遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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期末試験ラストデュエル。
遊花VS神路祇、決着です。
遂に遊花の新しい切り札が登場?
後半に少しだけ第三者視点があります。


第31話 暗闇に浮かぶ星

 

 

 

遊花 LP2700 手札2

 

 ーー▲ーー ー

 ーーーーー

  ー ー

 ーー○ーー

 ー△▲△▲ ▽

 

電二 LP8000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎速攻魔法、大欲な壺‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎私は除外されてるバトルフェーダー、虹クリボー、クリアクリボーをデッキに戻してシャッフルし、カードを1枚ドローする‼︎さらにリバースカードオープン‼︎永続罠、ミラーフォースランチャー‼︎そして魔法カード、マジックプランター‼︎自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚を墓地へ送って自分はデッキから2枚ドローする‼︎さらに、金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性→光属性

ATK400

 

 

現れたのは霊体になっている猫のようなモンスター。

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚するよ‼︎戻ってきて、ミスティックパイパー‼︎」

 

 

〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性

DEF0

 

「ミスティックパイパーの効果発動‼︎このカードをリリースして自分のデッキからカードを1枚ドロー‼︎私が引いたのはクリボール‼︎レベル1モンスターだからもう1枚ドロー‼︎」

 

「チッ‼︎何枚ドローしやがる‼︎」

 

「私はカードを3枚伏せてエンドフェイズ、金華猫はスピリットモンスターなので手札に戻ります。ターンエンドです」

 

 

遊花 LP2700 手札3

 

 ー▲▲▲ー ー

 ーーーーー

  ー ー

 ーー○ーー

 ー△▲△▲ ▽

 

電二 LP8000 手札2

 

 

「俺のターン、ドロー‼︎チッ、手札が悪りぃ。甲虫装機ホッパーを召喚‼︎」

 

 

〈甲虫装機ホッパー〉☆4 昆虫族 闇属性→光属性

ATK1700

 

 

現れたのはバッタを模した緑色の装甲を纏った雰囲気がどこかやさぐれているモンスター。

 

「甲虫装機ホッパーの効果発動‼︎コイツも手札・墓地から甲虫装機を装備できる‼︎甲虫装機ホッパーに甲虫装機ホーネットを装備‼︎」

 

「またそれですか。芸がないことですね」

 

「黙れぇ‼︎そして装備カードとなった甲虫装機ホーネットの効果発動このカードを墓地に送り、テメェのセットカードを破壊だ‼︎」

 

「あら、残念ですがハズレです。リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎活路への希望‼︎自分のLPが相手より1000以上少ない場合、1000LPを払って発動‼︎」

 

 

遊花 LP2700→1700

 

 

「お互いのLPの差2000につき1枚、自分はデッキからドローする‼︎私のライフは1700‼︎貴方は8000‼︎よって3枚のカードをドロー‼︎」

 

「ここに来て3ドローだと‼︎だが、これでテメェのライフは甲虫装機ホッパーの攻撃力と同じになった‼︎バトルフェイズ‼︎甲虫装機ホッパーでダイレクトアタック‼︎ゼクターキック‼︎」

 

「なら、リバースカードオープン‼︎永続罠、グラヴィティバインドー超重力の網ー‼︎これによりレベル4以上のモンスターが攻撃できなくなります」

 

「何だと⁉︎」

 

ホッパー が飛び上がり私に蹴りを入れようとしたが、私と神路祇を囲むように青い網のドームのようなものが現れ、その網から出る重力によりホッパーとゴキボールは地面に沈むように押さえつけられる。

 

「甲虫装機ホッパーとゴキボールはレベル4モンスターなので攻撃出来ません。ダンセルやセンチピードなら攻撃できたのに、悔しいでしょうね」

 

「っ‼︎グギギギギ‼︎この女‼︎メインフェイズ2‼︎ゴキボールを守備表示に変更‼︎」

 

 

ゴキボール

ATK1200→1500

 

 

「俺はこれでターンエンドだ‼︎」

 

「ならエンドフェイズ、手札を1枚捨てて、速攻魔法、ツインツイスター‼︎魔法・罠カードを2枚選んで破壊します‼︎Gボールパークとセットカードを1枚破壊します‼︎」

 

「なっ⁉︎Gボールパークと重力解除が‼︎」

 

フィールドが山にある球場から元の試験会場に戻る。

 

これで厄介なフィールド魔法と防御カードが無くなりましたね。

 

「表示形式を変更させる罠カードですか………まあ、使ったらせっかく守備表示にしたゴキボールが攻撃表示になっちゃいますから使えませんよね」

 

「テメェ‼︎」

 

いい感じに冷静さを失ってきてる。

 

正直、私の煽り方なんて神路祇君の今までの言動や今まで私が馬鹿にされていた時に言われていたものを真似しただけの付け焼き刃。

 

いつまでもこんなに上手くはいかないだろう。

 

だから、ここで一気に攻めていく‼︎

 

 

遊花 LP1700 手札5

 

 ーーー△ー ー

 ーーーーー

  ー ー

 ー○□ーー

 ー△▲△ー ー

 

電二 LP8000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎よし、魔法カードイリュージョンの儀式‼︎」

 

「⁉︎儀式魔法だと⁉︎」

 

「自分の手札・フィールドから、レベルの合計が1以上になるようにモンスターをリリースし、手札からサクリファイスを儀式召喚を行う‼︎私は墓地のクリボールの効果で儀式召喚を行う場合、必要なレベル分のモンスターの内の1体として、墓地のこのカードを除外できる‼︎」

 

「墓地から儀式の素材になれるだと⁉︎さっきのツインツイスターで捨ててやがったか‼︎」

 

金色の目の形をした壺にクリボールが吸い込まれ、しばらくすると壺が割れ、中から妖しい邪眼を持つモンスターが現れた。

 

 

〈サクリファイス〉☆1 魔法使い族 闇属性→光属性

DEF0

 

 

「サクリファイスの効果発動‼︎アブソープション‼︎1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象にそのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターの数値分アップし、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊します‼︎対象は正直いらないけどゴキボール‼︎吸い込んで、サクリファイス」

 

サクリファイスのお腹にある穴が開き、ゴキボールが吸い込まれる。

 

しばらくすると背中についている羽のような部分からゴキボールの姿が浮き上がった。

 

うぅ〜ゴメンね、サクリファイス。

 

変なもの吸い込ませて………すぐに外してあげるから待っててね?

 

 

サクリファイス

DEF0→1500

 

 

「さらに導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「ここからリンク召喚だと⁉︎」

 

私の前に大きなサーキットが現れる。

 

「召喚条件はトークン以外のレベル1モンスター1体‼︎私はサクリファイスをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎相手を捕える深淵の邪眼‼︎リンク1‼︎サクリファイスアニマ‼︎」

 

 

〈サクリファイスアニマ〉LINK1 魔法使い族 闇属性→光属性

ATK0 ↑

 

 

「っ‼︎またサクリファイスだと‼︎」

 

「サクリファイスアニマの効果発動‼︎コネクトアブソープション‼︎1ターンに1度このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象にその表側表示モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする‼︎対象は勿論、甲虫装機ホッパー‼︎吸い込んじゃって、サクリファイスアニマ‼︎」

 

アニマの目の上にある空間が開き、ホッパー が吸い込まれる。

 

しばらくすると背中についている羽のような部分からサクリファイスの時と同じようにホッパーの姿が浮き上がった。

 

 

サクリファイスアニマ

ATK0→1700

 

 

「テメェ、ことごとく俺のモンスターを吸収しやがって‼︎」

 

「さらに、私は金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性→光属性

ATK400

 

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚するよ‼︎戻ってきて、ミスティックパイパー‼︎」

 

 

〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性

DEF0

 

「ミスティックパイパーの効果発動‼︎このカードをリリースして自分のデッキからカードを1枚ドロー‼︎私が引いたのはクリボー‼︎レベル1モンスターだからもう1枚ドロー‼︎バトルフェイズ‼︎金華猫でダイレクトアタック‼︎ネコパンチ‼︎」

