遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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新弾の不知火とTGを回すのが楽し過ぎて更新が遅れてしまいました、申し訳ありません。
今回はリーネVS炎です。
基本的には第3者視点で、途中と最後に遊花視点が入ります。
それでは本編にGOなのです。




第40話 刀VS妖刀・孤独な戦い

 

 

 

リーネ LP8000

 

炎 LP8000

 

 

「先攻はリーネなのです。魔法カード、名推理なのです‼︎炎君は1~12までの任意のレベルを宣言して、通常召喚可能なモンスターが出るまでリーネのデッキの上からカードをめくっていき、そのモンスターのレベルが宣言されたレベルと同じ場合はめくったカードを全て墓地へ送り、違った場合はそのモンスターを特殊召喚して残りのめくったカードは全て墓地へ送るのです‼︎」

 

「いきなり面倒なカードを………4だ」

 

「まあそうなるですよね。それじゃあめくっていくのです」

 

そういってレーネが自分のデッキをめくっていく。

 

そして10枚程めくったところで動きを止めた。

 

「めくられたのは幽鬼うさぎ。レベル3なので特殊召喚なのです‼︎」

 

 

〈幽鬼うさぎ〉☆3 サイキック族 光属性

DEF1800

 

 

フィールドに現れたのは周りに兎の霊が憑いている赤い目をした銀髪のモンスター。

 

それを見て炎は渋い表情を浮かべる。

 

「外れたのは別に構わないが、よりによって出てきたのが幽鬼うさぎか」

 

「幽鬼うさぎはフィールドのモンスターの効果が発動した時、またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送ってフィールドのそのカードを破壊できるのです。炎君のデッキは永続魔法や永続罠、フィールド魔法が多いので幽鬼うさぎはかなり効くハズなのですよ」

 

「だが、それはお前も同じことだ。閃刀魔法は基本的に発動するためには自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しないという条件がある。幽鬼うさぎがいる限り、閃刀魔法は使えない」

 

「………まあ、いつもデュエルしてるのでバレてるですよね」

 

「それはお互い様という奴だろう?」

 

「仰る通りなのです。仕方がないので気長にいくのです。リーネはカードを2枚伏せてターンエンドなのです」

 

 

リーネ LP8000 手札2

 

ーー▲▲ー ー

ーー◻︎ーー

ー ー

ーーーーー

ーーーーー ー

 

炎 LP8000 手札5

 

 

「俺のターン、ドロー‼︎そちらが動かないのであればこちらもゆっくり準備をするとしよう。モンスターをセット。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 

リーネ LP8000 手札2

 

ーー▲▲ー ー

ーー◻︎ーー

ー ー

ーー◾︎ーー

ーー▲▲ー ー

 

炎 LP8000 手札3

 

 

「リーネのターン、ドローなのです‼︎ん〜今回は動き出すのに時間がかかりそうなのですよ。魔法カード、予見通帳なのです‼︎リーネのデッキの上からカード3枚を裏側表示で除外して、このカードの発動後3回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカード3枚を手札に加えるのです」

 

「時間経過が必要だが一気に3枚の手札が増えるか。今の膠着状態でその効果は強力だな」

 

「リーネはこれでターンエンドなのです」

 

 

リーネ LP8000 手札2

 

ーー▲▲ー ー

ーー◻︎ーー

ー ー

ーー◾︎ーー

ーー▲▲ー ー

 

炎 LP8000 手札3

 

 

「俺のターン、ドロー‼︎モンスターをセットしてターンエンドだ」

 

 

リーネ LP8000 手札2

 

ーー▲▲ー ー

ーー◻︎ーー

ー ー

ーー◾︎◾︎ー

ーー▲▲ー ー

 

炎 LP8000 手札3

 

 

「リーネのターン、ドローなのです‼︎スタンバイフェイズ、予見通帳の使用から1ターン経過なのです。リーネは何もせずにターンエンドなのです」

 

 

リーネ LP8000 手札3

 

ーー▲▲ー ー

ーー◻︎ーー

ー ー

ーー◾︎◾︎ー

ーー▲▲ー ー

 

炎 LP8000 手札3

 

 

嵐の前の静けさだとでも言うようにほとんど動きを見せない2人に、店内は緊迫した空気に包まれる。

 

先に大きく動くのはどちらなのか………そんな雰囲気の中、炎が面白そうに笑った。

 

「さて、予見通帳で手札を増やされるのは厄介だ。その前に動かせて貰おうか」

 

「ドーンとこい、なのです‼︎」

 

「ふっ、ならばお望み通りいかせて貰おう‼︎俺のターン、ドロー‼︎相手フィールドにモンスターが存在する場合、手札からヴェンデットコアを捨てて、リバースカードオープン‼︎速攻魔法、逢華妖麗譚-不知火語‼︎このカードは相手フィールドにモンスターが存在する場合に、手札からアンデット族モンスター1体を捨てて発動できる。捨てたモンスターとカード名が異なる不知火モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選んで特殊召喚する。ただし、このカードの発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。俺がデッキから特殊召喚するのは不知火の鍛師‼︎」

 

 

〈不知火の鍛師〉☆4 アンデッド族 炎属性

ATK1000

 

 

フィールドに現れたのは鍛師のモンスター。

 

「さらに反転召喚、妖刀-不知火‼︎」

 

 

〈妖刀-不知火〉☆2 アンデッド族 炎属性

ATK800

 

 

鍛師の正面に一振りの刀が現れ、その刀の近くに薄っすらと武士の霊の姿が浮かびあがる。

 

「俺は、レベル4、不知火の鍛師に、レベル2、チューナーモンスター、妖刀-不知火をチューニング‼︎」

 

妖刀が浮かびあがり、鍛師に向かって飛んでいく。

 

鍛師がその刀を手に取ると、鍛師の姿が武士に変わり、その武士の後ろに妖刀に憑いていた武士の霊が実体化した。

 

「剣に宿し無念の思いが、武士に宿りて力を成す‼︎シンクロ召喚‼︎憑依一体‼︎刀神-不知火‼︎」

 

 

