今回は、オーバーロードと龍が如く&北斗が如くの二次小説です。
お好きな方もお嫌いな方も、高評価ボタンをクリックできる作品であるように努力します。
さて、こんな作者のどうでもいい話はスキップして、とっとと本編のお話を誤字脱字が見つかるくらい見ていきましょう。
俺の名前は桐生和也という。俺の父親が龍が如くという大昔のゲームのファンだったようで、そのゲームの主人公のような男は無理でも、せめて、その男の生き様を一つでもいいから受け継いでほしいという願いを込めて、名を一文字取って和也という名前になったと聞く。
その親は俺のせいで亡くなってしまった。
俺は、この名に恥じないように、目についたクズ共は徹底的に叩き潰していった。
どんなに金を持っている奴がいようと、どんなに強い奴が来ようと、どんなに偉い奴が立ちはだかろうとも、俺の拳とこの背中を任せた仲間たちと共に立ち向かってきた。
勿論、生半可な道ではなかった。仲間を人質にもとられた。死ぬかもしれねぇって奴とも闘った。だが、俺はそのすべてを踏み越えていった。
けれども、その先に待っていたのは、俺の愛すべき両親の死だった。
俺が、倒した連中の一部が徒党を組み、俺への復讐のために選んだ手段が、俺の両親の殺害だった。
その情報を掴んだ時にはすでに遅く。俺が家に帰ると、血まみれで倒れた両親と、その両親を殺したクズ共しかいなかった。
俺は目の前が真っ白になっていった。気がつけば全身が酷く痛み、辺りには両親と同じように、血まみれになって倒れているクズ共の姿があった。
「クソォ!なんで……、なんでこんなことになっちまったんだ!?」
気がつけば、ファンファンとサイレンの音が近づいてくる。俺は逃げる気力を失い、ただ茫然とその場に座り込んだ。
それから、警察に身柄を拘束させられ、かなりの時間事情聴取をとられた。あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか?ようやく解放され茫然とイスに座り込む俺の隣に、一人の男が座ってきた。
「やあ、桐生和也君。事情聴取おつかれさま」
そう言って男は俺に缶コーヒーを渡してきた。普段は見も知らね男の物を受け取ることなんざ絶対にありえないのだが、その時の俺は精神が酷く弱っており、このコーヒーに毒が入っていようが関係ないといった気持ちで、受け取ってしまった。
「今回の事件のことは聞かされているよ。恐らくだけど、君は正当防衛で無罪となるだろうね。両親が殺され、現場で横たわっていた連中も大怪我を負っているが、死人はゼロだった。このことから見て、君には正当防衛が適用される」
俺が缶コーヒーを受け取った事に気をよくしたのか、ペラペラとよく喋りだした。
「おい!お前は一体何者なんだ?」
「ああ…、そういえば自己紹介がまだだったね。私は刑事でね。みんなからはたっちさんと呼ばれているよ。よければ君も気軽にたっちさんと呼んでほしい」
随分と気軽な奴だが、長年の経験からこいつはそんなに悪い奴ではないと直感で理解できた。
正直言って今の俺にとって、こうして誰かと話をして気を紛らわすのはありがたかった。
「そうか、それじゃあたっちさん。あんたなんで俺なんかに話しかけてきたんだ?」
「ん?なんでかって、それは勿論、今回の事件は私の担当だから……、というのもあるんだけど、う~ん、リアルで言うのは恥ずかしいな。
突然立ち上がったと思ったら、急にカッコつけたポーズを決めて、名言のようなものを言い放つ。そんな当然の行動に俺は、ポカーンと口を開けて驚いた。
そんな俺の顔を見て、自然に俺の隣へ座りなおす。……いや、若干顔が赤くなっている。どうやら、今のは本人も恥ずかしかったようだ。
「と、とにかく、私はね!落ち込んで困っている君のことが心配だったんだよ。だから放っておけずに話しかけたってわけだよ」
なるほど、この人にとっては、さっきの行動はそれなりの信念があっての行動なのか。そう思うと、さっきの奇行がとてもカッコヨク思えて……はこないか?
「ありがとよたっちさん。ほんの少しだが、気が楽になった」
「お礼なんか必要ないよ。そもそも、お礼を言いたいのはこっちの方さ、君のおかげで上層部の悪事が次々と露見して、手が出せなかった警察としてはありがたいことだよ」
なるほど、つまり俺達は知らないうちにWIN-WINの関係を築いていたということか。ふっ、だが結局失ったものは取り返せない。特に、人の命ってのはな。
「ああ、もう!またそうやって暗い顔をする。確かに、あなたの両親が死んでしまったのは悲しいことだ。それも、自分が原因で死んでしまったとしたなら尚更かもしれない。けれども、下を向いて歩いても何一ついいことなんてない!今の君に必要なことは前を向いて歩くことだ!」
前を向いて歩くことか、確かにたっちさんの言う通りだろう。だが、この腐った世界で前を向いて歩いていいことなんて本当にあるのだろうか?
