大変長らくお待たせしました。
今回は遊花のデュエル回です。
前後編に分かれてしまったので今回は前編です。
遊花視点でお送りします。
それでは本編へGO‼︎
★
『あは、あはははは‼︎うん、いいね‼︎最高だよ、お姉さん‼︎流石は世界を滅ぼす資質があるお姉さんだ‼︎ あはははは‼︎』
『恐怖の根源たる大いなる闇‼︎世界を暗黒に塗り潰す恐怖の化身‼︎今、終焉を齎す絶望の力で、全ての希望を闇に還せ‼︎降臨せよ‼︎ 邪神ドレッドルート‼︎』
『狂気の根源たる大いなる闇‼︎世界を惑わせ歪ませる狂気の化身‼︎今、狂気を齎す銷魂の力で、全ての希望を狂わせろ‼︎降臨せよ‼︎ 邪神アバター‼︎』
『現れろ、CNo.6‼︎愚かなる人類を焼き尽くす裁定の巨神兵、先史遺産カオスアトランタル‼︎』
『さあ、巨神の裁きを受けよ‼︎ムスペルジャッジメント‼︎』
「………」
「……か………遊花?」
「ひゃぅ‼︎は、はい‼︎」
レイナちゃんとのデュエル。
その苦い敗北の記憶を思い返して深く思考の海に沈んでいた私を呼ぶ声が聞こえ、慌てて顔を上げる。
顔を上げると、そこには心配そうな表情で私を見ている師匠と病室のベッドの上で師匠と同じ表情を浮かべている桜ちゃんの姿があった。
「大丈夫、遊花?ボーっとしてたみたいだけど疲れとか溜まってない?」
「負担かけてる俺達が言うのもなんだが、無理はよくないぞ?」
「あ、あはは、大丈夫です。ちょっと考え事をしてただけなので………心配かけちゃってごめんなさい」
心配そうな2人の表情に、私は思わず誤魔化すように胸の前でわたわたと手を振ってから頭を下げる。
そんな私を見て、師匠と桜ちゃんは少しホッとしたように息を吐いた。
「何でもないならいいんだ。だけど、何か気になることがあるなら相談してくれよ?」
「そうよ。ただでさえ遊花は1人で抱え込みがちなんだから」
「っ………はい、ありがとうございます。師匠、桜ちゃん」
「それで、今日の調査はどうだったんだ?」
「………すみません、今日は
「そっか。まぁ、毎日何か起こると決まってるわけでもないしな」
「手掛かりが掴めてないのは残念だけど、遊花に何もなかったんならいいことだわ」
師匠と桜ちゃんの言葉に私は罪悪感を覚えながらも、それを隠すように笑顔を浮かべる。
私を真摯に心配してくれる2人に、邪神とCNo.を操るレイナちゃんとの危険なデュエルで敗北したという事実といつの間にか手に入れていた白紙のカードについて話すことはできなかった。
ーーーーーーー
「バトル‼︎ ウィンドペガサス@イグニスターでトラミッドスフィンクスに攻撃‼︎」
「攻撃力の低いモンスターで攻撃を⁉︎ならそのまま返り討ちだ‼︎やれ、トラミッドスフィンクス‼︎スーパートラミッドウェーブ‼︎」
「返り討ちにはなりません‼︎自分と相手のモンスター同士が戦闘を行うダメージ計算時、速攻魔法、Ai打ち‼︎自分と相手のモンスター同士が戦闘を行うダメージ計算時、その自分のモンスターの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、その相手モンスターの攻撃力と同じになり、そのダメージステップ終了時にその戦闘で破壊されたモンスターのコントローラーはその元々の攻撃力分のダメージを受けます‼︎」
「なっ⁉︎相討ち覚悟のバーン効果だとっ⁉︎」
ウィンドペガサス@イグニスター
ATK2300→4000
「いえ、相討ちになんかさせません‼︎Ai打ちのもう1つの効果‼︎自分の@イグニスターモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外する‼︎」
「なっ⁉︎それじゃあ俺だけがバーンダメージを⁉︎」
「私が一方的にぶん護る‼︎それが私のAi打ちです‼︎駆け抜けて、ウィンドペガサス@イグニスター‼︎ スターゲイザートルネード‼︎」
ウィンドペガサスが竜巻を纏いながら空を駆け、トラミッドスフィンクスに突撃し、その身体を貫く。
「戦闘破壊したことでAi打ちの効果発動‼︎トラミッドスフィンクスの元々の攻撃力分のダメージを与えます‼︎」
男子生徒LP2400→0
「ふぅ………私の勝ちです」
レイナちゃんとのデュエルがあった日から数日たった昼休み。
私はレイナちゃんとの件で抱えたモヤモヤとした気持ちを残したまま、普段通りに闇先パイへの挑戦権をかけたデュエルアカデミア生とのデュエルに励んでいた。
「くっ、届かなかったか………やっぱり強いんだな」
「いえいえそんな‼︎私なんてまだまだで………」
『邪神アバターでジアライバルサイバース@イグニスターを攻撃‼︎ダークマターマイアズマ‼︎』
「っ………」
思い返されるのはレイナちゃんに敗北した記憶。
負けられないデュエルだったのに遊ばれたまま完膚なきまでに叩き潰された。
………私はまだまだ未熟だということを改めて思い知らされた。
だからこそ、ここで満足してはいけない。
私が敵わないデュエリストはきっとまだまだたくさんいる。
そしてそれは、もしかしたらレイナちゃんのような人達かも知れないのだ。
だから私は、私が護りたいと思う大切な人達を護り抜くために、もっと強くなりたい。
「………ありがとうございました‼︎いいデュエルでした‼︎」
「ああ、次は必ず俺が勝利してみせる」
デュエルをしていた男子生徒は私と握手をするとすぐに去っていく。
私は気持ちを切り替えるように両手で頰を叩くと、周りで待機していた人達に視線を向けた。
「さあ、次は誰が相手をしますか?」
ーーーーーーー
○
すぐに次のデュエルを始めた遊花を見て、近くで遊花のデュエルを見守っていた大地と霊華は困惑した表情を浮かべていた。
「なんか今日の遊花、焦ってないか?いつも通り楽しそうには見えるんだが、どこか………」
「鬼気迫るものを感じる」
「だよなぁ?」
いつも楽しそうにデュエルを行う遊花だが、今日はその表情に時折翳りのようなものが混ざっているのを大地達は感じていた。
「遊騎さん達になんかあったのか?」
「それはないと思う。そうだったら遊花は多分デュエルアカデミア自体を休むかもっと取り乱してると思うわ」
「前に遊騎さんと喧嘩かなんかしてた時の落ち込みようは凄かったしなぁ。じゃあ別口ってことか」
いつもと違う遊花の様子にお互いの見解を言い合う大地と霊華。
そんな2人に後ろから声をかける者がいた。
「九石先輩、御子神先輩。こんにちは‼︎」
「息災か、"
「よお、刀花に真紅。どうしたんだ?」
かけられた声に振り向くと、教室に入ってきた刀花と真紅の姿が見えたため大地は軽く手を振って2人を呼ぶ。
真紅の妙な呼び方については完全スルーだ。
刀花は大地達に会釈をすると、視線を遊花に向ける。
「栗原先輩の様子を見にきたんです。昨日少し様子がおかしかったですから心配で………」
「結局何があったか教えてくれなかったしな。遊花自身よくわかってなかったみたいだし………」
「真紅もなんで倒れてたか覚えてないのよね?」
「我が真名を呼ぶな、"
「スカーレットも覚えてないのよね?」
「うむ、何かがあった気はするがさっぱり記憶にない」
呼び方を変えた途端に怪しい笑みを浮かべながら肩をすくめる真紅に苦笑いを浮かべながら、霊華も遊花に視線を向ける。
「多分遊花は何があったか知ってると思うけど………」
「遊花はすぐ自分で抱え込んじまうからな。おまけに頑固だし」
「目を覚ました時の栗原先輩の取り乱し方、凄かったですからね………本当に何も覚えてないの、真紅ちゃん?」
「だから、我が真名で呼ぶな"
微妙な表情でそんなことを口にする真紅を見て霊華は軽く握った手を顎の下に当てて考え込む。
「失われし記憶………記憶が消える………」
『■は、あは■■は‼︎■ゃ■■、■ね■ちゃ■。次■■界が■わる■にで■、ま■私■覚■ていた■会■ま■■う?あ■は■■は‼︎』
「………っ」
真紅の言葉に、霊華は頭の中にとある光景が思い浮かび、思わず表情を歪める。
「霊華?どうかしたのか?」
「………なんでもない。色々と考えこんでしまっただけ」
大地の不思議そうな声に、霊華は自分の頭に浮かんだ光景をかき消けし、再び遊花に視線を向ける。
「………消えた記憶………この事件の先に、あなたはいるの?ねぇ、ーーー?」
呟いた霊華の声は誰に聞こえることもなく消えていった。
ーーーーーーー
★
「これで終わりです‼︎ダークナイト@イグニスターでダイレクトアタック‼︎ナイトエンド‼︎」
「うわぁぁぁ‼︎」
下級生男子LP1500→0
「私の勝ちです‼︎」
「………参りました」
デュエルが終わり、座り込んでいる下級生だと思われる男子生徒に手を伸ばす。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい‼︎栗原先輩、対戦ありがとうございました‼︎」
「いえ、こちらこそありがとうございました‼︎いいデュエルでした‼︎」
私の手を掴んで起き上がった下級生の男の子は少し恥ずかしそうに目を逸らす。
「もっと腕を磨いたらまた挑戦させて貰います。そうしたら、また僕とデュエルしてくれますか?」
「勿論です‼︎いつでも挑戦してくださいね」
そういって私が笑うと、下級生の男の子は何故か顔を真っ赤にしながら慌てた様子で頭を下げた。
「あ、ああ、ありがとうございます‼︎で、では、また‼︎ありがと、う、ございました‼︎」
そういうと下級生の男の子は勢いよく走り去っていった。
どうしたんだろう?
