3年B組ハーデス先生~ブレイブルー学園パロ~ 作:トッシー00
「ノエル、おめぇ部活入ってねえよな?」
「ふぇ?」
ノエルは不意を突かれたかのような反応をした。
ブレイブルー学園にも当然部活というものはある。
野球部やサッカー部のような伝統的な物から、個人らのアイデアで作られたユニークな部活まで。
数多く存在する部活であるが、このノエルは未だ部活に入ってはいなかった。
本人からすれば帰宅部、と冗談で通ればいいのだがそんなことは許されるはずがない。
「「ふぇ?」じゃねえよ、一応学校の規則としては生徒会か部活、同好会に入ることになってるんだ」
「でも、前に料理研究会に入りたいって先生に言ったけど先生が断ったじゃないですか?」
ノエルはそう文句を言うが、ラグナからすれば当たり前である。
ノエルを料理研究会、料理関係のサークルに入れる教師がどこにいようか。
彼女が料理を作れば兵器になるのはこの学校の皆が知っている事。
もし彼女が料理研究会に入ってしまえば最後、その部活は新兵器開発場と姿を変え場合によっては危険扱いで摘発されてしまう恐れさえある。
あまり正直に言うのは良くないが、邪魔を通り越して文字通り"障害"になってしまうノエルである。
「お前一人に20人近い部員をやめさせられるかこのバカ」
「ひっど! こういうのって料理が下手な人がうまくなるために入るもんじゃないんですか!?」
「"料理が下手"ならいい、"料理が兵器"ならそれは拒否る」
ノエルは若干涙目になる。
言われ放題なのと実際に料理が兵器なのが自分に刺さる。
もはや彼女の料理の腕が平均値に至ることは今後あり得ないだろう。料理研究会は正直に諦めた方がいい。
それに、今の彼女のデスディナーを心待ちにしている生徒という名の勇者が、この学校に一人存在するのだ。
その生徒のためと思えば、ノエルの料理は今のままでも良い立派な理由になる。
「じゃあパソコン同好会にしようかなぁ~」
料理を諦めたノエルが次に思いついたのは、大好きなパソコンに関われるパソコン同好会。
ノエルは休みとなれば自宅に引きこもってパソコンばかり動かしている。
ノエルにはうってつけ、と思われたがそこでラグナが指摘をする。
「お前な、パソコン同好会がインターネットしまくる活動って勘違いしてねぇか? IT関係、プログラムとかやってんだよあっちは、お前なんかブログやツイッターで満足してるだけじゃねえか」
「う……うぅ……」
そう、パソコン同好会はずっとインターネットをやってぐーたらしている部活ではけしてない。
ゲームを作っている者やよりすごいホームページを作成している生徒。それらはけして遊びではない。
と、ここまででノエルが上げたのは全てが文化系の部活であることにラグナは気づく。
「つうかさっきから運動関係が出てきてねえぞ、お前は運動しかできない、すまん……運動すらできなかったな」
「いくらなんでも言いすぎでしょ!!」
ノエルは全力で否定をするが、実際にそうだから困る。
ノエルのいい所と言われると、少しばかり品のいい外見とこの話では意味をなさない戦闘能力だけだろう
元々人付き合いは苦手、勉強はできない、おっちょこちょい、すぐ泣く、家ではネットしたりポエム書くことしかしない。
上記のとおり褒め言葉よりも悪い点ばかりがどんどん湧き出てくる始末。他人とのコミュニケーションも親しい仲のツバキやマコトらとしか取れていない。
こんなノエルが部活に入り赤の他人と馴染むことなど、今思えば不可能にすら思えてきてしまう。
「さっきから語りがものすごくひどいことを書いているんですけど!!」
「事実だから仕方ないだろうがこのバカ」
「うぅ……うぅぇぇぇぇ……」
「ほら、すぐ泣く」
全てが事実通り、語りはけしてひどいことなど言ってはいないのである。
本題へと戻り、ラグナがそれなりにノエルに助言をする。
「とりあえず運動関連にあたってみろ、できないっつっても完全に運動音痴ってわけじゃねえだろ?戦闘能力高いし」
「でも……夜遅くまで動くのはいやだなぁ……」
「楽をしたいとか思うんじゃねえよ、それでお前が不細工だったら人生クソゲーだぞ」
ラグナはまたノエルをいじるが、遠まわしに外見はいいと言ってるようなものなのでノエルは特に気にはしなかった。
「クラスの奴にもお願いして、なんとか部活に入れ、部活に入ってないのお前だけだぞ?」
「私だけ……ですか? タオちゃんやアラクネくんやニューちゃんは?」
すぐに他人の名前を出すのは悪いことではあるが、一応と……ノエルはそう質問をする。
「タオは忍者同好会、アラクネは科学部、ニューはオカルト部に"きちんと"入ってるよ」