 

「っ、舐めてんのか貴様‼︎」

 

 

電二 LP8000→7600

 

 

金華猫が神路祇君に殴りかかり、少しだけライフが減る。

 

「さらに、サクリファイスアニマでダイレクトアタック‼︎ダークイリュージョン・ゼクターキック‼︎」

 

そういうとアニマに吸収されていたホッパーの幻影が現れ、跳び上がって神路祇君に向かって跳び蹴りをくらわせ、いつのまにか同じように跳び上がっていたアニマが神路祇君を殴り飛ばした。

 

「ぐっ‼︎」

 

 

電二 LP7600→5900

 

 

「メインフェイズ2。カードを2枚伏せてエンドフェイズに金華猫が手札に戻ります。ターンエンド」

 

 

遊花 LP1700 手札4

 

 ▲▲△△ー ー

 ーーーーー

  ☆ ー

 ーーーーー

 ー△▲△ー ー

 

電二 LP5900 手札2

 

 

「俺のターン、ドロー‼︎………チッ、俺が雑魚相手に防御に入らないといけないだと………モンスターをセット。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 

遊花 LP1700 手札4

 

 ▲▲△△ー ー

 ーーーーー

  ☆ ー

 ーー◾︎ーー

 ー△▲△▲ ー

 

電二 LP5900 手札1

 

 

神路祇君の攻めの手が止まる。

 

今が好機‼︎

 

「私のターン、ドロー‼︎手札のドットスケーパーを捨てて魔法カード、魔法カード、ワンフォーワンを発動‼︎デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する‼︎戻っておいで、ジェットシンクロン‼︎」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性→光属性

DEF0

 

 

「そして、桜ちゃん、力を借りるね‼︎墓地に送られたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが墓地に送られた場合に特殊召喚‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性→光属性

DEF2100

 

 

現れたのはドットの身体を持つモンスター。

 

このカードはさっき桜ちゃんがデッキを調整してる時に余ってるからと分けてくれたモンスター。

 

レベル1モンスターだし、墓地に送る方法も除外する手段もあるからありがたく使わせてもらうことにした。

 

桜ちゃんの思いが詰まったこのカードで、一気に道を切り開く‼︎

 

「さらに、私は金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性→光属性

ATK400

 

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚するよ‼︎戻ってきて、サクリファイス‼︎」

 

「‼︎サクリファイスだと⁉︎」

 

〈サクリファイス〉☆1 魔法使い族 闇属性→光属性

DEF0

 

 

「サクリファイスの効果発動‼︎アブソープション‼︎1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象にそのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターの数値分アップし、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊します‼︎対象はセットされているモンスター‼︎吸い込んで、サクリファイス‼︎」

 

「何だと⁉︎セットされているモンスターまで吸収出来るのか⁉︎」

 

サクリファイスのお腹にある穴が開き、セットモンスターが吸い込まれる。

 

「ただし、この場合はモンスターの数値が分からないため攻撃力は変動しない。だけど、これで準備は整った‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「っ、リンク召喚か‼︎」

 

私の前に大きなサーキットが現れる。

 

さあ、行くよ‼︎

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はドットスケーパー、ジェットシンクロン、サクリファイス、サクリファイスアニマをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

神路祇君のデッキには効果破壊カードが多い。

 

それにまだセットカードも2枚も残ってる。

 

だから、今回は貴方の力を貸して‼︎

 

「閉ざされた運命を撃ち抜く信念の弾丸‼︎リンク4‼︎ヴァレルロードドラゴン‼︎」

 

 

〈ヴァレルロードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性→光属性

ATK3000 ↙︎←→↘︎

 

 

「くっ、攻撃力3000のリンク4モンスターだと⁉︎」

 

「さらに、墓地に存在するジェットシンクロンの効果発動‼︎手札を1枚墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外される‼︎」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性→光属性

DEF0

 

 

「私はレベル1、金華猫とジェットシンクロンでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

「⁉︎今度はエクシーズ召喚だと⁉︎」

 

金華猫とジェットシンクロンが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこには白い馬に乗る小さな首無しの騎士がいた。

 

「闇夜に紛れし哀しき妖精‼︎その刃で疑惑を切り裂け‼︎ランク1‼︎ゴーストリックデュラハン‼︎」

 

 

〈ゴーストリックデュラハン〉★1 悪魔族 闇属性→光属性

ATK1000→1200

 

 

「チッ、雑魚風情がエクシーズ召喚まで使ってくるか………」

 

「まだです‼︎まだ私は上を目指す‼︎私はゴーストリックデュラハン1体でオーバーレイ‼︎」

 

「何⁉︎テメェまさか⁉︎」

 

「1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクアップエクシーズチェンジ‼︎」

 

デュラハンが再び空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると空から舞い降りたのは黒いドレスを身に纏い、白い羽根にところどころ漆黒の羽根が混ざる女の子のモンスター。

 

「闇夜を彷徨う自由な天使‼︎その気ままさで憂鬱を払え‼︎ランク4‼︎ゴーストリックの駄天使‼︎」

 

 

〈ゴーストリックの駄天使〉★4 天使族 闇属性→光属性

ATK2000

 

 

駄天使が私の周りをひらひらと飛びながらドヤ顔で空を指差して決めポーズをとる。

 

はいはい、出てこれて嬉しいのは分かったから頑張ってね。

 

「雑魚風情が俺みたいにモンスターをランクアップさせるだと………⁉︎」

 

「ゴーストリックの駄天使は同名以外のゴーストリックモンスターに重ねてエクシーズ召喚を行うことが出来ます。そしてゴーストリックの駄天使の効果発動‼︎チャームコール‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除くことでデッキからゴーストリック魔法・罠を手札に加えます‼︎私が手札に加えるのはゴーストリックナイト‼︎」

 

堕天使が私に向けて小さなハートを飛ばすとそれがカードになって私の手札に加わる。

 

それを見て駄天使は満足そうな笑みを浮かべて飛び回るが、その先でヴァレルロードの羽根にぶつかり、涙目になって痛そうに頭を押さえていた。

 

………本当に、貴方は駄目な天使だから駄天使だよね。

 

「オーバーレイユニットとして墓地に送られたゴーストリックデュラハンの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分の墓地のゴーストリックカード1枚を対象としてそのカードを手札に加えます。私は墓地にあるゴーストリックランタンを手札に加えます」

 

「それも先に墓地に送っていたカードか………」

 

「因みにさっき手札に加えたゴーストリックナイトはフィールド上にゴーストリックと名のついたモンスターが存在する限り相手フィールド上のモンスターは反転召喚出来なくなります。それと、相手によって破壊された場合、そのターン相手は攻撃宣言が出来なくなるのでセットカードを破壊する時はくれぐれも気をつけてくださいね?貴方、運が無さそうですし」

 

「っ‼︎調子乗ってるんじゃねぇぞ、雑魚が‼︎」

 

「なら、その調子を落としてみてください。バトル‼︎ゴーストリックの駄天使でダイレクトアタック‼︎トリックハート‼︎」

 

駄天使が目の前にひび割れているハートを作り出し、そのハートからビームを放ち、神路祇君の身体を貫く。

 

「くっ‼︎」

 

 

電二 LP5900→3900

 

 

「追撃だよ‼︎ヴァレルロードドラゴンでダイレクトアタック‼︎銃声のイジェクトフレア‼︎」

 

「があっ‼︎」

 

 

電二 LP3900→900

 

 

ヴァレルロードの粒子砲が神路祇君を貫く。

 

これで神路祇君の残りライフは900。

 

このままの勢いで押し切る。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド‼︎」

 

 

遊花 LP1700 手札2

 

 ▲▲▲△ー ー

 ーー○ーー

  ☆ ー

 ーーーーー

 ー△▲△▲ ー

 

電二 LP900 手札1

 

 