お昼休みもそろそろ半ばだし、お腹が空いてたのかな?
私が首を傾げていると、背後から私に声がかかった。
「遊花‼︎そろそろ休憩にしようぜ‼︎」
「大地の言うとおり。そろそろ休憩した方がいい」
「大地君に霊華さん。あ、真紅ちゃんと刀花ちゃんも来てたんだ」
「お邪魔してます、栗原先輩」
「調子は良さそうではないか、"
「あはは、うん、まぁ、なんとか、ね」
マントを翻し、私を指差してポーズを取る真紅ちゃんに苦笑いを浮かべながらも、その元気そうな姿にホッとする。
よかった、レイナちゃんの邪神を見てしまった影響は残ってないみたい。
何度もデュエルをして自分の気持ちは整理していったつもりだけど、そこだけはとても心配していたのだ。
見るだけで相手の意識すら奪う最上級の闇のカード。
その力がどれ程のものなのか、その影響を何故か受けなかった私にはわからないから。
「そんなことより、そろそろ飯にしようぜ?早くしないと昼休みが終わっちまうしさ」
「うーん。そうだね、だけどよかったらあと1戦だけーーー」
少し考えてしまったもやもやを晴らすために思わずそんなことを口にしているとーーー
「へぇ〜じゃあ次は僕ちゃんの相手をしてよ、ヒハハ‼︎」
ーーー聞き覚えのある全てを嘲笑うような声が私の耳に届いた。
「っ、この声は………」
私が声をした方向を見ると、そこには眼鏡をかけた茶髪をコーンロウにした男性ーーー1学期の期末試験の最終日に私と苛烈なデュエルを繰り広げた神路祇 電二がそこにいた。
「神路祇君………」
「やぁ、虫ケラさん。相変わらず踏み潰したくなるような目障りさだねぇ、ヒハハ‼︎」
滲み出る悪意を隠そうともせず私を嘲笑う神路祇君。
そんな神路祇君を厳しい表情で大地君が睨みつけた。
「何しにきたんだよ、神路祇?」
「何しにぃ〜?デュエルだよ、デュエル〜そんぐらいわかんないかなぁ〜?そこの虫ケラさんに勝てば現世界ランキング4位の『氷の女王』に挑めるんだろう?その挑戦権をかけて僕ちゃんがデュエルを挑むのはそんなにおかしいことかね〜?」
そういって神路祇君はニヤニヤと不気味な笑みを浮かべる。
「なんだこの胡散臭い奴は」
「このマナーが悪い方は栗原先輩達の知っている方ですか?」
「ん〜?」
神路祇君のことを知らない真紅ちゃんと刀花ちゃんは嫌悪感を露わにした表情で神路祇君を見る。
そんな2人に神路祇君は視線を向けると、冷たい声色で吐き捨てるように口を開く。
「低学年の虫けら風情が何声をかけて来てんの?踏み潰すよ、君達もさぁ?」
「何だと⁉︎貴様‼︎」
「っ………」
「ヒハハ‼︎虫ケラ風情が一丁前に怒ってんの?どうせ、叩き潰される程度の実力しかないんだから怒っちゃやーよ♪」
「コイツ‼︎」
「待って、真紅ちゃん‼︎」
「"
神路祇君の挑発に一歩踏み出した真紅ちゃんを慌てて止める。
相手を蔑んで挑発するのは神路祇君の十八番だ。
冷静さを欠いて神路祇君の挑発に乗るのはどう考えてもいい予感がしない。
「私とデュエルをしにきたんですよね?なら、望み通り相手になります」
「へぇ〜虫ケラさんの癖に随分粋がってるじゃないの。世界ランキング上位のデュエリストに認められてるからって調子に乗ってる訳?」
「お好きなように解釈してください。私はただ、挑まれたデュエルは受けるだけです」
「ヒハハハ‼︎上等上等‼︎それぐらいじゃないと叩き潰しがいがないからねぇ〜」
私達はデュエルディスクを起動して向かい合う。
何が目的かはわからないけど、このデュエル、負ける訳にはいかない‼︎
「いきます‼︎」
「ヒハハハ‼︎叩き潰してやるよぉ‼︎」
『決闘‼︎』
遊花 LP8000
電二 LP8000
ーーーーーーー
「先攻は私です‼︎」
神路祇君のデッキはカード破壊が得意な
中途半端な守りだと簡単に崩される………早めに防御を固めておかないと。
「手札のクリボーンを捨てて魔法カード、ワンフォーワンを発動‼︎デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚します‼︎」
「ヒヒヒ、ならそれにチェーンして、手札から増殖するGを捨てて効果発動だよ〜‼︎」
「うえっ⁉︎」
「同名カードの効果は1ターンに1度しか使用できず、この効果は相手ターンでも発動できる。このカードを手札から墓地へ送り、このターン、相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、自分はデッキから1枚ドローしなければならないのさ‼︎」
「っ、手札増強の手札誘発モンスター………‼︎」
神路祇君が手札を1枚墓地に送ると、神路祇君の墓地から蠢く黒い影と光る眼がこちらを見る。
「ひぅっ‼︎」
無理無理無理‼︎アレだけは何回見ても無理だよ‼︎
しかも、効果自体も非常に強力だ。
このまま私が構わずモンスターを展開してしまえば神路祇君の手札は一気に増えてしまう。
後攻ならそれでも攻め切るために展開してもよかったかも知れないけど、先攻の私は攻撃できないため展開してしまったら次の神路祇君のターンにどれほどのことをされてしまうか分からない。
「うっ、ワンフォーワンの効果で私はデッキからミスティックパイパーを特殊召喚‼︎」
「ヒヒヒ、なら増殖するGの効果で1枚ドローだ‼︎」
〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性
DEF0
現れたのはフルートのようなものを弾いている男の人。
増殖するGを使われている現状を踏まえると今の手札で防御を固めることは難しい
だから、君の効果に任せるよ、ミスティックパイパー。
そんな私にミスティックパイパーは任せろというようにサムズアップをした。
「ミスティックパイパーの効果発動‼︎このカードをリリースして自分のデッキからカードを1枚ドローします‼︎そしてこの効果でドローしたカードをお互いに確認し、レベル1モンスターだった場合、自分はカードをもう1枚ドローします‼︎」
ミスティックパイパーが姿を消し、私はカードをドローする。
「私が引いたのはクリビー‼︎レベル1モンスターなのでもう1枚ドローします‼︎よし、さらに私はクリバンデッドを召喚します‼︎」
〈クリバンデッド〉☆3 悪魔族 闇属性
ATK1000
私の前に現れたのは盗賊のような姿をした黒い毛玉のモンスター。
「ヒヒヒ、面倒なカードが出てきたね〜」
「私はカードを1枚伏せて、エンドフェイズにーーー」
「ヒヒヒ、まぁ焦るなよ。デュエルはまだ始まったばかりなんだからさぁ‼︎ 僕ちゃんの墓地に存在する増殖するGと君の墓地のクリボーンを対象に手札から
「えっ⁉︎
未知のカードの存在に驚いていると神路祇君は嘲るような表情で私を見た。
「前と同じデッキだと思ったぁ?進化してるのは君だけじゃないんだよぉ‼︎同名カードは1ターンに1度、︎自分・相手のメインフェイズに、自分の墓地の昆虫族モンスター1体と相手の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターを持ち主のデッキの一番下に戻す‼︎出ておいで、騎甲虫スティンギーランス‼︎」
〈騎甲虫スティンギーランス〉☆7 昆虫族 風属性
ATK2400
フィールドに現れたのは鎧を纏った巨大な蜂に乗った2つの槍を手にした騎士の姿をした虫人。
「っ、クリボーンがデッキの下に………」
「君のデッキのそのカードは面倒だからねぇ。邪魔くさいから消させて貰ったよ。さらに騎甲虫スティンギーランスの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合にデッキからビートルーパー魔法・罠カード1枚を手札に加える‼︎僕ちゃんはデッキからフィールド魔法、
「っ、エンドフェイズ、クリバンデッドの効果発動‼︎このカードをリリースしてデッキの上から5枚めくり、その中から魔法・罠カード1枚を手札に加えて残りを墓地におきます」
ぴょんぴょん跳ねていたクリバンデッドの姿が消える。