以外にも部活や同好会と無関係な人たちが"きちんと"活動していた。
それぞれ個性的な部活ばかりではあるが、上記のとおりこの学園の部活は多い。
と、それなりに個性のある部活が多いことに気がついたノエルは、ラグナにあることを提案して見た。
「……自分で部活を作るのはだめですか?」
「だーめ。立派そうな名前と活動方針を前押しにしてだらけるつもりだろ?そういうのは漫画小説の世界だけでいいんだよ」
「せめてライトノベルと言っては……」
「あれだろ? SOSなんちゃらとか、友達作りうんぬんとか、グッジョ部とか。それらって結局は部活を名目にハーレムしてるだけだっつうの」
ラグナはそういう系が苦手なのだろうか。なにやら棘のあるような言い方だがあえてノエルは気にしないことにした。
ということで部活を作るのもだめ。結局のところノエルは今ある既存の部活の中から選ぶしか選択肢が無くなった。
こうしてノエルの部活探しが始まるのであった。
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バレー部。
「は~い、皆さん一度休憩しますよ~」
最初にノエルが訪れたのはバレー部。
バレー部にはカルルがいた。しかもキャプテンである。
その他体育会系の部員が数名いた。この話では高校生扱いではあるが、小学生同然のカルルに従うのはどうなのだろうか……。
しかし部活では年齢よりも見合った実力と統制力が重視される。カルルのバレーの実力は確かであり、キャプテンとしての才能は十分にありうる。
「あれ? ノエル先輩どうしたんですか?」
「ラグナ先生に部活に入れって言われたの、だからこうして部活を見て回ってるんだ。」
「そうですか、でも女子バレー部は少し前に無くなってしまいましたよ」
「へ? そうなの?」
残念なことにこの部活は男子バレー部。
女子バレー部は部員数が少なくなり存続が不可能となったため、無くなってしまったのだという。
しかしせっかく来たのだからと、カルルは練習風景を見ていくようノエルを促した。
「でも少しくらいは役に立つかもしれません、せっかくなんで見ていってください」
カルルの言葉に甘えて、ノエルはバレー部を少し見ることにした。
カルルはサーブやスパイクこそあまり得意ではなかったが、レシーブとパスが絶妙にうまかった。
さすがはCT時代に全国2位だっただけはある。あくまでもここでの全国2位はバレーの事ではない。別の舞台でのことである。
よく見渡すと奥の方に顧問なのかレリウス先生がポツンといた。恐らく息子にせがまれた(脅された)のだろう。
奥さん(イグニス)がバレーボール発射機として扱われているのにレリウス先生は読書を決め込んでいる。本当にこんなのでいいのだろうか。
剣道部。
「よし、残鉄100回やったら休憩だ」
次にノエルが訪れたのは剣道部である。
剣道部の顧問はハクメン先生である。
練習内容は残鉄100回、ちなみに椿祈100回とかもあるらしい。
なお、部活の歴史としては練習前に部員全員で「我は空 (以下略)」を言うのが伝統とのこと。大会の試合前にも言うらしい。
「む? ノエルか、どうしたこんなところに?」
「今部活を見て回ってるんです」
「ほう? だがこの剣道部に女子部員はいないぞ? マネージャーと言ってもお前はお断りだ」
「さりげなくひどいこと言わないでくださいよ!!」
ハクメン先生のさりげないマネージャーお断り発言にノエルは条件反射のように突っかかる。
お断りの理由は言わなかったが、大抵予想できる。
ここでノエルが一つ思ったのは、もしかして自分の汚点が予想以上に学園内に漏れているのではないだろうか。
そんなことを考えてみたが、もしそうなら恐らくこれから先ノエルはほとんど入部お断りを喰らうはず。
寂しくなったのでノエルは考えるのをやめた。
「だがせっかくだし、今後の役に立つかもしれん、練習に参加させてやろう」
「え? いいんですか?」
「うちには"銃道部"はないのでな、せめて剣は使えるようになれ」
しかしせっかく来てくれたのだからと、ハクメン先生はノエルを練習に参加させることに。
ちなみにさきほどさりげなくハクメン先生は冗談を言った。
柔道部の"柔"と"銃"をかけたのだろうが、文字なのでノエルにはわけのわからない一言だったであろう。
柔道部自体はきちんと存在している。(テイガー先生が顧問でマコトがかけもち)
「とりあえず残鉄10回!」
「はい! 残鉄!!」
ノエルが高火力の伝統、斬鉄を振るうことに。
なにかしらこれをマスターすれば、ノエルにまた一つ立派な中下段の選択肢が追加されることだろう。
ガシャーーーン!
