遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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遊花VS桜、決着です。
ぶつかり合う親友同士のデュエルの行方は?




第29話 親友

 

 

 

 

遊花 LP6150 手札6

 

 ーー▲▲ー ー

 ーーーーー

  ☆ ☆

 ○☆☆☆ー

 ーーーーー ▽

 

桜 LP5000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

今の手札に、この状況を打開する手はない。

 

なら、まずはその手段を引き込みにいく‼︎

 

「リバースカードオープン‼︎永続罠、グラヴィティバインドー超重力の網ー‼︎」

 

「確かレベル4以上のモンスターが攻撃できなくなる罠よね。あったなら妖精伝姫-カグヤは防げたから使えばよかったんじゃない?」

 

「そうするとグラヴィティバインドが破壊されたら壊獣カウンターもあったから雷撃壊獣サンダーザキングの効果で効果モンスター・魔法・罠を封じられて負けちゃうもん。結果的にはリンクモンスターが出てきちゃったから意味がなかったけど………だからこうする‼︎魔法カード、マジックプランター‼︎自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚を墓地へ送って自分はデッキから2枚ドローする‼︎………‼︎このカードは………」

 

ドローしたカードを見て、私は考え込む。

 

これは、期末試験で桜ちゃんとデュエルするって分かった時、桜ちゃんとのデュエルで使いたいなと思って入れたカード。

 

だけど、今の私だとこのカードを使うにはまだカードが足りない。

 

でも、このカードを使えたならまだ希望はあるかも知れない。

 

なら、私がやれることはただ1つ。

 

いつも通り、その希望が繋がるまで、桜ちゃんの攻撃を耐えきる‼︎

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド。エンド時に手札が7枚だから手札を1枚捨てるね」

 

 

遊花 LP6150 手札6

 

 ーー▲▲ー ー

 ーーーーー

  ☆ ☆

 ○☆☆☆ー

 ーーーーー ▽

 

桜 LP5000 手札2

 

 

「モンスターは出してこないか………まあバトルフェーダーがあるし、クリボーもいるものね。私のターン、ドロー‼︎バトル‼︎リンクリボーでダイレクトアタック‼︎」

 

「バトルフェーダーの効果発動‼︎相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了するよ‼︎そしてこの効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外されるよ」

 

「もう使ってきたわね。なら、あまり余裕は無さそうね」

 

 

〈バトルフェーダー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF0

 

 

鐘の音を鳴らす悪魔が現れ、リンクリボーが動きを止める。

 

「メインフェイズ2‼︎妖精伝姫-カグヤの効果発動‼︎アンリーゾナブルディマンド‼︎1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動‼︎相手はそのモンスターの同名カード1枚を自身のデッキ・EXデッキから墓地へ送らなかった場合、このカードと対象のモンスターを持ち主の手札に戻す‼︎対象は勿論バトルフェーダーよ‼︎」

 

「デッキの中にバトルフェーダーは残ってないから、バトルゾーンを離れる時に除外されるよ」

 

カグヤがバトルフェーダーを掴み、私に向けて勢いよく投げようとするとすっぽ抜けたのかバトルフェーダーは違う方向に飛んでいき、星になった。

 

カグヤはそれを見て、冷や汗を掻きながら逃げ出すように桜ちゃんの手札に戻っていく。

 

いや、効果で除外されただけだからそんなに焦らなくても………効果で除外されただけだよね?

 

物理的に星になったわけじゃないよね?

 

「そして手札に戻った妖精伝姫-カグヤを召喚‼︎」

 

 

〈妖精伝姫-カグヤ〉☆4 魔法使い族 光属性

ATK1850

 

 

扇子を顔の前にやり、こちらから目を逸らしながらカグヤが再び現れる。

 

えっ、何その反応?本当にバトルフェーダーは大丈夫なんだよね?

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

 

遊花 LP6150 手札5

 

 ーー▲▲ー ー

 ーーーーー

  ☆ ☆

 ○☆☆☆ー

 ーー▲ーー ▽

 

桜 LP5000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

「さぁ、これは耐えられるかしら?スタンバイフェイズ、罠発動‼︎D.D.ダイナマイト‼︎相手が除外しているカードの数×300ポイントダメージを相手ライフに与えるわ‼︎」

 

「っ‼︎」

 

「遊花の除外は26枚‼︎よって7200ポイントのダメージを遊花に与えるわ‼︎」

 

「まだ、終わらせない‼︎手札からジャンクリボーの効果発動‼︎ジャンクバレット‼︎自分にダメージを与える魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時、自分の手札・フィールドのこのカードを墓地へ送ってその発動を無効にし破壊する‼︎」

 

「っ、ジャンクリボーを引けていたのね。相変わらず悪運が強い………」

 

私の前に現れたダイナマイトをジャンクリボーが抱え、空に凄い勢いで飛んでいき、空中で爆発する。

 