その代わりに私はデッキの上から5枚のカードをめくって中から1枚のカードを手札に加えた。
「私は魔法カード、Aiラブ融合を手札に加えてターンエンドです‼︎」
遊花 LP8000 手札3
ーー▲ーー ー
ーーーーー
ー ー
ーー○ーー
ーーーーー ー
電二 LP8000 手札5
「ヒヒヒ、僕ちゃんのターン、ドロー‼︎いいカードを引いてるみたいだねぇ。だけど、無駄ァ‼︎まずはフィールド魔法、騎甲虫隊戦術機動を発動‼︎」
神路祇君がフィールド魔法を発動する時、周りが緑溢れる戦場に変わる。
「そして魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローする‼︎僕ちゃんは4枚、君は3枚捨ててドローだ‼︎」
「っ、せっかく加えた手札が………」
「さらにさらに、手札から捨てられたゴキポールの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合にデッキからレベル4の昆虫族モンスター1体を手札に加える。この効果で通常モンスターを手札に加えた場合、さらにそのモンスターを手札から特殊召喚でき、その後、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力以上の攻撃力を持つ、フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる。まぁ、君のフィールドにモンスターはいないけどぉ、モンスターは特殊召喚できるからねぇ。僕ちゃんはデッキからゴキボールを特殊召喚‼︎」
「ひぅっ‼︎」
〈ゴキボール〉☆4 昆虫族 地属性
ATK1200
フィールドに現れたのはどう見ても台所に出没してカサカサと動く黒いアレ。
前回のデュエルでも見たけど、やっぱりアレはちょっと無理だよ‼︎
そして神路祇君は手を前にかざす。
「犇めきあえ‼︎光を呑み込むサーキット‼︎」
「っ、リンク召喚………」
「召喚条件は昆虫族モンスター2体‼︎僕ちゃんはゴキボールと騎甲虫スティンギーランスをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎
〈騎甲虫アームドホーン〉LINK2 昆虫族 地属性
ATK1000 ↑↓
ゴキボールとスティンギーランスがいなくなり、代わりに現れたのは鎧を纏ったカブトムシに乗ったカブトムシの騎士。
「さらに騎甲虫アームドホーンの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分メインフェイズに昆虫族モンスター1体を召喚する‼︎おいで、
〈甲虫装機ダンセル〉☆3 昆虫族 闇属性
ATK1000
現れたのは虫を模した赤い装甲を纏い、片手に銃を持っているモンスター。
「っ、そのモンスターは………」
「さぁ、楽しい
甲虫装機ダンセル ☆6→3
ATK2000→1000
墓地に存在していたホーネットから蜂を模した銃がダンセルに装着される。
ということはーーー
「そして装備カードとなった甲虫装機ホーネットの効果発動‼︎モンスターに装備されているこのカードを墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として破壊する‼︎その後ろのセットカードを破壊させて貰おうか‼︎スティンガースパーク‼︎」
「っ、カウンターゲートが………」
ダンセルがホーネットから渡された銃を構え、私のセットカードに向けて砲撃し、セットカードを跡形もなく消しとばす。
その砲撃でエネルギーが切れたのか、銃は機能を停止し、消滅した。
甲虫装機ダンセル ☆6→3
ATK2000→1000
「ヒハハハ‼︎ナイスショット‼︎甲虫装機 ダンセルの効果発動‼︎このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られた場合、デッキから甲虫装機 ダンセル以外の甲虫装機モンスター1体を特殊召喚する‼︎現れろ、
〈甲虫装機センチピード〉☆3 昆虫族 闇属性
ATK1600
現れたのは百足を模した茶色の装甲を纏ったモンスター。
「さてさて、本当ならセンチピードにホーネットを装備………って言いたいところだけど、すでに君のフィールドは焼け野原。特に装備する意味がないんだよねぇ〜」
「………」
「だ・か・ら、次はこうさせて貰おうかなぁ‼︎ 僕ちゃんは
〈電子光虫-LEDバグ〉☆3 昆虫族 光属性
ATK500
現れたのは電子の身体を持つテントウムシのようなモンスター。
「さらにさらに、自分が昆虫族・レベル3モンスターの召喚に成功した時、手札から
〈電子光虫-レジストライダー〉☆3 昆虫族 光属性
ATK1000
さらにLEDバグに寄り添うように電子の身体を持つアメンボが姿を現す。
「そして電子光虫-LEDバグと電子光虫-レジストライダーを7に変更する‼︎」
電子光虫-LEDバグ
☆3→7
電子光虫-レジストライダー
☆3→7
「レベル7モンスターが2体………‼︎」
「おおっとご期待のとこ悪いがまだエクシーズ召喚にはいかないよぉ。電子光虫-レジストライダーの効果発動‼︎このカードが手札から特殊召喚に成功した場合、自分フィールドの昆虫族モンスター1体を選んで表示形式を変更する‼︎ 僕ちゃんは電子光虫-LEDバグを守備表示に変更だぁ‼︎」
電子光虫-LEDバグ
ATK500→DEF0
「そして表示形式が変更されたことで電子光虫-LEDバグの効果発動‼︎1ターンに1度、表側攻撃表示のこのカードが守備表示になった時、デッキから昆虫族・レベル3モンスター1体を手札に加える‼︎僕ちゃんはデッキから
「っ、また騎甲虫が手札に………」
「そして僕ちゃんは昆虫族・光属性のレベル7モンスター2体以上、電子光虫-LEDバグと電子光虫-レジストライダーでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」
LEDバグとレジストライダーが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると次に現れたのは電子的な身体を持つカブトムシのようなモンスター。
「現れろ‼︎電子を統べる孤高の王者‼︎ランク7、
〈電子光虫-ライノセバス〉★7 昆虫族 光属性
ATK2600
「っ、ライノセバス………‼︎」
「そうそう、君が苦手としている貫通効果を持つライノセバスちゃんだよーん。し・か・も、今回はオプション増し増しさ‼︎オーバーレイユニットとなった電子光虫-LEDバグと電子光虫-レジストライダーにより電子光虫-ライノセバスは更なる効果を得る‼︎ 電子光虫-LEDバグをオーバーレイユニットとしてエクシーズ召喚したため、このカードが戦闘でモンスターを破壊した時に自分はデッキから1枚ドローし、電子光虫-レジストライダーをオーバーレイユニットとしてエクシーズ召喚したため、このカードの攻撃力・守備力は1000ポイントアップする‼︎」
電子光虫-ライノセバス
ATK2600→3600 DEF2200→3200
「攻撃力3600のライノセバス⁉︎」
「さらにさらにぃ、自分フィールドに昆虫族モンスターが召喚・特殊召喚された場合に、手札の騎甲虫スケイルボムの効果発動‼︎このカードを手札から特殊召喚する‼︎おいで、騎甲虫スケイルボム」
〈騎甲虫スケイルボム〉☆3 昆虫族 炎属性
DEF2000
フィールドに現れたのは巨大な蝶の上に乗り、松明を持った虫人のモンスター。
そして神路祇君は再び正面に手をかざす。
「ヒヒヒ、どんどん行くよぉ?犇めきあえ‼︎光を呑み込むサーキット‼︎」
「っ、またリンク召喚ですか………」
神路祇君の前に再びサーキットが現れる。
「召喚条件は昆虫族モンスター2体‼︎僕ちゃんは甲虫装機ダンセルと甲虫装機センチピードをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎
〈甲虫装機ピコファレーナ〉LINK2 昆虫族 闇属性
