3年B組ハーデス先生~ブレイブルー学園パロ~   作:トッシー00

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第27話です。


第27話:ラグナが結婚するのなら……?

「結婚か……」

 

 ある日の職員室にて。

 なんとも意外な呟きが、意外な人物から聞こえてきたのであった。

 そう、ラグナである。ラグナがなんと結婚を考えているらしい。

 

「なんとも意外すぎてびっくりしたでござるが。ラグナ先生もいよいよ考える歳でござるか~」

 

 そんなラグナの小さな呟きに反応したのは、遠くにいる蟻のくしゃみも聞き逃さないと豪語するバングであった。

 

「親がうるさくてなぁ。せめてうちのクラスの連中が卒業してからとも思ったんだが……」

 

 そうめんどくさそうに言うラグナ。

 というのも、それは数時間前まで遡る。

 授業終わりの廊下にて、ラグナがクラスの生徒であるセリカに言われたこの一言。

 

「ラグナ先生、そろそろ結婚とか考えないの?」

「あぁ?」

 

 突然そう聞かれ、すっとんきょうな返事をするラグナ。

 ラグナもかれこれ結婚するお年頃、このまま行けばこの男は自ら結婚活動などせずそのまま独身な勢いである。

 セリカはラグナの生徒であるが、なぜかお母さんみたいな心配の仕方をしており、ラグナが独身でいるのはできる限りやめてほしかったのである。

 

「つっても今忙しい時期だし、何しろここの生徒はみんなひと癖も二癖もあるからそんなことやってらんねぇよ」

「夜遅くまで起きてる人のどこが忙しいのさ? 独身だとつらいよぉ? 歳とってから大変だよぉ?」

 

 セリカはまだ高校生であるが、どうにも説得力のある言葉であった。

 これからの将来、そして老後のためにも、結婚は必要なことである。と、獣兵衛から聞かされたことが何回かあった。

 この学校で既婚者というと獣兵衛かレリウスくらいだろう。だがどっちも妻に尻に敷かれているイメージしかない。

 なので結婚をすれば女に縛られるという変な印象を抱いてしまう。ラグナはどちらかというと縛りたいタイプなのである。

 

「まぁ一応頭の隅に入れておくわ。それに俺はもう立派な大人だし、お前は親離れして生徒役に徹しろよ」

「いつまでも放っておけないから心配してるのに~。知らないからね」

 

 と、いうことである。

 結婚は誰もが夢見る人生の華であるが、ラグナが誰かと結婚をするというのはなんとも想像つけがたいことであった。

 

「結婚か。お前も等々その言葉を口にするようになったかラグナ」

「んだよ獣兵衛先生。あんたはもう結婚してんだから余裕綽々だな」

「はっはっは。自慢じゃあないが俺は立派な奥さんを貰ったからな。ラグナも結婚するなら、ナインみたいな美人で完璧な女性を狙った方がいいぞ~」

「んもうあなたったら~」

 

 自分の妻をほめちぎりながら結婚の良さをこれでもかと語る獣兵衛。そしてそれに照れるナイン。

 

「まあでも。ラグナ先生みたいなチンピラを養ってくれる都合のいい女の人がいるとは思えないわね」

「んだとナイン先生。つかなんで養ってもらうこと前提なんだよ? 一応こうやって真面目に働いてんですけど!!」

「いつ暴力事件起こしてダンボール生活になるかわからないわよ。だからこそ最初に言っておくけど、セリカはあんたには絶対に渡さないから。否が応でもセリカの結婚相手はあたしが決めるわ!!」

「姉がそんなんだからあいつ老後まで結婚できなかったんだろうが。つかもはや姉というより小姑じゃねえか!!」

 

 ナインは断固、ラグナにセリカは渡すつもりはないらしい。

 となると、ラグナは誰と結婚するのだろうか。

 ラグナも一応モテる方ではある。しかし問題のある女性も多い。

 

「なによ? この私があなたみたいな下等生物と結婚するなんてありえないわよ?」

「あのすいません校長。まだ何も言ってませんけど。つか見てもいませんけど?」

 

 突然この会話に入りこんできたレイチェル校長。

 当然ラグナは彼女を見たり意識したりしたわけではない。

 そんなラグナに対し、ヴァルケンハインは牙を向けラグナを威嚇するように言った。

 

