シンとレンの十二の冒険   作:kuraine

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第84話 盾の魔物

 シンがオバケの魔物と戦う事になる少し前、レンとサレサは一足先に先へと進み、新しい場所に飛ばされていた。

 

「また違う場所だね。」

 

「うん。何処に行けばいんだろう?」

 

 二人は辺りを見ながらそう言った。周りは何処まで続いているのか分からないぐらい真っ暗で、壁があるのか無いのかすら分からない程だった。二人の居る場所は透明な床が円形状に白色の光を放っていて、自分たちが今何処に居るのかを知ることの出来る大切な光源となっていた。だが、その他の光っていない床の部分は真っ暗になっていて、何処までも下に続いているように見えていた。

 

「ていうか……、よくよく見たらこの場所……もしかして……高いんじゃ……」

 

 レンは周りを見ると、自分が高い場所に居るのではないかという感情に襲われ寒気がした。すると、レンは見る見るうちに顔色が悪くなり、目には涙が溜まっていた。

 

「レンお姉ちゃん?!大丈夫だよ!?周りが暗いから高いところに居るように見えて、実は大したことないと思うよ……?」

 

 サレサは何の根拠も無かったが、このままだとレンが泣いてしまうと思い、気を遣って困った表情を浮かべながらもレンに言った。

 

「ほんと……?」

 

 レンはサレサの方を向き、何とか涙を流さないように堪えながら言った。

 

「う、うん。勿論だよ。」

 

 レンの表情を見たサレサは何の根拠も無く言っている事に罪悪感を感じながら答えた。

 

「見ててね?」

 

 サレサはそう言って手に持っていた、レンから貰った肉を食べた時に残った骨を試しに暗闇に落としてみた。すると、骨は何処までも下に落ちていき、下に落ちた時に聞こえるはずの音は何も無かった。

 

「……えっと〜、大丈夫だよ……」

 

「うぅぅ……」

 

 サレサは苦し紛れに苦笑いをしてそう言ったが、レンは涙を流しながらサレサの方を見ていた。

 

「……なんでこう高いところばっかりなの……?」

 

「……何でだろうね……」

 

 レンの言葉にサレサは苦笑いをして誤魔化すしか無かった。

 

「取り敢えず、辺りを探索してみよう?」

 

「う……、うん。」

 

 サレサが言いづらそうに言うと、レンは涙を拭きながら返事をした。それから二人はこの場所から進むべく、自分達がいる床の光っているところの縁に沿って歩いてみた。

 

「レンお姉ちゃんは少し内側を歩いて良いからね?」

 

「うん。」

 

 それから二人は光っている床のギリギリをサレサが歩き、その少し内側をレンが歩いた。すると、外側を歩いていたサレサの足元の暗闇の部分が光り始め、少しだけ暗闇の方へ続いていた。

 

「レンお姉ちゃん!ここから先に行けるかも。」

 

「……ここを通って行くの?」

 

 レンはサレサの方を見ると、人が三人は並んで通れるぐらいの横幅がある道が出来ていた。

 

「大丈夫だよ。結構広いし。」

 

 サレサはそう言って、新しく光って出来た道の方に進んだ。すると、サレサが進んだ分、新たに光、道が続いた。

 

「ちょっと……、ちょっと待って……」

 

 レンは今にも涙を流しそうな顔でサレサに言った。

 

「分かってるよ。今そっちまで行くから一緒に行こう。」

 

「うん。」

 

 サレサはレンの所まで戻り、一緒に先に進む事にした。サレサが先頭で進み、その後ろをレンがサレサの服を掴みながら、ピッタリとくっついて進んだ。二人が先に進むと、進んだ分、新たに道が光り、どんどんその光りの道の通りに進んだ。

 

「レンお姉ちゃん、大丈夫?」

 

「う、うん。何とか……」

 

 サレサは心配してレンに聞くと、レンは不安そうな表情を浮かべながら、自信がなさそうに返事をした。それから二人は先に進んで行くと、光の道が人が一人ずつ入れるぐらいの大きさの洞窟の入り口のような穴に差し掛かった。

 

「何だろう?」

 

「先に行けば何かあるかも。」

 

「行ってみよっか。」

 

「うん。」

 

 そう言って二人は洞窟のような入り口から奥に進んだ。途中、サレサが壁を触れると、どうやら壁は真っ黒な石で出来ているようで、表面はザラザラとしていた。それから二人が先へと進むと、何処か開けた場所に出たようだったが、光っている道の明かりだけでは壁があるのかどうか分からなくなった。

 

「レンお姉ちゃん、何処かに出たみたい。」

 

「そうなの?」

 

 サレサの言った事にレンが心配そうに言うと、次の瞬間、前の方が白に光った。

 

「うわっ?!」

 

「何?!」

 

 二人は暗闇から突然白く光った為、手で目を覆った。そして、暫くすると、その光が収まったので二人は覆っていた手を外し、目を開いた。すると、二人の前に黒の甲冑を着て、白銀の大楯を左手に持ち、大楯の配色と似ている白銀の長剣を右手に持つ、人型の魔物がいた。辺りを見渡すと、暗闇だったこの場所が体育館ぐらいの広さのドーム状の空間で床も壁もさっき魔物が放った光を吸収して薄っすらと白く光っているようだった。そして、床を見るとさっきまでの様に落ちる心配は無さそうだった。

 

「あれは魔物?!」

 

「そうみたい。」

 

 二人が突然現れた魔物を見て驚いていると、サレサの首につけていたネックレスが紫色に光り、魔物の姿へと変身した。

 

次回、コンビネーション

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