ありがとう、ジャンクリボー。

 

おかげでまだ戦えそうだよ。

 

「速攻魔法、大欲な壺‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎私は除外されてるバトルフェーダー、虹クリボー、ゴーストリックランタンをデッキに戻してシャッフルし、カードを1枚ドローする‼︎………‼︎カードを1枚伏せてターンエンドだよ‼︎」

 

 

遊花 LP6150 手札4

 

 ー▲▲▲ー ー

 ーーーーー

  ☆ ☆

 ○☆☆☆ー

 ーーーーー ▽

 

桜 LP5000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎魔法カード、封印の黄金櫃を発動。デッキからカード1枚を選んで除外し、このカードの発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加えるわ。私が除外するのはD.D.ダイナマイトよ」

 

「っ………」

 

空中に黄金の櫃が現れ、その中にD.D.ダイナマイトが納められる。

 

これから動くことを考えると、私のデッキの中に、もうD.D.ダイナマイトを防ぐ手段はない。

 

つまり、2ターンが経過しきる前に桜ちゃんを倒せないと、私は負ける。

 

「次のD.D.ダイナマイトを遊花は防げるかしらね?最も、それまで耐え切れればの話だけど‼︎バトル‼︎リンクリボーでダイレクトアタック‼︎リンクラック‼︎」

 

「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎ダメージダイエット‼︎このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる‼︎」

 

「‼︎そんなカードを引いたのね………でも、攻撃は通るわ‼︎」

 

「うっ、このぐらい………」

 

リンクリボーが勢いよく体当たりしてきて、私のライフが削られる。

 

でも、これぐらいならまだまだ大丈夫‼︎

 

 

遊花 LP6150→5750

 

 

「どんどん行くわよ‼︎妖精伝姫-カグヤでダイレクトアタック‼︎タツノクビノタマ‼︎」

 

「くっ、へっちゃらだよ‼︎」

 

 

遊花 LP5750→4825

 

 

「続けてバイナルソーサレスでダイレクトアタック‼︎ローハシャンク‼︎」

 

バイナルソーサレスが回転しながらその長い腕を私の身体に叩きつける。

 

「っ………まだまだ‼︎」

 

 

遊花 LP4825→3775

 

 

「サイバースアクセラレーターでダイレクトアタック‼︎ブーストアームズ‼︎」

 

「うぅっ………まだ、負けないもん‼︎」

 

 

遊花 LP3775→2525

 

 

「流石に遊花の気持ちはこれぐらいじゃ折れないわよね。でも、だからって私は退かないわ‼︎ファイアウォールドラゴンでダイレクトアタック‼︎鉄壁のリフレクトノヴァ‼︎」

 

ファイアウォールの身体が赤く染まり、身体から溢れ出した雷がファイアウォールの前で光弾となり私に向かって撃ち出される。

 

今だ‼︎

 

「私だって退かない‼︎絶対に桜ちゃんの隣に立つんだもん‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎好敵手( とも)の記憶‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時に発動‼︎自分は攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを受け、そのモンスターをゲームから除外し、次の相手ターンのエンドフェイズ時、この効果で除外したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する‼︎」

 

「なっ⁉︎………っ、ファイアウォールドラゴンの効果発動‼︎リライトフューチャー‼︎このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、このカードと相互リンクしているモンスターの数だけ、自分または相手フィールド・墓地のモンスターを手札に戻せる‼︎私は………自分の墓地から妖精伝姫-カグヤとジェスターコンフィを手札に戻すわ‼︎」

 

ファイアウォールが放った光弾が私の身体を貫く。

 

それでも私は目を逸らさずに、ファイアウォールを見つめる。

 

しばらくすると、ファイアウォールは申し訳なさそうに桜ちゃんに1つ咆哮を上げながら粒子になって姿を消した。

 

 

遊花 LP2525→1025

 

 

サイバースアクセラレーター

ATK2500→2000

 

リンク状態が途切れたことでアクセラレーターの攻撃力も下がる。

 

それに効果対象先がいなくなったからアクセラレーターの効果は実質無効化出来た。

 

「まさかそんな方法でファイアウォールドラゴンをフィールドから退かせるなんてね………ヴァレルガードドラゴンでダイレクトアタック‼︎銃砲のスラムファイア‼︎」

 

「まだ終わらない………終わらせない‼︎手札から、クリボーの効果発動‼︎ダークエンヴェロップ‼︎相手モンスターが攻撃した場合、そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にする‼︎」

 

ヴァレルガードが身体中にある銃口から一斉に銃弾を発射する。

 

しかし、私の前に現れたクリボーがその銃弾を全て受け止め、粒子になって消えていった。

 

「耐えられちゃったわね………私は2体目の妖精伝姫-カグヤを召喚‼︎」

 

