シンとレンの十二の冒険   作:kuraine

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第87話 本当の実力

「何だこれ?!」

 

 シンがドアを開けると、そこには地面より少し上の壁の正面の部分に大小様々な形と色をしたガラスが黒い色で区切られているステンドグラスがあった。そして、そのステンドグラスは後ろから光りを浴びている為か、それぞれのガラスがくっきりと色鮮やかに写し出され、神秘的な雰囲気を作っていた。道の真ん中には、床に赤のカーペットが敷かれていて、その両脇に茶色の木製で出来たイスが等間隔に並べられていて、ステンドガラスの方を向いている教会を思わせるような場所だった。

 

「綺麗な場所だね〜」

 

「クア〜」

 

 二人は中の様子を見て、感銘を受けているようだった。それから三人は中に入った。

 

「ここは外にでも繋がってるのか?」

 

 シンは色あざやかなステンドガラスを見て、そんな事を言った。

 

「どうなんだろうね?」

 

「クア。」

 

 どうやら二人も同じような事を考えていたようで不思議がっていた。

 

「割ってみるか……」

 

「ダメだよ!」

 

「クア!」

 

 シンの提案にレンとサレサが一緒になって言ってきた。

 

「でも、もしかしたら、外に繋がっているかもしれないだろう?」

 

「だからといって、こんなに綺麗なものを壊すなんて勿体無いじゃない。」

 

「クア。」

 

「え〜……」

 

 シンは理由を聞いて渋い顔をした。すると、開いていたドアがバタンと音を立てて、独りでに閉まった。

 

「ん?何だ?」

 

 シンは一人で閉まったドアが気になり、ドアまで歩いてドアを開けた。

 

「開かない?!」

 

「え?!」

 

 シンが全力でドアを開けようと努力したが、ドアはピクリとも動かなかった。

 

「罠だったか?」

 

「試しに蹴破ってみるからちょっと避けて。」

 

「おお。」

 

 そう言ってシンがドアから離れると、レンがドアに蹴りを入れた。だが、さっきと同様、ドアはピクリとも動かなった。

 

「やっぱりダメか……」

 

「木製のドアだからシンのサニアとかなら壊せるかも。」

 

「確かに、やってみるか。」

 

 シンはレンに言われたように懐からサニアを取り出した。

 

「危ないから下がっててくれ。」

 

「うん。」

 

 レンがドアから離れると、シンはサニアを振り下ろした。すると、ドアが壊れるどころか、サニアの斬撃が発動しなかった。

 

「何でサニアが発動しないんだ?!」

 

 シンがサニアが発動しない事に驚いていると、今度は三人の背後にあった色鮮やかなステンドガラスの方からパリンというガラスが割れた時の様な大きな音がなった。

 

「何だ!?」

 

 シンはそう言いながら後ろを振り返った。すると、シンの視界にステンドグラスを割って勢い良く自分の方に飛びかかって来る、頭が前後左右と四つあり、剣と刀を持った腕が全部で八本、前後左右に二本づつ付いている阿修羅の様な見た目をした、目が赤く、黒い体をした人型の魔物が今まさにシンに襲いかかろうとしていた。

 

「何だこいつ!!」

 

 シンは魔物の姿を見て懐からイニルを取り出そうとしたが、間に合わなかった。

 

(このままだとマズイ!!)

 

 魔物の剣が当たりそうになりシンが焦っていると、サレサが体から電気を魔物に向かって放った。サレサの電気は魔物に当たり、一瞬、動きが止まった。シンはその隙に懐からイニルを取り出し、足で魔物を蹴り飛ばした。すると、魔物はシンの攻撃を前の二本の腕で受け止め、スタンドグラスの方に離れた。

 

「サレサ、助かった。」

 

「クア!」

 

 シンがサレサに礼を言うと、サレサは笑顔で返事をした。

 

「どうやらこいつがここの魔物らしいな。」

 

「そうみたいね。」

 

 シンはサニアとイニルを構え、レンもリナザクラを取り出し、魔物の攻撃に備えた。魔物をよく見ると、中世ヨーロッパの剣の様な見た目をした剣を左手が持ち、鞘の部分が黒く、鍔が金色で反りが殆ど無い、至って普通の刀を右手が持ち、全部で剣を四本と刀を四本を持っていた。上半身は何も着ていなく、下半身は黒の半ズボンの様なブカブカの服を身に付けていた。

 

「試したい事がある。」

 

「何?」

 

 シンの言った事にレンが不思議に思っていると、シンがサニアを魔物に向かって振り下ろした。すると、いつもなら発動する筈のサニアの斬撃が発動しなかった。

 

「やっぱりか……」

 

「どう言う事?」

 

「何でか分からないけど、どうやらここでは神器が使えないらしい。」

 

「そんな?!じゃあ、どうやってあの魔物を倒せば……」

 

 シンの話しを聞いたレンが重い表情で言った。

 

「クア!」

 

 すると、サレサがレンに近づき、自分の存在を伝えるかの様に言った。

 

「そうだったね、ごめん、ごめん。サレサが居たね。」

 

「クア。」

 

 レンがサレサに謝ると、サレサは快く返事をした。

 

「いくらサレサが居るからといっても、神器が使えない以上、そう簡単には倒せないだろうけどな。」

 

「クア〜!!」

 

 シンがそう言うと、サレサは少し怒った様にシンに訴えた。

 

次回、三人VS魔物

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