ヤンデレお嬢様との日常   作:ハッシウム

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一部会話を区別すべく台本形式になっています。


第3話

泰也 side

 

あの弦巻こころから告白を受けた際は、動揺した。あの時、俺は彼女にそんな意識など持っていなかったのに、なぜ「お前俺のこと好きなの?」と聞いてしまったのか。クズすぎる。それで彼女は自分の想いに気づいてしまったのだろう。それで思わず逃げてしまった。彼女は「待って!」とは言っていたが、追っては来なかった。

 

それで中学では彼女から離れるべく、なるべく遠い私立中学に入学した。意外にも親からの反対は一切なかった。そして中学生活では、学校内にいる時なら問題ないのだが、外では彼女の家来(?)が俺を探しているかもしれない。なので通学、外出では帽子、眼鏡、マスクは必須だった(不審者っぽく見えるがサングラスじゃないんでセーフ)。

 

それで見つかることもなく、中学を卒業し、今度はそこから近い公立高校に入学した。それから親は

 

「今日から高校の近くで一人暮らしを始めなさい。諸々のお金は払うから」

 

「魔人ブウ!?(マジで!?)」

 

なんと独り立ちが強行されてしまった。まぁ俺的には一人暮らししてみたかったし、家賃や光熱費などのお金は負担してくれるそうだし、全然抵抗はなかった。こうして、俺の一人暮らし生活が始まった。

 

高校生活では変装をやめた。もう探してることはないだろうから。友達も増え、その友達とゲーセンで得意のリズムゲームで遊ぶことも多くなった。

 

泰也「あそこ擦らなくても通るやろwww」

 

友達「なんでやww。指押しで通らないからこすってんだろうがwwwwww」

 

ゲーセンを後にし、商店街で他愛ない話をしていた時だった。

 

「泰也?」

 

あの声が聞こえた。もしかして

 

「こころ?」

 

振り返ると、あの輝くような金色の髪を下げた、あの弦巻こころがそこにいた。

 

「やっぱりそうだわ!!探したのよ?」

 

こころがこっちに来る。

 

「悪い、ちょっと帰る。あとでラ●ンするわ」

 

友達にそう言い残し、逃げた。

 

「あ!待ちなさーい!!」

 

こころは追ってくる。意外にも足が速い。

 

「やべぇよやべぇよ」

 

全速力で走り、なんとか撒いた。

 

公園に入り、ベンチに座った。どっと疲れが出て、もう走れない。どこからか「泰也ー?どこ行ったのー?」という声が聞こえる。どんだけ声大きいんだよ。

 

「見つけたわ!!」

 

ファ!?公園の正門の前でそう叫ぶこころがいた。まずい、柵から出るかと思った隙に

 

「捕まえたわ!!」

 

ガシッと背中から抱きつかれた。

 

「離せ!!」

 

「いやよ!もう一生ハナサナイワ」

 

こころの目に光はなかった。必死にもがくが、意外にも力が強い。

 

「暴れないでよ。黒服のみんな!家に連れてくの手伝って」

 

「はいお嬢様」

 

3人の黒服が現れ、二人は俺の両腕を掴んだ。ここまでまだ1秒の出来事。

 

「失礼します」

 

一人に水を飲まされ、急激な眠気に襲われ、意識を失った。

 

 

こころ side

 

ふふ、やっと捕まえたわ!こんなに家に帰るのが楽しみなのは久しぶりだわ!家に帰って泰也とどんなことをしようかしら?ああ、タノシミダワ。




あの後はぐみは配達の途中だったからすぐどっか行ったそうです。次回もお楽しみに。

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