俺はそのことたっちさんに打ち明けると、しばらく悩んだ後に、妙案が思いついたのか、スマホを弄って一つのページを見せてきた。
「確かに、今のこの世界は前を向いて歩くことが辛いかもしれません。それも、今の君にとっては、だったらこの世界じゃない別の世界で歩けばいいんです!それがこれユグドラシルです!」
「ユグドラシル?」
たっちさんが見せてきたのはMMORPGのゲームだった。普段ゲームなんてやったことのない俺だが、このゲームは知っている。少し前に、社会現象にすらなった大ヒットゲームだったからだ。
俺だってニュースは毎日見ている。1~2年前の大きなニュースぐらいなら、忘れない記憶力は持っている。
「それで、なんでいきなりゲームの話に繋がるんだ?」
「確かにこれはゲームです。しかし、それと同時にこれは別の世界なんですよ!新たな冒険、未知の強敵、背中を預けることのできる仲間たち!実を言うと、私もちょっと前まではプレイしていたんですけどね。最近なかなかログインできずにいて、いつの間にか疎遠になってしまったんです」
ハハハ、と笑っているたっちさんの顔は、どことなく曇っていたのは気のせいでは無い筈だ。
「なら、一緒にやって色々教えてくれはしないか?俺はこういうゲームやったことなくてな」
「一緒にか……。うん、そうですね。誘ったのはこっちですし、分らないことや困ったことがあるなら何でも言ってください。何故なら、誰かが困っていたら助けるのは当たり前!ですから」
そう言って花開いたような笑顔で笑うたっちさんに、俺は素直に頼ることにした。
「そうだな。なら今後とも困ったら助けてもらうとしようか」
「ええ、もちろんです」
その後、両親の葬式やらなんやらで時間は取られたが、その分考えさせられる時間ができた。別れがあれば出会いがある。
こう言っちゃ悪いが、両親が亡くなったおかげで、俺はたっちさんに出会えた。
別に、両親が死んだことを喜んではいない。だが、そのことばかりを悲しんで、新たな出会いを喜ばないわけにはいかない。
俺は、けじめはつける男だ。いつまでも、ウジウジといじけてばかりもいられねえ。葬式が終わったその足で、俺は家へと帰り親父の部屋に入る。
親父はゲームキャラの名前を息子に入れるほどのオタクだ。当然最新型のゲーム機を持っていても不思議じゃない。
案の定部屋を少し探ってみると、中々に高そうなゲーム機が出てきた。すぐさま電源を入れて起動させると、ホーム画面の隅っこに、親父の残したメモみたいなものがあった。
俺は興味本位で、親父が何を書き残したのか知りたくて、そのメモを指でタッチして開いてみた。
そこに書かれていたものは、俺への懺悔に近いものだった。
『これは、俺の懺悔みたいなものだ。俺は少し後悔している。何を後悔しているかと言われれば、息子のことだ。あいつは俺達が名づけた通り、立派に成長していっている。だが、あいつの生き方はまっすぐすぎている。
俺は確かに、あいつに桐生一馬のような男になってほしかった。けれども、あいつに受け継いで欲しかったのはほんの一つでよかったんだ。
桐生一馬の人生は壮絶の一言に尽きる。そんな生き方を息子にして欲しくはなかった。
だが、あいつは今や裏社会の闇をいっぺんに敵に回している。俺もよくは知らないが、あいつが敵に回している奴らは、どいつもこいつも厄介な奴らだって聞いたことがある。
そんな生き方まんま桐生一馬の人生じゃないか!俺は、いつかそんな奴らの卑劣な罠にかかってあいつが死んでしまうんじゃないか、あいつの大切な何かが壊されるんじゃないかと心配でたまらねえ。
だけども、それが息子が選んだ道だというのならば、俺は何も言わねえ。
ただひとつ、俺たちがつけた名前のせいでその道を進んでいるというのならば、すぐに引き返してほしい。そんな言葉も息子に言えないダメ親父だが、俺と母さんはいつだって暖かく迎え入れる準備だけはできていることをここに記しておく。』
……、しばらく言葉が出なかった。息すらも止まっていたのではないか?
そう思えるほどに、俺の口から何も出せなかったのだ。親父への感謝の言葉も、謝罪の言葉も、罵倒の言葉すらも、何を言えばいいのか?何か言ったらいいのか?
頭の中には、生まれてから今日までの出来事をずっと振り返っていた。気さくで優しかった親父や、怒ると怖いが笑顔で元気な母親が亡くなった実感が、ようやく湧いて上がり、目から涙がこぼれ落ちる。
「この俺にもまだ 涙が残っているなんてな・・・、葬式でも涙なんて流れはしなかった。てっきり、涙なんて枯れ果てたと思ってたのにな・・・」
自虐の笑みを浮かべて、目からこぼれた涙を拭くと、ピコン!とメッセージが届く。
『約束の時間ですが、何か問題でも起こりましたか?』
慌てて時間を確認すると、たっちさんと約束した時間を迎えていたことに気づく。
「しまったな、約束の時間を破るなんて普段ならしないはずなんだが、どうやら俺も相当疲れているようだ」
はあっとため息をついて、親父が残してくれたメモを大切な者フォルダーに保存して、ユグドラシルのタイトルをタッチする。
それから、ゲームデータのダウンロード画面に入る。その間に、たっちさんに遅刻した謝罪メールを送る。
ピコン!っとダウンロード完了の文字が現れ、キャラクター選択画面に映る。
その画面に映ったキャラクターは俺のよく知るキャラだった。
「こいつは、桐生一馬じゃねぇか。親父の奴本当に好きすぎだろう」
ライトグレーのスーツにワインレッドのシャツ、白いヘビ柄のエナメル靴という装いを着たストレート気味ショートリーゼント風の髪型はまんま桐生一馬の姿だった。
「
こうして俺は、桐生一馬となりユグドラシルの世界へと足を踏み入れた。そこから始まる第二のストーリーが、更に苛烈に鮮烈な物語になることを知らずに・・・。
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