「小僧。最初に言っておくが貴様のような解消無しにレイチェル様を渡すつもりはないぞ」

「さっきも聞いたぞそんな台詞。つかこっちから願い下げだ。もし仮に俺が校長と結婚なんてしてみろ、俺はロリコンとババ専と二つのレッテルを貼られることになるんだぞ」

「カッチーン☆」

 

 勢い余ったとはいえ、その物言いに多少の怒りを覚えたレイチェルはラグナに特大の電撃を落とす。

 それを間一髪で回避するラグナ。

 

「あっぶねえだろうが校長!!」

「黙りなさい。あなたのような醜態な生き物に評価されるほど私は落ちぶれちゃいないわ」

 

 と、まるで夫婦漫才のようなやり取りを交わす二人。

 話を戻して、バングはラグナにこんな質問をした。

 

「仮にでござるが。ラグナ先生は結婚するなら誰がいいのでござるか?」

「そ、そんなこと急に聞かれても……」

「あくまで仮でござるよ。もちろん拙者は!」

「いやわかってるから。あんたの言いたい事は百も承知だから。そして消してかなうはずの無い無謀な恋沙汰を聞くつもりはないから」

 

 そうラグナはバングの発言をせき止め。

 ラグナは考える。自分が結婚をするなら誰かと。

 

「王道の流れで言ってしまえば。俺は主人公なんだから、メインヒロインと結婚するのが丸く収まるはずだな」

「まぁ最近の作品はむしろメインヒロインは負け確定とまで言われているでござるが。ということは彼女でござるか?」

「あぁ。恥ずかしいことなんだが」

 

 そう、ラグナはケッコンカッコカリを口にした。

 

「セリカとラムダ。まぁその二人だろうな」

「ちょっと待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 そのラグナの発言に、どうしても物も押さなければならない人物が職員室へと乱入してきた。

 その人物とはノエル・ヴァーミリオン。ノエルはブレイブルーのプレイヤブルキャラの一人である。

 

「ってちょっと!? なんかもうたかが一キャラとしか紹介されてもらっていない!?」

「どうしたんだよナイチチ。何をそんなに慌てて」

「いやいや! メインヒロインと結婚ですよね!? メインヒロインといえば、ほら!! ほらぁ!!」

「いやだから。セリカとラムダだって……」

「なんでですか!? てかなんで二人!? セリカちゃんはまぁわかるとしてもどうしてラムダちゃん!?」

「ゲーム版(セリカ)とアニメ版(ラムダ)の……」

「いつのまにか私の居場所消えてるぅぅぅ!!」

 

 ラグナは何もおかしなことを言っていないかのような顔をしているが、ノエルとしては当然というか納得がいっていなかった。

 先ほどは粗雑な紹介をしてしまったが、このノエル・ヴァーミリオンは、ブレイブルーの最初の方のメインヒロインなのである。

 

「いや全然フォローしてないよね!? 現在進行形だからね!」

 

 せっかく紹介の仕方を丁寧にしたのに、ノエルはまだ納得がいっていないようである。

 これについて、他の教師もそれぞれの意見を出した。

 

「セリカがブレイブルーのメインヒロインだからラグナなんかとくっつくなんてのは許されないとしても、確かに主人公に対しての立派なメインヒロインは大切な妹のセリカよね。ラグナなんかにはもったいないくらいもう間違いないくらいの正真正銘の全国一億人のブレイブルーファンが満場一致で認めるメインヒロインはセリカに決まってるわよ」

「ちょっとナイン先生! 妹を優遇したい気はわかりますが言いすぎでは!?」

「ラムダ殿もラムダ殿で、アニメブレイブルーオルターメモリーに添える華としては最高のメインヒロインでござったな。一話での膝枕から始まり、温泉回とラムダ殿は大活躍だったでござるよ」

「それ全部私だよね!! なんか私の貴重なヒロイン成分まで全部8話に持ってかれてない!?」

 

 と、ナインもバングもそれぞれブレイブルーのヒロインは、ゲーム版がセリカでアニメ版がラムダだと言い張っている。

 一応補足しておくと、確かに残念なことに商業的な事情でノエルがメインヒロインだということになってしまってはいるのだが。

 