ATK1000 ↙︎↘︎
ダンセルとセンチピードがサーキットに消え、代わりに蛾を模したピンク色の装甲を纏い、リボンを手に持ったモンスターが現れる。
「甲虫装機ピコファレーナの効果発動‼︎インゼクターフォーゼ‼︎このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、このカード以外の自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象としてデッキから昆虫族モンスター1体を攻撃力・守備力500ポイントアップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する‼︎俺は手札を1枚捨ててデッキから騎甲虫スケイルボムに
ピコファレーナがリボンを振るうと、どこからか鈴虫のモンスターが現れ、スケイルボムの乗っている蝶に掴まれる。
騎甲虫スケイルボム
ATK1000→1500 DEF2000→2500
「更に甲虫装機ピコファレーナの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度自分の墓地の昆虫族モンスター3体を対象としてそのモンスターをデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎僕ちゃんは墓地のゴキボール、ゴキポール、甲虫装機ダンセルをデッキに戻して1枚ドロー‼︎そしてぇ、犇めきあえ‼︎光を呑み込むサーキット‼︎」
「っ⁉︎連続リンク召喚⁉︎」
神路祇君の目の前にこのターン3度目のサーキットが現れる。
「虫けらの君の戦術を真似してるみたいで気分が悪いが、君を叩き潰すためならなんだってやってやるさ‼︎召喚条件は昆虫族モンスター2体以上‼︎僕ちゃんは騎甲虫アームドホーンと甲虫装機ピコファレーナをそれぞれ2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
「っ⁉︎リンク4の大型モンスター⁉︎」
アームドホーンとピコファレーナが2体に分身してサーキットに吸い込まれていく。
そしてサーキットが光り輝くとサーキットの中から現れたのは巨大な櫓に何体もの甲虫騎士を背に乗せ、悠々と闊歩する蒼の巨大甲虫。
「リンク召喚‼︎全次元を捻じ伏せる無敵の大甲虫‼︎リンク4‼︎
〈 大騎甲虫インヴィンシブルアトラス〉LINK 4 昆虫族 地属性
ATK3000 ←↑↓→
「リンク4の大騎甲虫‼︎」
「驚いてるところ悪いが、まだまだ終わらないぜぇ?君に味わわされた屈辱は、こんなものじゃ返しきれないんだからさぁ‼︎僕ちゃんは共振虫を装備している騎甲虫スケイルボムをリリース‼︎ 装備カードを装備した自分の守備力2000以上の昆虫族モンスター1体をリリースした場合にEXデッキからこのモンスターを特殊召喚できる‼︎共振虫を喰らえ、騎甲虫スケイルボム‼︎」
神路祇君の声を聞き、スケイルボムの乗っていた蝶の目が怪しく光ったかと思うと掴んでいた共振虫に喰らい付いた。
「えっ⁉︎」
喰らいつかれた共振虫は悲鳴を上げるが、それに構うことなく蝶は共振虫を喰らいつくしていき、その身体が歪に変化しながら膨れ上がっていく。
突如蝶の身体が膨れ上がったことで背中に乗っていたスケイルボムが振り落とされると、変異した蝶は今度はスケイルボムに視線を向け、鳴き声を上げながらスケイルボムに喰らいつく。
スケイルボムは必死に逃げ出そうとするが、変異して巨大化していく蝶に押し潰され、断末魔の悲鳴をあげながら喰われていく。
「ひっ⁉︎」
「うわぁぁぁぁぁ⁉︎」
「そんな、酷い………」
あまりの凄惨な光景に見学していた他の生徒達も目を逸らしたり、悲鳴や嗚咽を漏らす。
そんな中、神路祇君は心底楽しそうな歓喜の声を上げる。
「ヒハハハハハ‼︎喰らえ喰らえ‼︎全てを喰らい尽くせ‼︎ 生きる意味も、死ぬ訳も、蠱毒の
スケイルボムを喰らい尽くした蝶が鳴き声を上げると、蝶の身体がどんどん変貌していく。
身体は緑に染まり、巨大な牙と角が生え、腕は血のように赤黒染まり、綺麗だった蝶の羽根も変貌した身体のように変化し、緑と赤黒い羽根に変わり肥大化していく。
肥大化が止まると、蝶は世界を呪い尽くすような新たな産声を上げた。
「これこそ、人の業と弱肉強食の世界が産みし呪法‼︎蠱毒より溢れ出た災禍‼︎完全態グレートインセクト‼︎」
〈完全態グレートインセクト〉☆9 昆虫族 地属性
ATK3000
「昆虫族の大型融合モンスター⁉︎こんなモンスターまで………‼︎」
「ヒハハハハハ‼︎さぁ、まだまだ
「大型の重騎甲虫が手札に………」
「ヒヒヒヒヒ‼︎まだ、まだだぁ‼︎もっと面白いものを君に見せてやるよぉ‼︎フィールド魔法、騎甲虫隊戦術機動の効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分の墓地のビートルーパーモンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚し、自分はその元々の攻撃力分のライフポイントを失う。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できないけどね。墓地より甦れ、
〈騎甲虫スカウトバギー〉☆3 昆虫族 風属性
ATK1000
電二 LP8000→7000
フィールドに現れたのは巨大なテントウムシの上に乗り、槍を持った虫人のモンスター。
「騎甲虫スカウトバギーの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に自分の手札・デッキ・墓地から同名カード1体を選んで特殊召喚する‼︎デッキから現れろ、2体目の騎甲虫スカウトバギー‼︎」
〈騎甲虫スカウトバギー〉☆3 昆虫族 風属性
ATK1000
「レベル3モンスターが2体………」
「ヒハハハハ‼︎さぁ、これで準備は整った‼︎君を痛めつけ、這い蹲らせる、地獄の
「嬉遊曲?」
そういって神路祇君は不気味な笑みを浮かべてスカウトバギー達に手をかざす。
その瞬間、神路祇君の身体から大量の闇が溢れ出し、感じたことのある嫌な気配が教室を満たしていく。
「っ⁉︎この気配………まさか⁉︎」
「僕ちゃんはレベル3、騎甲虫スカウトバギー2体でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
スカウトバギー達が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
渦が爆けると、そこに現れたのは呪われし闇に身体を染め上げ、巨大な羽根に血の赤を纏う蝉の王。
「地の底に眠りし呪われし演奏家よ‼︎今こそ長き眠りより目覚め、呪われた旋律で悲鳴の嬉遊曲を奏でよ‼︎現れろ‼︎No.3 地獄蝉王ローカストキング‼︎」
〈No.3 地獄蝉王ローカストキング〉★3 昆虫族 地属性
ATK1200
「やっぱり………No.‼︎」
「No.………だとぉ⁉︎」
「あれって栗原先輩がこの前戦ってた闇のカードと同じ種類の………じゃあ、あの人も闇のカードに操られてるんですか⁉︎」
「闇のカード⁉︎じゃああれが遊花達が言ってた奴なのか⁉︎」
「すごく嫌な波動を感じる………あのカードはマズい」
神路祇君のフィールドに現れたローカストキングに私達は驚愕の表情を浮かべる。
そんな私達を見て、神路祇君は意外そうな表情を浮かべる。
「へぇ〜君達
「えっ⁉︎」
今の言葉、まさか神路祇君は………‼︎
私が神路祇君の言葉から感じた違和感を口に出すると、神路祇君はいやらしい笑みを浮かべると右手をローカストキングにかざして告げる。
「さぁ、悲鳴のオーケストラの始まりだぁ‼︎
神路祇君の言葉を受けたローカストキングは身体を縮こまらせるとけたたましい音で鳴き始めた。
「っ、すごい音………」
「くっ、耳障りな
「耳が、痛いです………」
「あぁーもう、うるせぇな‼︎」
