とある五つ子の(非)日常   作:いぶりーす

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とある長い夜に思い出すのは最悪の出会いと奇妙な再会。


わんないとらぶる②

 腐れ縁であり、幼馴染であり、親友であり、世話のかかる弟でもある。それが小学生時代の竹林にとって上杉風太郎との関係だった。

 生真面目で学級長の自分と不真面目で不良な彼。水と油のように思える彼とは意外にも馬が合った。

 見た目は派手で口調も粗暴であるが、根は優しく何より一緒にいて純粋に楽しかった。互いに相手を振り回し、振り回される日々に心から笑い合った。

 弟のような幼馴染との変わらない日常。それがこれからもずっと続いて、彼とずっと馬鹿なやり取りを交わしていくのだと竹林はどこか漠然と思っていた。

 

『俺には何もない。変わりたいんだ』

 

 終わりは、ある日突如訪れた。あの勉強嫌いの風太郎がどういう風の吹き回しか自分に勉強を教えて欲しいと頭を下げてきたのだ。

 自分と幼馴染の真田の前で頭を下げて勉強を押して欲しいと懇願する風太郎に竹林は喜んで彼の手を取った。

 意地っ張りで素直じゃない彼が自分を頼ってくれたのが嬉しかった。お馬鹿な彼もようやく勉強の大切さを学んだのだ。その成長は歓迎すべきである。彼との勉強会はきっと楽しいに違いない。

 けれど、随分と急な変化だと思った。流石に何か理由があるのだろう。竹林は風太郎の心境の変化に疑問を投げかけると彼は自慢するかのようにある一枚の写真を目の前で見せびらかした。

 

『約束したんだ。こいつと』

 

 その写真に映っていたのはカメラから目線を逸らすぶっきらぼうな表情の風太郎と……彼とは対象的に笑顔を浮かべてピースサインをする一人の可憐な少女。

 修学旅行の時に彼が自分達の班と離れていた間に出会い、行動を共にしたその少女に感化されたそうだ。

 嬉しそうに、楽しそうに、大事そうに、───愛おしそうに。

 その少女との約束を語る風太郎に竹林は何故か、言葉にし難い寂しさを覚えた。今まで共に遊び笑い揶揄いあっていた世話のかかる弟のような幼馴染が、気づけば何処か遠くに行ってしまったかのような錯覚を感じたのだ。

 なんだろう、この空白は。なんだろう。このぽっかりと心に空いた穴は。

 風太郎が成長するきっかけを得れて素直に祝福できる筈なのに、何故私の心はこんなにもモヤモヤとしてるんだろう。

 

 後に彼が純白のドレスに身を包んだ女性と誓いの口付けを交わした姿を見るまで、竹林はこの時に抱いていた名状しがたい喪失感の正体に気付く事ができなかった。

 

 ◇

 

「俺の初恋はお前だった」

「───えっ?」

 

 彼の口から零れ落ちた言葉の意味を飲み込むのに数瞬の時間を要した。

 何を言っているのか分からなくて、酒に酔ったせいでおかしな幻聴が聞こえたのかと思った。

 グラスに残ったビールを一気に呷る風太郎に竹林は未だに言葉を失ったまま目を見開いていた。

 

「……もう、そういう冗談はダメだよ。いくらお酒を飲んでるからって」

 

 何とか絞り出した声。かつて彼が悪戯をした際に叱りつけたのと同じように質の悪い冗談を口にする幼馴染を窘めた。

 平静を装ってはみたが、きっと声は震えていただろう。それこそ自分と普段から傍にいる夫ならこの異変に気付いた筈だ。

 けれど酔った影響か、それとも生粋の鈍さ故か。風太郎はその異変に気付いていない。それどころか、こちらの事情など知ったことかと言わんばかりに空になったグラスにビールを注ぎ始めた。

 

「俺がそういう冗談を言うと思うか?」

「昔の風太郎なら言ったでしょ」

 