と、それは夢のまた夢の話。軽い妄想は儚く散るのが定め。
ノエルが振った竹刀がすっぽ抜け、あろうことかその竹刀が壁を突き抜ける。
どこまでおっちょこちょいなのか、そして何気に力強いノエルであった。
「……え~と」
「帰れい」
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「……はぁ、運動関連はやっぱだめかぁ」
ノエルは先ほどの事件で運動系に入るのを諦めた。
恐らく野球にしろバットがすっぽ抜け人を怪我させることだろう、サッカーにしろボールがあらぬ方向に飛んでいき学校のガラスを割ることだろう。
考えは最初の文化系に戻ったがネックなのは人付き合い。ツバキが所属している書道部に行くがツバキは不在な時が多くツバキがいなければなにもできないだろう。
カジュンとマイが所属するリミックスハート新聞部を訪ねてみたが、今日はあいにく活動が休みであった。
途方に暮れたノエルがたどり着いたのは、ニューが属する"オカルト部"であった。
オカルト部
「あ~、ノエルちゃんどうしたの~?」
ラグナ先生の言うとおり、数名の部員の中にニューはいた。
魔女のような格好をして、怪しげな壺やら藁人形やらが教室中に散らばっている。
藁人形に貼られている写真が"ジン"で、壁には「ラグナ大好き」とびっちり書かれている。
奥の本棚にある"未来日記"全巻が何気に怖さを増幅させるが、それは気のせいだろう。
「いろんな部活を見て回ってるの……んでニューちゃん今なにやってるの?」
かれこれ今までの事情を説明すると、ニューは色々とうなずいてくれた。
本当に理解してくれているのかは心配だったが、ノエルはなんとなくだが寂しさが紛れたような気がした。
「惚れ薬の研究だよ☆ 完成したらラグナの口の中にダイブ!!」
どうやらニューがオカルト部に入った理由はラグナ関連であるらしい
オカルトな力を使いラグナを我が物にするつもりである。
そんなことをしなくても力づくで何とかなってしまう気もするが、ここは戦場ではなくあくまで学園世界である。
と、奥のテーブルになにやら発売したばかりのアンダーナイトインヴァースの攻略本が開かれたまま置いてあるのを発見。
開かれているページは"バティスタ"のページであった。まさか……とノエルは思ったが触れないことにした。
「へ……へぇ、それで黒魔術でキサラギ先輩とかを……」
「一応試しにね、効果が発揮してラグナに近づけなくなれば儲けものだしねぇ~。既存の技だけじゃくたばらないから黒魔術の力でルーメンステラとか覚えたり☆」
(わ……私も気をつけよう!!)