ローカストキングが奏でるあまりの音の大きさに私達は耳を塞ぐ。
デュエルを続けれないわけじゃないけど、この音量の中デュエルを続けるのは地味にキツい。
だけど、異変はそれだけじゃなかった。
「うっ、あああああ‼︎」
「霊華さん⁉︎どうしたんですか⁉︎」
「頭が………割れそう………うぁぁ‼︎」
「おい⁉︎霊華、しっかりしろ⁉︎」
私達の側にいた霊華さんは耳を抑えながらその場に崩れ落ち、苦しそうにその場を転がる。
いや、変化が起きているのは霊華さんだけじゃなかった。
「いやぁぁぁぁぁ‼︎」
「んぎゃあああ‼︎」
「頭が、頭が割れるぅぅぅ‼︎」
同じ教室の中で私と神路祇君のデュエルを見ていた人達も霊華さんと同じように苦しそうに教室の中をのたうち回っている。
「っ‼︎まさか、この音って闇のカードの攻撃と同じ………⁉︎」
「ヒハハハハ‼︎泣け泣け‼︎無様に地面を這いずり回れ、虫ケラ共が‼︎ヒハハハハハハハ‼︎」
パニックが起こっている教室の中で神路祇君が狂ったように笑う。
だけど、神路祇君のこの感じは………
「ぐっ、うぅぅ‼︎」
「っ、真紅ちゃん‼︎刀花ちゃん‼︎大地君‼︎霊華さんとこの教室で苦しんでる人達を連れて、この羽音が聞こえない場所まで急いで避難して‼︎後誰もこの教室に近づかせないように、お願い‼︎」
「"
私は何故かローカストキングの被害を受けていない真紅ちゃん達に指示を出す。
この状況は危険だ。
少なくとも、今影響を受けている霊華さん達をこの状況に置いておくと何が起こるかわからない。
「私が動いたら多分、No.3 地獄蝉王ローカストキングもついてきちゃう。この音がどこまで響いてるか分からない以上ここから移動するのも危険なの。だから、私はここでデュエルを続ける‼︎」
「しかしーーー」
真紅ちゃんが戸惑った表情を浮かべるが、刀花ちゃんと大地君は苦い表情を浮かべながらも頷いた。
「わかりました。栗原先輩、ご武運を」
「任せたぜ、霊華達のことは俺達に任せろ‼︎」
「"
「真紅ちゃん。今ここにいても私達が栗原先輩のデュエルに対してできることはないの。それに、このままだと闇のカードの力を受けてる御子神先輩や他の人達に何が起こるかわからない。悔しいけど、私達にできるのは栗原先輩の邪魔にならないように他の人を連れて避難することだけなんだよ」
「っ、無様を晒したら許さんからな‼︎貴様は我の好敵手なのだから‼︎………えぇい‼︎何をしている‼︎ "
苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら真紅ちゃんは苦しんでる人達に手を貸しながら教室から出て行く。
真紅ちゃん達の声かけを受け、苦しんでいる人達はふらつきながらも教室から逃げ出していく。
しばらくすると、私と神路祇君以外の全ての人が教室からいなくなった。
「ヒハハハハ‼︎あー笑った笑った。虫ケラ達が逃げ出すのはいつ見ても滑稽で面白いねぇ」
「っ、神路祇君………」
不気味な表情で笑い続ける神路祇君の姿に怒りを覚えながらも、冷静に声をかける。
「神路祇君………あなたは闇のカードに操られていませんね?」
「あん?そんなの当たり前じゃん。こんなのに操られるなんて虫ケラぐらいだよ。ヒハハ‼︎」
そういって楽しげに神路祇君は笑う。
「全く、天才カードデザイナー様々ってねぇ。まさかこんな凄い力を持ったカードをポンっとくれるなんてねぇ」
「っ⁉︎………神路祇君は天神先生の協力者なんですか?」
私の質問に神路祇君は少し驚いた表情を浮かべたが、すぐにその表情を楽しそうに歪ませた。
「へぇ、虫ケラの癖にあの天才カードデザイナー様の裏の顔を知ってるとはねぇ」
「じゃあやっぱりあなたは………‼︎」
「そう、僕ちゃんは選ばれたのさ‼︎闇のカードを使って虫ケラを支配する捕食者にねぇ‼︎ヒハハハハ‼︎」
そういって神路祇君は悪意を隠しもしない笑みで嘲笑う。
「いやぁ、全く僕ちゃんの才能は恐ろしいねぇ。こんな危ない代物を簡単に扱えちゃうんだからさぁ。他の
「っ‼︎」
神路祇君の言葉に私は心臓が掴まれたかのような感覚がした。
今の言葉が意味することはーーー
「そうそう、確か闇のカードに操られちゃった虫ケラさんたちの中には君のお友達もいたっけなぁ。確か………桜糀 紅葉、だったかなぁ?」
「っ、やっぱり紅葉さんを攫ったのはあなた達なんですか⁉︎紅葉さんをどこにやったんですか‼︎」
紅葉さんの名前が出てきたことに動揺した私が思わず問い詰めると、神路祇君は悪辣な笑みを深めながらも惚けるように顎に握り拳を当てて考え込むような仕草を見せる。
「う〜ん、どこにいったかなぁ〜僕ちゃんは虫ケラさんのことはよく覚えてないんだよねぇ〜ヒハハ‼︎」
「っ、ふざけないでーーー」
「ヒハハハハ‼︎そう怒りなさんなって、どの道………君は僕ちゃんにここで叩き潰されて二度と会うことはないんだからさぁ‼︎」
「っ‼︎」
そういうと神路祇君は血走った眼で私を睨みつけながら楽しそうに笑った。
「さあて、せっかく現れた僕ちゃんの王様だ。たっぷりと着飾ってあげないとねぇ‼︎まずは墓地に存在する騎甲虫スティンギーランス、共振虫、騎甲虫スケイルボムを除外し、墓地の騎甲虫アームドホーンの効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地からこのカード以外の昆虫族モンスター3体を除外してこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外されるけどねぇ。甦れ、騎甲虫アームドホーン‼︎」
〈騎甲虫アームドホーン〉LINK2 昆虫族 地属性
ATK1000 ↑↓
「さらに除外された共振虫の効果発動‼︎ このカードが除外された場合、デッキから同名カード以外の昆虫族モンスター1体を墓地へ送る‼︎僕ちゃんはデッキから
〈騎甲虫スティンギーランス〉☆7 昆虫族 風属性
ATK2400
「騎甲虫スティンギーランスの効果発動‼︎僕ちゃんはデッキからカウンター罠、
「カウンター罠まで手札に………⁉︎」
「さあ、王が鎧を纏う時だぁ‼︎墓地に存在する昆虫機甲鎧の効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドに同名カードが存在しない場合、自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象としてこのカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する‼︎ただし、このカード及びこの効果でこのカードを装備したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。No.3 地獄蝉王ローカストキングに昆虫機甲鎧を装備‼︎王の鎧となれ、昆虫機甲鎧‼︎」
墓地から火炎放射器を背負ったバッタの鎧が現れると、鎧のパーツが分離し、ローカストキングに装着されていく。
腕にはバッタの爪、羽根には棘付き肩パッド、背中には火炎放射器が装着され、最後にバッタの顔が仮面のようにローカストキングに装着されると、バッタの複眼が怪しく光る。
「さぁ、祝え‼︎全ての虫ケラを踏み潰し、悲鳴を齎す地獄の王者‼︎その名もNo.3 地獄蝉王ローカストキング・昆虫機甲鎧‼︎また1つ、地獄を統治する力を継承した瞬間だぁ‼︎」
「No.3 地獄蝉王ローカストキング・昆虫機甲鎧………」
昆虫機甲鎧を纏ったローカストキングの身体から大量の闇が溢れ出す。
なんだか、あまりよくない気がする。
「さぁ、僕ちゃんの力をたっぷり味わいなぁ‼︎バトル‼︎そしてバトルフェイズに入ったこの瞬間、昆虫機甲鎧の効果が起動する‼︎ 昆虫機甲鎧を装備したモンスターはお互いのバトルフェイズ及びメインフェイズ2の間、攻撃力が1500ポイントアップし、守備力が2000ポイントアップする‼︎」
「っ、能力アップの鎧………‼︎」
No.3 地獄蝉王ローカストキング
ATK1200→2700 DEF2500→4500
