ゲート 奴隷 彼の地にて、斯く戦えり   作:顔面要塞

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お盆明け・・・

俺の頭はお盆入り・・・・

 スイマセン・・・・コッチ、早く書いちまった・・・。

 用務員さんは・・・・新規武器情報取得中の為・・・EDF!!EDF!!!

 ゴメンんさい・・・

 前書きって難しい・・・


中尉

 春の麗らかな風が、アルヌスから広がる草原地帯を渡って行く。美しく波打つ草原から上に目を移せば。地平線まで続く青い空が、緑の草原と境界線を合わせる様に広がっていた。

 

 そんな春の一時の優しさを邪魔する様に、風の音を遮る地響きと金属音が街道上から響いてきていた。

 

 「そ~らが蒼いねぇ~さっすが異世界!」

 アルヌスの丘からコダ村に続く巡礼街道上。特地派遣部隊の汎用輸送車両であるハンヴィーの、M134ミニガンを装着したOGPK(装甲銃塔キット)から空を見上げながら感心したように呟く男。

 

 「こんなの北海道にだってあるっすよ?あ~あ・・せっかく自衛軍の選考に受かって、特地派遣軍に入れたのに・・もっと・・こうっケモッコみたいな感じは無いんですかねぇ?」

 ハンヴィーの運転席でため息を吐きながら上の男に言葉を投げる。

 

 「しょうがないだろ倉田?異世界ってだけでファンタジーだろうよ?銀座事件のモンスター見たでしょ?あんな連中が居るんだからエルフだって、妖艶な魔女だって、半裸のラミアちゃんとか居るかもよ?」

 

 「伊丹中尉はエルフ萌えですかぁ?俺は断然獣っ娘ですよ!!チョイと体毛が在って・・イイ感じですよ!!」

 

 「いるじゃんウチの最後尾に。オスだけど・・。」

 

 「まぁ・・ライネルやハンクを見れば想像は出来るんですけど・・あそこまで獣要素が濃くない方がいいっす!!おっと・・・」

 

 クダラナイ会話で集中が切れたのか、街道上に出来た小さな窪みでバウンドするハンヴィー。思ったより大きな揺れに車内での会話が途切れる。

 

 「おい倉田!ちゃんとしろ!!伊丹中尉もお願いしますよ?それに『アルヌス傭兵団』の連中、けっこう気合が入っています。今回はコダ村での慰問活動と情報取集に、彼等の慣熟訓練を兼ねていますから気を張って下さい。特地派遣隊に地元枠として、優先的に一個大隊の人員を送り込める日本自衛軍なんですから。恥ずかしくない行動を見せなければ」

 ハンヴィーの後部座席から年配の男性が、若干厳めしい言葉遣いで二人の遣り取りを嗜めていた。

 

 「了解です。桑原曹長(おやっさん)。倉田!チャンと聞いたか?」

 

 「ひでぇ!?俺のせいっすか?!これだよ・・・・」

 OGPK(装甲銃塔キット)に居る伊丹に運転席にかる~くケリを入れられ、迷彩服Ⅲ型と同じ迷彩柄のブッシュハットを揺らしながら文句言う倉田だった。

 

「確かに異世界だ…常識が通じないから、気をつけて行くか…今度のコミケにいけなくなったら閣下にも申し訳ないしね…」

「なんか言いましたか隊長?」

「何でもない!もうすぐコダ村だ。安全運転で頼むぞ〜倉田!」

「任しといて下さい!ケモっ娘に逢うまでは死にませんよ!」

「……フラグだぞ〜倉田……」

 

異世界で偵察行動している軍人とは思えない遣り取りをしながら、コダ村に向けて進む伊丹達だった。

 

 

 

銀座事件を受けて、急遽成立した『異界事態対処法案』。それにより設立された『異界事態対処集団』

 

宇宙開拓大航海に熱中している人類にとっては、辺境で起きた小ちゃなテロ事件とゆう認識でしかなかった。当たり前といえばそれまでで。軌道エレベーターによって簡単に宇宙(ソラ)に揚がれる者達に、そんな事に構っている暇は無かった。