「何さその心から残念そうな補足は!!」

 

 しかしゲーム版では最新作であるブレイブルークロノファンタズマにて、ノエルをAカップだとするとセリカはGカップくらいのヒロイン力を見せつけており。

 

「バストサイズで例えんのやめてくんないかな!?」

 

 コンティニュアムシフト前期の発売したブレイブルーノベライズ第一弾、ブレイブルーフェイズ0で初登場したセリカは、本編のメインヒロインカッコカリとは比べ物にならないくらいのヒロイン力を見せつけ衝撃的なデビューを果たした。

 そこから3DS版ブレイブルーという今ではあまり心に残っていないやつの特典にて、声優さんまでついてしまった。

 更にフェイズシリーズはブレイブルーの世界観を広げるだけでなく新たなブレイブルーファンの獲得にも成功。

 五冊にも成るフェイズシリーズにて、セリカは余すことないメインヒロインとしての存在感を見せつけ、小説から入った人は未だに、「セリカがブレイブルーのメインヒロイン」と思っているとか思っていないとか。

 そのためクロノファンタズマにてまさかのゲームに逆輸入というサプライズ参戦に、「三作目にてメインヒロイン登場とは変わった作品だな」と言わしめ。

 そしてなんたることか、ブレイブルーのシンデレラロードを歩み続けたブレイブルーのメインヒロイン、セリカ・A・マーキュリーはこの度等々プレイヤブルキャラとして参戦した。

 ブレイブルーのコンテンツが始まり5~6年。等々メインヒロインがプレイヤブルキャラとして参戦したブレイブルーは――

 

「――より格ゲー界に旋風を巻き起こすであろう。はぁ、妹の事を余すことなく紹介してやったわ」

「地の文あんたが言ってたんかい!!」

 

 先ほどまでの紹介はナインの熱い妹トークであった。

 やりきったナインに対してのノエルのツッコミはむなしく空を切る。

 ナインの熱いブレイブルーのメインヒロインの紹介は充分したとして。

 一応、あまり評判が振るわなかったアニメ版のために、ラムダの紹介をしておこう。

 ラムダは元々二作目、コンティニュアムシフトにていなくなってしまったニューの代わりに作られたコンパチキャラであった。

 人気の高いニューの代わりではありファンの不安も渦巻く中、かの綾波系を彷彿とさせる無表情系美少女として登場したラムダは、ニューとは別の形で人気を確立させた。

 その人気のおかげか、アニメ版ブレイブルーにて、まさかのアニメ版メインヒロインに昇格。

 

「いやしてませんからね! 新規プレイヤーさん騙されないでね!!」

 

 予算の都合か、はたまた大人の都合か、猛威を振るわなかったアニメブレイブルー。

 そんなアニメ版にある日転機が訪れた。『第八話 機械仕掛けの魂』である。

 ゲーム版ラムダのギャグルートを改変して作られたその話は、ブレイブルーオルターメモリーの全てがそこに集約されたと言っていいほどの神回であったのだ。

 ここにきて視聴者は口をそろえて言った。「メインヒロイン、八話にしてようやく登場か」と。

 売り上げもそこそこのアニメ版であったが。第八話は原作ファンを心から満足させたに違いない。

 そしてその立役者となったラムダこそが――

 

「――アニメ版ブレイブルーの真のメインヒロインであった。まったく、熱く語ったら疲れたぞ」

「ココノエ先生あんたもかい!! 親あっての子かよ!!」

 

 先ほどまでの紹介はココノエによる熱い部下トークであった。

 という風に、ゲーム版のメインヒロイン、そしてアニメ版のメインヒロインと、ここまで語ればどうあがいてもノエルの存在意義は皆無に等しいのである。

 カラミティトリガーでは最後までラグナとの会話なく。コンティニュアムシフトではヒロイン力を見せたというより自分勝手に動いたあげくドジを踏んで攫われただけ。

 そしてクロノファンタズマでは、ラグナを捨ててカグラに走ったと誤解されても仕方ないくらいカグラとの絡みが多かった。

 そんなノエルに、未来はあるのだろうか。

 