「俺が………学年3位の俺が………こんな虫けら程度の相手に追い詰められてるだと?ふざけんじゃねぇ‼︎」

 

「‼︎」

 

何事かをぶつぶつと呟いていた神路祇君がいきなり怒鳴り声を上げる。

 

そして血走った目でこちらを睨みつける。

 

「俺が他のトップ10の奴らより弱いだと?俺の相手が、雑魚のお前程度がお似合いだと?ふざけんな‼︎俺は今まで気にいらねぇ奴はデュエルで叩き潰してきたんだよ‼︎弱い奴らをぶっ潰してぶっ潰してぶっ潰して、地面に這い蹲らせてきたんだ‼︎そんな俺がテメェ程度に雑魚に負けるだと?そんなことあり得るわけがねぇだろうが‼︎」

 

神路祇君の雰囲気が変わる。

 

………どうやら、ここからが正念場らしい。

 

「テメェ程度が俺に勝てるわけねぇだろうが‼︎テメェみたいな雑魚は俺の足元を這い蹲ってればいいんだよ‼︎俺のターン、ドロー‼︎魔法カード、マジックプランター‼︎自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚、リビングデッドの呼び声を墓地へ送ってデッキから2枚ドローする‼︎さらに魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在する甲虫装機ピコファレーナ、電子光虫-スカラジエータ2体をEXデッキに、甲虫装機ダンセル、甲虫装機センチピードをデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローする‼︎」

 

「っ………ここにきてドロー加速‼︎」

 

そしてドローしたカードを見て、神路祇君が笑う。

 

「ヒハハハハ‼︎テメェのものは1つ残さず全部ぶち壊してやる‼︎甲虫装機ダンセルを召喚‼︎」

 

 

〈甲虫装機ダンセル〉☆3 昆虫族 闇属性→光属性

ATK1000

 

 

「甲虫装機ダンセルの効果発動‼︎墓地に存在する甲虫装機ホーネットを装備‼︎そして装備カードとなった甲虫装機ホーネットの効果発動‼︎モンスターに装備されているこのカードを墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として破壊する‼︎永続罠、グラヴィティバインドー超重力の網ーを破壊‼︎」

 

「くっ………」

 

「甲虫装機 ダンセルの効果発動‼︎このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られたから、デッキから現れろ、甲虫装機センチピード‼︎」

 

 

〈甲虫装機センチピード〉☆3 昆虫族 闇属性→光属性

ATK1600

 

 

「甲虫装機センチピードの効果発動‼︎墓地に存在する甲虫装機ホーネットを装備‼︎そして装備カードとなった甲虫装機ホーネットの効果発動‼︎モンスターに装備されているこのカードを墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として破壊する‼︎テメェのセットカードを破壊だ‼︎」

 

「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎︎貪欲な瓶‼︎墓地に存在するゴーストリックデュラハンをEXデッキに、クリボーを呼ぶ笛、ツインツイスター、金華猫、クリボーをデッキに戻してシャッフルし、1枚ドロー‼︎」

 

「チッ、うざってぇ‼︎甲虫装機センチピードの効果発動‼︎このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られた場合、デッキから甲虫装機カード1枚を手札に加える。デッキから手札に加えるのは甲虫装機ホーネットだ‼︎」

 

「ここで甲虫装機ホーネット?」

 

神路祇君の動きが少し変わった。

 

これは一体何を意味して………

 

「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎光虫異変‼︎自分の墓地の昆虫族・レベル3モンスター2体を効果を無効にして特殊召喚する‼︎甦れ、電子光虫-ウェブソルダー、電子光虫-LEDバグ‼︎」

 

 

〈電子光虫-ウェブソルダー〉☆3 昆虫族 光属性

DEF1500

 

 

〈電子光虫-LEDバグ〉☆3 昆虫族 光属性

DEF0

 

 

「犇めきあえ‼︎光を呑み込むサーキット‼︎」

 

「ここでリンク召喚………」

 

「召喚条件は昆虫族モンスター2体‼︎俺は甲虫装機ダンセルと電子光虫-ウェブソルダーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎甲虫装機ピコファレーナ‼︎」

 

 

〈甲虫装機ピコファレーナ〉LINK2 昆虫族 闇属性→光属性

ATK1000 ↙︎↘︎

 

 

「甲虫装機ピコファレーナの効果発動‼︎インゼクターフォーゼ‼︎このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、このカード以外の自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象としてデッキから昆虫族モンスター1体を攻撃力・守備力500ポイントアップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する‼︎俺は手札を1枚捨ててデッキから甲虫装機センチピードに甲虫装機ホーネットを装備‼︎そして装備カードとなった甲虫装機ホーネットの効果発動‼︎モンスターに装備されているこのカードを墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として破壊する‼︎テメェのセットカードを破壊する‼︎」

 

「………」

 

「さらに甲虫装機センチピードの効果発動‼︎このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られた場合、デッキから甲虫装機カード1枚を手札に加える。デッキから手札に加えるのは甲虫装機( インゼクター)ギガマンティスだ‼︎そしてこれで俺の墓地に3枚の甲虫装機ホーネットが揃った‼︎自分の墓地に昆虫族の同名モンスターが3体存在する場合、その同名カード、甲虫装機ホーネットを対象とし、超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGを特殊召喚だ‼︎」

 

 

〈超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG〉☆8 昆虫族 地属性→光属性

ATK2400

 

 

現れたのは台所の黒いアレを模した巨大なロボットのようなモンスター。

 

「そして対象とした甲虫装機ホーネットを任意の数、装備カード扱いとしてこのカードに装備する‼︎俺は3体の甲虫装機ホーネットを装備だ‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

ブラックアイアンGに3体のホーネットが吸収すれていく。

 

 

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG ☆8→17

ATK2400→3900

 

 

「攻撃力3900⁉︎」

 

ホーネットには装備カード扱いとして装備しているモンスターのレベルを3つ上げ、攻撃力・守備力をそれぞれの数値分アップさせる効果があった。

 

これじゃあヴァレルロードの効果を使っても攻撃力で超えられる。

 

「攻撃力で超えられたことに驚いたか?残念ながらそんな単純な話じゃねぇんだよ‼︎超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGの効果発動‼︎トリーズンフレア‼︎このカードの効果で装備しているモンスターカード1枚を墓地へ送り、墓地へ送ったそのカードの攻撃力以上の攻撃力を持つ、相手フィールドのモンスターを全て破壊する‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

「俺は甲虫装機ホーネット1枚を墓地に送り、消え失せろ‼︎ゴーストリックの駄天使‼︎ヴァレルロードドラゴン‼︎」

 

ブラックアイアンGの胸元が開き、そこから巨大な砲台が現れる。

 

その砲台にエネルギーが集まり、黒光りする砲撃が撃ち出され、ヴァレルロードと駄天使は跡形もなく消滅した。

 

 

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG ☆17→14

ATK3900→3400

 

 

外見の悪趣味さはともかく、その効果は凶悪そのもの。

 

しかも、装備されているのがホーネットということは全体除去だけじゃなくてホーネット自体のフィールドのカードを破壊する効果も持っているということだ。

 

それは正直に言ってマズイ。

 

このままじゃ本当に私のフィールドを破壊し尽くされる‼︎

 

「まだだ‼︎まだ終わらねぇ‼︎この程度じゃ俺の怒りは収まらねぇんだよ‼俺は墓地の︎光虫異変の効果発動‼︎自分の墓地からこのカードとエクシーズモンスター1体、電子光虫-コアベージを除外して発動‼︎自分フィールドの全ての昆虫族・レベル3モンスターのレベルはターン終了時まで、除外したエクシーズモンスターのランクと同じ数値のレベルになる‼︎この効果の発動後、ターン終了時まで自分は昆虫族モンスターしか特殊召喚できない‼︎」

 

 

甲虫装機センチピード

☆3→5

 

 

電子光虫-LEDバグ

☆3→5

 

 

センチピードとLEDバグのレベルが5に変わる。

 