新しい事柄が次々と発見され、それによって革新される知識や技術。其れ等を用いて太陽系内を自由に飛び回る物資や資源が、さらに人類を高みに飛び立たせていたからだった。

自分の仕事をやればやっただけ、それ以上の繁栄をもたらしてくれる宇宙(ソラ)は。まさに現代の黄金郷(エルドラド)に他ならなかったのである。

 

最初の頃こそ騒がれもしたが。繁栄を謳歌する人類にはスグに忘れられ。今ではマスコミのニュースは、深宇宙探査の進み具合だの、新規技術の向上だの、『門』の研究によってもたらされそうな『高次元跳躍航法』の研究などが溢れていた。

 

要するに、ヤル気さえあれば。誰でも繁栄を掴むことはできる時代になっていたのだった。(勿論。繁栄の度合いに大小はあったけれども)

 

騒がれた頃には『異界事態対処集団!勇ましく設立!!』なんて言葉が溢れていたが。今では仕事の無くなった退役寸前の軍人や、社会不適合者。ファンタジーに熱烈な興味を抱く者達の寄り合い所帯になっていて。呼びにくい『異界事態対処集団』は『特別地域派遣隊』を略した『特隊』としか呼ばれなくなり。当の『異界事態対処集団』ですら、長ったらしい名前をやめて。『特隊』で統一していたのである。

 

ヤル気のない事この上ないが。『特地』の状況が掴めてきた最近では、仕方のない事ではあった。予算が有り余った政府での余剰人員の掃き溜め。左遷ポスト。人外大好き!古代ローマでヒャッハ〜!などなど…散々な言われ様であった…

 

しかし、その内情は全く違っていて。内戦で何度も死線を潜った者達で構成された上層部。様々な紛争を生き抜いた兵達。潤沢な物資に予算。優秀な科学者や研究員。国際関係が緊張することも無くなった外交に嫌気がさした外交団。などなど…自らの生存の場を無くした者達の集まりであった。

 

政府の方でも、いい加減な対応を表面上は見せていたが。内実は全くの逆。生物・遺伝情報の宝庫であり、未だ出会った事すら無い『魔法』などの『異界科学』など、未知の分野のオンパレードだった。

もし、それらの情報や技術。疫学的に未知なウィルスや細菌によるバイオハザードが起きれば。経済的な繁栄など、あっとゆう間に吹っ飛んでしまう。誰でも『〇〇ドア』の様に好きな場所に現れる事が出来たならば…恐ろしい事態になることは明白だった。

だからこそ、表面的には人外っ娘やエルフ。妖艶なドラ娘。ロリババァなどのファンタジー要素を前面に出して、肝心な部分では鬼の様な情報統制を行っていたのだった。

 

最悪の事態になる様であるならば。派遣した人員共々、有り余る反応弾で吹き飛ばす事になっていた。(その事を秘匿する為に、銀座周辺は政府管理下に置かれ。銀座中心地下100mには多数の反応弾が備蓄されていたのである)

 

勿論。派遣された隊員達には、選考の段階である程度の覚悟が求められていた。それでも伊丹や倉田の様に、熱烈に参加を希望する者は後を絶たなかったのである。オタクの一念……恐るべし……(桑原曹長は、経済的に潤沢な給与の支払いが理由だったが…)

 

 

 

 

 コダ村に向かう街道上。前を行く二台のハンヴィーの第三偵察隊の隊長が乗る方が。小さな窪みでバウンドした後、数旬の間を於いてフラついていた。

 

 「おいおい・・・伊丹中尉の指揮車、大丈夫なのか?」

 全周警戒をしながら前を行くハンヴィーを見ながら、独り言のように呟くフェザー。

 

 「何度も行っているコダ村への道だ。少し気が緩んだんじゃないのか?」

 M2A3ブラッドレー歩兵戦闘車のハッチの開いた運転席から、頭だけを出してフェザーに応えるソラン。

 