〈刀神-不知火〉☆6 アンデッド族 炎属性

ATK2500

 

 

「炎君お得意の不知火シンクロモンスターですね」

 

「不知火の鍛師の効果発動‼︎フィールドのこのカードがシンクロ素材として墓地へ送られた場合、デッキから不知火の鍛師以外の不知火カード1枚を手札に加える‼︎俺はデッキから不知火の武部を手札に加える‼︎さらに墓地に存在するヴェンデットコアの効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地からアンデット族モンスター1体を除外してこのカードを特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。俺は墓地の不知火の鍛師を除外してヴェンデットコアを特殊召喚‼︎」

 

 

〈ヴェンデットコア〉☆1 アンデッド族 闇属性

DEF500

 

 

刀神の周りを漂うように闇を纏った水色に光る不気味な球体のモンスターが現れる。

 

「除外された不知火の鍛師の効果発動‼︎このカードが除外された場合、このターン、自分のアンデット族モンスターは戦闘では破壊されない。さらに反転召喚、不知火の師範‼︎」

 

 

〈不知火の師範〉☆2 アンデッド族 炎属性

ATK600

 

 

刀神の側に袴姿の老人が姿を現わす。

 

それを見て炎は正面に手をかざす。

 

「そして、燃え上がれ‼︎劫火が宿しサーキット‼︎」

 

「‼︎ここでリンク召喚なのです?」

 

炎の正面に巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は種族がアンデット族モンスター2体以上‼︎俺はヴェンデットコア、不知火の師範、刀神-不知火をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

ヴェンデットコア、不知火の師範、刀神がサーキットに飛び込んでいく。

 

そしてサーキットが光ると、サーキットの中から炎と共に両刃の薙刀を持った着物姿のモンスターが現れた。

 

「リンク召喚‼︎縁結ぶ迎え火‼︎リンク3‼︎麗神-不知火‼︎」

 

 

〈麗神-不知火〉LINK3 アンデット族 炎属性

ATK2400 ←↑↓

 

 

「麗神-不知火………シンクロモンスターを使ってリンク召喚をしてきたということは、シンクロモンスターを除外する算段があるということです?」

 

「その通りだ‼︎儀式魔法、リヴェンデットボーン‼︎このカードはレベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地のアンデット族モンスターを除外し、自分の手札・墓地からヴェンデット儀式モンスター1体を儀式召喚する‼︎墓地の刀神ー不知火を除外して儀式召喚を行う‼︎」

 

「っ、儀式魔法………ということは………」

 

炎の前に闇の球体が現れ、その球体に刀神が吸い込まれていく。

 

そして闇の球体が吹き飛ぶと、その中から闇を纏い、身体中から骨が変質して出来た武器が飛び出している人型のモンスターが現れた。

 

「例えその身が朽ち果てようと、生まれ変わる程の怨讐の果てに、新たな強さを得よ‼︎儀式召喚‼︎リヴェンデットスレイヤー‼︎」

 

 

〈 リヴェンデットスレイヤー〉☆6 アンデット族 闇属性

ATK2400

 

 

「やっぱり出てきたですね、リヴェンデットスレイヤー‼︎」

 

「バトル‼︎麗神-不知火で幽鬼うさぎを攻撃‼︎不知火流 業火斬舞‼︎」

 

麗神が薙刀に炎を纏わせ、舞うように連続して幽鬼うさぎを切り伏せる。

 

「むぅ、結局効果は使わせて貰えなかったのです」

 

「続けてリヴェンデットスレイヤーでダイレクトアタック‼︎リヴェンデットスマッシュ‼︎」

 

スレイヤーを黒い炎を纏った足で勢いよく跳躍すると空中で一回転しながらその両足でリーネに蹴りを入れた。

 

「あぅ、痛いのです」

 

 

リーネ LP8000→5600

 

 

「これで効果を気にする必要はなくなったが………相手は天羽だからな。ここは慎重にいくか………俺はこのままターンエンドだ」

 

 

リーネ LP5600 手札3

 

ーー▲▲ー ー

ーーーーー

ー ☆

ーー○ーー

ーーー▲ー ー

 

炎 LP8000 手札2

 

 

「うぅ、やられたからにはやり返すのです‼︎リーネのターン、ドローなのです‼︎スタンバイフェイズ、予見通帳の使用から2ターン経過なのです。そしてメインフェイズ‼︎魔法カード、閃刀機-ホーネットビットなのです‼︎」

 

「‼︎そっちを引かれていたか………」

 

「自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、自分フィールドにリリースできない戦士族・闇属性・レベル1・攻撃力守備力0の閃刀姫トークン1体を守備表示で特殊召喚するのです‼︎そして自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、そのトークンの攻撃力・守備力は1500になるのです‼︎出てきてくださいです、閃刀姫トークン‼︎」

 

 

〈閃刀姫トークン〉☆1 戦士族 闇属性

DEF1500

 

 

フィールドにホーネットビットが飛び交い、ホーネットビットから閃刀姫-レイの立体映像が投影される。

 

そういってリーネが正面に手をかざす。

 

「刀術式起動なのです‼︎戦場へと続くサーキット‼︎」

 

「っ、リンク召喚か‼︎」

 

リーネが正面に手をかざし、巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は炎属性以外の閃刀姫モンスター1体‼︎私は閃刀姫トークンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

レイの立体映像がサーキットに吸い込まれる。

 

そしてサーキットが輝くとサーキットの中から真っ赤な鎧を身に纏った白髪の少女が現れた。

 

「リンク召喚‼︎業火の如き閃滅の刃なのです‼︎リンク1‼︎閃刀姫-カガリ‼︎」

 

 

〈閃刀姫-カガリ〉LINK1 機械族 炎属性

ATK1500 ↖︎

 

 

「炎の閃刀姫か………」

 

「閃刀姫-カガリの効果発動‼︎アルヴィト‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の閃刀魔法カード1枚を対象としてそのカードを手札に加えるのです‼︎リーネは墓地から閃刀起動-エンゲージを手札に加えるのです‼︎」

 

「っ、すでに墓地に落ちていたか………」

 