「俺は昆虫族・光属性のレベル5モンスター2体以上、甲虫装機センチピードと電子光虫-LEDバグでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎再び現れろ、ランク5‼︎電子光虫-コアベージ‼︎」

 

 

〈電子光虫-コアベージ〉★5 昆虫族 光属性

ATK2200

 

 

「俺は電子光虫-コアベージのオーバーレイユニットを2つ取り除き、電子光虫-コアベージ1体でオーバーレイ‼︎」

 

「っ⁉︎まだランクアップを⁉︎」

 

「1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクアップエクシーズチェンジ‼︎」

 

コアベージが再び空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると次に現れたのは電子的な身体を持つカブトムシのようなモンスター。

 

「現れろ‼︎電子を統べる孤高の王者‼︎ランク7、電子光虫( デジタルバグ)-ライノセバス‼︎」

 

 

〈電子光虫-ライノセバス〉★7 昆虫族 光属性

ATK2600

 

 

「電子光虫-ライノセバスは自分フィールドのランク5・6の昆虫族エクシーズモンスターからオーバーレイユニットを2つ取り除き、そのエクシーズモンスターに重ねてエクシーズ召喚が出来る‼︎そしてこのカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える‼︎」

 

「っ………貫通ダメージ」

 

「テメェのデッキが貫通ダメージを苦手にしてることぐらい読めてるんだよ‼︎さらに電子光虫-ライノセバスはオーバーレイユニットを1つ使うことで相手フィールドで守備力が1番高いモンスターを破壊することができ、この効果は相手ターンにも使用することができる‼︎リンクモンスター以外を出すのには気をつけるんだな‼︎さらに甲虫装機ピコファレーナの効果発動‼︎同名モンスターは1ターンに1度自分の墓地の昆虫族モンスター3体を対象としてそのモンスターをデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎墓地の甲虫装機ダンセル、ゴキポール2枚をデッキに戻して1枚ドロー‼︎バトルフェイズ‼︎」

 

「なら、バトルフェイズ開始時、墓地から罠カード、光の護封霊剣の効果発動‼︎相手ターンに墓地のこのカードを除外してこのターン、相手モンスターは直接攻撃できません‼︎」

 

「っ、また墓地からカードを………‼︎」

 

「貴方が墓地に送ってくれたんです。ついさっきね」

 

「チッ、あの伏せカードか‼︎メインフェイズ2‼︎カードを2枚伏せてターンエンドだ‼︎」

 

 

遊花 LP1700 手札3

 

 ーー▲ーー ー

 ーーーーー

  ー ☆

 ー○ー○○

 △△▲△▲ ー

 

電二 LP900 手札3

 

 

とりあえず、ライノセバスは早くどうにかしないといけない。

 

あのモンスターがいるだけで、私のデッキでは致命傷になる可能性が高い。

 

「私のターン、ドロー‼︎よし‼︎相棒、また貴方の力を貸して‼︎魔法カード、賢者の石-サバティエル‼︎このカードは自分の墓地にハネクリボーモンスターが存在する場合、ライフポイントを半分払って発動できます」

 

 

遊花 LP1700→850

 

 

「そうすることで、デッキから融合魔法カードまたはフュージョン魔法カード1枚を手札に加えることが出来ます‼︎ 」

 

「⁉︎融合だと⁉︎」

 

「私がデッキから手札に加えるのはサクリファイスフュージョンです‼︎そして速攻魔法、サクリファイスフュージョン‼︎アイズサクリファイス融合モンスターカードの融合素材モンスターを自分の手札・フィールド・墓地から除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚します‼︎私が除外するのは、墓地のサクリファイスとドットスケーパー‼︎」

 

また力を借りるね、桜ちゃん‼︎

 

「妖しい邪眼よ、電子の精霊よ‼︎今交わりて、全てを奪う力とならん‼︎融合召喚‼︎全てを見透かす叡智の邪眼‼︎ミレニアムアイズサクリファイス‼︎」

 

 

〈ミレニアムアイズサクリファイス〉☆1 魔法使い族 闇属性→光属性

DEF0

 

 

現れたのは金色の邪眼と身体を持つモンスター。

 

「またサクリファイス………しかも次は融合モンスターだと、ふざけやがって‼︎」

 

「そして、除外されたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが除外された場合に特殊召喚‼︎」

 

「チッ、また出てきやがるのか‼︎」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性→光属性

DEF2100

 

 

「ミレニアムアイズサクリファイスは1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、相手のフィールド・墓地の効果モンスター1体を対象としてその相手の効果モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値分アップし、このカードの効果で装備したモンスターと同名のモンスターは攻撃できず、その効果は無効化されます」

 

「効果を使えばそのまま俺の動きを封じるってわけかよ」

 

「さらに私は墓地のサクリファイスフュージョンの効果発動‼︎自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの効果モンスター1体を対象とし自分フィールドの、アイズサクリファイス融合モンスターまたはサクリファイス1体を選び、その効果による装備カード扱いとして対象の相手の効果モンスターを装備します‼︎対象は電子光虫-ライノセバス‼︎」

 

「電子光虫-ライノセバスの効果を使わせて吸収しようとしてるんだろうが甘いんだよ‼︎リバースカードオープン‼︎速攻魔法、光虫信号‼︎自分フィールドの昆虫族エクシーズモンスター1体を対象に、その自分のモンスターよりランクが2つ高いモンスターか、ランクが2つ低いモンスターを対象のモンスターに重ねてエクシーズ召喚扱いとして特殊召喚することができる‼︎対象は勿論、電子光虫-ライノセバスだ‼︎」

 

「ランクアップじゃなくてランクダウンができる魔法カード⁉︎………使うなら今ですかね。それにチェーンしてリバースカードオープン、速攻魔法、魔力の泉‼︎」

 

「何⁉︎セットカードはゴーストリックナイトじゃねぇのか⁉︎」

 

「誰もゴーストリックナイトをセットしたなんて言ってませんよ?相手フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけ自分はデッキからドローし、その後、自分フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけ自分の手札からカードを選んで捨てます。ただし、このカードの発動後、次の相手ターンの終了時まで、相手フィールドの魔法・罠カードは破壊されず、発動と効果を無効化されませんが………これ以上チェーンが無いようなら効果解決です。魔力の泉の効果。貴方のフィールドにある表側の魔法・罠は光虫信号とDNA移植手術の2枚、私のフィールドに表側の魔法・罠は魔力の泉1枚。よって2枚ドローし、1枚手札を捨てます」

 

「チッ、光虫信号の効果、電子光虫-ライノセバスをランクが2つ低いモンスターにランクダウンさせる。電子光虫-ライノセバス1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクダウンエクシーズチェンジ‼︎」

 

ライノセバスが再び空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると再び現れたのは電子的な身体を持つモンシロチョウのようなモンスター。

 

「現れる、ランク5‼︎電子光虫-コアベージ‼︎」

 

 

〈電子光虫-コアベージ〉★5 昆虫族 光属性

ATK2200

 

 

「………サクリファイスフュージョンは対象がいなくなったので不発になります」

 

再び現れるコアベージ。

 

コアベージのオーバーレイユニットは2つ。

 

これで次のターンにはまたライノセバスに繋げられてしまう。

 

そうなるとミレニアムアイズが狙われてお終いだ。

 

なら、ここは少し無理をしてでも決めにいく‼︎

 

「墓地に存在するジェットシンクロンの効果発動‼︎手札を1枚墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外される‼︎」

 

「っ、オーバーレイユニットになっていたから再び墓地に戻ってやがったか」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性→光属性

DEF0

 

 

「私は‼︎レベル1、ミレニアムアイズサクリファイスと、レベル1、ドットスケーパーに、レベル1、チューナーモンスター、ジェットシンクロンをチューニング‼︎」

 

「⁉︎次はシンクロ召喚だと⁉︎」

 

ジェットシンクロンが光の輪になり、ミレニアムアイズとドットスケーパーが小さな星に変わり、光の道になる。

 