 「向こうは俺達の面倒も見なきゃいけないんだ。イロイロ相談事でもあるんじゃないのか。其れより、今夜は俺達だけで夜間哨戒訓練だ。本来なら小隊で行動しながら行うんだが、コイツの数が揃ってないからな。」

 車長席からブラッドレーの装甲版を叩きながら、二人の会話に飛び込むバルド。

 

 「伊丹中尉の所属する日本国自衛軍が運用する89式改ってやつは、なかなかいいらしいぜ?砲は35mm、ミサイルは撃ちっ放しの・・確か中多とか言ってたなぁ。コイツよりチョイとデカくて。兵員室も高さがあって、乗り心地も悪くないそうだぜ?ウチはデカいのが多いから、交換してくんないかなぁ?」

 

 「でもよぉバルド。コイツを乗りこなせたと言えない俺達には、出来過ぎた乗り物だろ?俺達の持つ武器なら、コッチの連中相手では十分すぎるぜ。」

 

 「俺もそう思うけどさ・・・話しに聞く『炎竜』なんて奴が・・・」

 

 「おい!!止めろよバルド!!ソランも話し合わせんな!!よりにもよって『炎竜』なんて・・・冗談にもほどがある!!」

 砲手席のフェザーが、警告する様に大きな声を挙げていた。

 

 「・・・悪かったよフェザー・・悪気は無いんだ。俺、鉱山奴隷の時の記憶しかないから。『炎竜』がどれだけ凄いモノか知らないんだ。それに、コイツがあるから気が大きくなっていたのかもしれない」

 

 「・・・いいんだよ・・アソコにずっといたのなら知らなくても当然だよな・・俺の故郷の村はアイツに滅ぼされたのさ・・俺は村の最後の生き残り・・でも、この装備ならば・・仇が討てるかも知れない・・」

 右腕に付いた火傷の跡を見ながら、過去を思い出す様に。自分の言葉を噛みしめる。

 

 「お三方~~・・・話に熱を挙げるのは良いが、もうすぐコダ村だぜ?それに、『炎竜』なんて奴とは出会わない方が良いに決まっている。ヤッコさん休眠期だから、あと五十年程は眠ったままだろうよ?」

 兵員室で待機していたガイウスが。気合を入れろとばかり、にエンジン音に負けない音量で三人に告げていた。

 

 

 『バルド二等兵!もうすぐコダ村だ。情報交換(顔見せ)の準備を頼む。それと夜間哨戒訓練には、俺と富田が随行する。訓練を監督する者が居ないと、マズいでしょ?』

 

 コチラの弛んだ雰囲気を読んだのか。伊丹中尉から無線が入る。

 

 『了解です。伊丹中尉。僭越ですが、隊内符丁忘れてませんか?』

 

 『あはははは・・・結構、顔に似合わず律儀だねバルドちゃん?大目に見てよぉ?』

 

 『・・・仕方がないですね・・了解です。アルファ3、アウト』

 

 軍事行動中の指揮官とは思えない伊丹中尉の言動。過酷な訓練を施してくれた練兵軍曹とは違った人柄に、可笑しさを覚えるバルド。

 

 ライネルが言っていた様に、少し変わったヒトなのかもしれない。そう言えば、ライネルと話が合うようで。様々な薄っぺらな絵草紙を(伊丹中尉は『同人誌』と呼んでいたが)内容を見ながら、ライネルと激論を交わしていたんだっけ・・確か・・メイコンとか、何とか・・?

 ライネルの奴も、絵草紙を読む様になってから『ニホンゴ』の習得が早くなったし。あれだけ中尉と『ニホンゴ』で遣り取りできるんだ。俺も読んで見るかな・・。

 

 そんな事を考えながら、夜間訓練を行うコダ村周辺の地図を。もう一度確認しながら、頭に叩き込むバルドだった。

 

 その後、絵草紙を読んだバルドがどうなったか・・・・・伊丹を見る目が少し変わったようだった・・・。

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