ある人は言う「マトイ」だと、ああ確かにもっとも主人公を想い、主人公と共に歩んできただろう。
ある人は言う「ゼノ」だと、最初期に主人公と出会い、そして時には助け、時には助けられる、そんな関係だ。
私か? 私はこう答えよう、もっとも主人公と共に成長し、主人公と共に歩み、そして主人公を助け、そして助けられてきたのは「彼」だと。
彼の視点で主人公はどうなんだろう、ゲートエリアに入って右手にいて、主人公と親しく、姉がいる彼は。
この主人公(安藤)は小柄なデューマンの少女です、アッシュではない。
ふと思いついたので供養するだけです、続かない。
ゲートから表情に少しの疲れを滲ませて帰ってきたアークスに俺は軽く手を上げて話しかけた。
俺の顔を見るや笑みを浮かべ小さく手を振り返してくる。
コイツは確か諸事情で特定のエリアに設定されたフリーフィールドを周回してたはずだ、俺には想像もつかないがコイツの肩書上大事なことなんだと思う。
「大変だなぁ守護輝士サマは」
くつくつと笑いながらからかうと偉大な守護輝士サマは頬をムッと膨らませながら俺の背中を力強く叩いた。
さてこの横を歩くコイツ、なんと凄まじい素質を持っていてなんと現状第三世代アークスが扱えるクラスを修め、その全てを完璧と言っていいほど、いや、むしろそれ以上にさえ届くほど凄まじい戦闘力を持つが本来のコイツはソードを振り回すハンターだ。
んでたった今までまたその使い慣れた大剣を握りしめながらダーカーやエネミーを撃破、いやむしろ鏖殺といって相違無い事をしてたわけで、そしてまぁ勿論その筋力はそこらのエネミーの何倍も強いわけで。
「い゛ッ“!! ……ってぇ…!!」
ビクンと背を反らせて硬直した直後、地に蹲る様に呻く俺に相棒は半泣きになりながらごめんねごめんねとしきりに謝ってくる。
さっき一瞬怒ったくせにそのすぐ後には正反対に気弱になる、まったくもって不可解だがだからこそ俺には分かる。
『相棒は致命的なまでにアークスに向いていない』
矛盾してる、これ以上にないほどアークスとしての才覚があるにも拘らずその性格、気性はこれ以上にないほどアークスに向いていない。
冷徹であれ、とは言わないが割り切ることが必要だ、仕方がなかったと諦めることが必要だ、だがこいつにはそれが無い。
俺は知っている、助ける事が出来なかったと涙を流し嘆く姿を。
俺は知っている、全アークスの敵となったときデューマン特有の色素の薄い肌をいっそ青白いと言っていい程に白くし、小さい体を震わせながらガチガチと歯を鳴らし恐怖していたことを。
俺は知っている、死んでしまうんじゃないかって表情でぶつぶつと助けるんだと呟き続けながら毎日あらゆる場所を歩き回る姿を。
俺は知っている、多分、一番コイツと一緒にいるのは俺だから。
「大丈夫だって俺だって立派なアークスだぜ? 一発二発叩かれた程度でどうもなりゃしねえよ、相棒」
ヒーロー担当教官のストラトス嬢も真っ青な腰の低さでしゅんと体を縮ませてごめんと謝る姿にいったい何がアークス最強戦力なんだと思うがその戦力自体は俺と俺の姉貴が保証する。
「そうだ、相棒、姉貴がそろそろ顔見せろって愚痴ってたぜ」
行って来いよ、と背を押すと二・三歩たたらを踏んでからゆっくりと歩を進めた。
最近は難しい顔も増えて来てるし息抜きにもプレゼントの一つ二つ用意してやるか、なんて思案してるとくるりとこっちに振り向いて相棒が大きく手を上げる。
「行ってくるね、ハンス!!」
「……おう!」
アフィン?なんのこったよ(すっとぼけ)
主人公に助けられ(戦闘指導)
主人公を助け(ボナキー・オーダーの高効率経験値)
主人公と共に成長し(後続オーダーで前オーダーのエネミー容易く倒す)
主人公と共に歩み(主人公のストーリー進行度でオーダー解放)
主人公に匹敵する能力を持つ(いつの間にかアルチ行ってる)
よって真の相棒はハンス、Q.E.D
しかも姉がいる(クレシダが恐らくそうである)