「悠久に響く祈りの歌が、争いを鎮める新風となる‼︎シンクロ召喚‼︎未来に羽ばたけ、霞鳥クラウソラス‼︎」

 

 

〈霞鳥クラウソラス〉☆3 鳥獣族 風属性→光属性

DEF2300

 

 

光の道が輝くと、その中から緑の翼で羽ばたく綺麗な鳥が現れる。

 

それを見て、神路祇君が表情を歪める。

 

「最底辺の雑魚決闘者が儀式・融合・シンクロ・エクシーズ、リンク、5つの召喚方法を使いこなすだと‼︎ふざけるな‼︎」

 

「そんなこと知りません‼︎霧鳥クラウソラスの効果発動‼︎プレアーソング‼︎1ターンに1度、相手フィールドの表側表示のモンスター1体を選択し、ターン終了時までその攻撃力を0にし、その効果を無効にする‼︎対象は、電子光虫-コアベージ‼︎」

 

 

電子光虫-コアベージ

ATK2200→0

 

 

「チッ、攻撃力が………」

 

「私はクリバンデッドを召喚‼︎」

 

 

〈クリバンデッド〉☆3 悪魔族 闇属性→光属性

ATK1000

 

 

私の前に現れたのは盗賊のような姿をした黒い毛玉のモンスター。

 

うん、お願い、クリバンデッド‼︎

 

「こ、攻撃力1000のモンスターだと⁉︎………お、俺のライフは900………」

 

「バトル‼︎クリバンデットで電子光虫-コアベージを攻撃‼︎バンデットクロー‼︎」

 

クリバンデッドがコアベージに迫る。

 

「わぁぁぁやられる………なんて言うわけないだろうが‼︎」

 

「っ‼︎」

 

「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎進入禁止!No Entry‼︎フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て守備表示にする‼︎」

 

 

クリバンデッド

ATK1000→DEF700

 

 

電子光虫-コアベージ

ATK0→DEF1800

 

 

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG

ATK3400→DEF3800

 

 

甲虫装機センチピード

ATK1600→DEF1200

 

 

全てのモンスターが守備表示に変わる。

 

それを見て、神路祇君は勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

 

「残念だったな〜せっかく倒せると思ったのにな〜」

 

「っ‼︎」

 

「さらに電子光虫-コアベージの効果発動‼︎1ターンに1度、フィールドのモンスターの表示形式が変更された場合に自分の墓地の昆虫族モンスター1体を選び、このカードのオーバーレイユニットとする‼︎墓地の電子光虫-LEDバグをオーバーレイユニットにするぜ‼︎」

 

コアベージにオーバーレイユニットが補充される。

 

これで次に出てくるライノセバスはかなりオーバーレイユニットを持った状態で出てくるようになってしまった。

 

ここで決めきれなかったのはかなり痛い。

 

「エンドフェイズにクリバンデットの効果発動。このカードをリリースしてデッキの上から5枚めくり、その中から魔法・罠カード1枚を手札に加えて残りを墓地におきます」

 

申し訳なさそうにクリバンデットの姿が消え、私はデッキの上から5枚のカードをめくって中から1枚のカードを手札に加える。

 

まだ、まだ負けてない。

 

ライフだってまだ残ってる。

 

絶対に凌ぎきる‼︎

 

「私は魔法カード、貪欲で無欲な壺を手札に加えてターンエンド」

 

 

遊花 LP850 手札3

 

 ーーーーー ー

 ーーーーー

  □ ☆

 ー□ー□□

 △△ー△ー ー

 

電二 LP900 手札3

 

 

「さあ、望み通り終わらせてやるよ〜俺のターン、ドロー‼︎まずは超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGを攻撃表示に変更だ‼︎」

 

 

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG

DEF3800→ATK3400

 

 

「さらに電子光虫-コアベージの効果発動‼︎1ターンに1度、フィールドのモンスターの表示形式が変更された場合に自分の墓地の昆虫族モンスター1体を選び、このカードのオーバーレイユニットとする‼︎墓地の電子光虫-ウェブソルダーをオーバーレイユニットにするぜ‼︎」

 

再びコアベージにオーバーレイユニットが補充される。

 

これでコアベージのオーバーレイユニットは4つになった。

 

「それじゃあ早速行くぜ、俺は電子光虫-コアベージのオーバーレイユニットを2つ取り除き、電子光虫-コアベージ1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクアップエクシーズチェンジ‼︎」

 

コアベージが再び空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると再び現れたのは電子的な身体を持つカブトムシのようなモンスター。

 

「再び現れろ‼︎電子を統べる孤高の王者‼︎ランク7、電子光虫-ライノセバス‼︎」

 

 

〈電子光虫-ライノセバス〉★7 昆虫族 光属性

ATK2600

 

 

「さらに甲虫装機ピコファレーナの効果発動‼︎墓地の電子光虫-ライノセバス、電子光虫-コアベージ、甲虫装機ホッパーをデッキに戻して1枚ドロー‼︎ヒヒヒ、このまま一気にトドメまで持っていってやってもいいが、ここまで足掻いてくれたんだ。テメェに俺の切り札を見せてやるよ‼︎」

 

「っ、まだ切り札と言えるカードがあるんですか………」

 

「当たり前だろ?お前程度の雑魚決闘者にわざわざ見せてやるだけありがたいと思えよ」

 

「わざわざ………ですか。それは、切り札を出さないといけない程、貴方が追い詰められてるってことじゃないですか?」

 

私の言葉に神路祇君の表情が怒りに歪む。

 

「はあ⁉︎冗談言うなよ‼︎テメェみたいな雑魚決闘者相手に本気でデュエルするわけないだろ‼︎こんなデュエル遊びに過ぎないんだよ‼︎テメェみたいな雑魚をいたぶるための、ただの遊びだ‼︎」

 

「なら、さっさとトドメを刺してみて下さいよ。遊びなんですし、簡単に出来るんでしょ?」

 

「っ、そんなにトドメを刺されてぇならさっさとやってやらぁ‼︎俺は甲虫装機ピコファレーナをリリースして甲虫装機ギガウィービルをアドバンス召喚‼︎」

 

 

〈甲虫装機ギガウィービル〉☆6 昆虫族 闇属性→光属性

ATK0

 

 

現れたのはゾウムシを模した装甲をつけたモンスター。

 

しかし、その攻撃力は0。

 

ということは………

 

「さらに甲虫装機センチピードの効果発動‼︎墓地の甲虫装機ホーネットを装備‼︎だが、もう破壊効果なんてテメェに使ってやるつもりはねぇ‼︎」

 

 

甲虫装機センチピード ☆3→6

DEF1200→1400

 

 

ホーネットが装備されたことでセンチピードのレベルは6。

 

やっぱり狙いはエクシーズ召喚‼︎

 

「俺はレベル6となった甲虫装機センチピードと甲虫装機ギガウィービルでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

センチピードとギガウィービルが空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこに現れたのは金色のカブトムシのような装甲を纏った槍を持ったモンスター。

 

「全てを跪かせる絶対王者‼︎ランク6‼︎甲虫装機( インゼクター)エクサビートル‼︎」

 

 

〈甲虫装機エクサビートル〉★6 昆虫族 闇属性→光属性

ATK1000

 

 

出てきたモンスターは攻撃力1000の甲虫装機。

 

だけど、あそこまで自信を持って切り札というならそれだけ強力な効果を持っているハズだ。

 

「甲虫装機エクサビートルの効果発動‼︎ラウズイクウィップ‼︎このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分または相手の墓地のモンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードの攻撃力・守備力は、この効果で装備したモンスターのそれぞれの半分の数値分アップする‼︎俺が装備するのは墓地に存在する甲虫装機( インゼクター)ギガグリオル‼︎」

 

「見たことない甲虫装機⁉︎………そうか、手札断殺の時に‼︎」

 

