シンとレンの十二の冒険   作:kuraine

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第66話 魔物のプライド

 二人がゴリラの魔物の動きを見て話しをしていると、ゴリラの魔物の方も話し終わった様で二人の方を向いていた。

 

「ウホ」

 

「ウホホ」

 

 すると、魔物は横に並び、二人に向かって一緒に走ってきた。

 

「俺がサニアで攻撃してみる。それで、こいつらがどう動くか見てみよう。」

 

「分かった。」

 

 二人は話を終えると、シンが魔物に向かってサニアを薙ぎ払った。魔物達はそれを見て、器用に空中に飛んで回転しながら躱した。

 

「だめか……」

 

「クア!」

 

 シンが魔物達に苦戦していると、イタチの魔物が前に出て体に電気を帯びていた。そして、次の瞬間、イタチの魔物は自分の体から電気をゴリラの魔物に向けて放った。

 

「ウホ〜〜」

 

 すると、一方の魔物が体を丸くして盾になり、もう片方の魔物がその後ろに隠れて電撃を防いだ。

 

「ウホホ?」

 

「ウホ!」

 

 後ろに隠れたいた魔物が盾になった魔物に話しかけると、盾になっていた魔物は元気そうに返事をして、また筋肉を見せる様な変なポーズを決めていた。

 

「クア!クア!クア!」

 

 その様子を見ていたイタチの魔物が自分の電気が効かなかった事に腹を立てているのか、何かを猛烈に訴えていた。

 

「ウホ」

 

「ウホホ」

 

 すると、腹を立てていたイタチの魔物の様子を見たゴリラの魔物が体全身を使って左右に動き、まるで馬鹿にしているかの様な態度をとっていた。

 

「ク、クア〜……」

 

 そんな魔物の挑発にイタチの魔物が体を震わせて、如何にも苛立っているのを露わにしていた。そして、体を震わせているイタチの魔物は全身から電気が溢れ出るかの様に放電していると、次の瞬間、電気を空に向かって放った。その威力は絶大で辺りが青白く染まるほどだった。

 

「ウホ!」

 

「ウホホ!」

 

 すると、その電気を見ていた魔物が手を頭に覆うように被せて姿勢を低くしていた。

 

「今の凄いな。」

 

「この子はどれだけ強いんだろう。」

 

「クア〜!」

 

 二人はイタチの魔物が放った電気を見てそんな事を思っていると、当の本人が空に向かって鳴いた。すると、何も無かった筈の空に青白い光りと共にゴロゴロという音が聞こえた。そして、次の瞬間、空にあった青白い光りが広がり、ゴロゴロという音と共に雷になって全ての方向に向かって広がり消えていった。

 

「何がどうなってるんだ!?」

 

「分かんない。」

 

 二人は余りにも強い青白い光りと音に、視界と音を遮断させられていたが、少しして元通りになった。そして、二人が目を開けると、そこには彼方此方に雷が落ちた後があり、所々で燃えている木さえあった。

 

「完全にやり過ぎだろこれ!」

 

「クア!」

 

 周りの様子を見たシンがイタチの魔物に対してそう言うと、雷を起こした元凶の本人は特に反省した様子もなく堂々としていた。

 

「ウホ!」

 

「ウホホ!」

 

 そんな事を話していると、ゴリラの魔物がイタチの魔物に近づき、何かを訴えるかの様に手の平を上に向けて話し掛けてきた。

 

「クア!」

 

「ウホ?」

 

「ウホホ」

 

「何を話してるんだ?」

 

「さあ〜?」

 

 何か話しをしている魔物同士の様子を見て二人はただただ見守っていた。

 

「クアッ」

 

「ウホ〜」

 

「ウホホ〜」

 

 すると、話しをしていた筈のイタチの魔物がプイッとそっぽを向き、それを見ていたゴリラの魔物が何かを訴えるかの様にしていた。それから暫くゴリラの魔物は顔を合わせて何かを話し合っていた。そして、話し合いが終わったのか、二人の方を向くと、頭を下げて森の中へ帰って行った。

 

「一体、何があったんだ?」

 

「取り敢えず、ひと段落ついたんじゃない……?」

 

「クア。」

 

 二人が魔物達の様子を見て話していると、イタチの魔物はいつもの様にレンの肩に乗った。

 

「これからどっちに進めば良いんだ?」

 

「クア!」

 

 シンがそう言うと、魔物が頭を動かして教えている様だった。

 

「こっちに行けばいいの?」

 

「クア。」

 

 レンが魔物に聞くとコクリと頷いた。それから二人は魔物が教えてくれた通りに進んだ。暫く歩くと、森を抜けた。そして、森を抜けた先には緑の草原が広がっていた。

 

「今度は草原か。」

 

「シン、あれって……」

 

「ん?」

 

 シンはレンの指差した方を向いた。すると、そこには草原の中に翠色の石で出来たちょっとした休憩場の様な建物がポツンとあった。

 

「あれは?」

 

「行ってみよう。」

 

「ああ。」

 

 二人は草原にポツンとある場違いな建物に向かった。建物の近くまで行くと、そこには翠色の台座の上に翠色の宝箱が置かれていた。

 

「これって……」

 

「ダンジョンの最終目的地の宝箱がある空間と似てるな。」

 

 二人は建物に着いてそんな事を言った。二人は今までのダンジョンとは違う形式に、ここがダンジョンの最終目的地なの不安だった。だが、二人が不安に思っていると、それを察したかの様に台座の後ろが光った。

 

次回、青髮の女の子

 

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