 

〈妖精伝姫-カグヤ〉☆4 魔法使い族 光属性

ATK1850

 

 

「そして、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚出来るわ。来なさい、ジェスターコンフィ‼︎」

 

 

〈ジェスターコンフィ〉☆1 魔法使い族 闇属性

ATK0

 

 

「そして、繋がって‼︎希望に導くサーキット‼︎」

 

桜ちゃんが正面に手をかざし、巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はトークン以外のモンスター2体以上‼︎私はジェスターコンフィとバイナルソーサレスを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク3‼︎トライゲートウィザード‼︎」

 

 

〈トライゲートウィザード〉LINK 3 サイバース族 地属性

ATK2200→2700 ←↑→

 

 

サイバースアクセラレーター

ATK2000→2500

 

 

妖精伝姫-カグヤ

ATK1850→2350

 

現れたのはシルクハットを被った魔術師のようなモンスター。

 

これでまたアクセラレーターも効果が使えるようになっちゃったな。

 

「リンク状態になったことでサイバースアクセラレーターの攻撃力は2500、妖精伝姫-カグヤは2350になるわ。これでターンエンドよ」

 

 

遊花 LP1025 手札3

 

 ーー▲ーー ー

 ーーーーー

  ☆ ☆

 ○☆ー☆○

 ーーーーー ▽

 

桜 LP5000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

ドローしたカードを見て、少しだけがっかりする。

 

残念ながらデッキに戻したバトルフェーダーはドローすることは出来なかった。

 

そうなると、ここからの攻防はかなりギリギリのものになる。

 

次のターンのエンドフェイズ、私のフィールドにファイアウォールが現れる。

 

正念場になるのは次のターン。

 

ここを凌ぎきれるかどうかで全てが決まる。

 

まだ、希望はある………戦える‼︎

 

「私はこのままターンエンド‼︎」

 

 

遊花 LP1025 手札4

 

 ーー▲ーー ー

 ーーーーー

  ☆ ☆

 ○☆ー☆○

 ーーーーー ▽

 

桜 LP5000 手札2

 

 

「何もしてこない………か。でも、表情に出てたわよ、バトルフェーダーは引けなかったみたいね」

 

「な、なんのことカナ〜」

 

私は桜ちゃんのその言葉に思わず目を逸らす。

 

それを見て、桜ちゃんが苦笑いを浮かべる。

 

「………本当に、誤魔化すのが下手ね、遊花は」

 

「うぅ〜分かってはいるけど〜」

 

「いいのよ、遊花はそれで。さあ、遊花。どう転んでもこのターンと次の遊花のターンが最後の攻防よ。次のターンになれば私はD.D.ダイナマイトが手札に加わる。そうなったら、流石にもう防ぎきれないでしょ?」

 

「………」

 

「だからこそ、これが最後の攻防‼︎私に勝つというならこの難題を超えてみなさい‼︎私のターン、ドロー‼︎速攻魔法、大欲な壺‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎私は除外されてる雷撃壊獣サンダーザキング、海亀壊獣ガメシエル、怒炎壊獣ドゴランをデッキに戻してシャッフルし、カードを1枚ドローする‼︎さらに魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在するリンクスパイダー、プロキシードラゴン、スペースインシュレイター、バイナルソーサレスをEXデッキに、ジェスターコンフィをデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローする‼︎」

 

「っ、ここにきてドローカード⁉︎」

 

「………バトル‼︎」

 

「なら、バトルフェイズ開始時、リバースカードオープン‼︎速攻魔法、異次元からの埋葬‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体まで対象としてそのモンスターを墓地に戻すよ‼︎私が戻すのはクリボーンとクリアクリボーとクリボール‼︎」

 

「っ⁉︎そんなカードをまだ温存してたの⁉︎サイバースアクセラレーターでダイレクトアタック‼︎」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、クリボーンの効果発動‼︎墓地のこのカードを除外し、自分の墓地のクリボーモンスターを任意の数だけ対象として、そのモンスターを特殊召喚するよ‼︎来て、クリボール‼︎クリアクリボー‼︎ジャンクリボー‼︎クリボー‼︎そして、もう1度私と共に‼︎ハネクリボー‼︎」

 

 

 

〈クリボール〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

〈クリアクリボー〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

〈ジャンクリボー〉☆1 機械族 地属性

DEF200

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

〈ハネクリボー〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

私のバトルゾーンに現れる5体のクリボー達。

 

お願い、また私に力を貸して‼︎

 

「でも、それだけなら防ぎきれないわ‼︎サイバースアクセラレーターでジャンクリボーを攻撃‼︎ブーストアームズ‼︎」

 

「ゴメン、ジャンクリボー」

 

ジャンクリボーにアクセラレーターが突撃し、弾き飛ばされて粒子になる。

 