ケラを模した装甲を纏ったモンスターが現れ、エクサビートルはそのモンスターを粒子に変えて吸収する。

 

「まずは甲虫装機ギガグリオルの攻撃力の半分、1000ポイントが甲虫装機エクサビートルに追加される。また、甲虫装機ギガグリオルが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターの元々の攻撃力は2000になり、さらにさらに豪華特典として装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える‼︎」

 

「っ⁉︎また貫通持ちのモンスター⁉︎」

 

 

甲虫装機エクサビートル

ATK1000→2000→3000

 

 

攻撃力3000の上にこの状況で2体目の貫通持ちモンスターの登場はかなり痛い。

 

「さあ、バトルだ‼︎甲虫装機エクサビートルで霞鳥クラウソラスを攻撃‼︎オーバースピア‼︎」

 

「くっ………‼︎」

 

クラウソラスがエクサビートルが持つ槍に貫かれて爆散し、その爆風が私のライフを削る。

 

 

遊花 LP850→150

 

 

「さあさあ、防いでみろよ‼︎超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGでダイレクトアタック‼︎」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、墓地のクリボーンの効果発動‼︎このカードを除外し、自分の墓地のクリボーモンスターを任意の数だけ対象として、そのモンスターを特殊召喚します‼︎来てハネクリボー‼︎ジャンクリボー‼︎虹クリボー‼︎クリアクリボー‼︎」

 

「何だと⁉︎クリバンデッドの時か‼︎」

 

 

〈ハネクリボー〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

〈ジャンクリボー〉☆1 機械族 地属性→光属性

DEF200

 

 

〈虹クリボー〉☆1 悪魔族 光属性

DEF100

 

 

〈クリアクリボー〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

私の周りに現れたのは4体のクリボー達。

 

「だが、その程度で防ぎきれるか‼︎超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGでジャンクリボーを攻撃‼︎アイアンマグナム‼︎」

 

「ゴメン、ジャンクリボー」

 

アイアンGの砲撃によりジャンクリボーが消滅する。

 

「これで終わりだ‼︎電子光虫-ライノセバスでハネクリボーを攻撃‼︎ライノプラズマ‼︎」

 

ライノセバスから雷がハネクリボーに向かって放たれ、ハネクリボーを貫く。

 

「まだです‼︎クリボーの効果発動‼︎ダークエンヴェロップ‼︎相手モンスターが攻撃した場合、そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にする‼︎」

 

「っっ‼︎ゴキブリ並みにしぶとい奴め‼︎いい加減沈めよ‼︎沈めッ‼︎」

 

クリボーが私の前に現れてライノセバスの雷撃から私を守る。

 

さらに粒子になったハネクリボーも私の身体を包みこむ。

 

「ハネクリボーの効果発動‼︎プリフィケーション‼︎このカードがフィールドから墓地に送られたターン、自分の受ける戦闘ダメージは0になる‼︎」

 

「貴様という奴はどこまでも………‼︎っ、いいだろうカードを1枚伏せてターンエンドしてやる。だが、果たして次のターン、貴様がこの状況をどうにかできるかな〜?」

 

確かに、今の私の手札じゃこの状況をどうにかすることは出来ない。

 

でも、まだライフはある‼︎

 

ライフが尽きない限り、何度だって立ち向かってみせる‼︎

 

 

遊花 LP150 手札2

 

 ーーーーー ー

 ーー□□ー

  ー ○

 ー○ーー○

 △△▲△△ ー

 

電二 LP900 手札3

 

 

「私のターン、ドロー‼︎メインフェイズ1の開始時、魔法カード、貪欲で無欲な壺を発動‼︎このターンバトルフェイズを行えなくなる代わりに、墓地の異なる種族のモンスター3体ををデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキからカードを2枚ドローする‼︎私は天使族のゴーストリックの駄天使、サイバース族のリンクリボーをEXデッキに、悪魔族のクリボーをデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローする‼︎」

 

「ヒヒヒ、バトルフェイズを放棄して本当に俺に勝てるのか?」

 

「………まだ希望はあります‼︎私はレベル1、クリアクリボーと虹クリボーでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎もう1度お願い‼︎ランク1‼︎ゴーストリックデュラハン‼︎」

 

 

〈ゴーストリックデュラハン〉★1 悪魔族 闇属性→光属性

ATK1000→1200

 

 

「さらに私はゴーストリックデュラハン1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクアップエクシーズチェンジ‼︎出番だよ‼︎ランク4‼︎ゴーストリックの駄天使‼︎」

 

 

〈ゴーストリックの駄天使〉★4 天使族 闇属性→光属性

DEF2500

 

「ゴーストリックの駄天使の効果発動‼︎チャームコール‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除くことでデッキからゴーストリック魔法・罠を手札に加えます‼︎私が手札に加えるのはゴーストリックロールシフト‼︎」

 

「今更そんな奴を出したところで何になるんだ‼︎」

 

「貴方の布陣の突破の糸口になるんです‼︎手札のゴーストリックランタンを捨てて魔法カード、魔法カード、ワンフォーワンを発動‼︎デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する‼︎おいで、クリボルト‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性

ATK300

 

 

出て来たのは電気を出している黒い球体のモンスター。

 

「クリボルトの効果発動‼︎自分のメインフェイズ時にエクシーズ素材を持っているエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターのオーバーレイユニットを1つ取り除き、自分のデッキからクリボルト1体を特殊召喚する。私は電子光虫-ライノセバスのオーバーレイユニットを1つ使って、おいで‼︎クリボルト‼︎」

 

「何だと⁉︎なら破壊して………っ、ゴーストリックの駄天使‼︎」

 

「そう、今効果を使ってもゴーストリックの駄天使しか破壊出来ませんよ」

 

「クソが‼︎電子光虫-ライノセバスの効果発動‼︎ライノスライス‼︎オーバーレイユニットを1つ使うことで相手フィールドで守備力が1番高いモンスターを破壊する‼︎」

 

「ゴメンね、ゴーストリックの駄天使」

 

駄天使は気にしないでというようにひらひらと手を振って、ライノセバスが放った斬撃のような雷に焼き尽くされた。

 

しかし、もう1つのライノセバスのオーバーレイユニットは私のフィールドに飛んでくると、クリボルトに変わった。

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性

ATK300

 

 

「ゴーストリックデュラハンの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分の墓地のゴーストリックカード1枚を対象としてそのカードを手札に加えます。私は墓地にあるゴーストリックランタンを手札に加えます‼︎さらにクリボルトの効果発動‼︎今度は甲虫装機エクサビートルのオーバーレイユニットを使って、出ておいで、クリボルト‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性

ATK300

 

 

「そして、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私の前に大きなサーキットが現れる。

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体‼︎私はクリボルトをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎もう1度お願い。希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性→光属性

ATK300 ↓

 

 

「そして魔法カード、貪欲な壺を発動‼︎」

 

「ここにきてまたドローカードだと⁉︎」

 

「墓地に存在するゴーストリックデュラハン、ゴーストリックの駄天使、サクリファイスアニマ、ヴァレルロードドラゴンをEXデッキにクリボルトをデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローする‼︎………⁉︎このカード………」

 

そこで私が引いたのは今まで1度もドロー出来なかった僅かに黒い闇を纏っているように見えるカード。

 

そのカードから感じる繋がりが私にそのカードの思いを伝えてきた気がした。

 

………もしかして、ここは任せろって言ってるの?