「そして魔法カード、閃刀起動-エンゲージなのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動でき、デッキから閃刀起動-エンゲージ以外の閃刀カード1枚を手札に加え、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、自分はデッキから1枚ドローできるのです‼︎リーネの墓地には勿論3枚以上魔法カードがあるので後の効果も発動するのですよ」

 

「くっ、相変わらず厄介なサーチカードだな………」

 

「リーネはデッキから閃刀術式-アフターバーナーを手札に加えてさらに1枚ドローなのです‼︎そして今加えた魔法カード、閃刀術式-アフターバーナー発動なのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターを破壊し、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊できるのです‼︎破壊するモンスターは麗神-不知火なのです‼︎」

 

「ならば、チェーンして麗神-不知火の効果発動‼︎衆生回向‼︎相手ターンに、除外されている自分のアンデット族シンクロモンスター1体を対象として、そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する‼︎俺は除外されている刀神-不知火を特殊召喚する‼︎」

 

 

〈刀神-不知火〉☆6 アンデッド族 炎属性

ATK2500

 

 

麗神が舞うように薙刀を振るうと、フィールドに再び刀神の姿が現れる。

 

「戻ってくるのは仕方ないのです。だけど、麗神-不知火と伏せカードは破壊させてもらうのです‼︎」

 

「麗神-不知火と、ヴェンデットリユニオンは破壊される」

 

麗神に向かってカガリが刀の形をした8つの炎を飛ばし、麗神を切り裂き破壊する。

 

「そして閃刀姫-カガリの永続効果‼︎ヒルド‼︎このカードの攻撃力は自分の墓地の魔法カードの数×100ポイントアップするのです‼︎リーネの墓地には魔法カードは12枚あるので、閃刀姫-カガリの攻撃力は1200ポイントアップするのです‼︎」

 

 

閃刀姫-カガリ

ATK1500→2700

 

 

「刀神-不知火を超えられたか………」

 

「バトルフェイズなのです‼︎閃刀姫-カガリで刀神-不知火を攻撃なのです‼︎」

 

「迎え撃て、刀神-不知火‼︎不知火流 紅蓮袈裟斬り‼︎」

 

武士が刀を構えると実体化した霊も同じように刀を構える。

 

そして武士と霊が同時に刀を振るうと刀から炎を纏った斬撃が、カガリに向けて放たれる。

 

それに対して、カガリは向かってくる斬撃を見据えながら手に持った刀を腰の辺りで構えた。

 

「奥義、閃刀術式-アフターバーナー起動‼︎」

 

リーネがそう口にするとカガリの背中に魔法陣が浮かび上がると、その魔法陣から刀の形をした8つの炎が後方に展開され、カガリが手にしていた刀にも炎が宿る。

 

そしてカガリは後方に噴き出した炎の勢いを利用して加速しながら、刀神の放った斬撃を斬り裂くように構えていた刀を横薙ぎに振るった。

 

「ランドグリーズ‼︎いっとーりょーだーん‼︎」

 

カガリが放った炎を纏った一閃が刀神の斬撃を吹き飛ばし、そのまま刀神を斬り裂いた。

 

 

炎 LP8000→7800

 

 

「これぐらいのダメージなら問題ない」

 

「メインフェイズ2なのです‼︎炎君相手に閃刀姫-カガリのままでいても仕方ないので、リーネはどんどんいかせて貰うのです‼︎刀術式起動なのです‼︎戦場へと続くサーキット‼︎」

 

「っ、再びリンク召喚か………」

 

「召喚条件は水属性以外の閃刀姫モンスター1体‼︎私は閃刀姫-カガリをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

リーネが手をかざすと、カガリの正面に巨大なサーキットが現れ、カガリの身体を通過するように動き始める。

 

カガリがサーキットを潜ると、今度は4つの盾を装備した青い鎧を身に纏った白髪の少女が現れた。

 

「リンク召喚‼︎水簾の如き刀衛の盾なのです‼︎リンク1‼︎閃刀姫ーシズク‼︎」

 

 

〈閃刀姫ーシズク〉LINK1 機械族 水属性

ATK1500 ↗︎

 

 

「次は水の閃刀姫か………」

 

「閃刀姫ーシズクの永続効果、ヘルフィヨトゥル‼︎相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分の墓地の魔法カードの数×100ポイントダウンするのです‼︎リーネの墓地には魔法カードは12枚あるので、炎君のモンスターの攻撃力は1200ポイントダウンするのです‼︎」

 

 

リヴェンデットスレイヤー

ATK2400→1200

 

 

「全体の攻撃力を下げてくるとは、相変わらず閃刀姫はどれも厄介だな………」

 

「リーネはカードを2枚伏せてエンドフェイズに閃刀姫ーシズクの効果発動‼︎ヘルヴォル‼︎このカードを特殊召喚したターンのエンドフェイズ、デッキから、同名カードが自分の墓地に存在しない閃刀魔法カード1枚を手札に加えるのです‼︎リーネはデッキから閃刀機-シャークキャノンを手札に加えてターンエンドなのです‼︎」

 

 

リーネ LP5600 手札3

 

▲▲▲▲ー ー

ーーーーー

☆ ー

ーー○ーー

ーーーーー ー

 

炎 LP7800 手札2

 

 

「俺のターン、ドロー‼︎次のターンには予見通帳で手札が増える、悪いがその前に決めさせて貰うぞ‼︎俺は不知火の武部を召喚‼︎」

 

 

〈不知火の武部〉☆4 アンデッド族 炎属性

ATK1500→300

 

 

フィールドに薙刀を持った袴姿のモンスターが現れる。

 

「不知火の武部の効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、手札・デッキから妖刀-不知火モンスター1体を特殊召喚する‼︎ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。俺はデッキから逢魔ノ妖刀-不知火を特殊召喚する‼︎」

 

 

〈逢魔ノ妖刀-不知火〉☆3 アンデッド族 炎属性

ATK800→0

 

 

武部が薙刀を振るうと、武部の正面に金色に光る一振りの刀が現れ、その刀の近くに薄っすらと鎧を着た武士の霊の姿が浮かびあがる。

 