「というわけで。メインヒロインの二人を呼んできたでござるよ」

「どうも。ブレイブルーゲーム版のメインヒロイン、セリカ・A・マーキュリーでーす」

「……アニメ版のメインヒロイン、Λ-11」

 

 そう現れた二人は、他の人から大喝采で迎えられた。

 ノエルとしては、あれ私は? という状態である。

 二人揃った所で、バングがラグナに二人を指して質問する。

 

「ってことでラグナ先生。嫁にするならどちらでござるか?」

「ちょっとムサイ忍者! セリカはラグナに似合わないって言ってるでしょ!」

「私としてもラムダをこんな男に譲るつもりはないぞ」

「お前ら完全にお母さんじゃねえか……」

 

 ナインもココノエも子離れできない母親のようにラグナを睨む。

 そんな二人をたしなめるバング。

 

「まぁまぁ。あくまでも主人公目線での仮話でござるよ。それに二人ともまんざらじゃないようでござるよ」

「ラグナと結婚か……うん! 別にラグナとなら結婚してもいいよ!」

「ラグナと……結婚」

 

 バングの言う通り、二人ともラグナとなら結婚してもいいらしい。

 ナインとココノエはブー垂れているが、仮の話なので仕方なくこらえていた。

 

「恥ずかしくなってきたな。そうだな、どっちかというなら……。今の所はラムダが有利で」

「ほほう。ずいぶんとあっさりでござるな」

 

 と、あっさりとラグナからラムダが嫁候補という発言が飛び出した。

 

「理由は簡単。セリカには悪いがもしセリカの場合だったら……。買い物出かけるたびに捜索願い出すとか、とにかく家庭が大変になる」

「ラ……ラグナ~」

「ちょっとチンピラぁ! セリカのような超絶プリティ美少女に結婚してもいいと言われておいてその言い草はなんなのよ!!」

「つかてめぇどっちだよ!!」

 

 セリカの悪い所をラグナは指摘するのだが、それには姉(母?)のナインが激昂する。

 さっきまでラグナにセリカは渡さないと言っていたのに、セリカを選ばないことに怒りさえしていた。

 

「ふはは母よ。私のラムダの方が嫁力は高いのだ」

「なによココノエ! うちのセリカが他の子なんかに負けるはずないのよ!」

「なにを母よ! うちのラムダは私なりに完璧な教育を施し完璧な美少女育てている! 将来は学者か政治家だ!!」

「こいつら完全に我が子を自慢するバカ親じゃねえか……」

 

 ナインとココノエの我が子自慢という親子喧嘩。と文章にすると少々ややこしい争いが繰り広げられていた。

 

「あぁもう。だったら家庭内の話だ! それはセリカに部がある。ラムダだとやることを優先して会話をあまりしなさそうだから」

「ガーン」

「なんだとこの甲斐性無し! うちのラムダは口数こそ少ないが笑顔は誰よりも可愛いんだぞ!!」

 

 今度はココノエがラムダをバカにされたと激昂するのであった。

 そんな二人をバングはたしなめる。

 

「まぁまぁ二人ともそんなにカッカするなでござるよ。ならそうでござるな、ラグナ先生が結婚するとして、これは譲れないという部分はなんでござるか?」

 

 バングからそんな質問が飛び出し、ラグナは悠々とこう答えた。

 

「そうだなぁ、やっぱり"料理"はきちんとできる女性がいいな。やっぱ"料理"だよな! 人を殺すものじゃなくて人を喜ばす"料理"!!」

「ムキー!!」

 

 わざとらしく"料理"の部分だけ大きくしゃべるラグナ。

 さきほどから存在感が皆無なノエルをさりげなく弄るあたりさすがである。

 料理という時点でノエルの可能性は消えてしまった。

 だがそこで疑問が残る。セリカとラムダが料理をできるのだろうかと。

 

「その点は大丈夫よ。セリカは私より料理得意だから」

「ナインの場合、料理をするのが大抵俺か、めんどくさい時はキャットフードで妥協するかrずくっ!」

「あなた~。もうちょっと寡黙の方がイケメン猫よ~☆」

 

 ほんのわずかだけナイン料理下手くそ疑惑が出たところで、獣兵衛を踏んで黙らせるナイン。

 そしてセリカ本人も、料理は得意そうな顔をしている。

 