 悪戯が好きで明るく真っ直ぐで純粋な彼なら、きっと悪意なくこんな冗談を口にしただろう。

 昔から彼を知る幼馴染だからこその認識。既知故の常識。

 

「その昔の頃から俺はお前が好きだったんだよ」

「──」

 

 だが、そんな常識はいとも簡単に崩れるものだと思い知らされた。

 

「……そう、だったんだ」

「ああ」

「知らなかったよ、そんなの。だって風太郎、普通に遊んでたじゃん私と。あんな笑って」

「そりゃ好きな奴と遊んでたんだからな。楽しいに決まってる」

「気付かなかった」

「言わなかったからな」

「言わなかったって……」

「……正確には言えなかった」

「言えなかった?」

 

 『どうして』という言葉を続けそうになって、それをなんとか飲み込む。そんな必死な自分自身に竹林は戸惑いを隠せなかった。

 なぜ今更そんな話を聞く必要があるんだ。子ども頃に抱いた幼稚な恋なんて今は関係ないだろう。

 なぜ聞こうとした事をそんなに驚くんだ。いい酒の肴だ。必死になって止める必要はないだろう。

 矛盾を孕んだ自分の思考に混乱する。どうやら思った以上に飲み過ぎたようだ。酔った勢いで高揚して、おかしくなっているに違いない。

 だってそうだろう。こんなのはおかしいに決まっている。さっきから彼の顔を直視できないのも、脈が強く打っているのも。

 

「ねえ、風太郎」

「なんだ?」

「どうして言えなかったの? 恥ずかしかったから?」

「それは……」

 

 さっき飲み込んだ言葉を敢えて吐き出した。昔のように揶揄うように。そうすれば少しは冷静になれると、酔いが醒めるのではないかと信じて。

 それにこう問えばきっと彼も言葉を詰まらす筈だ。それを見て彼を笑い飛ばそう。シャイだねと揶揄い、私も風太郎の事は嫌いじゃなかったのに、とでも冗談を返して。

 これで互いに良い酒の肴になるだろう。全て酒と共に洗い流せる。

 

「告げようと思った事はあった」

「本当?」

「小学生の時じゃない。お前と再会してからだ」

「え……」

 

 なのに、どうして彼はそうさせてくれないのだろう。どうして私は彼の言葉に。

 

「覚えてるか? お前とあの公園で再会して……そのおかげで俺はあいつらと信頼関係を結べたんだ」

 

 上杉風太郎との再会。もちろん覚えている。忘れる筈がない。気に掛けていた幼馴染と───あんな形で再び会えたのだから。

 

 

 ◇

 

 上杉風太郎にとって人生で一番最悪だったのは母親が亡くなった日だ。それはきっとこれから先も変わる事はないだろう。

 ならば二番目に最悪だった日はいつか。それは間違いなく『今日』だ。これもきっとこれから先の人生でも塗り替わる事がない。そう断言できる程度に今日は最悪な日だった。

 その日は朝から『最悪』だった。高額収入の家庭教師のバイト。その生徒がまさか昨日邪険に扱った女生徒とは夢にも思っていなかった。何とか関係修復をしようとあれこれ布団の中で悩み、そのせいで遅刻しそうになった。慌てて家を出た為、家に大事な生徒手帳を忘れたのも最悪だ。肌身離さず持っていた彼女の写真を今日に限っては手放していた。

 次に最悪だったのは案の定、あの女生徒。中野五月に根に持たれ接触すらままならないという状況。しかもその友人と思える集団に悉く邪魔され上手く事が運ばない。

 それだけならまだしも、なんとその四人は友人ではなく彼女の姉ときたものだ。世にも珍しい五つ子姉妹。自分と関係のない存在だったなら動物園のチーターのような珍しい姉妹もいるものなんだなと、軽く流していたに違いない。