「そして、燃え上がれ‼︎劫火が宿しサーキット‼︎」

 

「リンク召喚………また麗神ー不知火なのです?」

 

炎の正面に巨大なサーキットが現れる。

 

リーネの呟きに、炎は薄っすらと笑みを浮かべながらその言霊を紡ぐ。

 

「召喚条件は種族がアンデット族モンスター2体‼︎俺は不知火の武部とリヴェンデットスレイヤーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

「っ、リンク2ということは麗神ー不知火じゃないみたいなのですね。ということは………」

 

武部とスレイヤーがサーキットに飛び込んでいく。

 

そしてサーキットが光ると、サーキットの中から紅いマフラーをつけ、右手に禍々しい剣が生えているスレイヤーに似たモンスターが現れた。

 

「リンク召喚‼︎怨讐を超えし救済者‼︎リンク2‼︎アドヴェンデットセイヴァー‼︎」

 

 

〈アドヴェンデットセイヴァー〉LINK 2 アンデット族 闇属性

ATK1600→400 ↙︎↘︎

 

 

「やっぱり出てきたのですね、リンクモンスターのヴェンデット………」

 

「まずは墓地に送られたリヴェンデットスレイヤーの効果発動‼︎スコープエイド‼︎儀式召喚したこのカードが墓地へ送られた場合、デッキから儀式魔法カード1枚を手札に加え、デッキからヴェンデットモンスター1体を墓地へ送る。俺はデッキから2枚目のリヴェンデットボーンを手札に加え、2枚目のリヴェンデットスレイヤーを墓地に送る。そしてアドヴェンデットセイヴァーの効果発動‼︎ヴィンディクティブリチュアル‼︎自分の墓地のヴェンデットカード1枚を対象として、そのカードを手札に加える。俺は墓地からリヴェンデットボーンを手札に加える‼︎」

 

「 2枚も儀式魔法が手札に………」

 

「ここからが本番だ‼︎墓地に存在する妖刀ー不知火の効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、チューナー以外の自分の墓地のアンデット族モンスター1体を対象としてそのモンスターとこのカードを墓地から除外し、その2体のレベルの合計と同じレベルを持つアンデット族シンクロモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する‼︎俺は墓地に存在する妖刀ー不知火と刀神-不知火を除外‼︎剣に宿し無念の思いが、武士と重なり現世に現る‼︎憑依超越‼︎戦神ー不知火‼︎」

 

 

〈戦神ー不知火〉☆8 アンデッド族 炎属性

ATK3000→1800

 

 

炎の前に現れたのは武士と融合し、完全に実体化している妖刀に憑いていた武士の霊。

 

「戦神ー不知火の効果発動‼︎善因善果‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のアンデット族モンスター1体を除外してこのカードの攻撃力はターン終了時まで、除外したモンスターの元々の攻撃力分アップする‼︎俺が除外するのは麗神-不知火‼︎」

 

 

戦神ー不知火

ATK1800→4200

 

 

「っ、攻撃力は下げてるのに4200もあるですか………」

 

「まだ終わってないぞ‼︎逢魔ノ妖刀-不知火の効果発動‼︎このカードをリリースし、逢魔ノ妖刀-不知火以外の除外されている自分のモンスターの中から不知火モンスターを含むアンデット族モンスター 2体を対象として、そのモンスターを守備表示で特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。俺は先程除外された妖刀ー不知火と刀神-不知火を特殊召喚‼︎」

 

 

〈妖刀-不知火〉☆2 アンデッド族 炎属性

DEF0

 

 

〈刀神-不知火〉☆6 アンデッド族 炎属性

DEF0

 

 

「また妖刀ー不知火と刀神-不知火がフィールドに………でも、戦神ー不知火は1ターンに1度しか特殊召喚できないハズなのです」

 

「ああ、だから別の手を使う。天羽相手に加減など出来ないからな。俺は墓地に存在する不知火の師範の効果発動‼︎このカードが墓地に存在し、自分フィールドに不知火モンスターが 2種類以上存在する場合、このカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚した不知火の師範はフィールドから離れた場合に除外される」

 

 

〈不知火の師範〉☆2 アンデッド族 炎属性

DEF0

 

 

「うっ、不知火の師範のことをすっかり忘れていたのです。これでレベルの合計は10………くるですね、炎君の切り札が」

 

「ああ、行くぞ天羽‼︎俺は、レベル6、刀神-不知火と、レベル 2、不知火の師範に、レベル2、チューナーモンスター、妖刀-不知火をチューニング‼︎」

 

妖刀が浮かびあがり、光を纏いながら刀神と不知火の師範に向かって飛んでいく。

 

妖刀が刀神と師範の間の地面に突き刺さると、刀神と師範を取り囲むように地面から炎が舞い上がり、刀神と師範の姿を隠す。

 

しばらくして、炎が斬り払われるように霧散すると、炎の身体を持つ馬に乗った武士のモンスターが現れた。

 

「剣に宿し無念の思いが、神へと至る不知火となる‼︎シンクロ召喚‼︎憑依神化‼︎炎神ー不知火‼︎」

 

 

〈炎神-不知火〉☆10 アンデッド族 炎属性

ATK3500→2300

 

 

「出てきたですね………炎君の切り札、炎神ー不知火」

 

「除外された不知火の師範の効果にチェーンして炎神-不知火の効果発動‼炎魂入滅‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、アンデット族シンクロモンスターを任意の数だけ選んでEXデッキに戻し、その後、戻した数だけ相手フィールドのカードを選んで破壊できる‼︎俺は墓地に存在する刀神-不知火をEXデッキに戻して閃刀姫ーシズクを破壊する‼︎」

 

「っ、させないのです‼︎さらにチェーンしてリバースカードオープンなのです‼︎速攻魔法、閃刀機-イーグルブースターなのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのターン、その表側表示モンスターは自身以外のカードの効果を受けず、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、さらにこのターン、そのモンスターは戦闘では破壊されなくなるのです‼︎対象は勿論、閃刀姫ーシズクなのです‼︎」