 

私は少しフィールドと神路祇君を見て考え、そのカードに向かって頷く。

 

分かった、君を信じるよ。

 

なら、そのお膳立てをしないとね‼︎

 

「クリボルトの効果発動‼︎最後の甲虫装機エクサビートルのオーバーレイユニットを使って、また出ておいで、クリボルト‼︎」

 

「コイツ、全てのオーバーレイユニットを持っていきやがった‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性

ATK300

 

 

「そして、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私の前に再び大きなサーキットが現れる。

 

新しい仲間の為に、貴方の力を貸して‼︎

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はリンクリボー、クリボルト3体分でリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

「またリンク4のモンスターか………」

 

「お願い、私に大切な人達の誇りを守る貸して‼︎リンク召喚‼︎閉ざされた運命を斬り開く魂の( つるぎ)‼︎リンク4‼︎ヴァレルソードドラゴン‼︎」

 

 

〈ヴァレルソードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性→光属性

ATK3000 ↙︎←↓↑

 

 

「チッ、またヴァレルの名を持つドラゴンか‼︎」

 

「私は………クリボーを召喚‼︎」

 

「はっ?」

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性→光属性

ATK300

 

 

私の前に現れるのは茶色毛玉のようなモンスター。

 

それを見て、神路祇君はぽかんとした表情を浮かべてから、しばらくすると心底おかしそうに笑い始めた。

 

「ヒヒヒ、ヒハハハハ‼︎おいおい、追い詰められてとうとうおかしくなっちまったか?そんな雑魚をこんな状況で出してどうなるんだよ‼︎手札誘発のモンスターなんだからせめて手札に持っとけよ‼︎そのせいでゴーストリックランタンまで使えなくなってるじゃねぇか‼︎ああ、リンクリボーを出すためか?それでも一時凌ぎにしかならないってのにな‼︎ヒハハハハ‼︎」

 

「さあ、どうしてでしょうね?私はカードを2枚伏せてターンエンドです」

 

 

遊花 LP150 手札3

 

 ーー▲▲ー ー

 ーー○ー

  ☆ ○

 ー○ーー○

 △△▲△△ ー

 

電二 LP900 手札3

 

 

「俺のターン、ドロー‼︎さて、まずはその邪魔なドラゴンを消させて貰いますか」

 

「………ああ、そうです。先に言っておきましょう」

 

「はっ?」

 

「このターン、貴方が選択を間違えれば………神路祇君、貴方は次のターンで負けることになりますよ」

 

「何?」

 

私の言葉に神路祇君は怪訝な表情を浮かべ、鼻で笑う。

 

「ハッ、ハッタリだけは上手じゃないか。この状況で間違える奴なんていないだろうが‼︎超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGの効果発動‼︎トリーズンフレア‼︎このカードの効果で装備しているモンスターカード1枚を墓地へ送り、墓地へ送ったそのカードの攻撃力以上の攻撃力を持つ、相手フィールドのモンスターを全て破壊する‼︎俺は甲虫装機ホーネット1枚を墓地に送り、消え失せろ‼︎ヴァレルソードドラゴン‼︎」

 

「………ゴメンね、ヴァレルソードドラゴン」

 

アイアンGの砲撃がヴァレルソードを焼き尽くす。

 

 

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG ☆14→11

ATK3400→2900

 

 

「さらに甲虫装機ホーネットの効果発動‼︎このカードを墓地に送り、セットカードを破壊する‼︎」

 

「………ゴーストリックロールシフトが破壊されます」

 

 

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG ☆11→8

ATK2900→2400

 

 

「チッ、ハズレか。なら、もう1枚が本命ってところか?だが、もう1枚を破壊する準備なんて出来てるんだよ‼︎甲虫装機ホッパーを召喚‼︎」

 

 

〈甲虫装機ホッパー〉☆4 昆虫族 闇属性→光属性

ATK1700

 

 

「甲虫装機ホッパーの効果発動‼︎コイツも手札・墓地から甲虫装機を装備できる‼︎甲虫装機ホッパーに甲虫装機ホーネットを装備‼︎そして装備カードとなった甲虫装機ホーネットの効果発動‼︎このカードを墓地に送り、テメェのセットカードを破壊だ‼︎」

 

「っ………魂の一撃が破壊されます」

 

「‼︎あ、危ねぇ。怖い怖い、確かにそれを使われてたら俺の方がやられちまうところだった。残念だったな〜俺の選択は正しかったみたいだぜ」

 

「………」

 

「バトル‼︎甲虫装機ホッパーでクリボーを攻撃‼︎さあ、逃げれるものなら逃げてみろよ‼︎」

 

神路祇君が勝ち誇った笑みを浮かべ、私を嘲笑う。

 

そんな神路祇君を見て………私はニヤリと笑った。

 

「………よかった」

 

「あん?」

 

「こんな状況になっても、貴方が私を舐めていてくれて」

 

「何だと?」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、自分の手札・フィールド上から悪魔族モンスターをそれぞれ1体ずつ墓地へ送る事でのみ、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。私は、フィールドの悪魔族モンスター、クリボーと、手札の悪魔族モンスター、ゴーストリックランタンを墓地に送る‼︎」

 

「っ⁉︎なんだその特殊召喚条件⁉︎聞いたことねぇぞ⁉︎」

 

フィールドにいたクリボーと手札から現れたランタンの姿が粒子に変わる。

 

そしてその粒子が集まり現れたのは、深い闇を纏う、天使と悪魔の羽根を持つ人型のモンスター。

 

お願い、私は皆の気高い強さを守りたい………だから、貴方の力を私に貸して‼︎

 

「おいで‼︎闇夜に紛れる不可視の天体‼︎ダークネスネオスフィア‼︎」

 

 

〈ダークネスネオスフィア〉☆10 悪魔族 闇属性→光属性

ATK4000

 

 

「な、なんだそのモンスターは⁉︎相手の攻撃宣言時に出てくる攻撃力4000のモンスターだと⁉︎」

 

「リンクリボーを使うなら、バトルフェイズに入った時に使ってます。ですが、貴方はそれに違和感も覚えずに攻撃をしてきた。諦めた、とでも思いました?残念ですが………諦めるって言葉は、私から1番遠いものなんです。さて、攻撃対象のモンスターがいなくなり新しいモンスターが増えたわけですが、攻撃しますか?因みにダークネスネオスフィアには戦闘破壊耐性もありますが」

 

「っ、するわけないだろうが‼︎甲虫装機ホッパーの攻撃は中止‼︎メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンドだ‼︎(俺の伏せカードは重力解除とデモンズチェーン。次のターンを防げばあんなモンスターすぐ消しとばして………)」

 

 

遊花 LP150 手札1

 

 ーーーーー ー

 ーー○ー

  ー ○

 ー○ーー○

 ー▲▲△△ ー

 

電二 LP900 手札1

 

 

「私のターン、ドロー‼︎バトル‼︎ダークネスネオスフィアで甲虫装機エクサビートルを攻撃‼︎」

 

「んなもん通すかよ‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎重力解除‼︎自分と相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの表示形式を変更する‼︎テメェの攻撃なんて通らねぇんだよ‼︎」

 

「そんなことだろうと思いました。ライフポイントを半分払い、手札から罠発動‼︎カウンター罠‼︎レッドリブート‼︎」

 

「⁉︎手札からカウンター罠だと⁉︎」

 

 

遊花 LP150→75

 

 

「相手が罠カードを発動した時に発動できる‼︎その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする‼︎その後相手はデッキから罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。最もこのカード発動後、ターン終了時まで罠カードは発動できませんが」

 

「何だと⁉︎お、俺は光虫異変をデッキからセットする………」

 

発動しようとしていた重力解除がセットされ、愕然とした表情を浮かべる神路祇君。

 

「重力解除が無効化されたことにより攻撃は続行‼︎いって、ダークネスネオスフィア‼︎ヘブンリィダークネス‼︎」

 

ネオスフィアが異形の手をかざすと幾千もの白と黒の光弾がエクサビートルと神路祇君を囲むように浮かび上がる。

 

その光弾を見て神路祇君が呆然としながら口を開く。

 

「ヒハ………冗談………俺が、負ける?学年3位の俺が………こんな………こんな、雑魚決闘者にぃぃぃ‼︎」

 

そう神路祇君が叫んだ瞬間、幾千もの白と黒の光弾がまるで流星群のように降り注ぎ、エクサビートルごと神路祇君のライフを跡形も無く消しとばした。

 

 

