シンとレンの十二の冒険   作:kuraine

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第60話 花の街、オルターベルン

 二人がリネオスを出発してから三日が経っており、もう少しでオルターベルンに着くところだった。リネオスからオルターベルンに向かう間の道は森になっていて、周りに木々しか無く、特に代わり映えのしない殺風景な光景だった。だが、森を抜けてからオルターベルンに行くまでは花畑になっていて、華やかな景色が続いていた。

 

「綺麗な花がこんなに咲いているなんて知らなかった。」

 

「そうだな、俺もこんなに花が咲いているのは初めて見た。」

 

 二人は馬車に乗りながら、視界一杯に周りに広がっている花畑に感動していた。花畑は赤色や橙色、黄色や水色、紫色に桃色など見えているだけでも多種多様な花が綺麗に咲いていた。

 

「オルターベルンは花が有名な町なんですよ。見ての通り、オルターベルンの周りには多種多様な花が咲いていて、観光などにも人気な町なんです。」

 

「へ〜、そうなんですか〜、確かにこれだけの花が咲いているなら観光で見に来たくなるのも分かります。」

 

 兵士の話を聞いたレンが花畑に目を向けながら言った。そんな話をしていると、馬車の進んでいる先に町が見えていた。

 

「あれが我々が目指しているオルターベルンです。」

 

「いよいよか。」

 

「うん、気を引き締めて行こう。」

 

「ああ。」

 

 二人は気を引き締めてシンの兄であるニールを探す決心をした。それから二人はオルターベルンに着いた。馬車から降りると、辺りは中世ヨーロッパ風の町並みをしており、サントリアに似た町並みをしていた。だが、花が有名な町ということもあってか、どの家の周りにもプランターに様々な色の花が色鮮やかに咲いており、町の中なのにも関わらず、ほのかに花の香りがしていた。

 

「町の中なのにこんなに花を育てているなんて、さすが花で有名な町なだけあるな。」

 

「そうだね。どこを見ても花が咲いていて綺麗な町だね。」

 

「そうだな。」

 

「それでは私たちはこれより町の住人に聞き込みをしますが、シン様とレン様は如何なさいますか?」

 

 オルターベルンの風景に関心している二人に兵士が話し掛けてきた。

 

「そうだな〜、取り敢えず、この町を歩いて俺も兄さんの事について聞いてみるかな。」

 

「左様ですか。では、何かあればお知らせ下さい。我々も何か分かり次第、お伝えに参ります。」

 

「分かった。」

 

「では。」

 

 兵士達はそう言うと、早々に二人の前から居なくなり、聞き込みを始めていた。

 

「じゃあ、俺たちも歩いて何か手掛かりが無いか聞いてみるか。」

 

「うん。」

 

 二人はそう言うと、町を歩き始めた。町を歩いていると、二人の前に噴水があるのが見えた。

 

「あれは噴水か。」

 

「見ても良い?」

 

「ああ、良いけど、そんなに好きなのか噴水?」

 

「私の村は寒くて水が凍っちゃうから噴水とかは珍しいんだ。」

 

「そういえば、そうか。」

 

 シンはレンにそう言われて、エルナ村の事を思い出していた。そうこうしていると、噴水の近くまでまできた。

 

「変わった見た目をしてるな。」

 

「確かに。」

 

 二人が見ていた噴水はドラゴンが二足で立ちをして、両手の手の平を上にして前に出し、口を開け、そこから水が出ている少し変わった石像のある噴水だった。

 

「誰がこんな石像を造ったんだろうな?」

 

「さ〜?」

 

 二人は見た事の無い個性が溢れるこの噴水を見て不思議に思っていた。それから、噴水を後にして食事処に寄る事にした。お腹が空いていたと言う事もあったが、今までの旅で食事処の人から何かと有力な情報を聞いた事があったからという事もあったからだ。二人は歩いているとこの町にある食事処まできた。中に入ると、テーブルとイスがある至って普通の食事処だった。お客も何人か入っていて、食事を摂っていた。そして、カウンターらしきところには四十歳ぐらいの女性が立っていた。

 

「いらっしゃい。好きなとこに座っておくれ。」

 

 二人は言われるがまま適当な席に座った。それから二人は何を食べるかを決めて女性を呼んだ。

 

「ご注文は?」

 

 女性にそう言われて二人は自分達のご飯の注文をした。

 

「以上でいいかい?」

 

「あの〜……、申し訳ないんですけど、お聞きしたい事があるんですけど良いですか?」

 

「なんだい?」

 

「私たち人を探してるんですけど、赤髪のこの人に似た人がこの町に来なかったか聞きたいんですけど、どうですか?」

 

 レンは話の途中、シンの方を一度見て女性に伝えた。

 

「あんた達、リネオスの兵士たちが聞いてる事と同じ事を聞いてるんだね。さっきお客さんがそんな事を言ってたからね。そうだね〜、この町はどうかは知らないけど、少なくとも、うちには来てないね。」

 

「そうですか……、ありがとうございます。」

 

「悪いね、力になれなくて。」

 

「いえ。」

 

 すると、女性は二人から離れて厨房の方に向かっていった。

 

「そう簡単にはいかないか。」

 

「何か分かれば良かったんだけど、これじゃあ、兵士の人達も大変ね。」

 

 二人はそんな会話をした後、ご飯を食べて店を出た。

 

「さてと、これからどうするか……」

 

「そうね〜……」

 

「シン様〜、レン様〜。」

 

 二人が店の前でこれからどうするか悩んでいると、少し離れたところから走って二人の名前を呼ぶリネオスの兵士が見えた。

 

「ここにおられましたか。実は気になる情報が手に入りました。」

 

「何か分かったのか?」

 

 兵士の言葉にシンは兄の事に関する事が分かったのかと期待した。

 

「実は一ヶ月ほど前にとある不思議な事があったと。」

 

「不思議な事?」

 

 兵士の言葉にレンが不思議そうな顔をして聞いた。

 

次回、青白い光

 

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