 

炎神が刀を振り抜き、巨大な炎の斬撃がシズクに向かって放たれる。

 

その斬撃をシズクは背中に出現させたブースターで躱しきる。

 

「閃刀機-イーグルブースターが伏せられていたか………だが、まだ終わっていない‼︎不知火の師範の効果でこのカードが除外された場合、自分フィールドのアンデット族モンスター1体を対象として、そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで600ポイントアップする。対象は戦神ー不知火だ‼︎」

 

 

戦神ー不知火

ATK4200→4800

 

 

「っ、墓地に魔法カードが増えたことでさらに炎君のモンスターの攻撃力は下がるのです‼︎」

 

 

アドヴェンデットセイヴァー

ATK400→300

 

 

戦神ー不知火

ATK4800→4700

 

 

炎神-不知火

ATK2900→2800

 

 

「ふっ、それは焼け石に水というものだ。俺の炎はその程度の水では止められん‼︎バトル‼︎戦神ー不知火で閃刀姫ーシズクを攻撃‼︎」

 

「耐え抜くのです、閃刀姫ーシズク‼︎」

 

腰に携えた2つの刀を抜き、炎を纏わせて戦神はシズクに斬りかかる。

 

シズクが4つの盾を集めると、魔法陣が現れ、シズクを覆うように光の障壁を生み出す。

 

シズクはその障壁で戦神の刀を受け止め、刀から溢れる炎をエネルギーに変換し、魔法陣に吸収していくが徐々に障壁に亀裂が入り、押され始める。

 

「速攻魔法、アクションマジック-フルターン‼︎このターン、モンスター同士の戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは倍になる‼︎」

 

「ええっ⁉︎」

 

「戦神ー不知火の攻撃力は4700、閃刀姫ーシズクは1500。戦闘で発生するダメージは3200だ。つまり、3200の倍、6400のダメージが天羽に入る」

 

「リーネのライフポイントは5600………これを受けたらお終いなのです⁉︎っ、だったら‼︎チェーンしてリバースカードオープンなのです‼︎罠発動‼︎針虫の巣窟‼︎自分のデッキの上からカードを5枚墓地へ送るのです‼︎」

 

「ほぅ、そんなカードが伏せられていたか。確かに、針虫の巣窟で5枚の魔法カードが落ちれば閃刀姫ーシズクの効果で戦神ー不知火の攻撃力は4200に下がり、発生する戦闘ダメージは2700。倍のダメージが入っても5400になり、天羽のライフは残る。だが、それは落ちたカードが全て魔法カードであればの話だ」

 

リーネが発動したカードを見て、炎が不敵に笑う。

 

そんな炎に対し、リーネは覚悟を決めたような顔で笑い返した。

 

「それでも、やるっきゃないならやるだけなのです‼︎針虫の巣窟の効果で5枚のカードを墓地におくのです‼︎」

 

「行け、戦神ー不知火‼︎不知火流 輪廻刃‼︎」

 

リーネがデッキの上から5枚のカードを勢いよく引いて墓地に送る。

 

観戦している参加者が固唾を呑んで見守る中、シズクの障壁が砕け、戦神の刀を受けてシズクが吹き飛ばされる。

 

しかし、シズクは背中に出現させたブースターを起動し、さらに刀を地面に突き刺して勢いを殺して、息を切らし、数メートル吹き飛ばされながらも、なんとか踏み止まった。

 

 

アドヴェンデットセイヴァー

ATK300→0

 

 

炎神-不知火

ATK2300→1800

 

 

戦神ー不知火

ATK4700→4200

 

 

リーネ LP5600→200

 

 

「ふぅ、危なかったのです………閃刀姫ーシズクは閃刀機-イーグルブースターの効果で戦闘で破壊されないのです」

 

「ふっ、見事だ天羽。だが、次の攻撃を耐えきれるか?炎神-不知火で閃刀姫ーシズクを攻撃‼︎不知火流 煉獄ノ祓‼︎」

 

炎神が刀を抜き、空に掲げるとその刀に炎が集まっていき、炎が5メートル程の巨大な刀の姿を成す。

 

炎神はシズクに向かって、勢いよくその炎で出来た刀を振り下ろす。

 

「まだまだなのです‼︎リバースカードオープンなのです‼︎速攻魔法、旗鼓堂々なのです‼︎このターン、自分はモンスターを特殊召喚できなくなる代わりに、自分の墓地の装備魔法カード1枚をその正しい対象となるフィールド上のモンスターに装備するのです‼︎ただしこの効果で装備した装備魔法カードはエンドフェイズ時には破壊されるのです。リーネは墓地から装備魔法、魔界の足枷を炎神ー不知火に装備するのです‼︎」

 

「なにっ⁉︎そんなものが落ちていたのか⁉︎」

 

「さっきの針虫の巣窟で落ちたのですよ。魔界の足枷の効果で装備モンスターは攻撃する事ができず、攻撃力・守備力は100になるのです‼︎」

 

 

炎神-不知火

ATK3500→100→0

 

 

炎神が乗っている炎の身体を持つ馬の足に突如足枷が現れ、馬がよろけて炎神が態勢を崩す。

 

態勢を崩したことで炎の刀はシズクから逸れ、霧散した。

 

「耐えきられたか………メインフェイズ 2、カードを1枚伏せてターンエンドだ。エンドフェイズ時、炎神-不知火を縛っている魔界の足枷は破壊され、戦神ー不知火の攻撃力は元に戻る」

 

 

炎神-不知火

ATK0→1700

 

 

戦神ー不知火

ATK4200→1200

 

 

リーネ LP200 手札3

 

ーーー▲ー ー

ーーーーー

☆ ☆

ーー○ー○

ーー▲ーー ー

 

炎 LP7800 手札2

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「………凄い」

 

「これが『Trumpfkarte』同士のデュエル………というか、やっぱり炎さん、私の時は本気じゃなかったのね。分かってたことだけど、悔しいわね」

 

リーネさんと不知火さんの激しいデュエルに圧倒され、私と桜ちゃんは思わずそんな声を漏らす。

 

そんな私達に近くにいた闇先パイが首を傾げながら声をかけてくる。

 

「そんなに凄い?いつも通りの社長と炎だと思うけど」

 

「こ、これでいつも通りですか⁉︎」

 

「凄いに決まってるでしょ⁉︎闇は見慣れてるからそう思うだけよ‼︎」

 

「そんなこと言われても困る。それに、遊花と桜が目指してるのはそういう場所。2人もいずれ出来るようになる」

 

「ほ、本当かしら?」

 

「ん、私が保証する。だから、そんなに驚く必要はない」

 

「それはまた別の問題だと思うのですが………」

 

闇先パイの言葉に、私と桜ちゃんは頰を痙攣らせる。

 

桜ちゃんはともかく、私があんなデュエルが出来るようになるなんて全然思えないんだけど………でも、私が目指しているのはそういう場所なんだよね?