 だが、彼女達は無関係ではなかった。むしろ大有りでなんと中野五月だけではなく、姉達四人も自身の生徒として受け持つ事になった。

 恐らく五人全員が最悪の印象を持たれている。逃げだしたい気持ちは山々だがこれも借金返済とらいはの笑顔の為。背に腹は代えられないと最悪の状態の中、彼女達と対面して改めて家庭教師である事を名乗り、パートナーだと宣言した。

 結果は姉妹一人を除いて全員が無視か拒絶。何とか姉妹の何人かをテーブルに囲わせ、勉強を始めようとした。その矢先に姉妹の一人にクッキーと紅茶を勧められ、そして───。

 

「……どこだ、ここ」

 

 気付くと公園のベンチで横たわっていた。

 見知らぬ公園、では無さそうだ。一応は見覚えがある。特徴的な大きな池があるこの公園は家から徒歩圏内だった筈。

 いや、問題はそこではない。何故、公園のベンチなんかに寝そべっていたのかが問題だ。状況が全く理解できない。なんだこれは。

 記憶の糸を手繰り寄せ、未だに思考が覚束ない脳を無理やり働かせる。

 確か家庭教師の為に中野家に訪問していた。ほとんどの姉妹がやる気なく、骨が折れたがようやく勉強を始めようとして……。

 

「まさか……」

 

 だんだんと記憶が蘇っていき、ある確信に至った。そして絶句した。

 あの女。確か次女だったか。彼女に薬を盛られたのだ。記憶が飛ぶ前に確か家庭教師など要らないと吐き捨ていたのを思い出した。

 確かに自分は部外者で異物で印象も最悪だった。だが、だがである。だからといって睡眠薬を盛って家庭教師を排除するなど考えられるだろうか。

 ご丁寧にマンションの下ではなく離れた公園に放置する徹底ぶりだ。マンションの傍なら今からでも乗り込んでやろうという気になるが流石にここまで離れた場所に投げ出されてはそんな気力も湧きやしない。

 風太郎は己に為された行為に怒りよりも呆れの感情が上回っていた。こうも拒絶されるとむしろ清々しさすら感じる。ベンチに寝転がりながら風太郎は空を仰ぎ見た。

 もう日が沈みかけていて辺りは薄暗い。今から彼女達のタワーマンションに向かえば完全に日が暮れるだろう。それにマンションに向かった所でここまで徹底して排除されたらそもそも部屋に通してもらえなさそうだ。

 どうしたものか。

 大きく溜息を吐いた。このままでは空だけではなく自身のお先も真っ暗だ。相場の五倍の報酬である家庭教師のバイト。確かにそれは魅力的だ。喉から手が出る程に。

 だが目標達成が今のところ現実的でない。勉強を教える前に最悪の状況から信頼関係から築かなければならないなんて聞いていないのだ。それも対話すら成り立つかも怪しい。特にあの次女と五女は。

 背に腹は代えられない家庭状況とは言え、これで成果を上げろなんて無茶な話だ。これなら今まで通り普通のバイトを続けて堅実に稼いだ方がいいのではないか。

 だんだんと思考がネガティブになっていく。初日からどぎつい洗礼を受けて風太郎はいつになく弱気になっていた。諦めかけた時や挫けそうになった時は京都の彼女の写真を見て己を鼓舞していたが、不幸なことに今日はそれを持ち歩いていない。

 いやむしろそれは幸運だったかもしれない。万が一、寝ている間にあの子の写真をあの姉妹に見られていたらと思うとそっちの方がゾッとする。

 

「……最悪だ、本当に」

 

 とりあえず帰って、このとんでもない仕事を持ち込んできた父に一言文句を言ってやろう。その後にらいはの作る晩御飯を食べれば今日の悪夢はきれいさっぱり忘れられる。

 硬いベンチで寝ていたせいで節々が痛む体を無理やり起こして立ち上がろうとした、その時だった。

 

「ようやく起きたんだね、風太郎」

 

 突如かけられた声と頬に当てられた温かい感触。

 慌てて後ろを振り向くと、ヘアピンをした長い黒髪の少女が優しく微笑みかけていた。

 誰だ。何故名前を知っている。いや、何処かで見覚えがある?

