「クア。」
魔物の姿に変身したサレサに倣って、レンも肩から背中に下げていたリナザクラを取り出した。
「この魔物を倒さないと先には進め無さそうね。」
「クア。」
レンはここに辿り着くまでに分かれ道は無かった事から魔物を倒す事によって進む事が出来るようになると予想した。レンの話しを聞いたサレサはコクリと頷いて返事をした。二人がそんな会話をしていると、人型の魔物が左手に持っていた白銀の大楯を二人の居る方に向けた。そんな魔物の行動を見て二人は身構えた。すると、白銀の大楯が光出し、白い光を放った。その光は二人の視界を奪い、目を閉じざるを得なかった。
「サレサ、気をつけて!」
「クア!」
レンの言葉にサレサが返事をすると、サレサは体に電気を帯び、魔物のいた方に向かって放電した。サレサの放った電気は人型の魔物の方へ一直線に向かっていった。すると、人型の魔物はサレサの放った電気の方に大楯を構えると、今まで光っていた光が収まった。そして、次の瞬間、サレサの放った電気が魔物の大楯に当たった。すると、サレサの放った電気が大楯に吸い込まれるように吸収された。
「クア?!」
「サレサの電気を吸収するなんて!」
二人は魔物がサレサの電気を吸収した事に驚いていた。すると、人型の魔物が腰を下げ、大楯を二人の前の方に出し、右手に持っていた白銀の長剣を後ろに構えた。そして、次の瞬間、魔物が右手に持っていた長剣を二人の居る方に向かって振り下ろした。その瞬間、魔物の振り下ろした長剣からサレサの放った電気と同じぐらいの質量の電気が放たれた。
「クア?!」
「危ない!」
レンは咄嗟の判断でサレサの前に立ち、魔物の放った電気をリナザクラで受け止めた。すると、電気が当たったリナザクラが光を放ち、魔物の方へ跳ね返した。それを魔物は横に躱した。
「あの魔物の剣、サレサと同じような攻撃をしてきたから、もしかしたら、あの盾で受けた攻撃をそのまま剣で使えるのかもしれない。」
「クア〜」
レンの話しを聞いたサレサが唸っていると、魔物が再び剣を振り下ろした。すると、さっきと同様、剣から電気が放たれ、二人は魔物の攻撃を左右に分かれて避けた。
「サレサ、思いついた事があるから試していい?」
「クア?」
レンの言った事にサレサが不思議そうにしていた。
「私に向かってサレサの電気を放って欲しいの。」
「クア!?」
レンの言った事にサレサは驚きを隠せないといった表情をしていた。
「サレサの電気を私のリナザクラで跳ね返して魔物に攻撃しようと思うの。」
「クア?」
レンの話しを聞いたサレサは不安そうな顔をしていた。
「物は試しよ。さっき私が跳ね返した電気を盾で吸収しないで避けたからっていうただそれだけなんだけどね。」
「クア〜?」
レンの話しを聞いたサレサが渋い顔をして、心配しているようだった。二人がそんな会話をしていると、魔物は剣を構えた。
「まあまあ、そんな顔しないでよ?」
「クア〜」
レンがサレサの顔を見て困っていると、サレサは渋々了承したようにため息交じりの返事をした。二人の会話がひと段落すると、魔物は構えていた剣を振り下ろした。すると、魔物の剣からは電気が放たれた。それをレンがリナザクラで跳ね返すと先ほどと同様、魔物は大楯を使わずに躱した。
「サレサ、お願い!」
「クア!!」
レンがそう言うとサレサは覚悟を決め、体に電気を帯び始めた。そして、サレサの体に電気が帯びると、サレサはレンに向かって電気を放った。サレサの放った電気は青白い光と共にレンの居る所まで一直線に向かっていった。それをレンはサレサの攻撃をリナザクラで受けた。すると、リナザクラの扇面が白に光った。その瞬間、レンは人型の魔物に向かってリナザクラの扇面を向けて、サレサの攻撃を跳ね返した。リナザクラで跳ね返した攻撃は魔物へと向かっていった。それを見た人型の魔物が一瞬、横に躱そうとしたが、避けきれないと踏んだのか動くのを止め、大楯を構えた。すると、魔物の構えた大楯にレンがリナザクラで跳ね返した攻撃が当たった。リナザクラで跳ね返した攻撃は、サレサの電気が元々強力だったと言う事もあり、物凄い威力で魔物の構えた大楯を粉々に破壊した。そして、リナザクラで跳ね返した攻撃はそのまま魔物の体を貫通した。
「上手くいった。」
「クア!」
上手くいった事に安堵しているレンを見て、サレサは驚いたといった表情をしていた。すると、人型の魔物は長剣と大楯と一緒に粉々になった。
「これでやっとひと段落ついたね。」
「クア。」
レンの言葉にサレサが返事をすると、魔物の姿から人間の姿へと変身した。
「レンお姉ちゃんが私に攻撃してって言った時はビックリしたよ〜」
「そうだね、ビックリさせちゃったね。」
サレサの言った事にレンは微笑んで返事をした。二人がそんな会話をしていると、この空間に入ってきた位置の反対側の壁が少し崩れ、扉が現れた。
「これって……」
「まだ、先があるみたいだね。」
「うん。」
二人はそれから現れた扉に近づいた。すると、扉には今までと同じ様に手を嵌められる窪みがあった。
「また、これだね?」
「うん。」
「私に捕まって。」
「うん!」
「わぁ!?」
レンに言われてサレサは笑顔でレンに抱きついた。
「もう〜、しょうがないな〜、今だけだからね?」
「うん!」
レンは困惑しながらも微笑んで言うと、サレサは満面の笑みを浮かべた。そして、レンは扉の窪みに手を嵌めた。すると、窪みの部分から扉全体へと青い光が広がっていった。それから、扉全体まで青い光が広がると、青い光が二人を呑み込んだ。
次回、合流