「ヒハハハハ‼︎どうだい?まさに王の力と呼ぶに相応しい鎧だろう?その力、たっぷり味わいなぁ‼︎ No.3 地獄蝉王ローカストキングでダイレクトアタック‼︎バイオレンスデスビート‼︎」
ローカストキングの羽根が振動し、不愉快な音が響くと背中の火炎放射器にエネルギーが充填されていく。
強化された闇のカードの攻撃を直接受けるのはマズい………なら‼︎
「通しません‼︎手札からクリボールの効果を発動‼︎スピンショット‼︎相手モンスターの攻撃宣言時、そのモンスターを守備表示にします‼︎」
ローカストキングの背負った火炎放射器から黒炎溢れ出しそうになったとき、手札から現れたクリボールが回転しながらローカストキングが背負っている火炎放射器に突撃し、それにより火炎放射器の射線が上に逸れる。
射線が逸れたその瞬間、火炎放射器から黒炎が放たれ、騎甲虫隊戦術機動の立体映像を穿ち、その先にあるデュエルアカデミアの天井を文字通り焼き払った。
No.3 地獄蝉王ローカストキング
ATK2700→DEF4500
「あーらら、派手にやっちゃったねぇ。ヒハハハハ‼︎」
「っ、火が………‼︎」
闇のカードであるローカストキングの攻撃により、立体映像が貼り付けられていた教室の天井が吹き飛び、放たれた黒炎が燃え上がり、火の気が回りはじめる。
火が上がったことで教室のスプリンクラーが作動するが、闇のカードによって生み出された炎のせいか全然勢いが弱まる気配がない。
このままデュエルを続けたら私達まで焼け焦げちゃう‼︎
「神路祇君‼︎デュエルは中止です‼︎このままじゃーーー」
「はぁ?止めるわけないだろぉ?こっちは元々君を叩き潰し、復讐するためにきてるんだからさぁ‼︎ 寧ろ丁度いいぐらいさぁ‼︎まさにデス☆ゲーム‼︎ヒハハハハ‼︎」
「っ⁉︎」
神路祇君の目に宿る明確な殺意に私は思わず息を呑む。
本気だ。
本気で神路祇君は私を殺そうとしている。
今までだって同じように命をかけたデュエルはしてきた。
それでも、こんな自分の身すら危ぶまれる状況で迷いなく殺意を叩きつけられたのは初めてだ。
その事実に、私の身体が僅かに震える。
そんな私を見て、神路祇君は殺意の宿った瞳で狂ったように笑う。
「ヒハハハハ‼︎いいねぇ、いいねぇ‼︎君のその顔が見たかったぁ‼︎僕ちゃんに怯えるその顔がぁ‼︎ヒハハハハ‼︎その表情、もっともっと見せてくれよぉ‼︎そしてぇ、なによりぃ、No.3 地獄蝉王ローカストキングを守備表示にしたのは悪手だぁ‼︎ No.3 地獄蝉王ローカストキングの効果発動‼︎コーリングデスゲート‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードの表示形式が変更された場合、自分の手札・墓地から昆虫族モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚するぅ‼︎」
「表示形式の変更で発動する効果⁉︎」
「甦れ、甲虫装機センチピード‼︎」
〈甲虫装機センチピード〉☆3 昆虫族 闇属性
DEF1200
ローカストキングが羽根を揺らし、鳴り響く音に釣られて墓地から再びセンチピードが姿を現す。
「さぁ、まだまだ攻撃は終わってないぜぇ?大騎甲虫インヴィンシブルアトラスでダイレクトアタック‼︎アイギスアサルト‼︎」
「きゃっ‼︎」
遊花 LP8000→5000
インヴィンシブルアトラスの巨体が私を跳ね飛ばし、私のライフを削る。
それを見て神路祇君はいやらしい笑みを浮かべて嘲笑う。
「おいおい、どうしたどうしたぁ‼︎この程度の攻撃を受けちゃって、 "
「これは………必要なダメージです‼︎墓地に存在する
「っ‼︎へぇ〜」
墓地から音符のついた指揮棒を持ち、マントを羽織った茶色い毛玉のようなモンスターが現れて空に浮かび上がると、クラシックリボーの周りから光の柱が立ち上り、下に8の数字が現れる。
「ペンデュラムモンスターねぇ〜なら、そんなちっぽけな雑魚で何ができるか見せて見なよ‼︎電子光虫-ライノセバスでダイレクトアタック‼︎ライノプラズマ‼︎」
ライノセバスから私に向かって雷が放たれる。
「相手モンスターの直接攻撃宣言時、EMクラシックリボーのペンデュラム効果発動‼︎ 相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードは破壊されます‼︎」
「はぁ?」
光の柱が砕け、その中から飛び出したクラシックリボーが私の正面に現れる。
「さらにEMクラシックリボーの効果発動‼︎エンドオブオラトリオ‼︎このカードが自身のペンデュラム効果によって破壊された場合、バトルフェイズを終了します‼︎」
「っ‼︎成る程ねぇ」
クラシックリボーが指揮棒を振ると、私の正面に音波でできた障壁が現れて、ライノセバスの雷を受け止め、消滅させた。
「そしてバトルフェイズ終了時‼︎ 自分フィールドにカードが存在しない場合、手札から罠発動‼︎拮抗勝負‼︎」
「っ⁉︎手札から罠だとぉ⁉︎」
「このカードは相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードの数より多い場合、自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる‼︎自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手はフィールドのカードを裏側表示で除外しなければならない‼︎」
「何っ⁉︎馬鹿なぁ僕ちゃんの最強の布陣が消し飛ばされるだとぉ⁉︎」
私が発動した拮抗勝負を見て神路祇君は目を見開く。
相手の布陣が強力である程、拮抗勝負で受けるダメージは大きくなる。
これでローカストキングを処理できるかはわからないけど、これで神路祇君のモンスターが少しでも減れば状況が楽にーーー
「馬鹿なぁ、そんな馬鹿なぁ………なーんちゃってぇ☆」
「っ⁉︎」
「そんなことだろうと思ってたぜぇ。そして僕ちゃんは、運がいい‼︎ライフポイントを半分払い、手札から罠発動‼︎カウンター罠‼︎レッドリブート‼︎」
「っ⁉︎レッドリブート⁉︎」
電二 LP7000→3500
「相手が罠カードを発動した時に発動できる‼︎その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする‼︎その後相手はデッキから罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる………最もこのカード発動後、ターン終了時まで罠カードは発動できないけどね………なーんてな、ヒハハハハ‼︎」
「っ………」
その言葉期末試験の時に私が神路祇君とのデュエルの最終局面で言った言葉。
まさかそれをこの状況で返されるなんて………しかも、神路祇君のフィールドには蘇生されたセンチピード、そして墓地にはホーネットがいる。
間違いなく拮抗勝負はこのターン中に破壊されてしまう。
なら、私が打てる次の手は………‼︎
「私はデッキから裁きの天秤をセットします‼︎」
「っ‼︎成る程ねぇ。転んでもただでは起きないかぁ………拮抗勝負を破壊しないと次のターンには僕ちゃんのフィールドはズタボロにされる………だけど、裁きの天秤が残れば僕ちゃんのフィールドが整ってるおかげで大量にドローできるってわけ………ヒハハハハ‼︎やるねぇ、流石は僕ちゃんを1度倒した虫ケラさん‼︎………パナい、ムカつく」
裁きの天秤をセットした私を見て神路祇君は一瞬真顔になったが、すぐに悪辣な笑みを浮かべなおした。
「まぁ、いいよ。それぐらい許してあげるさ。足掻けば足掻くほど、絶望って言うのは深くなるんだからさぁ‼︎メインフェイズ2‼︎甲虫装機センチピードの効果発動‼︎1ターンに1度、自分メインフェイズに自分の手札・墓地から甲虫装機モンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備する‼︎僕ちゃんは墓地から甲虫装機ホーネットを甲虫装機センチピードに装備するよ〜」