「続けて、1体目の妖精伝姫-カグヤでクリボーを攻撃‼︎タツノクビノタマ‼︎」

 

「お願いね、クリボー」

 

クリボーに向かって綺麗な玉が投げつけられ、粒子になって消えていく。

 

「まだよ‼︎2体目の妖精伝姫-カグヤでクリボールを攻撃‼︎タツノクビノタマ‼︎」

 

「任せたよ、クリボール」

 

クリボールにも綺麗な玉が投げつけられ、粒子になる。

 

「2体の妖精伝姫-カグヤの効果発動‼︎アンリーゾナブルディマンド‼︎1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動‼︎相手はそのモンスターの同名カード1枚を自身のデッキ・EXデッキから墓地へ送らなかった場合、このカードと対象のモンスターを持ち主の手札に戻す‼︎対象はクリアクリボーとハネクリボーよ‼︎」

 

「っ………2体共デッキにいないから手札に戻る。戻ってきて、クリアクリボー、相棒」

 

2体のカグヤがクリアクリボーてハネクリボーを掴み、私に向かって投げ飛ばし2体は手札に戻ってきて、カグヤ2体も桜ちゃんの手札に戻る。

 

これで私のフィールドはがら空き。

 

そして桜ちゃんにはまだ3体の攻撃可能なモンスターがいる。

 

「さあ、終わりよ‼︎トライゲートウィザードでダイレクトアタック‼︎」

 

だけど……… 3体ならまだ防ぎきれる‼︎

 

「相手モンスターの直接攻撃宣言時、手札のゴーストリックランタンの効果発動‼︎」

 

「⁉︎ゴーストリック⁉︎」

 

「その攻撃を無効にし、このカードを手札から裏側守備表示で特殊召喚するよ‼︎」

 

トライゲートの前に一瞬だけジャックオーランタンのような幽霊が現れる。

 

それに驚いたのかトライゲートは動きを止めてしまった。

 

「っ………これは………リンクリボーでセットモンスターを攻撃‼︎リンクラック‼︎」

 

「頼んだよ、ゴーストリックランタン‼︎」

 

 

〈ゴーストリックランタン〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF0

 

 

ランタンに向かってリンクリボーが突撃し、ランタンは弾き飛ばされる。

 

しかし、そんなランタンを踏みとどまらせるように小さなクリボーの姿が見えた。

 

「墓地に存在するサクリボーの効果発動‼︎自分のモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードを除外する‼︎」

 

「くっ………ヴァレルガードドラゴンでゴーストリックランタンを攻撃‼︎銃砲のスラムファイア‼︎」

 

「ありがとう、ゴーストリックランタン」

 

ヴァレルガードが身体中にある銃口から一斉に銃弾を発射し、ランタンを撃ち抜く。

 

ランタンは笑い声を上げながら粒子になって消えていった。

 

「さあ、耐えきったよ、桜ちゃん‼︎」

 

「っ………でも、まだ私の方が有利よ‼︎私はメインフェイズ2にーーー」

 

そういう桜ちゃんに私は1枚のカードを掲げる。

 

桜ちゃんは一瞬首を傾げたが、その意味が分かったのか目を見開いた。

 

「ま、まさかそのカード………⁉︎」

 

「バトルフェイズ終了時、自分フィールドにカードが存在しない場合、手札から罠発動‼︎拮抗勝負‼︎相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードの数より多い場合、自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる‼︎自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手はフィールドのカードを裏側表示で除外しなければならない‼︎」

 

「っ………私はヴァレルガードドラゴンを残して残りのカードを全て除外するわ」

 

ヴァレルガードを残し、フィールドのモンスターやデータの嵐が全て粒子になって消えていく。

 

そんな中、桜ちゃんがなんとも言い難い表情で私を見てくる。

 

「………いつから持ってたの?」

 

「マジックプランターの時だよ。好敵手( とも)の記憶と一緒に引いてた」

 

「なら、なんでもっと早く使わなかったの?そうすればすぐに私のバトルゾーンをなんとか出来て、こんなに追い詰められることもなかったでしょ?」

 

そう、確かにもっと早く使える機会はあった。

 

手札から使おうとしなくてもセットして置けばよかったし、除外させる数は少なくなったかもしれないけど、エクストラリンクは突破出来ていたと思う。

 

それでも、私がそうしなかったのはーーー

 

好敵手( とも)の記憶を使いたかったからかな。それと桜ちゃんのドラゴン達を完全に除外したくなかったから」

 

「………そんな理由なの?」

 

「そんなって、大事な理由だよ。ファイアウォールドラゴンもヴァレルガードドラゴンも、桜ちゃんが私を思って手に入れてくれた桜ちゃんの新しい切り札なんだもん。普通に考えれば、おかしいことだとは思うよ?でも、それでも私は、除外するなんて形で桜ちゃんの思いを否定したくなかった。それが、私にとって、1番大事な理由だよ」