 

「驚いたよ。たまたま通りがかった公園で生き別れの弟と再会するなんて」

 

 妙に既視感を覚える謎の少女に戸惑う風太郎だったが、彼女の言葉でますます困惑した。

 

「あれ、本当に分からない?」

「えっと、どちら様ですか……?」

「小学校以来だもんね、しょうがないか」

「小学校……あっ」

 

 そのワードでようやく彼女の正体を掴めた。

 自分をこうも揶揄い、そして笑いかける女子なんて一人しか心当たりがない。

 

「思い出してくれた?」

 

 彼女の問いに肯定の意で頷くと彼女、竹林は嬉しそうにはにかんだ。

 

 

 

「苦いのはダメだったからココアで良かったよね?」

「あ、ああ。悪いな……にしてもよく覚えてたな、俺の好みなんて」

「小五の時だったかな。風太郎が背伸びしてコーヒー飲んで吐き出したの、今でも覚えてるよ」

「……忘れてくれ」

「ふふっ」

 

 自身の直ぐ隣に座り、ココアの缶を渡してくる竹林に風太郎は何処か居心地の悪さを感じた。

 家庭教師のバイトをしていた筈なのに生徒に眠らされ公園で放置されたかと思いきや今度は幼馴染との思わぬ再会だ。戸惑うなと言う方が無理がある。

 この状況、未だに当事者の自分でも整理が付いていないのだから。

 

「それで?」

「何だ」

「風太郎はどうしてこんなところでお昼寝なんてしてたの?」

「……」

 

 竹林から渡されたココアをちびちびと飲みながらなんと答えるべきか迷った。別に誤魔化してもいいし、素直に話す必要もない。

 ……だが今日の事で少し鬱憤が溜まっていたのかもしれない。普段なら誰にも零さず自分の中で消化していた感情。それをほんの少し、誰かに聞いて欲しかった。

 相手が気の許せる幼馴染だったというのも理由の一つだ。だから風太郎は竹林に今日の出来事を愚痴りながら零した。

 

「今からその子達の家に行こうか?」

 

 ふむふむと時折相槌を打ちながら話を聞いていた竹林は聞き終えて開口一番にそう言って笑った。笑顔のままじっとこちらを見つめているので流石に風太郎も嫌な汗が流れた。

 

「流石に人の弟を眠らされれて放置されたは看過できないな」

「よしてくれ。余計に面倒な事になる……というか誰が弟だ。いつお前が俺の姉になったんだよ」

「冗談だよ」

 

 本当に冗談だったのだろうか。委員長気質である彼女だが、時折やんちゃだった頃の自分でも振り回された事がある。竹林の行動力なら本当にあの五つ子マンションに殴り込みに行きかねない。

 もしそうなったら確実にあの姉妹と揉めて修復不可能な程の溝が出来上がる。それこそ家庭教師をクビになるだろう。そうなれば一層の事清々しいかもしれないが流石にまだ手放すには惜しい高額報酬のバイトだ。今のところは何とかまだ続けて行きたい。

 

「しかし変わらないな、お前も」

「一目で直ぐに分からなかったのに?」

「見た目の話じゃねえよ。中身だ、中身」

「そうかな?」

「ああ」

「そういう風太郎は変わったね。あのお馬鹿は風太郎が今じゃ誰かに勉強を教える立場なんて」

「お陰様でな。厳しい『先生』の指導で勉強だけは出来るようになった」

「厳しくしてくれって言ったのは風太郎でしょ?」

「スパルタ式にしろとまでは言ってない」

「そうでもしないと覚えないからだよ」

 