再びホーネットが現れ、センチピードに自分の銃を手渡す。
甲虫装機センチピード ☆3→6
ATK1600→2100
そしてセンチピードはその銃を私のセットカードに向ける。
「さあ、再び装備カードとなった甲虫装機ホーネットの効果発動‼︎このカードを墓地に送り、拮抗勝負は破壊だ‼︎スティンガースパーク‼︎」
甲虫装機センチピード ☆6→3
ATK2100→1600
「っ‼︎」
「ヒハハハハ‼︎拮抗勝負、爆☆散☆‼︎そしてここからは拮抗しない
「っ、またダンセルが手札に………」
「まだ終わらないよぉ?犇めきあえ‼︎光を呑み込むサーキット‼︎」
「っ、またリンク召喚ですか………」
神路祇君の前に再びサーキットが現れる。
「召喚条件はカード名が異なるモンスター2体 2体‼︎僕ちゃんは騎甲虫スティンギーランスと甲虫装機センチピードをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎
〈虫忍 ハガクレミノ〉LINK2 昆虫族 風属性
ATK1000 ↖︎↓
スティンギーランスとセンチピードがサーキットに消え、代わりにコノハムシのモンスターが現れる。
「虫忍 ハガクレミノは永続効果でこのカードのリンク先にモンスターが存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。虫忍 ハガクレミノのリンク先には大騎甲虫インヴィンシブルアトラスがいるから大騎甲虫インヴィンシブルアトラスがいる限り、コイツは攻撃できないよぉ?まぁ、大騎甲虫インヴィンシブルアトラスも永続効果、インビシブルオーラによってリンク召喚されたこのカードの攻撃力が3000以下の場合、相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されないからそう簡単にはやられないんだけどねぇ。ヒハハハハ‼︎」
「っ、あの攻撃力でそんな耐性まであるんですか………」
「まぁ、虫忍 ハガクレミノ自体はフィールドを空けるためのおまけだけどねぇ。本命はこっちさ‼︎ 除外されている自分の昆虫族モンスター3体をデッキに戻した場合にこのカードは特殊召喚できる‼︎除外されている騎甲虫スティンギーランス、共振虫、騎甲虫スケイルボムをデッキに戻し、 現れろ、重騎甲虫マイティネプチューン‼︎」
〈重騎甲虫マイティネプチューン〉☆8 昆虫族 地属性
ATK3000
現れたのは巨大な櫓に何体もの甲虫騎士を背に乗せ、悠々と闊歩する碧の巨大甲虫。
「っ、さっきサーチした重騎甲虫………‼︎」
「カードを1枚伏せて、エンドフェイズに重騎甲虫マイティネプチューンの効果発動‼︎ネプチューンシュトローム‼︎ エンドフェイズに、このカード以外の自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象としてそのモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする‼︎対象は勿論、No.3 地獄蝉王ローカストキング‼︎」
「っ‼︎」
「エンドフェイズになったから昆虫機甲鎧の効果は切れちまうが、重騎甲虫マイティネプチューンで最強の昆虫王者に育て上げてやるぜぇ‼︎ヒハハハハ‼︎」
No.3 地獄蝉王ローカストキング
ATK2700→1200→2200 DEF4500→2500
遊花 LP5000 手札1
ーーー▲ー ー
ーーーーー
☆ ー
○□☆○○
ー△▲ーー ▽
電二 LP3500 手札1
「私のターン、ドロー………っ‼︎」
ローカストキング・昆虫機甲鎧の攻撃で燃え上がった炎が少しずつ広がり、教室を侵食していき熱風が私の身体に吹き付ける。
逃げようにも前方はローカストキングを従えている神路祇君で後方は炎が広がり始めているため逃げ場がない。
早く決着をつけて脱出しないと‼︎
「まずは手札を1枚墓地に送り墓地に存在するジェットシンクロンの効果発動‼︎手札を1枚墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外されます‼︎」
「へぇ〜そいつが墓地に落ちてたか」
「さらにその効果にチェーンしてリバースカードオープン‼︎ 罠発動‼︎裁きの天秤‼︎相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計数より多い場合に発動でき、自分はその差の数だけデッキからドローします‼︎神路祇君のフィールドのカードは9枚、私は裁きの天秤と手札1枚の2枚。その差分の7枚のカードをドローします‼︎」
「チッ、洒落臭いことしてくれるねぇ」
「そして、おいで、ジェットシンクロン‼︎」
〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性
DEF0
現れたのは小さなジェット機のような機械のモンスター。
手札は一気に増えた。
だけど、神路祇君には未知の大型モンスターで埋め尽くされている。
なら、少しでも数を減らさないと‼︎
「行くよ、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」
「へぇ〜リンク召喚か」
私の正面に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件はトークン以外のレベル1モンスター1体‼︎私はジェットシンクロンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎相手を捕える深淵の邪眼‼︎リンク1‼︎サクリファイスアニマ‼︎」
〈サクリファイスアニマ〉LINK1 魔法使い族 闇属性
ATK0 ↑
ライノセバスの目の前に怪しげな邪眼を持つモンスターが現れる。
「サクリファイスアニマの効果発動‼︎コネクトアブソープション‼︎1ターンに1度このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象にその表側表示モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力分アップします‼︎対象は電子光虫-ライノセバス‼︎吸い込んじゃって、サクリファイスアニマ‼︎」
アニマの目の上にある空間からライノセバスを吸い込むように風が生み出される。
しかし、そんなアニマを嘲笑うかのように神路祇君は手を翳す。
「成る程成る程。虫ケラさんなりに僕ちゃんのモンスターを吸収して利用しようって訳ねぇ………だけど、舐めてんじゃねぇ‼︎」
「っ⁉︎」
「No.3 地獄蝉王ローカストキングの効果発動‼︎アイスクリームラプソディ‼︎」
「あ、アイスクリームラプソディ?」
冗談のような効果名に私は首を傾げるが、そんな私を嘲笑うかのように、羽根を広げたローカストキングを見ながら神路祇君は声をあげる。
「食べ物のアイスクリームだと思ったぁ?ヒハハハハ‼︎教養が足りないねぇ虫ケラさん。これは食べ物のアイスクリームじゃない………アイ・スクリーム。つまり、『私は悲鳴をあげた』って意味なのさぁ‼︎」
「っ‼︎」
「ヒハハハハ‼︎さぁ、泣き叫べ、No.3 地獄蝉王ローカストキング‼︎同名カードは1ターンに1度、フィールドのモンスターの効果が発動した時、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、そのモンスター1体を対象としてそのモンスターの効果を無効にするぅ‼︎」
「効果無効⁉︎」
ローカストキングは再び身体を縮こまらせるとけたたましい音で鳴き始め、その羽根から生み出された振動波がアニマが生み出した空間を打ち消し、そのままアニマが吹き飛ばされた。
「うっ、またこの音、耳が………」