 

桜ちゃんは私を守るために変わりたいって言ってくれた。

 

その象徴がファイアウォールとヴァレルガード。

 

そんな桜ちゃんの思いの象徴を完全に除外しするなんて、したくなかった。

 

それは桜ちゃんもきっと同じハズだ。

 

私が好敵手( とも)の記憶を使った時、本当は私にコントロールを移すぐらいならファイアウォールの効果でファイアウォール自身をEXデッキに戻すことも出来たハズだ。

 

でも、桜ちゃんはそれをしなかった。

 

自分の思いの象徴を、自分の手で無くすことなんてしたくなかったんだと思う。

 

まあ、ファイアウォールのコントロールを取られてもカグヤでどうにかできるというのもあるんだろうけど。

 

「私は、受け入れる。桜ちゃんの思いを………でも、私も、桜ちゃんの隣に胸を張って立てるようになりたいから………だから、桜ちゃんのモンスターを傷付けずに、私は勝つ‼︎もう、そのための道筋は見えてるんだから‼︎」

 

「っ………随分言ってくれるわね。やれるものならやってみなさい‼︎メインフェイズ2、カードを1枚伏せてヴァレルガードドラゴンの効果発動‼︎テイクダウンエイミング‼︎1ターンに1度、自分の魔法・罠ゾーンのカードを墓地に送ることでそのターンに破壊された自分または相手の墓地へ送られたモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する‼︎私は今伏せたヘルテンペストを墓地に送って遊花のジャンクリボーを特殊召喚‼︎」

 

「ジャンクリボーを?」

 

 

〈ジャンクリボー〉☆1 機械族 地属性

DEF200

 

 

ヴァレルガードの口から粒子砲が私の墓地に向かって放たれ、墓地からジャンクリボーが引きずり出される。

 

でも、そんなことに何の意味が………

 

「そして魔法カード、妨げられた壊獣の眠り‼︎このカードの発動時、フィールドのモンスターを全て破壊するわ‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

フィールドが揺れ、ヴァレルガードは空を飛んで逃れたけどジャンクリボーが地割れに呑み込まれていく。

 

そして私のフィールドには巨大な亀が、桜ちゃんのフィールドには三つ首の竜が現れた。

 

「その後、デッキからカード名が異なる壊獣モンスターを自分・相手のフィールドに1体ずつ攻撃表示で特殊召喚するわ‼︎この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式を変更できず、攻撃可能な場合は攻撃しなければならないけどね。私は遊花のフィールドに海亀壊獣ガメシエル、そして私のフィールドに現れて、全てを壊しなさい‼︎雷撃壊獣サンダーザキング‼︎」

 

 

〈海亀壊獣ガメシエル〉☆8 水族 水属性

ATK2200

 

 

〈雷撃壊獣サンダーザキング〉☆9 雷族 光属性

ATK3300

 

 

「サンダーザキング………」

 

それは桜ちゃんを象徴する壊獣モンスター。

 

おまけにガメシエルは強制的に攻撃しないといけないからフィールドに残すと確実にこちらにダメージが入ってしまう。

 

「妨げられた壊獣の眠りはモンスターを破壊しなければ特殊召喚できないけど、ヴァレルガードドラゴンはカード効果で破壊されない。だから、遊花のカードを使わせて貰ったわ。そして私はまだ通常召喚を行なってないわ‼︎来なさい、私の相棒‼︎妖精伝姫-カグヤを召喚‼︎」

 

 

〈妖精伝姫-カグヤ〉☆4 魔法使い族 光属性

ATK1850

 

 

覚悟を決めたような目をしてカグヤがフィールドに現れる。

 

「傷つけないなんてことが出来るならやってみなさい‼︎私はこれでターンエンド‼︎」

 

「エンドフェイズ‼︎好敵手( とも)の記憶の効果で除外されていたファイアウォールドラゴンを私のフィールドに特殊召喚する‼︎お願い、私に力を貸して‼︎ファイアウォールドラゴン‼︎」

 

 

〈ファイアウォールドラゴン〉LINK4 サイバース族 光属性

ATK2500 ←↓↑→

 

 

ゆっくりと私のフィールドにファイアウォールが舞い降りる。

 

ファイアウォールは私を見ると、何かを伝えようとしたのか弱々しい声で鳴く。

 

………大丈夫、貴方の思いはちゃんと分かってるから。

 

だから、少しだけ力を貸して。

 

 

遊花 LP1025 手札4

 

 ーーーーー ー

 ーー○☆ー

  ー ー

 ○☆○ーー

 ーーーーー ー

 

桜 LP5000 手札3

 

 

揃いも揃った桜ちゃんを象徴するカード達。

 

それでも、私の思いは変わらない。

 

