シンとレンの十二の冒険   作:kuraine

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第46話 次の目的地

 二人がダンジョンを攻略してから二日が経ち、エルナに着いたところだった。エルナは出発した時とは違って辺りには雪が積もっており、何人かが外に出て雪掻きをしていた。

 

「やっと着いた……」

 

「帰りは雪が降ってなかったんだからよかったでしょ?」

 

 シンは怠そうに言うと、レンが呆れた顔をしながら言った。それから二人は自分達の家に向かった。そして、家の前まで行ってドアを開けると、中にはレイナと村長夫婦が椅子に座っていた話をしているところだった。

 

「あっ!お姉ちゃん!それに、シンさんも、おかえりなさい!」

 

 帰ってきた二人を見てそう言うと、レイナが椅子から立ち上がり、レンのところまで歩いてきた。

 

「ただいま!」

 

「うん。」

 

 レンが笑顔で言うと、レイナもそれに返すように笑顔で返事をした。

 

「そっちで話してないでこっちに座って話をしたらどうだい?」

 

「それもそうだね。」

 

 おばあちゃんがそう言うとレンが返事をした。それからレン達は椅子に座ってダンジョンに行って分かったグラートの事を話した。

 

「そうか……、では、グラートの行方は分からんかったか……」

 

「うん……」

 

 おじいちゃんが険しい顔をしながら言った。レンも心なしか重い表情をしている。

 

「仕方がないさね、急がなくてもそのうち帰ってくるさね。」

 

 そんな二人を見兼ねたおばあちゃんが二人にそんな言葉を掛けた。すると、おばあちゃんに言われた二人の表情が少し和らいだ。

 

「でも、これからお姉ちゃん達はどうするの?」

 

「う〜ん……」

 

 レイナにこれからの予定を聞かれたレンがどうするか腕を前に組んで悩んでいた。

 

「なんか手掛かりでもあれば良いんだけどな……」

 

 シンも何もグラートの手掛かりが無かったので、自然と腕を前に組み悩んでいた。

 

「とりあえず、近くの大きな街まで行ってグラートについて何か分からないか聞いてみようと思う。シンはそれでどう?」

 

「そうだな、急がなくては良いとは言っても流石に探してやらない訳にはいかないからな。」

 

 レンの提案にシンは了承し、グラートを探すために近くの大きな街に行く事にした。

 

「因みにここから行くとしたら何処の街になるんだ?」

 

「多分、ここから南西のサントリアという街が近いはずよ。」

 

「じゃあ、そのサントリアって街はどのぐらい時間がかかるんだ?」

 

「大体、三日とかだったと思う。」

 

「なるほどな……、じゃあまずはそこからって訳か。」

 

「うん。」

 

 シンはレンの話を聞いて何となくサントリアまでの距離を知る事が出来た。

 

「直ぐに行くの?」」

 

 すると、二人の会話を聞いていたレイナが心配そうな顔をして聞いてきた。

 

「う〜ん、明日には出ようかなと思うけど……」

 

「そっか……」

 

 心配そうな顔をして聞いてきたレイナに、レンは眉を八の字にして困った顔をしながら、言いづらそうに言った。すると、レイナは悲しげな目をしながら残念そうに言った。

 

「もう会えない訳じゃないんだから、そう悲しそうにしてないでよ……」

 

 悲しそうにしているレイナにレンがそんな事を言った。

 

「二人とも今日はゆっくり休みなさいな」

 

 グラートを探しに行ってきた二人におばあちゃんは労いの言葉を掛けた。それから二人は家の中で雑談をしながら休みを取り、夕飯を食べ終えると、二人は早めに寝床についた。

 

 そして、次の日の朝。二人はみんなで朝食を終えると、早速サントリアまでの荷物をまとめて準備をした。

 

「サントリアには何か必要な物とかあるのか?」

 

 シンはエルナのような寒い場所なら覚悟を決めておかなければいけないと思いレンに聞いた。

 

「そうね〜、サントリアはここよりも暖かいから軽装な格好でもしない限り大丈夫だと思う。」

 

「そうか。」

 

 指を顎に当てて上を見ながら何かを思い出すように言ったレンの言葉を聞いたシンは安心した。それから準備を済ませてから家を出てサントリアへと続く道まできた。前と同様、レイナと村長夫婦が見送りに来てくれた。

 

「無理せずにの。何でもサントリアでは今良くない出来事が起きているようでな……」

 

 村長が心配そうな顔をしながら言いづらそうに言ってきた。

 

「良くない出来事って?」

 

 おじいちゃんの言った言葉にレンが気になり聞いた。

 

「何でも最近子供が消えるという噂があってな……、レンとシン君には子供じゃ無いから関係無い話じゃが、それでもやはりそう言う噂がある所に行くとなればの……」

 

「大丈夫よ、私にはシンがいるしね。」

 

 心配そうに言ってきたおじいちゃんに対して、レンがシンの方を見ながら言った。

 

「お、おう……」

 

 シンはいきなりそんな事をレンから言われて頰をほんのり赤くしながら戸惑っていた。

 

「うちのレンをよろしく頼むよ。」

 

「はい。」

 

 村長の妻がシンに軽く頭を下げて言っていたので、シンは返事を返した。

 

「お姉ちゃんもシンさんも気をつけてね。」

 

 すると、今度はレイナが二人に話し掛けてきた。

 

「うん、レイナもあんまり無理しちゃダメよ?」

 

 心配してきたレイナにレンが返事をすると、今度はレンがレイナの心配をしてレイナに言った。

 

「分かってるよ。シンさん、お姉ちゃんをお願いします。」

 

 レイナは当然と言わんばかりに返事をすると、シンにレンの事をお願いしてきた。

 

「ああ、お願いされた。レイナも体に気をつけてな。」

 

 シンは快く返事をし、レイナの体を気遣った。

 

「はい。」

 

 レイナは笑顔で返事をした。

 

「じゃあ、行ってきます。」

 

「いってらっしゃい。」

 

 レンが言うとレイナが返事をした。こうして、二人はエルナを出発した。後ろを振り向くと村長夫婦とレイナが手を振っているのが見えた。二人はそんな三人に手を振り返すと、サントリアへと向かった。

 

次回、サントリアの街

 

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