少しばかり危機感を覚えるノエル。
下手にラグナ先生にべたべたしてたら他社の格ゲーから技を持ってきてはパワーアップをしてしまう。
なるべくニューには温厚のアホのこのままいてほしい。とかノエルは本気で思う次第である。
「そういえば私、ノエルちゃんにも少し興味を持ってたんだよ~」
「へ?私に?」
なんと意外なことに、ニューはノエルに目をつけていたと言うのである。
ここまで断られることを前提にネガティブ精神を貫いてきたノエルであったが、なんと入部を歓迎されるとは思ってもいなかったであろう。
その理由を尋ねると、ニューはうれしそうに答える。
「ノエルちゃんって"二重人格"でしょ? その仕組みが興味深いの~」
「あ……あまりミューのことは言わないでよ……」
ニューが興味を持っていたのは、ノエルの中に潜むミューの事であった。
あれになるとノエルは色々とハイスペックな出来る子に変身するが、それを彼女自身が制御できていないためなんやかんやでラグナをボッコボコにしてすっきりする。
ノエル自身ラグナを傷つけてしまうためミュー関連にはトラウマがあった。最も悪いのは100%ラグナ先生なのだが。
だがニューとしてはそのミューに興味がある。興味のあることを追求するのは人としての性である。
「いっそのことノエルちゃんも入りなよオカルト部、どうせできるなら楽な部活に入りたいとか思ってるんでしょ~?」
「ぎくぅ!! で……でも怖いし」
あのニューにさえそう思われていたことに若干驚きとショックを感じつつ、再度オカルト部についてノエルは考えてみる。
確かに楽な部活っぽい。参加してちょっと怖い思いをすれば終わり。暇な時間は奥にある漫画でも読んでいればいいのだ。
だがネックなのはニューがやる実験の数々。下手をすればラグナ関連で抹殺されるやもしれない。生贄にされてアボーンになりかねないのである。
「大丈夫だって、実験とかだってそんなに成功しないよ~」
ノエルの心配を悟ったのかニューが軽い気持ちで場の空気を和ます。
そんな非科学的なことなど起ることはまず無いと、ニューは付け足すのだ。
心霊番組や呪いの特集などほとんどがヤラセであるのも事実、霊能力者だって質のいい役者だって話もある。
「とりあえず、そのミューちゃんを自由に引き出せる実験をしてみたいなぁ~」
「え!?だ……だめ!彼女は永久に封印しておいて!!」
ノエルは実験内容を聞くと真っ先に抵抗を見せる。
無論そんな実験は成功するはずないが、万が一成功してしまえば大変なことになる。
ラグナにナイチチと言われ自由に彼女を表に出してラグナを粛清。確かに良いことではあるのだがミューは加減をしらない。
それ以前にノエルは暴力が嫌いである。暴力が嫌いな割に料理で他人を地獄に落とすあたりに憎たらしさはあるが根はやさしい少女である。
「大丈夫だって、実験したいってだけで成功するとは思ってないし~」
だがニューも負けじとノエルを引き込む。
「で……でも……」
「最近裏サイトで買ったの、「人の本質を覚醒させる呪文セット」っていうのを」
じゃ-んとバッグからその怪しい物を取り出すニュー。
怪しく適当に上記の説明が書かれており。軽く下の方に『ジャパネット杉田』と書かれている。
ニューはそれをなにに使うつもりだったのだろうか、恐らくだがラグナに使ってニューへの本物の思いを述べさせるあたりか。
そんなことを思いながら軽く恐怖を抱くノエルに、ニューは容赦なく実験を始めてしまった。
「ほ……本当に大丈夫なの!?」
「大丈夫だってぇ、セフセフだよぉ。ババババ~だよ。いっくよ~!」
と言ってニューは無茶苦茶な言葉を述べ、ノエルにあやしい球をポコポコとぶつける。
ババババ~ババババ~と言いながらノエルの周りを歩き、その際もノエルに球をポコポコ。
若干痛かったが、ノエルはこらえた。
「……う~ん、成功しないね」
「そうだね。まぁこんなんで実験が成功する方があり得ないけれど……」
こんなヘンテコで適当な実験で何かが起こるわけでもなし。
わかりきっていたことだがノエルは一安心。そしてこの調子ならこの部活に入っても問題ないだろう。
ノエルは一つの受難の解決を、自分の中で喜んでいた。その時である。
「(私……私……私……)びく!!」
「ノエルちゃん? どうしたの?」
突如起きる謎の悪寒。
そして頭の中に響き渡る冷徹な声。
おいおい……とノエルは右左を見下ろした後。認めたくないように、
「へ!? い……いやなんでもない!!」
と叫んだ。
こうしてノエルは、とりあえずオカルト部に仮入部ということで話は方付いた。
部活にも入った。これで全てが解決である。
――だが、その夜。
『世界が嫌い……こんな世界クソゲーだ……あ~、ひさしぶりに表に出たいな~』
(なに!?頭の中で声がする!!)
『久しぶりにハンバーガーをガツガツ食べたいな~、あっとラグナの野郎……毎日毎日貧乳貧乳言いやがって~』
(い……いやーーーーーーーーーーーーー!!)
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次の日。
「うーーーーー」
「……ノエル?な……なんかあったのか?てか目の色が青いぞ?」
ラグナはノエルに少しばかりの違和感を覚えた。
時々ライトが点滅するようにノエルの瞳の色が緑、青の順にピカピカと変わり。
挙句の果てには左右非対称の色でオッドアイになったりと、なにやらオカルト染みた状態になり果ててしまった。
この日からノエルは、たまに記憶を失うらしい。
一応考えているのが。
・アズラエルの鬼○ネタ。
・ラグナのダンボールネタ。
・セリカネタ。
現在はこんな感じです。