 本当に彼女はちっとも変わらない。その強引さも、真面目さも、その笑みも何もかもが。

 空っぽだった何もない頃の自分は今となっては嫌いだが、それでもあの頃の毎日は竹林と過ごす日々は確かに楽しかった。

 そんな懐古感が彼女と話していると湧き出てくる。それに勉強の為に家族以外の全ての繋がりを断ち切ってきた風太郎にとって、誰かとこうして話すのは本当に久しぶりだ。

 ……久しぶりに、他者と関わる喜びを思い出した。家族以外の前で笑ったのも本当に久しぶりだった。

 

「それで、どうするの?」

「家庭教師か?」

「うん。話を聞いてると中々手強そうだからね、その子たち」

 

 手強い、どころかじゃない。強すぎる。無敵だ。今のところ勝ち目がない。初日でこれなのだから心が折れかける。果たして彼女達五人全員を無事卒業させる事など可能なのだろうか。

 どの程度の学力かそれすらも図れず仕舞いで初日の今日は終わってしまった。計画の目途すら立っていない。

 

「一応は続ける予定だ……だが」

「策は無いんだ」

「正直な。お手上げ状態だ」

 

 両手を上げて溜息を吐く。もしもこれで彼女達が全員赤点のミラクルお馬鹿なら完全に詰みだ。どうしようもない。加えてノルマなど課せられた日には黙って辞表を残して去るだろう。

 

「まずはその子に何とか信頼されないと」

「それすらままならねえからな今は」

 

 勉強を教えるのなら出来る。だがこれは教える教えない以前の問題だ。こちらから歩み寄ろうにも今日のような拒絶の仕方をされたらどうしようもない。

 だいたい自分のような家族以外の人間関係を断絶してきた人間に信頼関係を築けというのうが無茶な話だ。それも同い年の異性に。

 自分に足りないもの。それは彼女達との付き合い方、いや人との付き合い方だ。勉強以外を粗末にしてきたツケがここに来て回ってきたのかもしれない。

 どう話せば心を開くのか、どう接すれば歩み寄ってくれるのか。点で理解できない。何か、それこそ勉強のように教科書があればいいのに。

 そう思って、ふと隣にいる竹林の顔を流し見た。

 

「……?」

 

 そう言えば、意識していなかったが彼女とはこうして自然と対話し、自然と歩み寄れている。

 勿論それは長く共に過ごした時間があるからこそであるが、何もそれは最初からではない。

 

「なあ、竹林」

「なに? 風太郎」

 

 もしかしたら、これは光明となるかもしれない。あの厄介な五つ子たちを相手取るのに必要な鍵。

 

「正直、俺はあいつらみたいな同い年の連中とどう接すればいいのか分からん。何が正解で何が不正解なのか。点で理解できない」

「うん。風太郎は勉強ばかりしてきたって言ってたもんね」

「だから、お前に頼みがある」

 

 人に頼るなんて、普段なら絶対にしない。他人など全員馬鹿に見えるし、見下してもいる。プライドが許さない。

 でも、彼女は違う。だって彼女は、竹林は幼馴染で、自分にとって勉強を教えてくれた『先生』で既に頼った事のある唯一の友だから。

 

「たまにこうして会ってくれないか? あいつらとどう接すればいいのか、お前の意見を聞きたいんだ」

 

 かつて勉強を教えてもらうように頼んだ時と同じように深く頭を下げた。きっと上杉風太郎にとって家族以外で頼れる存在は彼女しかいない。

 そんな風太郎の手を竹林は取った。勉強を教えてあげると言ったあの時と同じように。

 

「当然だよ。風太郎は私の弟みたいなものだから」

 

 いつの間にか日が暮れていた。闇雲の間を縫うように照らした月光の光は変わらない幼馴染の笑みを美しく存在立たせ、思わず風太郎は目を逸らした。

 

 この時から、少しずつ歯車はずれ動き始めたのかもしれない。

 

 


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