 

だったら、全然あんな風になれるなんて思えなくても、いつかはなれるように精一杯頑張らなくちゃ。

 

「ふふっ」

 

胸の前で握り拳を作り気合を入れていると、そんな私を見て闇先パイが無表情ながらも微笑ましそうに笑う。

 

そんな闇先パイに、私はふとデュエルを見ていて思ったことを訪ねる。

 

「あの、闇先パイ。少し聞きたいことがあるんですが………」

 

「ん、なに?」

 

「『Trumpfkarte』って、何か決まった戦術を使うとか決まってたりするんですか?」

 

「?そんなものはないけど………どうしてそう思ったの?」

 

「いえ、その、気のせいかも知れないんですが、リーネさんと不知火さんのデュエルが似ている気がして………」

 

「リーネさんと炎さんのデュエルが?」

 

「うん。リーネさんは閃刀姫モンスター1体を強化して戦ってるでしょ?不知火さんも桜ちゃんとのデュエルでは基本的にモンスター1体ずつを強化して戦ってたから………」

 

そういう私を見て、闇先パイは感心したような表情を浮かべ、それでいて少し困ったように口を開く。

 

「遊花はよく人を見れてる。だけど、別に決まった戦術があるわけじゃないよ。あれはあの2人がなるべく1人で戦うことに拘ってるだけ」

 

「拘ってる、ですか?」

 

「ん。あの2人、変に責任感が強いから、何でも1人で抱え込んじゃうの。それが多分、デュエルスタイルにも出てるんだと思う………もっと頼ってくれてもいいのにね」

 

そういって、闇先パイがリーネさんと不知火さんのデュエルに視線を移す。

 

視線を移した闇先パイは相変わらずの無表情で………だけど、どこか寂しそうだった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「流石は炎君なのです………もう後がないのですね」

 

「先程の攻撃を耐え切っておいてよく言うな。あれで決め切れたと思ったが、流石に天羽を倒すのは一筋縄にはいかないか」

 

そういって、リーネと炎はお互いに笑い合う。

 

しばらく笑い合うと、リーネは真面目な表情を浮かべて炎を見る。

 

「だけど、リーネもまだ負けるわけにはいかないのです。リーネには、この大会でやりたいことがありますから」

 

「やりたいことだと?」

 

「だからこそ、このデュエル、勝たせて貰うのです‼︎リーネのターン、ドローなのです‼︎スタンバイフェイズ、予見通帳の使用から3ターン経過したので、除外されていたカードを手札に加えるのです‼︎」

 

「くっ、手札が一気に増えてしまったか………」

 

「リーネはカードを1枚伏せて、魔法カード、手札抹殺なのです‼︎お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローするのです‼︎リーネは5枚、炎君は 2枚捨ててドローするのです‼︎」

 

「リヴェンデットボーンが捨てられてしまったか。1枚ぐらい使っておくべきだったか」

 

「さらに墓地に送られた妖刀竹光の効果発動なのです‼︎デッキから妖刀竹光以外の竹光カードをデッキから手札に加えるのです‼︎リーネはデッキから黄金色の竹光を手札に加えるのです‼︎さらにリバースカードオープン‼︎装備魔法、妖刀竹光を閃刀姫ーシズクに装備するのです‼︎」

 

「っ、もう1枚手札にあったのか‼︎」

 

シズクの手元に禍々しいオーラを纏った竹刀が現れる。

 

「そして魔法カード、黄金色の竹光なのです‼︎自分フィールドに竹光と名のついた装備魔法が存在する場合に発動でき、デッキからカードを2枚ドローするのです‼︎来たのです‼︎魔法カード、閃刀術式-ジャミングウェーブなのです‼︎」

 

「‼︎そのカードは………」

 

「自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象としてそのカードを破壊し、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、フィールドのモンスター1体を選んで破壊できるのです‼︎リーネは炎君のセットカードを破壊するのです‼︎」

 

「っ‼︎だが、それならば破壊される前に効果を使えばいいだけだ‼︎リバースカードオープン‼︎永続罠、不知火流 輪廻の陣‼︎1ターンに1度、 2つある効果から1つを選択して発動できる‼︎俺が使うのは自分フィールドの表側表示のアンデット族モンスター1体を除外してこのターン、自分が受ける全てのダメージを0にする効果だ‼︎俺はアドヴェンデットセイヴァーを除外して効果発動‼︎」

 

「そんなのムダムダ、なのです‼︎ライフポイントを半分払い、手札からカウンター罠、レッドリブートを発動なのです‼︎」

 

「なんだと⁉︎」

 

 

リーネ LP200→100

 

 

「相手が罠カードを発動した時、その発動を無効にし、そのカードをそのままセットするのです‼︎その後相手はデッキから罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできるのです。最もこのカード発動後、ターン終了時まで罠カードは発動できないですが」

 

「くっ………俺はデッキから不知火流 燕の太刀をセットする」

 

「閃刀術式-ジャミングウェーブの効果でセットされている不知火流 輪廻の陣と炎神-不知火を破壊するのです‼︎」

 