「更にぃ、その後、フィールドの昆虫族モンスター1体を選び、守備力を500ポイントアップするか、表示形式を変更するぅ‼︎僕ちゃんは前者の効果でNo.3 地獄蝉王ローカストキングの守備力を500ポイントアップするぅ‼︎」
No.3 地獄蝉王ローカストキング
DEF2500→3000
「またNo.3 地獄蝉王ローカストキングが強化されて………」
「ご協力ありがとさんってかぁ‼︎ヒハハハハ‼︎」
「っ………だけど、これでNo.3 地獄蝉王ローカストキングの効果は使わせました‼︎ 私は天輪の葬送士を召喚‼︎」
〈天輪の葬送士〉☆1 天使族 光属性
ATK0
フィールドに現れたのは銀色の棺の身体を持つモンスター。
「天輪の葬送士の効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の光属性・レベル1モンスター1体を対象としてその光属性モンスターを特殊召喚します‼︎私は墓地からクリボルトをーーー」
「ヒハハハハ‼︎ 無駄無駄無駄ぁ‼︎チェーンしてリバースカードオープン‼︎カウンター罠発動‼︎ 騎甲虫空殺舞隊‼︎同名カードは1ターンに1度、自分フィールドにビートルーパーモンスターが存在し、相手がモンスターの効果を発動した時、その発動を無効にし破壊するぅ‼︎」
「効果無効のカウンター罠⁉︎」
「クリボルトには前に舐めた真似されたからねぇ。今度は蘇る前に棺桶ごと爆破してやるよぉ‼︎」
葬送士が自分の腕で棺を開けようとした瞬間、空からスケイルボムとスティンギーランスが現れ、葬送士の頭上から爆薬を落とし、葬送士を爆殺した。
「さぁ、召喚権も使っちゃったぜ?どうする虫ケラさんよぉ‼︎」
「っ………まだ、行けます‼︎ 魔法カード、Aiラブ融合を発動‼︎自分の手札・フィールドから、サイバース族の融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎さらに自分の@イグニスターモンスターを融合素材とする場合、相手フィールドのリンクモンスターも1体まで融合素材とする事ができる‼︎私は手札のドシン@イグニスターと神路祇君の大騎甲虫インヴィンシブルアトラスを融合‼︎」
「僕ちゃんのリンクモンスターを使って融合召喚だとぉ⁉︎」
フィールドにハートの形をした時空の裂け目が現れ、その中に手札から現れた土で出来たブロックの身体を持つモンスターとインヴィンシブルアトラスが吸い込まれていく。
「愛に生きる大地の精霊よ‼︎ 無敵の甲虫と交わりて、愛を守護する巨人となれ‼︎融合召喚‼︎」
時空の裂け目が光り輝くと、土の身体を持つ巨大なゴーレムが時空の裂け目から舞い降り、土煙を上げた。
「心優しき
〈アースゴーレム@イグニスター〉☆7 サイバース族 地属性
ATK2300
「アースゴーレム@イグニスターの効果発動‼︎シュープリームブルク‼︎このカードが融合召喚に成功したターン、自分が受ける全てのダメージは0になる‼︎」
アースゴーレムが私に手をかざすと私を守るように土の防壁が現れる。
「ハッ‼︎そんな泥人形が1体出たところでこの状況をどうにかできるのかなぁ?」
「やってみせます‼︎バトル‼︎」
「ならバトルフェイズ開始時に、電子光虫-ライノセバスの効果発動‼︎ライノスライス‼︎オーバーレイユニットを1つ使うことで相手フィールドで守備力が1番高いモンスターを破壊するぅ‼︎いくら電気を通さない土塊だろうと、大地を穿つ雷には耐えられない‼︎」
ライノセバスが斬撃のような雷を放ちアースゴーレムを焼き払い、斬り刻む。
「ヒハハハハ‼︎あっさりご退場だねぇ」
「いえ、まだ終わってません‼︎ 速攻魔法、Aiドリングボーン‼︎同名カードは1ターンに1度、自分の墓地の@イグニスターモンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できません‼︎」
「チッ、速攻魔法の蘇生手段を持っていたか」
「蘇って、心優しき大地の巨人‼︎アースゴーレム@イグニスター‼︎」
〈アースゴーレム@イグニスター〉☆7 サイバース族 地属性
ATK2300
「ここで決めます‼︎ アースゴーレム@イグニスターで虫忍 ハガクレミノを攻撃‼︎」
「っ‼︎大騎甲虫インヴィンシブルアトラスがいなくなり攻撃可能になった虫忍 ハガクレミノを狙ってきたって訳かぁ………ヒハ………冗談だろう?………また俺が負ける?」
アースゴーレムがハガクレミノに向かって振るう拳をみて神路祇君が呆然としながら口を開く
神路祇君のライフポイントはフィールド魔法、騎甲虫隊戦術機動の効果とレッドリブートで削れて残3500。
そしてアースゴーレムにはEXデッキから特殊召喚されたモンスターを攻撃するダメージステップの間、攻撃力を元々の攻撃力分アップする効果、ガイアフォースがある。
ハガクレミノの攻撃力は1000。
ガイアフォースによって強化されるアースゴーレムの攻撃力は4600。
3600のダメージで私の勝ち‼︎
………後方から感じる炎の熱とローカストキングという闇のカードとの対時に焦る私は、決着を焦るあまり自分の視界を狭めてしまった。
だからこそーーー
「こんな………こんな、雑魚決闘者に………負ける訳ないんだよぉぉぉ‼︎」
「っ⁉︎」
ーーー見逃してしまう………神路祇君が浮かべる呆然とした表情に紛れた悪辣な笑みを。
「完全態グレートインセクトの効果発動ぅぅぅ‼︎フィールドゾーンに表側表示でカードが存在する場合、自分・相手のバトルフェイズに1度、相手フィールドのモンスターを全て破壊するぅぅぅ‼︎」
「こ、ここでバトルフェイズに使える全体破壊効果っ⁉︎」
「ヒハハハハ‼︎全て溶けて爛れて壊れろ‼︎ヴェノムパーフェクトストーム‼︎」
グレートインセクトが羽根を羽ばたかせると、羽根から紫色の鱗粉が撒き散らされる。
紫色の鱗粉に触れたアースゴーレムとアニマの身体が溶け出し、そのまま崩れ落ちて消滅した。
「アースゴーレム@イグニスター‼︎サクリファイスアニマ‼︎………っ、メインフェイズ2、私はカードを3枚伏せてターンエンドですっ‼︎」
「ヒハハハハ‼︎残念‼︎無念‼︎また次回ってか‼︎まぁ、お前はここで終わりだがなぁ‼︎ヒハハハハ‼︎」
焼け落ちていく教室の中に神路祇君の声が響く。
強力な全体破壊効果を持つモンスターに効果を無効化するNo.。
更に神路祇君のフィールドにいるモンスターはどれも強力な攻撃力を持っている。
攻撃力が低いモンスター達を並べてモンスター効果を活かして戦うという私のデュエルスタイルの弱点をここまで狙われたことは初めてだ。
おまけに教室の天井から広がる炎はどんどん勢いを増している。
教室が燃え尽き、私達の身体を焼き尽くすというタイムリミットがある中でこの不利な状況。
一体どうやって攻略すればいいの?
遊花 LP5000 手札2
ー▲▲▲ー ー
ーーーーー
ー ー
○□☆○○
ー△ーーー ▽
電二 LP3500 手札1
次回予告
燃え尽きていく教室でタイムリミットが迫る中、遊花は必死に神路祇の猛攻を防いでいく。
神路祇の徹底的な遊花対策のカード達に、遊花は徐々に追い込まれていく。
絶望的な状況の中、遊花の身体に不思議な変化が起こる。
次回 遊戯王Trumpfkarte
『絶望の鎧』
次回は遊花のデュエル回後編です。
遊花視点でお送りする予定です。
次回をお楽しみに。
今回は遊花と因縁のある神路祇のデュエルでした。
神路祇のデッキは前に使っていた甲虫装機電子光虫に加えビートルーパーが入った甲虫装機電子光虫ビートルーパーです。
昆虫族は色々と強化が入ったので、かなり手強い感じになっています。
更には連続リンク召喚に融合、遊花が得意とする小型モンスターの展開やモンスター効果による行動の起点を潰しに行くなどかなり遊花のことを意識し、対策したデッキになってます。
そんな神路祇にどうやって遊花は対抗していくのかは、後編をお待ちください。
とりあえず今回はここまで。
職場でコロナが流行り、抜けた人の分の仕事が回ってきてなかなか執筆時間が取れてませんが後編もなるべく早く書き上げたいと思っています。
また次回。
ではでは〜