二回死ぬだなんて聞いてない   作:ファザー

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第5話

 

 

それから一年経った今でも公園で会った少年とは付き合いが続いている。前の組織にいた時と違い、今は表の学校へと通えない。けどその空白の青春を埋めてくれるかの様に少年は会ってくれた。表での俺の友人だと言えるほどだ。

そんな彼、黒羽快斗とは今日会う約束をしている。なんでも今度三年の送迎会でマジックを披露する事になったそうだ。一年程前に高校に上がった彼は今では高校の中で注目の的。何せ黒羽盗一の一人息子なのだから。

一年にして三年の送迎会とは大変だなと思いながら待ち合わせの場所へと急ぎ、快斗を見つける。こちらに気づいたから手を振った。

 

「おまたせ。ちょっと遅れちゃったな」

「いや大丈夫だ。それよりリカルナ、俺さ連れいるんだけど良いか?」

「連れ?」

 

合流した快斗からそう言われて首を傾げる。連れとは誰だろう。快斗の知人だろうが、俺は知らない奴だろうな。そもそも快斗以外にあいつら除いて友人いないし。

そんな時、快斗ー!という呼ぶ声が聞こえて一人の女の子が小走りでこちらを向かっていた。快斗を呼んだのは彼女の様だ。つまりは、連れは彼女だろう。

彼女は快斗の横に俺がいると認識来た途端、先程まで浮かべていた笑顔は消え怪訝そうな顔をした。怪しまれているのだろうか。彼と初めて会った時の戦闘スタイルじゃなくて、普通の私服なのだけれど。コーデはバーボンに任せた。俺はそういうのには疎いからな。

たたたっと小走りでこちらに来た彼女は快斗の側に行って耳打ちする。ただの女友達にしては距離感が可笑しいが、彼らは自然体だ。

 

「ねぇもしかして、この人が快斗が言ってた人?」

「そ。リカルナ=フォルドーって言うんだぜ。俺のファン!」

「快斗のファン〜?そんな嘘!青子には通じません!」

「う、嘘じゃねぇって!」

 

うん、嘘じゃないけど明確には言ってないかな。それと微笑ましいけど。

 

「夫婦漫才はその辺にしてくれるか?」

「「なっ!?」」

 

口喧嘩に夢中な二人に聞こえるように言うと、二人とも顔を真っ赤にしてこちらを振り向いた。おーおー、赤くなっちまってー息ぴったりだな。

夫婦じゃない!と叫んでくる二人だが、それでは余計にそう見えるだけだ。彼らの言葉を聞き流して、まだ頬がほんのり赤くなってる彼女の方へと向いた。因みに快斗の方はもう普通だ。流石マジシャン、ポーカーフェイスはお手の物か。

 

「君が快斗の連れか?俺はリカルナ=フォルドー。快斗とは縁あって友人やらせてもらってる」

「そうなんですか!私は快斗の幼馴染で、中森青子と言います!」

 

右手を差し出すと握り返してくれた。日本では馴染みない挨拶なのにサラッと返してくる所、よくできた子だと思う。気前も良さそうで元気だし、中々の優良物件ではなかろうか。良かったな快斗。

そもそも幼馴染属性を持つ異性が側にいて好きにならないはずがない。お前はギャルゲー主人公か。朝に布団をしっぺ返してくるタイプだろうね、青子ちゃんは。

 

「リカルナさんは外国人なんですか……?」

 

恐る恐るてな感じで聞いてくる青子ちゃん。それに俺は苦笑いしながら、頷いた。

 

「生まれは海外だな。だけど殆ど日本育ちだし、両親も片方が日本人だった」

 

嘘じゃない。ただその両親はもうこの世にいないが。

片方が外人だからか黒髪黄色肌だったのにも関わらず、赤目だったから学校に通っていた頃は珍しがられた。今の方が奇抜だけれど。何せ鈍い銀色の髪に、髪で隠れている方が赤目、もう片方は黄色いというオッドアイ。黄色い方はもれなく照準が付いてくるのだけれど……うん、見た目やばいな。

 

「確かに日本語お上手ですもんね」

 

純粋な笑顔に苦笑いする。そりゃ前世日本人ですし、寧ろ英語できなくてモテない身長低い生粋の大和男子でしたし?今世はなんの因果か、ハーフイケメン高身長になったが裏の人間だったという壮絶な生まれだけれど。

まぁ、今の身体ほど壮絶な人生はないだろう。組織の科学力が可笑しいのか、それを考え出したジムが可笑しいのか。どう考えても両方だが、ヤバさで言えばジムだ。どうしてないものを作り出せるのか……天才を通り越してる気がしてならない。

 

「じゃ、自己紹介もしたし。行こうぜ!リカルナ!」

 

片方の腕を掴まれて引っ張られる。俺は結構重いはずなんだけど、よく引っ張れるな……最初よろめいてたのは見なかったことにしてあげよう。

 

「おっもい!」

 

そんな事を言いながら引っ張る彼の負担を減らそうと自身でも歩き出す。ゴツゴツと他とは違う足音が響くのはもう慣れたものだ、

 

「そりゃ重いだろうな、鍛えてるし」

「鍛えてあるにしても可笑しな重さなんだけど!」

「こら快斗!失礼な事言わないの!」

 

まぁ鍛えてるってのはあながち嘘ではない。腕が鈍らないように色々と訓練はしてるしな。この身体では鍛えても、筋肉はつかないけど。

因みに俺の体重は二百……どれぐらいだったか……忘れたが二百キロ超えだ。特殊装甲の所為とかなんとか。ただ今度仲間になるあの少女は俺ほど重くならないらしいが。

力は入れているとは言え、二百キロ超えの俺を引っ張れれるなんてて快斗は結構力持ちなのかもしれない。まぁ俺が力を抜いて任せてしまえば、彼はすっ転ぶだろうけど。

 

「最初どこ行く?青子はデザート巡りしたいんだけどー、リカルナさんはどうします?」

「リカルナで良いぜ。(見た目は)歳近いんだし」

「そうだぜ、青子。リカルナ相手に遠慮はいらねぇ。なんなら奢ってくれるってさ!」

「え」

「本当ですか!じゃなかった、本当!?良いの!?」

「え?」

「おう!デザートは全部リカルナの奢りだ!」

「えっ?」

「やったー!!」

「良かったな!青子!」

「えぇー……」

 

なんか勝手に奢らされてる……?

 

 




デザートはケーキよりパフェ派。
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