電二 LP900→0

 

 

「貴方の敗因はただ1つ。自分以外の人間を下に見て侮るその考え方を、最後まで拭えなかった。ただ、それだけのことです」

 

 

ーーーーーーー

 

 

デュエルが終わり、立体映像が消えていく。

 

神路祇君は、どうやら余りのショックで気絶しているらしい。

 

ここまでくると少し可哀想に思わないでもないけど、これに関しては私が関わっても彼の神経を逆撫でするだけだから止めておこう。

 

さて、これで試験の全てのデュエルも終わり。

 

後は結果が出るのを待つだけだ。

 

試験の結果としては、悪くはないと思う。

 

でも、負けてしまったデュエルもあるし、どうなるかは分からない。

 

今回の期末試験では様々な出会いと学びがあった。

 

出来れば、最後までデュエルアカデミアで皆と過ごしたいな………

 

そんなことを思いながら、私はフィールドを後にするのだった。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

「君はどんな決闘者なのかを示してくれればいいとは言ったが、まさかこんな結果になるとはね………」

 

他に誰もいない部屋の中、柔和そうな印象を受ける初老の老人ーーーデュエルアカデミア・ケルン校の校長、武者小路 紫煙が思わずといった感じで呟く。

 

今日でデュエルアカデミアで最も重要な試験と言っても過言ではないデュエルの実技試験の日程が全て終了した。

 

その試験は、今回教師陣の間で退学が検討されていた学年最下位の劣等生である1人の少女の運命を決めるものだったが、少女は想定以上の実力を………いや、完全に常識外れの実力を見せた………否、見せてしまったと言ってもいいだろう。

 

デュエルをすることを怖がっていた学年最下位の生徒が儀式・融合・シンクロ・エクシーズ・リンクという5つの召喚方法を扱えるなど、誰が想像しただろうか?

 

極め付けは期末試験最後のデュエルだ。

 

最後のデュエル、決着をつけたカードこそメインデッキのモンスターだったが、そこまでの過程で少女は全ての召喚方法を組み合わせてデュエルをしている。

 

儀式からリンクとエクシーズ、融合からシンクロ。

 

あそこまで流れるように様々な召喚方法を自在に操れる決闘者など、プロ決闘者の中でも本当に一握りだ。

 

それをただの学生である少女はデュエルの中で見せた。

 

初日からすでに無くなりかけていた退学の話が最終日には満場一致で即消滅したのも当然のことだろう。

 

あれ程の決闘者を退学させたとなれば、デュエルアカデミアとしての威信に関わる。

 

おまけに極め付けとなったのは、今朝デュエルアカデミアにかかってきた一本の電話だ。

 

紫煙はその内容を思い返しながら、携帯から1つの連絡先を選ぶ。

 

しばらくの待機音の後、携帯から聞こえてきたのは1人の少女の声だった。

 

『………結果は?』

 

「いきなりだね、退学の話は一瞬で無くなったよ。まあ、当然といえば当然の話だがね。そうそう、君が注目していた栗原君と宝月君の試合は、栗原君が勝利したよ」

 

『………そう、流石は私の後輩。桜が負けたことは残念だけど、遊花が桜を超えられたことは嬉しく思う』

 

「まさか栗原君と宝月君が君にとってそんなに重要な少女達だとは思わなかったよ。『宝月桜のデュエル内容で栗原遊花を退学にしたら世界ランキング4位のあらゆる情報網を使ってデュエルアカデミアを潰す』なんて発言するとはね。学生時代の時から君が無理を言い出すのは結束君のことぐらいだと思ってたんだけどね………」

 

『私も少しは成長した………それよりも校長の方が心配。遊花を退学にする話が出てたとか、とうとう髪だけじゃなくて意識まで耄碌してきたのかと思った』

 

「相変わらず辛辣だね闇君は⁉︎後、髪の話は余計じゃないかな⁉︎」

 

電話越しから聞こえてくる少女ーーー闇の声を聞き、紫煙は声を荒げる。

 

そんな紫煙に闇はやれやれと言った感じの声を発する。

 

『事実を言っただけ。校長も年齢には勝てないから諦める。ついでにデュエルでも私には勝てないんだから諦める。イラつくと余計禿げ………あ、手遅れだった』

 

「よーし、その口を完全に黙らせてやろうか‼︎久しぶりにデュエルでもしたくなってきちゃったなー‼︎一戦相手をしてもらえないかな⁉︎」

 

『それについては少し考えてある。今回のお詫びもかねて。こういう話はどう?』

 

そう言って闇から続いた言葉に紫煙は思わず黙り込み、思わず苦笑を浮かべた。

 

「………なんというか、相変わらず君は不器用だね」

 

『好きに言うといい、社長からは許可を貰ってる。禿げに何言われても気にしない』

 

「不器用すぎるね、闇君は‼︎もう少し言葉はオブラートに包んでくれないかな⁉︎」

 

『………私、不器用だから』

 

「うん、それは謝罪に見せかけた追撃だね‼︎分かってたよチクショーめ‼︎」

 

思わず携帯を放り投げそうになるのを紫煙は必死に堪える。

 

しばらくの間深呼吸をして心を落ち着かせてから、電話越しの闇に向けて紫煙は真剣な声で話しかける。

 

「………君の覚悟は分かったよ。こちらとしても願ったり叶ったりさ。話が纏まったら、また連絡させて貰おう」

 

『………ん、校長』

 

「?どうしたんだい?」

 

『………いつも迷惑をかける………ごめんなさい』

 

本当に申し訳なさそうな少し落ち込んでいるような闇の声に、紫煙は柔らかい笑みを浮かべながら言葉を返す。

 

「………何、気にしなくてもいいさ。私にとって、デュエルアカデミアを卒業していった生徒は皆私の子供みたいなものだ。だから、君は思う通りにやるといい」

 

『………………ん、ありがとう、禿ーーー校長』

 

「本当に色々と台無しにするよね、君は⁉︎」

 

そんな言葉と同時に切れた携帯に思わず紫煙は頭を押さえ、そしてその言葉が照れ隠しだということが分かるからこそ、少し寂しそうに笑った。

 

「………全く、一体誰に似たんだか………本当に不器用だよ、闇君は」





次回予告

期末試験が終わり、遊騎も退院まであと少しとなり、本格的に大会の準備が始まっていく。
病室で遊花と一緒にこれまでのことを振り返っていく遊騎。
そんな遊騎達を訪ねてきたのは全ての始まりとなる存在だった。


次回 遊戯王Trumpfkarte
『原点』


次回は1章ラストになるささなかな大会編の前振り回。
次の話を挟んでから大会編が始まります。
大会編も少し悩んでるのは全試合書くか遊騎と遊花が主軸になる試合だけを書くか………見せ場を考えると全試合だけど、長さを考えるとな〜むむむ、悩ましい。
そして今回は遊花の新しい切り札、ダークネスネオスフィアの登場。
実は遊花のデッキに永続罠関係や攻撃強要系が増えてたのが伏線になってました。
話の節々に思い返すとそうとれるなという分かりにくい微妙な伏線を多数入れていくのが私の趣味です。
といっても、今回は気づいてる人は気づいてたんだろうな〜わりと分かりやすく永続罠関係が増えてたし。
本当はダークネスネオスフィアの効果もちゃんと活かしたかったけど、神路祇君のコンセプト的にちょっと無理があったので効果を使うのはまた別の機会に………最初期プロットの時より後に来たG関係のせいで神路祇君の殲滅力が想像以上に高くなってしまったんです………ごめんなさい。
はてさていよいよ1章もラスト。
出来るだけ早く更新するようにはしたいですが、仕事も始まったので更新ペースがどれぐらいになるかはよめないです。
………そう、仕事が始まってます、今日から。
仕事前に終わらせるとか言ってたのに間に合ってないじゃん………先が思いやられます。
といったところで今回はここまで。
次回はデュエルは無いので更新も早く出来るハズ‼︎
ではでは〜

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