私は桜ちゃんと一緒に進んで行きたいんだもん‼︎

 

だから、力を貸して、私のデッキ。

 

桜ちゃんに、この思いを届けるために‼︎

 

「私のターン、ドロー‼︎行くよ、桜ちゃん‼︎金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性

ATK400

 

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚するよ‼︎戻ってきて、クリボー‼︎」

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300

 

 

「っ、この流れは………」

 

「導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私の前に大きなサーキットが現れる。

 

行くよ、皆‼︎

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体‼︎私は金華猫をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

出てきたのは私のリンクリボー。

 

リンクリボーは出てくるのと同時に私に向かって擦り寄ってくる。

 

うん、待たせちゃってゴメンね。

 

ここからはまた君の出番だよ‼︎

 

「ファイアウォールドラゴンの効果発動‼︎リ・ペーストシールド‼︎このカードのリンク先のモンスターが、戦闘で破壊された場合、または墓地へ送られた場合に手札からモンスター1体を特殊召喚するよ‼︎お願い、クリアクリボー‼︎」

 

 

〈クリアクリボー〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

「まだまだ行くよ、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「連続リンク召喚………」

 

「召喚条件はモンスター2体‼︎私はクリアクリボーと海亀壊獣ガメシエルをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎プロキシードラゴン‼︎」

 

 

〈プロキシードラゴン〉LINK 2 サイバース族 光属性

ATK1400 ←→

 

 

「ファイアウォールドラゴンの効果発動‼︎リ・ペーストシールド‼︎このカードのリンク先のモンスターが、戦闘で破壊された場合、または墓地へ送られた場合に手札からモンスター1体を特殊召喚するよ‼︎最後まで、私と共に‼︎ハネクリボー‼︎」

 

 

〈ハネクリボー〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

相棒が私の顔を見て頷く。

 

うん、お願い、相棒の力を私に貸して‼︎

 

「そして、行くよ、桜ちゃん‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私の前に3回目のサーキットが現れる。

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はハネクリボー、リンクリボー、プロキシードラゴンを 2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

「っ、この条件は………‼︎」

 

貴方も今日は沢山待たせちゃったね。

 

お願い、私に貴方の( つるぎ)を貸して‼︎

 

「お願い、私に思いを届ける力を貸して‼︎リンク召喚‼︎閉ざされた運命を斬り開く魂の( つるぎ)‼︎リンク4‼︎ヴァレルソードドラゴン‼︎」

 

咆哮が響く………この時を待ち望んでいたというように。

 

 

〈ヴァレルソードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性

ATK3000 ↙︎←↓↑

 

 

「ヴァレルソードドラゴン………だけど‼︎妖精伝姫-カグヤの効果発動‼︎アンリーゾナブルディマンド‼︎1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動‼︎相手はそのモンスターの同名カード1枚を自身のデッキ・EXデッキから墓地へ送らなかった場合、このカードと対象のモンスターを持ち主の手札に戻す‼︎対象は勿論ヴァレルソードドラゴン‼︎」

 

カグヤがヴァレルソードに迫ってくる。

 

しかし、そんなカグヤの前に見えない壁が現れ、カグヤの動きを止めた。

 

「墓地から罠カード、スキルプリズナーを発動‼︎このカードを除外し、ヴァレルソードドラゴンを選択して、このターン選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にするよ‼︎」

 

「なっ⁉︎そんなカードいつ………⁉︎」

 

 

ーーーーーーー

 

 

『私はカードを1枚伏せてターンエンド。エンド時に手札が7枚だから手札を1枚捨てるね』

 

 

ーーーーーーー

 

 

「っ、まさか、あの時‼︎」

 

「これで妖精伝姫-カグヤの効果は不発。もう気にする必要もない‼︎私はヴァレルソードドラゴンの効果発動‼︎アサシネイトショット‼︎1ターンに1度、攻撃表示モンスター1体を対象として発動‼︎そのモンスターを守備表示にし、このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。そしてこの効果の発動に対して相手は効果を発動できない‼︎この効果は相手ターンにでも使用することが出来るよ‼︎対象は………ちょっとだけゴメンね、クリボー」

 

ヴァレルソードが空砲を空に向けて撃つ。

 

それに驚いたのかクリボーはその場で蹲った。

 

うん、本当にゴメン………今回だけだから、許してね。

 

 

クリボー

ATK300→DEF200

 

 

「っ………本当に私のモンスターを傷つけずに勝つつもりなの?」

 

「届かせてみせる、この思いを‼︎私は、桜ちゃんと一緒に前に進むんだ‼︎魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在するリンクリボー、プロキシードラゴンをEXデッキに、金華猫、ジャンクリボー、ハネクリボーをデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローする‼︎」

 

「ここでドローカード⁉︎」

 