「だが、炎神-不知火の効果‼︎自分フィールドのアンデット族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地の不知火モンスター1体を除外できる。俺は墓地に存在する不知火の武部を除外して破壊を無効にする‼︎さらに除外された不知火の武部の効果発動‼︎自分はデッキからカードを1枚ドローし、その後手札を1枚捨てる」

 

「まだまだ終わらないのです‼︎手札を2枚捨てて自分の墓地の閃刀起動-エンゲージを対象として魔法カード、魔法石の採掘なのです‼︎墓地から閃刀起動-エンゲージを手札に加えるのです‼︎そしてそのまま閃刀起動-エンゲージを発動なのです‼︎デッキから閃刀機-ウィドウアンカーを手札に加えて、墓地に3枚以上魔法カードがあるので1枚ドローなのです‼︎」

 

「っ、閃刀機-ウィドウアンカーだと⁉︎あのカードは確か………」

 

「行くのです‼︎速攻魔法、閃刀機-ウィドウアンカーなのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの効果モンスター1体を対象として、そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にし、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、そのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る事ができるのです‼︎対象にするのは勿論、炎神-不知火‼︎」

 

シズクの腕にアンカーが装着され、シズクはそのアンカーを炎神に向けて放つ。

 

放たれたアンカーは炎神の身体を捉え、そのままリーネのフィールドに引きずり込んだ。

 

「リーネのフィールドに移動したことで炎神ー不知火の攻撃力は元の数値に戻るのです。そしてリーネの墓地の魔法カードは、今ので29枚になったのです」

 

 

炎神-不知火

ATK1700→3500

 

 

戦神ー不知火

ATK1200→100

 

 

「っ、攻撃力を100まで下げられたか………だが炎神-不知火が天羽のフィールドに移動したことで天羽はもうほとんどの閃刀魔法を使えない。俺のライフは7800、このターンで決められるとは考えにくい。次のターンに炎神-不知火は俺のフィールドに戻ってくる。そうすれば閃刀姫ーシズクをどうにかする方法などいくらでもある‼︎」

 

「分かっているのです‼︎だからこそ、炎君に次のターンはないのです‼︎」

 

「なんだと⁉︎」

 

「バトルフェイズなのです‼︎炎神-不知火で戦神ー不知火を攻撃‼︎」

 

「迎え撃て、戦神ー不知火‼︎不知火流 輪廻刃‼︎」

 

炎神が刀を抜こうとすると、その刀を抜かせまいと戦神が2つの刀を抜き、炎神に斬りかかる。

 

その刀を避けるように炎神は馬を走らせ、戦神から距離を取る。

 

「これがこのデュエルを終わらせる最後の魔法カードなのです‼︎リバースカードオープンなのです‼︎速攻魔法、アクションマジック-フルターンなのです‼︎」

 

「天羽もフルターンを使ってくるだと⁉︎」

 

「効果は勿論分かってるですね?このターン、モンスター同士の戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは倍になるのです‼︎そしてこのカードが墓地に落ちることでリーネの墓地の魔法カードは30枚になるのです‼︎これにより、戦神ー不知火の攻撃力はジャスト0なのです‼︎」

 

 

戦神ー不知火

ATK100→0

 

 

「くっ………戦神ー不知火‼︎」

 

「行くのです、炎神ー不知火‼︎不知火流 煉獄ノ祓‼︎」

 

距離を取った炎神が向かってくる戦神に対して刀を抜き、空に掲げると、その刀に炎が集まっていき、5メートル程の巨大な刀になる。

 

炎神は集まって巨大な刀になった炎を圧縮していき、通常のサイズの刀に変える。

 

刀が完成すると炎神は馬を走らせて戦神に近づくとすれ違い様に3度戦神を斬りつけると、戦神の身体が燃え上がり霊子になって消滅した。

 

 

炎 LP7800→800

 

 

「ぐっ………戦神ー不知火の効果発動‼︎六道輪廻‼︎フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合、除外されている自分の守備力0のアンデット族モンスター1体を墓地に戻す‼︎俺は除外されている不知火の師範を墓地に戻す‼︎」

 

Das ist das Ende( これで終わりなのです)‼︎閃刀姫-シズクでダイレクトアタックなのです‼︎」

 

シズクが炎に向けて霞の構えを取る。

 

「奥義………閃刀術式-ジャミングウェーブ起動」

 

リーネがそう呟くと、シズクの周りに4枚の盾が展開され、シズクの前方に魔法陣が出現する。

 

シズクがその魔法陣に飛び込むよう突っ込むと、魔法陣から先程の戦神との戦闘で吸収されたエネルギーがシズクの身体を覆い、水流となって現れる。

 

「貴方に送る Requiem( 鎮魂歌)です‼︎スヴァーヴァ‼︎」

 

水流を纏ったシズクはそのまま水流の勢いに乗って炎に突撃し、すれ違いざまに炎の身体を刀で斬り裂いた。

 

「………俺の負けか。やはり、天羽は強いな」

 

 

炎 LP800→0

 

 

ーーーーーーー

 

 

「そこまで‼︎勝者、天羽リーネ‼︎」

 

「ふぅ、頑張ったのです〜」

 

遊騎の宣言を聞き、ホッと息を吐くリーネに、炎が無愛想な表情で口を開く。

 

「負けてしまったな。やはり、我らの社長は一筋縄にはいかないらしい」

 

「むぅ、そういう言い方はよくないのです。それじゃあリーネが悪い人みたいなのです」

 

「はは、悪かった。このリベンジはまたいずれさせて貰うとしよう。それにしても、デュエルの最中に言っていたこの大会でしたいことと言うのは何のことだ?」

 

「えへへ、それはまだまだ内緒なのです。と言っても、結局それが出来るかはこの後の試合の結果次第なのですが」

 

「次の試合?………もしかして栗原が関係していることなのか?」

 

「あ、あはは」

 

核心を突いてくる炎に、リーネは曖昧に笑って返す。

 

そんなリーネの表情に何かを感じとったのか、炎はあえて何も聞かずにリーネに背を向けた。

 

「まあいい。天羽が考えてやろうとしていることだ、悪いことではないだろう。何か困ったことになれば、話してくれればいい」

 

「………ごめんなさい、なのです」

 

