そっちの状況はどうなってる?」

『爆豪君か、確保の連絡からずいぶん時間があったが何かあったのか?』

「何もない事になったから聞くな! そっちは?」

『んん? 核兵器を持ったまま逃げ回っている。このまま時間切れでも勝てるが?』

「まだ時間はある。時間があれば逆転の一手を思いつく事もあるだろ。最後まであきらめないのがヒーローだからな。

 そっちに行ってお茶子を確保して、確実に勝つ。」

『わかった。』

 

 通信機を止めて、デクの方を見る。顔が真っ赤だ。まだ意識してやがる……いい加減切り替えろ! また俺まで恥ずかしくなるだろうが!

 

「不本意だが俺の勝ちだ。お茶子も捕まえてこのチーム戦、俺達が勝たせてもらうぞ。」

「ううう……」

 

 恥ずかしがる置物と化したデクを置いて、飯田の下に向かい、お茶子を確保した。

 飯田が注意を引いてくれたおかげで、お茶子の背後を突いてすみやかに決着をつける事ができた。飯田は真面目なだけあって、基本が出来てて強えな。

 

『ヴィランチーム、ウィーン!

 それでは4人とも、モニタールームに来てくれ。』

 

 

 

 真っ赤なままのデクを回収して4人でモニタールームに入ると、デクに視線が集中した。

 女性陣の冷たい視線と、男性陣のしょうがねえなと言う視線。それと、峰田と上鳴の嫉妬ビームが。

 事情を知らない飯田とお茶子は怪訝そうな顔をしていた……

 

「頼む、なんも言うな……言われたら、こいつよりも俺が恥ずかしい。そんで爆発する……デクが俺の個性で物理的に。」

『アッハイ。』

 

 全員の声が、揃った。オールマイトまで。なんでだゴラァッ!

 

「じゃ、じゃぁ講評と行こうじゃないか!

 みんなも見ていてわかったと思うけど、今回のベストは爆豪少女だ。

 個性の相性的に核兵器の傍で戦えない故の役割分担、緑谷少年の確保、麗日少女の確保。

 最初の作戦立案から決着まで上手く立ち回れていたね。」

 

 あとの3人の順番はどうかとオールマイトが尋ねると、八百万が挙手。

 状況内で上手く立ち回り、核を守り切った飯田が挙げられ、デクとお茶子の分の講評まで言ってしまった。

 俺の胸の所は、「突発的な事故」とやんわり表現してくれてるあたりに優しさを感じる。

 八百万もいい子だなぁ。日曜の買い物、楽しみにしてるからな。

 

 

 

 その後の展開はおおむね原作知識と同じだった。

 轟がビルごと凍らせて完封勝利したり、瀬呂の張ったテープの罠を切島がうっかり切ったり、峰田が八百万をエロイ目で見て睨み付けられたりと。

 青山のマントがうっかり溶かされてたのは、なんか憐れだった。戦闘中に対戦相手にじゃなく、戦闘の前にコンビに溶かされるとは。

 ちょっと違ったのは、ヴィランチームもヒーローチームもしっかり作戦会議してた所か。

 初戦の、俺と飯田の作戦会議を見てたからかもしれねえな。

 

 

 

「おつかれさん!

 みんな大きな怪我も無し、しかし真剣に取り組んだ。

 初めての訓練にしちゃみんな、上出来だったぜ!」

 

 全ての対戦を終えて演習場の入り口に集まった俺達に、オールマイトがマイトスマイルで歯を光らせてサムズアップする。

 それに梅雨ちゃんが挙手して言う。

 

「相澤先生の後で、こんな真っ当な授業……なんか拍子抜けと言うか。」

「真っ当な授業もまた、私たちの自由さ!

 それでは、授業はここまで。着替えて教室に、お戻りー!」

 

 そう言い残すと、オールマイトは風のような速さで去ってしまった。

 時間切れだ。いずれは授業の途中で抜けたり、最後しか参加できなくなったりするのかな……

 

 

 

 教室に戻って、それぞれの訓練の時にどうだったかと反省会が始まった。

 お互いの個性も含めて、改めて自己紹介が行われた。

 

「なぁ、爆豪。今度飯いかねえ?」

「お前の下心が枯渇したら行ってもいいぞ、お前のおごりで。」

「あははは!」

 

 上鳴、お前はせめて下心を隠せ。丸出しのままじゃ、行ってくれる女子はいねーぞ? って言ったつもりなんだが、かなりキツイ言い方に変換されたな。下心が枯渇ってなんだよ……不能か?

 見ろ、耳郎にめちゃくちゃ受けてんじゃねえか。爆笑してんぞ?

 

 

 

 下校時間になって相澤先生に追い出されるまで、反省会と言う名の親睦会は続いた。

 デクが嬉しそうにしていて、それが俺も嬉しかった。

 中学までは無個性だからって、俺以外に友達いなかったからな。

 よかったなぁ、デク。俺以外で初めての友達だ。この友達は、生涯の友達になるぞ。

 お互い刺激し合って、でっかいヒーローになってやろうぜ。

 

 でも、峰田のスケベだけは見習わないでくれよ。




TSかっちゃんは、深夜アニメ系ヒロインなので、事故で胸に触る展開で決着する運命だったのです。ラッキースケベはお約束ですよね。
サラシ→スポブラの話→謎技術インナーと乳バンドの話が続いたのは、デクに揉まれる流れ。
そこまでの戦闘でいかに胸掴みに行かせるか、すごく悩みました。

峰田君のおかげで、デクもTSかっちゃんに女の子を感じるようになりました。
むに? ではなく、むにむに? であるところにデクの成長を感じていただければと思います。
サラシのままだったら、デクは勝っていました。
TSかっちゃんが胸の事について触れられるのを嫌っている事を、一番理解してくれていますからね。

無個性時代から鍛えたら、足技中心になるのは必然だと思うのです。
必殺技は腕や拳のスマッシュになったとしても、基本戦闘はこれからも足技中心です。
そして、TSかっちゃんの新技を考えてた時に、かめ〇め波みたいだけどちょっと違う両手首を合わせて円錐形を作っての両手爆破したらモンロー効果ですごい貫通力が出せそうだなーって思ってました。
昨日の放送で、どっちも出てた……かっちゃんの方はちょっと形が違ったけど。

シュートスタイルって、投げ技ありのシュートボクシングスタイルじゃなかったのね……
原作かっちゃん戦や心操戦でポイポイ投げてたから、名前聞いた時に絶対そうだと思ってた。恐ろしい勘違いでした。
投げながらスマーッシュ! 相手は星になった。的な物を名前だけで想像してた。
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