「来た‼︎速攻魔法‼︎増殖‼︎自分フィールド上に表側表示で存在するクリボー1体をリリースして自分フィールド上にクリボートークンを可能な限り守備表示で特殊召喚する‼︎」

 

 

〈クリボートークン〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

私のフィールドにいたクリボーが4体に増える。

 

これで準備は整った‼︎

 

「っ、これは………‼︎」

 

「導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

再び私の前に大きなサーキットが現れる。

 

「召喚条件は通常モンスター1体‼︎私はクリボートークンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎リンクスパイダー‼︎」

 

 

〈リンクスパイダー〉LINK1 サイバース族 地属性

ATK1000 ↓

 

 

私の前に機械の蜘蛛が現れる。

 

それを確認しながら私は再びサーキットを開く。

 

「まだ行くよ‼︎希望に繋がるサーキット‼︎召喚条件はモンスター2体‼︎私はクリボートークン2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎プロキシードラゴン‼︎」

 

 

〈プロキシードラゴン〉LINK 2 サイバース族 光属性

ATK1400 ←→

 

 

「あとちょっと‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎召喚条件はレベル1モンスター1体‼︎私はクリボートークンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎もう1度、希望を守って‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

「そのモンスター達は………」

 

「さあ、行くよ‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私は1度目を閉じて、深呼吸をして最後のモンスターを呼ぶ。

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はリンクスパイダー、リンクリボー、プロキシードラゴンを 2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

貴方にはいつも待って貰ってるよね。

 

ありがとう、こんな私をいつも待っててくれて。

 

お願い、私の思いを届けるために、貴方の力を貸して‼︎

 

「閉ざされた運命を撃ち抜く信念の弾丸‼︎リンク4‼︎ヴァレルロードドラゴン‼︎」

 

 

〈ヴァレルロードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性

ATK3000 ↙︎←→↘︎

 

 

「ヴァレルロードドラゴンまで………」

 

「ファイアウォールドラゴンの効果発動‼︎リライトフューチャー‼︎このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、このカードと相互リンクしているモンスターの数だけ、自分または相手フィールド・墓地のモンスターを手札に戻せる‼︎ファイアウォールドラゴンと相互リンクしてるのはヴァレルソードドラゴンとヴァレルロードドラゴン‼︎私は妖精伝姫-カグヤと雷撃壊獣サンダーザキングを手札に戻すよ‼︎」

 

ファイアウォールの身体から電磁場が溢れ出し、カグヤとサンダーザキングを手札に押し戻す。

 

「っ………⁉︎この状況………まさか本当に⁉︎」

 

「行くよ、桜ちゃん‼︎これが私の全力だよ‼︎バトル‼︎ヴァレルロードドラゴンでヴァレルガードドラゴンを攻撃‼︎銃声のイジェクトフレア‼︎」

 

「っ、迎え撃ってヴァレルガードドラゴン‼︎銃砲のスラムファイア‼︎」

 

ヴァレルロード、ヴァレルガード、2体のヴァレルの名を持つドラゴンがお互いに粒子砲を撃ち合い、拮抗する。

 

「この瞬間、ヴァレルロードドラゴンの効果発動‼︎エロージョンエイミング‼︎このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に、その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得て、そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られるよ‼︎」

 

「っ………ヴァレルガードドラゴン‼︎」

 

私が効果を宣言すると、ヴァレルロードの粒子砲が威力を増し、ヴァレルガードを包み込むと、ヴァレルガードはこちらのバトルゾーンに移動した。

 

「これでモンスターはいなくなった‼︎斬り開いて、ヴァレルソードドラゴンでダイレクトアタック‼︎剣光のベイオネットブレイク‼︎」

 

「くっ………‼︎」

 

 

桜 LP5000→2000

 

 

ヴァレルソードが優しく剣を振るい、風圧で桜ちゃんのライフが削れる。

 

そしてヴァレルソードはもう1度剣を振り上げた。

 

「これで終わりだよ‼︎もう1度斬り開いて‼︎ヴァレルソードドラゴンでダイレクトアタック‼︎剣光のベイオネットブレイク‼︎」

 

ヴァレルソードがもう1度剣を優しく振るう。

 

それを見て、桜ちゃんは優しい笑顔を浮かべた。

 

「………まさか本当に私のモンスターを倒さないで勝つなんてね………なんだ、やればできるじゃない………これなら………きっと………」

 

 

桜 LP2000→0

 

 

ーーーーーーー

 

 

デュエルが終わり、モンスター達が粒子になって消えていく。

 

そんな中、4体のドラゴンが私と桜ちゃんに向けて咆哮を上げた気がした。

 

うん、言われなくても分かってるよ。

 

私は少し離れた場所で立ち尽くしている桜ちゃんに近づいていく。

 

そして、そんな桜ちゃんを優しく抱きしめた。

 