「構わんさ。負けることはないと思うが、次の試合も楽しみにしている」

 

「はいなのです。炎君達に無様なデュエルは見せられないですからね。リーネはいつだって、全力で行くのです」

 

「ふっ、そうか」

 

そう呟くと、炎は観戦席の方に戻っていく。

 

リーネも後に続こうとしたところで、遊騎に声をかけられる。

 

「リーネ」

 

「っ、遊騎君………」

 

「お前、一体何をするつもりなんだ?」

 

遊騎の困惑した表情での問いかけに、リーネは悲しそうに顔を伏せながら答える。

 

「………ごめんなさい、なのです。今は言えないのです」

 

「お前、もしかして事故のことを遊花に………」

 

「っ………さ、さあて、リーネは観戦席に戻るのです。遊騎君は運営も兼ねてるんですから、ちゃんとお仕事しないとダメなのですよ」

 

「あ、おい‼︎」

 

呼び止めようとした遊騎を振り切るように、そそくさとリーネは観戦席に戻っていく。

 

そんなリーネを見送りながら、遊騎はため息を吐きながら呟いた。

 

「………はぁ、アホめ………もっと人を頼れっての」

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「すまない、宝月。天羽に勝つことが出来なかった。カッコ悪いところを見せてしまったな」

 

「ちょっ⁉︎あんな凄いデュエル見せといて謝らないでよ⁉︎炎さんは十分凄かったわよ」

 

「そうだろうか?」

 

「ええ………だけど、炎さん。不器用なのは分かるけどいきなり頭を下げるとか止めてよね。心臓に悪いわ」

 

私達がリーネさんと不知火さんの凄まじいデュエルの余韻に浸っていると、観戦席に戻ってきた不知火さんがいきなり桜ちゃんに頭を下げて謝り、私は思わず唖然としてしまい、桜ちゃんは困った表情を浮かべて狼狽えていた。

 

そんな私達に助け舟を出すためか、闇先パイが不知火さんに口を開く。

 

「炎、桜達が困ってる。そこら辺にしておくべき」

 

「むっ、そうか。すまない、宝月、栗原」

 

「だ、だから謝らないでいいってば‼︎」

 

「そ、そうですよ‼︎あの、お疲れ様でした‼︎」

 

「ああ、ありがとう。だが、やはり俺も精進が足りないな」

 

「炎は十分頑張ってたと思う。いつもより善戦してた」

 

「それはそうだが………」

 

「待って、闇。今、 いつもより( ・・・・・)って言った?」

 

「ん?そうだけど?」

 

桜ちゃんの質問に闇先パイは何を尋ねているのか分からないとでも言うように首を傾げる。

 

そんな闇先パイの様子を見て、不知火さんは苦笑を浮かべながら口を開く。

 

「正直な話をすれば、『Trumpfkarte』の中でも天羽の実力は群を抜いておかしい。そのポテンシャルの高さは、冬城すらも抜いているだろう」

 

「ええっ⁉︎闇先パイより強いんですか⁉︎」

 

「じょ、冗談でしょ⁉︎」

 

「事実。実際、私と社長が戦ったらよくて勝率は五分、悪ければ私が三分ってところ。私の強さはたくさんデュエルをして身についた後付けのものだけど、社長の強さは社長自身の才能によるもの。社長自体がデュエルを見る方が好きで、社長という立場だからデュエルをしてこなかったから世界ランキングにはまだ入っていないけど、同じ頃にスタートしてたら、試合数的にもとっくに社長は世界ランキングに入れているハズ」

 

淡々と事実を述べるようにそう告げる闇先パイに、私と桜ちゃんは唖然としてしまう。

 

まさかリーネさんがそこまで強い人だなんて思わなかった。

 

というよりも、私には闇先パイが負けている姿を想像する方が難しい。

 

普段から色々と教えて貰いながらデュエルをしているから、闇先パイの凄さはよく分かっている。

 

そんな闇先パイよりも強い決闘者がいるなんて………

 

「それじゃあ次の試合に移ろうと思う。2回戦第2試合、デュエルアカデミア所属、栗原 遊花VS無所属、雨夜 美傘。両選手は試合の準備を頼む」

 

そんな中、師匠の次の試合のアナウンスが聞こえてきて、私はハッとして首をぶんぶんと振るって、頭の中から今考えていたことを吹き飛ばす。

 

そうだ、次は私と美傘さんの試合。

 

美傘さんは全ての召喚方法を使いこなして霊華さんを圧倒した実力者で、師匠からアドバイスを受けたことがある決闘者。

 

今は余計なことは考えないで、今自分にできることを………次の試合も、精一杯頑張ってデュエルをしよう。

 

それがまだまだ弱い私に出来る唯一のことなんだから。





次回予告

同じ遊騎に指導を受けた者として、美傘とのデュエルに臨む遊花。
美傘の変幻自在なデュエルに翻弄されながらも、遊花は必死に美傘に食らいついていく。
そんな遊花に、美傘の想定外の切り札が牙を剥く。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『護り手VS暴風雨・心に刻む信念』


次回、遊花VS美傘回。
美傘の想定外の切り札とは?
遊花は奇想天外な美傘のデュエルに打ち勝つことはできるのか?
次回をお楽しみに。
そして今回のリーネと炎のデュエルはリーネに軍配が上がりました。
どちらも割と一極集中で戦うタイプのデッキになっているのですが、思ったより一騎打ち的な感じにならなかったなと少し反省しています。
まあ、不知火の新規でかなり展開力が上がったからですけどね。
新規不知火カードを全て出し切れなかったのが残念。
それをいうと閃刀姫の新規も出せなかったですが。

それでは今回はここまでです。
皆さんは今日発売の最新弾は買われたのでしょうか?
ブレイドJは2箱買い、結果が守護竜リンクが各2枚ずつ(アガーペインは両方ともシークレット)でネオス系とヴァレルロードSドラゴン
が0という結果に困惑しています、守護竜を作れとでも言われてるのでしょうか?
とりあえずヴァレルロードSドラゴンは確保しにいかねば。
ではでは〜

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