「ラムダの場合。色んな国の料理レシピをインストールしている。和洋中なんでも一流シェフクラスで料理できるぞ」

「てかそう考えるとラムダってチートだな……」

 

 ラムダは大体プログラム通り動くので、実の所不得意な物が存在しないのである。

 超方向音痴のキュートな嫁か。完璧超人のクールな嫁か。

 メインヒロインとしては最適の結婚対象である。一人忘れている気がするのはこの際気にしないでおこう。

 

「た、確かに私は料理は苦手ですけど!」

「嘘付け。料理もだろうが」

「ぐっ。ど、ドジっ子属性ならだれにも負けません!」

「それアピールになってないし。ドジっ子属性でもセリカの方向音痴キャラが強すぎて負けてる」

「う、うえ……」

 

 もはや何もかもが二人に劣っていて涙目になるノエル。

 ここまで結婚話をしてきたが、結論的にはラグナはどっちにするのだろうか。

 

「ラグナ先生。結局どっちと結婚するでござるか?」

「なんかもう結婚すること前提になってんだけど……」

「当然セリカよ! 当たり前よ!!」

「ラムダだな。男は完璧な女に弱い」

 

 最初はラグナに娘は渡さないと言っていた二人はどこへ行ってしまったのか。ナインとココノエは我が子こそはと胸を張っている。

 と、そんな時だった。

 

 ドガシャーン!

 

 突如、ラグナの傍に雷が落ちたのだ。

 

「ごほん! そろそろくだらない話はおやめなさい……」

「こ、校長?」

 

 雷を放ったのはレイチェルだった。なぜか頭には怒りのマークを浮かべている。

 なにかしら怒っているのか。だとしたらなぜなのか。

 

「こ、校長。もしや嫉妬でござるか?」

「あぁん!?」

「ひぃ!」

 

 いらないことを言うバングを睨みつけるレイチェル。

 明らかに会話に入れていないこと、そしてラグナの嫁がセリカとラムダになりそうなことに焦っているのが目に見えている。

 

「か、勘違いしないで頂戴。私はただそこの男が女に鼻を伸ばしているのが気にいらなかっただけよ」

「うっわ~。めっちゃスタンダードなツンデレ台詞……」

「なんか言ったかしら?」

「いや、何も……」

 

 と、ラグナが怖がり押し黙った所で。

 セリカは少々悪い笑みを浮かべ、ラグナに抱きついた。

 

「ちょっ!」

「ラグナ~。結婚するなら私だよね~」

 

 そうラグナに甘えるセリカ。

 すると、ラムダもただ表情を変えず、ラグナに身体を預けた。

 ラグナとブレイブルーを代表する二大ヒロインのサンドイッチ。それを見せつけられたノエルとレイチェルはぐむむと悔しい表情を浮かべていた。

 だが、嫉妬を見せるのはなにもその二人だけではなかった。

 

 ドガン! バキーン!!

 

 突如、職員室に巨大な剣と氷の冷気が押し寄せる。

 入口を見ると。にっこりと狂気を発するニューとジンがいた。

 

「ラムダ~☆ ニューを差し置いてラグナと何をやってるのかな~?」

「セリカ。いくらあなたが育ての親といえど一言申さずにはいられないな。兄さんとにゃんにゃんしていいのは、僕だけど相場が決まっているんだーーー!!」

 

 ニューは友達のラムダに怒りを見せ、そしてジンはわけのわからないことをいっている。

 ここに計六名。一人男がいるのはさておき、ラグナと結婚するのは自分だと(そしてメインヒロインは自分だと)いわんばかりのオーラを醸し出している。

 結局はこうなってしまったかと、ラグナは呆れ果てる。

 そんなラグナを後ろからぽんと肩を叩いたのは、ハクメン先生だった。

 

「……ハクメン先生。俺はどうすればいいんだ?」

「とりあえず、お前は色々と愛され過ぎている。今結婚するのは危険すぎる。多分結婚すると犠牲者が出るだろう。ヤンデレ的な、そしてヒロイン戦争的な意味で」

「……そうだな」

 

 ラグナの結婚は、まだまだ先になるかもしれない……。

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