私の方が身長が低いから、抱きついてるようにしか見えないかも知れないけど、そんなこと、今は気にしない。

 

「ゆ、遊花?」

 

突然抱き締められ、桜ちゃんは困惑の声を上げる。

 

それでも、私は抱き締めながら、今1番伝えたい言葉を口に出す。

 

「ありがとう………ずっと私を守ってくれて。ずっと守ろうとしてくれて………そのために変わろうとしてくれて………私、桜ちゃんがいてくれてよかった。桜ちゃんが、私の親友でよかった」

 

「っ………ゆう………か」

 

桜ちゃんの声に涙の色が混ざる。

 

正直言えば、桜ちゃんがいなければ、私はとっくにこの街からいなくなっていたと思う。

 

この街からも、デュエルからも逃げて、師匠と会うこともなく、ずっと塞ぎ込んだまま、俯いて生きていたと思う。

 

私がそんなことにならなかったのは、私が塞ぎ込んでいる時に、ずっと桜ちゃんが傍にいてくれたからだ。

 

私が、この街や学校から逃げないで済んだのは、間違いなく、桜ちゃんのおかげなんだ。

 

「だから、ちゃんと声に出して言うよ?桜ちゃんは、しっかりと私を守ってくれてたよ。桜ちゃんは私の自慢の親友だもん。それだけは、例え桜ちゃんにだって否定させないからね?」

 

「っ‼︎ゆう、か‼︎」

 

「わわっ‼︎もう………桜ちゃんは泣き虫だなーぎゅー‼︎いいこいいこ」

 

私に抱きついて泣き崩れる桜ちゃんを抱きしめ返して、少し背伸びをして桜ちゃんの頭を撫でる。

 

「うわ、ああああああ‼︎」

 

「大丈夫、大丈夫だよ」

 

「ああああああ‼︎」

 

「私は、桜ちゃんとずっと一緒にいるよ?だから、大丈夫だよ」

 

いつかあったやり取りを思い出しながら、桜ちゃんを抱き締め続ける。

 

私は………本当の本当に、幸せものだ。

 

私を支えてくれる人がいる。

 

私を守ろうとしてくれる人がいる。

 

いつか………私もそんな人達に、胸を張って並べるように………変わっていきたい。

 

………いけたら、いいな。

 

桜ちゃん達と、一緒に。

 




次回予告

桜とのデュエルも終え、とうとう残るは最後の1試合。
最後の対戦相手、神路祇は遊花を容赦無く蹂躙していく。
為す術なく追い込まれていく遊花だが、神路祇の何気なく放った言葉が、遊花に怒りの炎を灯す。


次回 遊戯王Trumpfkarte
『誰がための怒り』


次回は遊花の期末試験編最後のデュエル回。
前後編に分かれる予定、一応内容的にはラスボス戦みたいなものですしね。
とりあえず今回の話が最後の方がよかったんじゃねとか思われないように頑張ります。

桜の思いを壊さず、受け入れて一緒に進むことをデュエルで示した遊花。
本当は遊花自体の勝ち筋は色々ありました。
拮抗勝負を使うタイミングもそうですが、スキルプリズナーがあったのでヴァレルソードが出た時点でサンダーザキングとカグヤに2回攻撃を入れれば勝ちだったし、壊獣が出てこなくてもヴァレルガードからカグヤに2回攻撃をすれば同じこと。
それでもあえて桜のモンスターを一切破壊せず、自分の思いを届けるために動いたのは自分をいつも守ってくれた桜の思いの象徴であるモンスター達を壊すという形で否定したくなかったからなのでしょう。
普段はおどおどとしてメインデッキの中は防御よりなのに、ここぞという時に芯が強く、諦めないで道を切り開くため、EXデッキに攻撃力を求めた遊花。
普段は強気でメインデッキの中も攻撃的だけど、本当は心に脆い部分を持っていて、EXデッキに守る思いを込めた桜。
正反対だからこそ、お互いのことを思いやることができ、彼女達は親友と呼べる存在なのかも知れません。

それでは今回はこの辺で。
ようやく1章も中盤が終わり、2章の道が見えて来ました。
このまま行くと、一章が終わるのは45話とかそのぐらいでしょう、多分。
いや、今更気づきましたが正直15話までで一区切りつけれてるので、そこまでを1章にして期末編で2章にすれば良かったくねとか思ってますが。
というか、このペースで進むと最初に設定した時5章編成だったので終わる頃には200話は超えてるという計算になってることに正直変な汗が出てきます。
遊戯王のアニメ話数じゃないんだぞ。
………今回の期末編とか1番最初期の構想を見直してると4戦しかなかったのにね。
スイッチが入ると暴走する凝り性って怖い。
それでも構想と執筆が止まらないのが逆にタチが悪いところですが。
ではでは〜
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